直帰率とは|計算方法と目安をわかりやすく解説
「直帰率とは何の割合なのか」「どのように計算されるのか」「離脱率と何が違うのか」など、疑問に感じているのではないでしょうか?直帰率は、集客力・回遊性向上をさせるために行うWEBサイトの分析で重要な指標です。この記事では、直帰率の概要から調べ方、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
直帰率とは?
「直帰率」とは、訪問者がWEBサイトに訪れた後、他のページを見ることなくそのWEBサイトを離れた割合のことです。
例えば、あなたのWEBサイトに100人の訪問者があり、そのうちの40人が最初に訪れたページを見ただけでサイトを離れた場合、直帰率は40%となります。
Googleアナリティクスのヘルプには、以下のように記載されています。
直帰率:直帰率とは、1 ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値です。
アナリティクスヘルプ:直帰率
直帰とは、訪問者がWEBサイトに訪れた後、1つのページだけを閲覧してそのサイトを離脱することを意味します。
サイトに訪れた最初のページで、以下のアクションを取った場合は直帰となります。
- ブラウザの戻るボタンをクリックする
- ページを✖ボタンで閉じる
- アドレスバーに新しいURLを入力する
- セッションタイムアウト
直帰率は、WEBサイトのコンテンツやユーザビリティについての満足度を測る上で1つの指標となります。
直帰率の計算方法は「直帰数」÷「総セッション数」×100
直帰率の計算方法は、「直帰数」÷「総セッション数」×100です。
例えば、あるサイトの総セッション数が1000で、そのうち300セッションが直帰した場合、
300÷1000×100=30
という計算で、直帰率は30%となります。
シンプルな公式なので、アクセス解析を行う担当者の方は覚えておきましょう。
直帰率と離脱率の違い
離脱率は、全てのページビューの中で、そのページが「最後に見たページ」だった場合の割合です。離脱率が特定のページで高い場合は、そのページがユーザーを引き留められない何かしらの原因があると考えられます。
【直帰率と離脱率の計算方法】
- 直帰率:直帰したセッションを全セッション数で割ったものです。
- 離脱率:あるページがセッションの最後のページであった回数を、そのページの総ビュー数で割ったものです。
Googleアナリティクスのヘルプには、それぞれの違いが以下のように記載されています。
離脱率:個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。
アナリティクスヘルプ:直帰率と離脱率の違い
直帰率:そのページから始まったすべてのセッションで、そのページがセッションに存在する唯一のページだった割合を示します。
直帰率と離脱率は、WEBサイトの分析においてよく混同されますが、それぞれ異なるユーザー行動を測定しています。
離脱率については、別のページで詳しく解説しています。
直帰率と離脱率の違い早見表
直帰率と離脱率の違いを詳細に説明する表を作成しました。
改善の方法などは共通する部分もありますが、定義や利用方法は異なるためしっかり覚えるようにしましょう。
項目 | 直帰率 | 離脱率 |
---|---|---|
定義 | 訪問者が単一ページを見てサイトを離れる割合 | 訪問者がサイト内にあるページから離れる割合 |
目的 | WEBサイトの第一印象と個々のページの効果を測定する | サイト内で離脱が起きているページを特定 |
計算方法 | 「直帰率」÷「総セッション数」×100 | 「離脱した訪問者数」÷「総訪問者数」×100 |
主な利用シーン | ・ランディングページの効果測定 ・広告キャンペーンの効果測定 | ・エントリーフォームの効果測定 ・CVに近いページの効果測定 |
改善の方法 | ・モバイルページの対応 ・ページの表示速度の改善 ・UI/デザインの改善 ・関連ページへの導線作成など | ・エントリーフォームの改善 ・ページの表示速度 ・UI/デザインの改善 ・関連ページへの導線作成など |
直帰率の目安
一般的に、直帰率の目安は40%前後と言われています。ただし、直帰率はWEBサイトの種類や流入経路、ユーザーの目的など条件によって大きく変わるため一概に定めることはできません。
たとえば、「富士山の高さ」について調べているユーザーは1つの記事を読めば目的を達成するため、そのページの直帰率は高くなります。また、オンラインショッピングのサイトに訪問したユーザーは目的の商品だけではなく、関連する商品のページもクリックする傾向があるため前述した富士山の例よりも直帰率は低くなります。
楽天市場や、Amazonで買い物をした事がある人ならイメージしやすいのではないでしょうか?
