SEO対策 離脱率とは?計算方法と改善方法を解説

「離脱率とは何と何の割合を示しているのか」「離脱率はどのように計算されているのか」「離脱率を改善するには、どうすれば良いのか」など疑問に感じているのではないでしょうか?この記事では、離脱率の概要から直帰率との違い、確認方法、計算方法、改善方法まで初心者にも分かりやすく解説します。
離脱率とは
「離脱率」とは、特定のページにアクセスした回数に対し、ユーザーがどこのページを最後に離脱しているのかの割合を示す数値です。
ここで言う「離脱」は、サイト内の他のページへ移動しないままブラウザを閉じた場合、もしくは外部サイトへ移動した場合を指します。あるユーザーがページAを閲覧し、次にページBを閲覧した後でサイトから離脱した場合、ページAの離脱数は0、ページBの離脱数は1とカウントされます。
ユーザーがどのページで離脱しているのか、離脱率が高いページはどれなのかを把握する指標として、離脱率が利用されています。一般的には離脱率は低い方が良いとみなされていますが、サイトの目的やページによっては高くても問題がない場合もあります。
リードを獲得することが目的のサイトの場合、TOPページや流入が多いページ、エントリーフォームで離脱されていては意味がありません。エントリーフォームに最後まで入力してもらい、確認画面に移動してもらう必要があります。
つまり、エントリーフォームの離脱率が高いことは問題ですが、入力後に表示される確認画面では高くて当然なわけです。
一方、アドセンス広告やアフィリエイト広告の収入が目的の場合、広告が設置されたページの離脱率が高くても問題はありません。ページを訪れたユーザーが広告をクリックすれば、必然的にページから離脱することになるからです。
また、以下のようにランディングページを別のドメインで作成している場合も、離脱率が高くても問題ありません。
・集客用のサイト、ページ:https://white-link.com/sem-plus/
・ランディングページ:https://plusword.white-link.com/
集客用のページから、ランディングページへ離脱してもらうことがサイトの目的だからです。上記のように離脱率を改善すべきかどうかは、サイトの目的やページの構造によって異なります。
ECサイトのように商品・サービスを提供しているサイトや、集客から成約まで同一サイトで完結しているサイトでは、離脱率の改善は重要です。
一方、アドセンスサイトやアフィリエイトサイトのように自サイトから離脱してもらうことが目的のサイトや、コンバージョンを獲得するページが別ドメインの場合は、離脱率だけを改善しても効果的ではありません。
後述する離脱率の計算方法を理解したうえで改善すべきかどうかを検討しましょう。
離脱率の計算方法
離脱率は、PV数と離脱数から算出できます。PV数とは、特定のページが画面に表示された回数です。離脱数は、特定のページからユーザーが離脱した回数を指します。
離脱率の計算式は以下の通りです。
特定のページの離脱率(%)=特定のページの離脱数÷特定のページのPV数×100
また、WEBサイト全体の離脱率を計算する方法は以下になります。
WEBサイト全体の離脱率(%)=サイト全体の離脱数÷サイト全体のPV数×100
離脱率と直帰率の違い
離脱率と直帰率の違いは、離脱率が特定の1ページを含むセッションのうち、その特定の1ページを最後に見たのちに離脱した割合に対し、直帰率は特定の1ページだけを見て離脱した割合です。
直帰率は、以下の計算式で算出されます。
直帰率(%)=特定のページの直帰数÷特定のページのセッション数×100
100人のユーザーが初めにページAを閲覧し、30人がページAで離脱し、70人がページBへ移動した後で離脱した場合の離脱率と直帰率の例です。
ページA | ページB | |
PV数 | 100PV | 70PV |
離脱数 | 30 | 70 |
離脱率 | 30% | 100% |
直帰数 | 30 | 0 |
直帰率 | 30% | 0% |
上記の表における、ページBの70PVはページAを経由したものであり、ページBから開始されたセッションは0なので直帰数も0、直帰率は0%となります。
直帰率について別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
離脱率の確認方法
サイトの離脱率は、Googleが提供しているGoogleアナリティクス4(GA4)で確認できます。
離脱率を確認するには、Googleアナリティクス(GA4)の設定をおこなう必要があります。ただし、確認できる離脱率は設定後の数値だけなので、設定直後では十分なデータが揃っておらず不十分なデータしか得られません。
また、Googleユニバーサルアナリティクス(UA)は2023年7月1日以降はデータを収集しなくなるため、正確な離脱率を得ることができません。
▼ Googleアナリティクス4(GA4)で、離脱率を確認する手順は以下の通りです。
- 画面左側のメニュー「探索」をクリック
- 「自由形式」をクリック
- 「ディメンション」をクリック
- 「ページ/スクリーン」の「ページタイトルとスクリーン名」横のチェックボックスをクリック
- 画面右上の「インポート」をクリック
- 「ディメンション」の「ページタイトルとスクリーン名」を「行」へドラッグ
- 「指標」をクリック
- 「ページ/スクリーン」の「離脱数」と「閲覧開始数」横のチェックボックスをクリック
- 画面右上の「インポート」をクリック
- 「指標」の「離脱数」と「閲覧開始数」を「値」へドラッグ
