SEO対策 直帰率とは│離脱率との違いと平均目安を解説

「直帰率とは何の割合なのか」「どのように計算されるのか」「離脱率と何が違うのか」など、疑問に感じているのではないでしょうか?直帰率は、集客力・回遊性向上をさせるために行うWEBサイトの分析で重要な指標です。この記事では、直帰率の概要から調べ方、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
直帰率とは
「直帰率」とは、WEBサイトを訪れたユーザーのセッション総数のうち、最初にアクセスしたページから他のページへ移動することなく離脱したユーザーのセッションの割合です。
「直帰」とは、ユーザーがサイトを訪問し、他のページへ移動せずに離脱した状態を指します。
▼ 直帰率は、以下の計算式で算出されます。
直帰率=直帰したセッション数÷総セッション数×100
直帰率を参照する上で重要なことは、算出時に用いられる指標がPVでなくセッションである点です。
ユーザーが直帰した場合、PV数もセッション数も1になります。一方、直帰率を算出する際には総PV数ではなく総セッション数を分母とします。
【ページAの直帰率を計算する場合の例】
- ページのPV数:15,000
- ページのセッション数:10,000
- 直帰したセッション数(PV数):3,000
直帰率=3,000÷10,000×100=30%
ページのPV数を参照し、3,000÷15,000×100=20%、となるわけではありません。
直帰率を確認・改善する理由は、ユーザーが直帰するとコンバージョンに結びつかないからです。
【オーガニック検索から流入したユーザーが問い合わせページで個人情報を入力するまでの流れ】
- ユーザーが検索画面でページリンクをクリックする
- ユーザーがページを閲覧・サイトを回遊し問い合わせページへ移動する
- 個人情報を入力して送信する
【広告をクリックしたユーザーが商品を購入するまでの流れ】
- ユーザーが広告をクリックする
- ランディングページへ移動する
- 商品購入ページへ移動する
- 商品を購入する
上記のように、コンバージョンが発生するのは問い合わせページや商品購入ページです。検索から流入したページやランディングページで離脱した場合、コンバージョンが発生しなかったことを意味します。
例えば、100人のユーザーがサイトを訪れ、直帰率が60%だった場合、60人のユーザーはコンバージョンが発生する可能性が全くないまま離脱したことになります。
直帰率を下げることで、コンバージョンが発生する可能性を高めることができます。
直帰率の調べ方
Googleが提供している、Googleアナリティクス(Google Analytics)というアクセス解析ツールを使うことで、ページ単位やWEBサイト全体の直帰率を確認することができます。
Googleアナリティクスは多くのWEBマーケターやWEBサイト運営者から利用されていますが、Googleアナリティクス(UA)は、2023年7月1日にサポートが終了になります。
2023年7月1日以降は、Googleアナリティクス(UA)で直帰率を確認することができなくなるため、Googleアナリティクス(GA4)を導入する必要があります。
ただし、Googleアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス(GA4)では直帰率の定義が異なるため注意が必要です。これから直帰率を確認しようとする場合や、今までGoogleアナリティクス(UA)を利用していた担当者は、早めにGoogleアナリティクス(GA4)を導入しましょう。
Googleアナリティクス(GA4)で直帰率を調べる手順
Googleアナリティクス(UA)と、Googleアナリティクス(GA4)では直帰率の定義が異なります。
Googleアナリティクス(GA4)における直帰率は、エンゲージメントを獲得できなかったセッションの割合です。エンゲージメントとは、ユーザーは何らかの操作をおこなったり、一定の時間以上サイト内に滞在したりした状態を指す用語です。
■ Googleアナリティクス(UA)の直帰率の定義
ページで何も行われなかった 1 ページのみのセッションのパーセント数。
[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス
■ Googleアナリティクス(GA4)の直帰率の定義
エンゲージメントのなかったセッションの割合。
[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス
▼ Googleアナリティクス(GA4)で直帰率を調べる手順