そのため、直帰率の目安や平均を気にする必要はありません。
直帰率の活用方法
直帰率に一定の目安や平均がないということは理解していただけたと思いますが、直帰率を無視して良いわけではありません。直帰率は、何かと比較する事で有効活用することが出来ます。
たとえば、WEBサイトをリニューアルした場合、変更前後で直帰率を比較することにより、リニューアルがユーザー体験に及ぼした影響を具体的に把握することができます。
また、異なる広告設定を試した場合にも、それぞれの設定が直帰率にどのような効果をもたらしたかを分析することが可能です。
このように、直帰率を単独の指標としてではなく、何かと比較を行うことでWEBサイト全体のパフォーマンス向上に役立てることができます。
直帰率が高くなる原因
直帰率が高くなる原因として、考えられるのは以下になります。
- ページにユーザーが求めている情報が無かった
- ページの読み込み速度が遅い
- ページがモバイルデバイスに対応していない
- UIやデザインに問題がありページが見づらい
- 他のページへの導線が無い
- ファーストビューが魅力的ではない
それぞれ詳しく解説します。
ページにユーザーが求めている情報が無かった
ユーザーが求めている情報がページ内に存在しない場合は、直帰率が高くなります。
検索ユーザーは何らかの情報や回答を求めて検索を行うため、ページに欲しい情報が記載されていないと分かれば検索をしなおして別のサイトに訪問します。
例えば、直帰率の原因を具体的に知りたいユーザーに対してページ上に書いてある事が、「直帰率の原因はページが魅力的ではないからです」だけでは検索意図やユーザーニーズを満たしているとは言えません。
上記は極端な例ですが、ユーザーの検索意図やニーズを満たすコンテンツが何かを考えた上で、ページを作成しましょう。
ページの読み込み速度が遅い
ページの読み込み速度が遅い場合は、直帰率が高くなります。
ユーザー自身の通信環境が原因でページの読み込み速度が遅い場合は仕方ないですが、通信環境が整っている状態で中々ページが開かない場合、ユーザーはストレスを感じサイトから離脱してしまう傾向があります。
2018年にGoogleが行った調査結果によると、ページの読み込み速度が長くなると直帰する確率が以下のように増えていきます。
- ページの読み込み時間が1秒~3秒に増加:直帰する確率が32%増える
- ページの読み込み時間が1秒~5秒に増加:直帰する確率が90%増える
- ページの読み込み時間が1秒~6秒に増加:直帰する確率が106%増える
- ページの読み込み時間が1秒~10秒に増加:直帰する確率が123%増える
【参考資料】
Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed
ページ速度の測定は、Googleが提供する「PageSpeed Insights」で計測することができます。
尚、ページ速度を改善する方法は別記事で詳しく解説しています。
ページがモバイルデバイスに対応していない
モバイル用のページを用意していない場合、スマホユーザーの直帰率が高くなります。
スマートフォンでデスクトップ用のページを閲覧すると、文字や画像が小さく表示されるためページの内容を読みづらくストレスとなります。
また、ボタンのタップやリンクをクリックする際に誤タップが発生しやすく、目的のページへ遷移しづらくなるため直帰率が高くなります。フォントサイズや画像のサイズがデバイスごとに最適な大きさで表示されるように、レスポンシブデザインでページを作成しましょう。
UIやデザインに問題がありページが見づらい
ユーザーにとって見づらいデザインや、使いづらいUIのページは直帰率が高くなります。
メインコンテンツに画像やイラストが無くテキストだけで構成されている場合や、バナーやリンクが不規則に並んでいてどこに何があるのか分からないページは、目的の情報を探すのに手間がかかるためストレスを感じます。
グローバルナビゲーションやサイドナビを設置したり、パンくずリストの設置や適切な位置に別のページへの内部リンクを設置するなどして、目的のページに遷移しやすい動線を作ることが大切です。