- 「離脱数」と「閲覧開始数」から離脱率を計算する
Googleユニバーサルアナリティクス(UA)には、「離脱率」という項目がありますが、Googleアナリティクス4(GA4)に「離脱率」という項目は存在しないので、「離脱数」と「閲覧開始数」から離脱率を計算する必要があります。
離脱率の改善方法
離脱率の改善方法は以下の6つです。
- エントリーフォームを改善する
- ページの表示速度改善する
- ページのデザイン・フォントを見直す
- ページタイトルとページの内容を一致させる
- ユーザーに分かりやすいサイト内動線を作る
- 不要な発リンクを削除する
エントリーフォームを改善する
エントリーフォームを改善することで、エントリーフォームが設置されたページの離脱率を改善できます。なぜなら、ユーザーにとって入力しづらいエントリーフォームだと、面倒になり最後まで入力せずに離脱してしまうからです。
▼ ユーザーがエントリーフォームから途中離脱する理由として、以下の内容が想定できます。
- 入力項目が分かりにくい
- 入力する項目が多すぎる
- 全角・半角を間違えるとエラーが発生する
▼ 具体的には、以下のような方法で改善します。
- フォームの入力項目を減らす
- 自動入力機能を入れる
エントリーフォーム最適化については、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
ページの表示速度改善する
ページの表示速度を改善することで、離脱率を改善できます。なぜなら、ページの内容が表示されるまでに時間がかかりすぎることは、多くのユーザーにとってストレスだからです。
【表示速度低下による離脱率の変化】
表示速度の変化 | 離脱率 |
1秒~3秒 | 32% |
1秒~5秒 | 90秒 |
1秒~6秒 | 106% |
1秒~10秒 | 123% |
ページの速度は、page speed insightsで確認できます。
▼ ページの表示速度を改善する方法は以下の通りです。
- 画像ファイルの形式を変更する
- 画像のデーター量を減らす
- ソースコードを圧縮する
- 不要なプラグインを削除する
- AMPを設定する
ページのデザイン・フォントを見直す
ページのデザインやフォントを見直すことで、離脱率を改善できます。なぜなら、ユーザビリティが低いサイトは、ユーザーに強いストレスを与えるからです。
特に、モバイルユーザーにとっての使いやすさ、読みやすさは重要な要素となっています。スマホでページを開いた時にレイアウトが崩れていないか、スマホからでも読みやすいフォントサイズになっているかを確認しましょう。
ページタイトルとページの内容を一致させる
ページタイトルとページの内容を一致させることで、離脱率を改善できます。なぜなら、ほとんどのユーザーはタイトルを確認したのちに、ページに訪問するからです。ページタイトルと、ページの内容が一致していない場合、満足するユーザーはいないでしょう。
例えば、「パンの作り方」というタイトルのページにチャーハンの作り方が書いていた場合、ほとんどのユーザーはページになんらかの不具合があったか、手違いがあったと考えるでしょう。
離脱率の改善というより、サイトの運営者としてページタイトルとページの内容を一致させることは当たり前の話です。
ユーザーに分かりやすいサイト内動線を作る
ユーザーに分かりやすいサイト内動線を作ることで、離脱率を改善できます。なぜなら、ユーザーが次に見るべきページの発見がしやすく移動も容易になるからです。ページ内に他のページへ移動するためのリンクがない、もしくは見つけにくい状態だと、諦めて離脱することになるでしょう。
ヘッダーやサイドバーといった一目で分かる箇所に、グローバルナビゲーションを設置する、パンくずリストを設置するなどの方法で、特定のページだけでなくサイト全体の離脱率を改善できます。
グローバルナビゲーションについて、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
不要な発リンクを削除する
不要な発リンクを削除することで、離脱率を改善できます。なぜなら、外部サイトへのリンクが設置されていると、ユーザーは外部サイトへの移動を強いられるため少なからずストレスが掛かり、サイトから離脱する可能性が高くなるからです。
ただし、必要な発リンクまで削除してしまうと、ユーザーの利便性を低下させるだけでなく、逆に離脱率を高めることになるかもしれません。
例えば、特定のサービスを紹介するページで、サービス内容だけを解説してリンクが貼られていない場合、興味を持ったユーザーはサービス名で検索してページを探そうとするかもしれません。わざわざ検索する手間がかかるうえに、ページから離脱する点は同じです。
また、ページの権威性を高めるために外部サイトへリンクを貼るケースや、文章を引用するためにリンクを貼るケースなど、リンクを削除できないケースもあります。明確に不要な発リンクは削除すべきですが、必要な発リンクは削除するのではなく、別タブで開くように設定しましょう。
通常のリンクは同じタブで開くため離脱したことになりますが、以下のようにリンクを別タブで開くように設定しておけば、離脱したことにはなりません。
<a href=”https://white-link.com/sem-plus/wp/” target=”_blank”>SEM Plus</a>
リンクタグについて、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
離脱率を改善すべきページ