- Googleアナリティクス(GA4)にログインする
- 「探索」をクリックする
- 「空白」を選択する
- 「変数」のディメンションの[+]をクリックする
- 「ページ/スクリーン」をクリックする
- 「ページタイトル」にチェックを入れる
- 「インポート」をクリックする
- 「変数」の指標の[+]をクリックする
- 「セッション」をクリックする
- 「直帰率」にチェックを入れる
- 「インポート」をクリックする
- 「ページタイトル」を選択し、「直帰率」を値へドラッグ&ドロップする
直帰率と離脱率の違い
直帰率は1つのページしか訪問していないセッションをペースに算出する指標であるのに対し、離脱率はすべてのセッション、すべてのページビューをベースに算出する指標です。
▼ 例えば、以下のようなアクセスを例に直帰率と離脱率を考えてみましょう。
・【月曜日】ページC > ページB > ページA > 離脱
・【火曜日】ページA > 離脱
・【水曜日】ページC > 離脱
・【木曜日】ページC > ページA > ページB > 離脱
・【金曜日】ページB > ページA > ページC > 離脱
▼ この場合、直帰率と離脱率の結果は以下のとおりです。
【直帰率】
ページA | 100% ページAから始まるセッション1回、ページAからの直帰は1回 |
ページB | 0% ページBから始まるセッション1回、ページBからの直帰は0回のため算出されない |
ページC | 33% ページCから始まるセッション3回、ページCからの直帰は1回 |
【離脱率】
ページA | 50% ページAへのセッションが4回、ページAからの離脱したセッションは2回 |
ページB | 33% ページBへのセッションが3回、ページBからの離脱したセッションは1回 |
ページC | 50% ページCへのセッションが4回、ページCからの離脱したセッションは2回 |
▼ 離脱率については別記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下ページをご確認ください。
直帰率の平均目安
【直帰率の一般的な目安】
低い直帰率 | 20% – 40% |
平均的な直帰率 | 40% – 60% |
高い直帰率 | 60% – 80% |
非常に高い直帰率 | 80%以上 |
【サイトの種類別の平均直帰率】
E-commerce(電子商取引) | 20% – 40% |
B2B(ビジネス間取引) | 25% – 55% |
ニュース/メディア | 40% – 60% |
ブログ | 70% – 90% |
ソーシャルメディア/コミュニティサイト | 30% – 50% |
【業界別の平均直帰率】
業界 | 平均直帰率 |
食べ物と飲み物 | 65.52% |
科学 | 62.24% |
参考 | 59.57% |
人と社会 | 58.75% |
ペットと動物 | 57.93% |
ニュース | 56.52% |
アート&エンターテイメント | 56.04% |
書籍・文学 | 55.86% |
美容とフィットネス | 55.73% |
ホーム&ガーデン | 55.06% |
コンピュータとエレクトロニクス | 55.54% |
趣味・レジャー | 54.05% |
インターネット | 53.59% |
自動車・車両 | 51.96% |
金融 | 51.71% |
スポーツ | 51.12% |
旅行 | 50.65% |
ビジネス&インダストリアル | 50.59% |
仕事と教育 | 49.34% |
オンラインコミュニティ | 46.98% |
ゲーム | 46.70% |
買い物 | 45.68% |
不動産 | 44.50% |
ユーザーが直帰する要因と改善方法
ユーザーが直帰する要因として考えられるのは、
- ページに欲しい情報が無かった
- ページの読み込み速度が遅かった
- ページが見づらかった
- 他のページへの動線が分かりづらかった
- ページに求めている回答があった場合
上記の要因を踏まえた上で改善する方法を解説します。
ページに欲しい情報が無かった
ユーザーが直帰する要因として考えられるのは、ページに欲しい情報が無かった場合です。
検索ユーザーが求めているのは検索意図を満たす情報なので、ページに欲しい情報が掲載されていないと分かれば、他のページを探すか、検索し直すからです。
検索意図の満たすコンテンツをページに追加するか、検索意図を満たすコンテンツが設置されているページへ誘導することで、ユーザーの直帰率が低下します。
ページの読み込み速度が遅かった
ページの読み込み速度が遅いとユーザーはストレスを感じサイトから離脱してしまう傾向があります。
読み込み速度の改善方法は、