他のページへの導線が無い
他のページへの導線が無い場合や、見つけづらい場合は直帰率が高くなります。
ユーザーが他のページへ移動するには、ページ内にあるリンクをクリックするしか方法がありません。そのため、別ページへの導線が無い場合や導線が分かりづらい場合は、どれだけ良いコンテンツでもユーザーはページから離脱してしまいます。
広告用に作成したLPのように、最初に流入したページでコンバージョンさせる目的であれば問題ありませんが、記事ぺージやサービスページの場合はコンバージョンに近いページへの内部リンクを設置しておきましょう。
ファーストビューが魅力的ではない
ファーストビューが魅力的でないと直帰率が高くなります。
WEBサイトを訪れるユーザーは、短い時間でそのサイトに価値があるかどうかを判断するため、最初に目に入るファーストビューを魅力的にする必要があります。
直帰率を改善するには、ファーストビューのデザイン性を高めるだけではなく、ユーザーに「何についてのページなのか?」を正確に伝えることが重要です。
直帰率を調べる方法
Googleが提供している、Googleアナリティクス(Google Analytics)というアクセス解析ツールを使うことで、ページ単位やWEBサイト全体の直帰率を確認することができます。
GA4で直帰率を調べる方法は、「標準レポート」と「探索レポート」の2パターンあります。
探索レポートから直帰率を調べる方法
- 左メニューから「探索」をクリックし、「データ探索」の一覧から「自由形式」をクリックします。
- 画面左側の列の中にある「変数」タブの下にある「指標」の「+」をクリックします。
- 指標の選択画面が表示されるので、上部の検索窓に「直帰率」と入力します。
- 画面下に直帰率のチェックボックスが表示されるのでチェックを入れます。
- 「設定」タブの下にある「値」をクリックすると、「直帰率」が表示されるので選択します。
- 右側の画面に直帰率が表示されます。
直帰率は「列」「行」「セグメント」を選択することで、様々な条件で設定することができます。
標準レポートから直帰率を調べる方法
- 左メニューから「レポート」をクリックして、「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を選択します。
- 画面の右上に表示される「鉛筆マーク」を選択します。
※ 付与されているGA4の権限の種類によっては、鉛筆マークが表示されない場合があります。 - 「レポートをカスタマイズ」の画面内にある「指標」をクリックします。
- 指標の中にある「指標を追加」をクリックすると候補が表示されるので、「直帰率」を選択します。
- 「適用」をクリックして完了です。
まとめ
今回は、直帰率の概要から調べ方、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで解説しました。
直帰率の改善で重要なことは、どのページの直帰率を改善するかです。広告を出稿している場合はランディングページの直帰率を改善するだけですが、複数の経路から流入しているWEBサイトの場合、すべてのページの直帰率を改善するのは効果的ではありません。
コンバージョンに繋がるページの直帰率を確認し、ユーザーが直帰している要因を解消して直帰率を改善しましょう。
【その他のアクセス解析指標】
ぜひ、読んで欲しい記事
- SEO対策構造化データとは?SEO効果とメリット・書き方を解説2024/11/27
2024/11/27
- SEO対策被リンクとは?SEO効果の高いリンクをわかりやすく解説2024/11/27
2024/11/27
- SEO対策SEO外部対策とは?やり方と注意点を徹底解説2024/11/25
2024/11/25
- SEO対策内部リンクとは?貼り方とSEO効果について解説2024/11/25
2024/11/25
- SEO対策更新頻度とSEOの関係は?最適なコンテンツの管理方法を解説2024/10/28
2024/10/28
- SEO対策ブラックハットSEOとは?ホワイトハットSEOとの違いと手法一覧2024/10/17
2024/10/17