離脱率を改善することで高い効果が期待できるページは以下の3つです。
- エントリーフォーム
- TOPページ
- 流入が多いページ
すべてのページで離脱率を改善するのではなく、効果が期待できるページから優先して作業を進めましょう。
エントリーフォーム
前述した通りエントリーフォームは、優先して離脱率を改善する必要があります。本来であれば、エントリーフォームで必要事項を入力したあとは確認ページなどへ移動するため、離脱率は低いはずだからです。
ユーザーがエントリーフォームに辿り着いたということは、基本的にそこまでの流れに不満はなく、個人情報を入力する意志があったことを意味します。それでもなお、エントリーフォームで入力を完了せずに離脱してしまうということは、エントリーフォーム自体に欠陥があったと言えるでしょう。
離脱率の改善方法で紹介した内容を反映させ、エントリーフォームを改善し離脱率を低くすることで、サイト本来の目的が達成できます。
TOPページ
TOPページは、優先して離脱率を改善する必要があります。なぜなら、コーポレートサイトやサービスサイトの場合はTOPページからの流入が一番多いからです。
▼ TOPページから離脱するケースには以下の2つがあります。
- TOPページから流入し離脱したケース
- 別のページからTOPページへ移動したのち離脱したケース
TOPページから流入してそのまま離脱した場合、TOPページもしくはサイトの構造に問題があるはずです。この場合、離脱率だけではなく直帰率も高くなります。
一方、離脱率が高く直帰率が低い場合は、TOPページではなくサイトの構造に問題があるかもしれません。なぜなら、ユーザーが他のページからわざわざTOPページへ戻る理由はないからです。
ユーザーがページを回遊しようとした際に、移動方法が分からずTOPページへ戻ったものの、結局諦めて離脱したと想定されます。この場合、TOPページの離脱率を改善しただけでは根本的な問題は解決できません。
どのような経路からTOPページへ流入したのか、なぜTOPページで離脱したのかを確認し、問題点を解決する必要があります。
流入が多いページ
流入が多いページは、優先して離脱率を改善する必要があります。なぜなら、流入が多いページで離脱率が高いということは離脱数も高いことを意味しており、多くのユーザーからコンバージョンを獲得するチャンスを逃していることになるからです。
PV数が10のページより、PV数が1万のページの離脱率を改善した方が、費用対効果が高くなります。ただし、PVが少ないページでも、問い合わせページへ移動する割合が高いページなどコンバージョンに近いページについては、離脱率を優先して改善した方が効果的な可能性が高いです。
逆に、サイトの目的とかけ離れたページや、主要なターゲットではないユーザーが流入しているページについては、流入数が多かったとしても、離脱率を改善することで十分な効果が得られないかもしれません。
離脱率を改善できるツール
離脱率の改善に繋がるツールを導入することで、離脱を防ぎCVRの向上にも繋がります。
▼ 離脱率の改善に効果的なツールは以下の2つです。
- チャットボット
- ポップアップツール
チャットボット
サイトにチャットボットツールを導入することで、離脱率を改善できます。
なぜなら、ユーザーにとって知りたい情報をチャットボットが提供することで、ユーザー自身が情報を探すことなく、答えを知ることができるからです。時間を要することなく、サイトを回遊できるため、ユーザー離脱を防げると言えるでしょう。
また、チャットボット上で、問い合わせフォームなどの手続きが完了できる設定を行えば、面倒な入力が無くなり、CV直前での離脱の防止にも繋がります。
▼ 代表的なチャットボットには以下のようなものがあります。
ポップアップツール
サイトにポップアップツールを導入することで、ユーザーの状況に応じて最適なポップアップが画面に表示されるため、離脱率の改善に繋がります。
例えば、ECサイトではカートに商品を入れたままページを離れようとするユーザーも多いはずです。その場合、「買い忘れはありませんか?」などのポップアップを表示させることで、ユーザー離脱を防ぎ購買の後押しをすることが可能です。
その他、エントリーフォームや決済までの流れが多い場合には、残りのステップ数を表示することで、ユーザーのストレスを防ぎ離脱防止になるでしょう。
▼ 代表的なポップアップツールには以下のようなものがあります。
離脱率に関するよくある質問
離脱率に関するよくある質問と回答をご紹介します。
離脱率の平均とは?
離脱率に平均はありません。離脱率が高い低いかというデータだけではサイトの目的に貢献できるかを図ることができないからです。
離脱率が高くても問題がないページとは?
離脱率が高くても問題がないページは以下の通りです。
- エントリーフォーム入力後の確認ページ
- アンケート入力後のサンクスページ
- アドセンス広告・アフィリエイト広告が設置されたページ
- 外部サイトへ誘導することが目的のページ
まとめ
今回は、離脱率の概要から直帰率との違い、確認方法、計算方法、改善方法を解説しました。
離脱率とは、特定のページで離脱したセッションの割合です。エントリーフォームのようにコンバージョンに近いコンテンツが設置されたページの離脱率が高い場合、改善することで大きな効果が見込めます。
また、TOPページや流入が多いページの離脱率を改善することで、サイト全体の回遊性を向上することも可能です。サイト全体、あるいは特定のページの離脱率が高い場合は、原因を特定し改善するようにしましょう。
【その他のアクセス解析指標】