- 画像のリサイズや画像の圧縮を行い最適化する
- htmlソースで不要な部分を削除して軽量化する
- ブラウザのキャッシュを活用する
などの方法があります。
ページ速度の測定は、
などのツールを使う事で測定が出来ます。
ページが見づらかった
ユーザーが直帰する要因として考えられるのは、ページエクスペリエンスやユーザビリティが低かった場合です。なぜなら、ネット上には数えきれないほどのコンテンツが存在しており、ユーザーにとって負担になるページを無理して読み続ける理由がないからです。
▼ 以下のようなページは直帰率が高い傾向にあります。
- 画像や動画、テキストがすべて表示されるまでに時間がかかる
- ページに設置されたボタンなどの反応が遅い
- ページのレイアウトがズレている
ページエクスペリエンスや、ユーザビリティを改善することで直帰率を低下させることができます。
他のページへの導線が分かりづらかった
ユーザーが直帰する要因として考えられるのは、ユーザーが他のページへの導線を見つけられなかった場合です。なぜなら、ユーザーが他のページへ移動するにはリンクをクリックするしかないからです。
パンくずリストやグローバルナビゲーション、関連記事への内部リンクなどを設置することで直帰率が低下します。
ページに求めている回答があった場合
ユーザーが直帰する要因として考えられるのは、ページに求めている回答があった場合です。なぜなら、検索ユーザーは自身が抱える悩みや疑問を解決するために検索してページを閲覧しているからです。
ページに求めている回答があれば問題は解決するため、他のページへ移動する必要はなくなり、そのまま離脱することになります。
上記のような状況の場合、検索ユーザーに別の提案をする、興味がありそうなページへの内部リンクを設置するといった方法で直帰率が低下する可能性があります。
例えば、「動画編集アプリ 無料」で上位表示されるページであれば、無料の動画編集アプリを紹介するだけでなく、無料の動画編集アプリの問題点を指摘し、有料の動画編集アプリを紹介するページへ誘導することも効果的です。
また、紹介している無料の動画編集アプリの使い方や評判を紹介するページへ誘導するのも良いでしょう。
SEOにおいてはユーザーの検索意図を満たすことが重要ですが、それだけではコンバージョンを獲得できるとは限りません。ユーザーを直帰させないように、コンバージョンへ繋げる情報を盛り込むことが重要です。
直帰率を改善すべきページ
直帰率を改善することで成果が期待できるページ、優先して改善すべきページは以下の2つです。
- CVが発生しているページ
- 広告に掲載しているページ
CVが発生しているページ
直帰率を改善すべきページは、CVが発生しているページの「ひとつ前のページ」です。
なぜなら、問い合わせページやホワイトペーパーダウンロードページのように、コンバージョンが獲得できるページへユーザーを誘導できなければ、コンバージョンを獲得できないからです。
一方、入力確認ページやサンクスページなどのCVが発生したページは、直帰率が100%でも問題ありません。逆に、CVが発生しているページでユーザーが直帰していない場合、なんらかのトラブルが発生している可能性があります。
広告に掲載しているページ
広告を出稿している場合は、ランディングページの直帰率を改善する必要があります。なぜなら、ランディングページからコンバージョンが発生するページへユーザーを誘導できなければ、コンバージョンは獲得できないからです。
▼ 以下のような方法で、ランディングページの直帰率を低下させることができます。
- ユーザーにとって魅力的なランディングページを作成する
- 広告出稿キーワードとランディングページの内容をマッチさせる
- コンバージョンが期待できるターゲットへ向けて広告を配信する
直帰率に関するよくある質問
直帰率に関するよくある質問と回答をご紹介します。
直帰率0%なのはなぜ?
直帰率が0%になっている場合、Googleアナリティクスのコードが重複して設定されている可能性が高いです。
直帰率の平均は?
直帰率の平均は、WEBサイトや広告の種類・ジャンルごとに異なります。
まとめ
今回は、直帰率の概要から調べ方、計算方法、離脱率との違い、改善方法まで解説しました。
直帰率の改善で重要なことは、どのページの直帰率を改善するかです。広告を出稿している場合はランディングページの直帰率を改善するだけですが、複数の経路から流入しているWEBサイトの場合、すべてのページの直帰率を改善するのは効果的ではありません。
コンバージョンに繋がるページの直帰率を確認し、ユーザーが直帰している要因を解消して直帰率を改善しましょう。
【その他のアクセス解析指標】