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SEO対策 2025/11/20

YMYLとは?対象ジャンルやSEOを成功させるためのポイントを解説

YMYLとは?のサムネイル画像です

一般的なテーマに比べてGoogleからサイトの信頼を厳しく評価されるYMYL領域について、どのようなジャンルやテーマが該当するのか詳しく解説します。今回はYMYLで重要なE-E-A-Tについての解説や、YMYL領域でSEO対策を行う場合のポイントを経験を元に紹介しているため、今後取り組む方は是非参考にしてみてください。

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YMYL(Your Money or Your Life)概要表
項目概要(簡潔にまとめた説明)
定義ユーザーの健康・安全・経済・法律・公共の福祉に重大な影響を与えうるトピック
対象ジャンル健康・医療、金融、財務、保険、法律、ニュース、災害情報、安全対策など
要求される品質経験・専門性・権威性・信頼といったE-E-A-Tに加えて正確性・最新性・安全性が強く求められる
ランキングへの影響Googleは公式に「YMYL領域ではE-E-A-T関連シグナルをより重視する」と明言
発表元Google検索品質評価ガイドライン│検索セントラルブログ│Google公式ホワイトペーパー
1

YMYLとは?

YMYLとは「Your Money or Your Life」の頭文字を取った言葉でGoogleの検索品質評価ガイドラインで使われている用語です。

「お金」や「健康」「経済的安定」「安全」など、ユーザーの生活や人生に対して大きく影響を与える可能性の高いテーマ・ジャンルのことを指します。

YMYL領域では、誤った情報が掲載されていると、ユーザーが間違った判断をして生活に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、GoogleはYMYL領域のページやサイトを厳しく評価しています。

また、Googleとしても誤った情報を検索結果の上部に表示してしまうと、検索エンジンとしての信頼性が低下し、ユーザー離れにつながるため、YMYL領域では特に正確性と信頼性の高い情報を優先的に評価しています。

そのため、YMYLに該当するジャンルではE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼)を重視したサイト運営が求められます。単に情報量が多いだけでなく、

  • 誰が書いたのか

  • どのような根拠に基づいているのか

  • どの組織が運営しているのか

といった点を明確にしないと、Googleからの評価が低下しSEOで上位表示が難しくなります。

2

YMYLの対象ジャンル

Google品質評価ガイドラインでは、以下7つのジャンルがYMYLとして紹介されています。

  1. ニュース、時事関連

  2. 市民権、政府、および法律

  3. 金融(財務)

  4. ショッピング

  5. 健康・医療

  6. 人種・宗教・性別

  7. その他

※ 2022年7月28日改訂後は「健康または安全」「経済的安全」「政府、市民と社会」「その他」の4ジャンル

それぞれ詳しく解説します。

2-1

ニュース、時事関連

ニュースの中でも、災害・政治・戦争など社会的影響の大きいテーマは、誤報がユーザーの生命や生活、判断に直接影響を与える可能性があるためYMYLに該当します。

YMYLに該当するニュース例
地震や台風など災害に関する情報

誤った情報が伝わると、ユーザーが避難や安全確保の判断を誤り、生命や身体に危険が及ぶ可能性があるため。

政治や選挙に関する情報

不正確な情報によって、ユーザーが投票や政治的判断を誤る可能性があり、社会全体の意思決定にも影響を及ぼす可能性があるため。

戦争や紛争に関する情報

誤った情報が広まると、ユーザーが不安や偏った認識を持ち、社会的対立や混乱を助長する恐れがあるため。

一方ですべてのニュースがYMYLに該当するわけではありません。例えば、エンタメ・スポーツ・地域イベントなど、生活への直接的な影響が少ないトピックはYMYLの対象外とされます。

2-2

市民権、政府、および法律

法律や行政制度、社会保障などに関する情報は、誤った内容がユーザーの権利行使や生活に直接影響を与える可能性があるためYMYLに該当します。

具体例
法律や契約に関する情報

誤った情報に基づいて遺産分割や離婚の手続きを進めると、ユーザーが金銭的・法的に不利な立場になる恐れがあるため。

税金や社会保険に関する情報

不正確な情報により、申告や手続きを誤って経済的損失を被る可能性があるため。

ビザや永住権などの市民権関連情報

誤情報によって申請が無効になったり、在留資格を失うなど、生活基盤に深刻な影響を及ぼす恐れがあるため。

一方で、一般的な行政サービスの紹介や制度の概要を分かりやすく説明する内容など、個人の判断や行動に直接影響しない情報はYMYLの対象外とされます。

2-3

金融(財務)

投資・融資・保険・クレジットなど金融に関する情報は、誤った内容がユーザーの資産や将来設計に直接的な損害を与える可能性があるためYMYLに該当します。

具体例
投資や資産運用に関する情報

誤った投資判断を促す情報によって、ユーザーが大きな経済的損失を被る可能性があるため。

保険や年金などの将来資金に関する情報

誤解を招く説明により、必要な保障に加入できなかったり老後資金が不足するなど、長期的な生活不安を招く恐れがあるため。

オンラインで株式投資やFX取引ができるサイト

実際の金銭取引が発生し、ユーザーの財産や信用に直接影響するためYMYLに該当します。

ローンやクレジットカードに関する情報

不正確な金利や返済条件の情報をもとに契約すると、返済負担が増大したり信用を失うリスクがあるため。

2-4

ショッピング

オンラインショッピングや商品販売に関する情報やオンラインで決済するためのページは、誤った内容がユーザーの金銭的損失に影響を与える可能性があるため、YMYLに該当します。

具体例
支払いや返品に関する情報

不正確な価格表示や返金ポリシーの誤記によって、ユーザーが不当な費用を支払ったり返金を受けられないリスクがあるため。

オンラインショップや通販サイト

個人情報やクレジットカード情報の漏えいリスクも伴うためYMYLに該当します。

ECサイトを運営する際は、安全な決済環境の用意や返品や返金などの対応方針をわかりやすく提示しユーザーが安心して利用できるサイトを作る必要があります。

2-5

健康・医療

病気や薬など健康や医療に関する情報は、誤った内容がユーザーの治療判断や健康状態に直接影響を与えたり、最悪の場合は命に係わる問題が起きる可能性があるためYMYLに該当します。

具体例
病気や治療法に関する情報

誤った情報が伝わると、ユーザーが適切な治療を受けられず、症状を悪化させる可能性があるため。

薬・サプリメント・健康食品に関する情報

根拠のない効果効能を信じて誤用すると、副作用や健康被害を招く恐れがあるため。

医療機関や医師の選び方に関する情報

不正確な情報や偏った評価により、ユーザーが信頼できる医療を選べなくなる可能性があるため。

ただし、フィットネスに関するアドバイスや健康サンダルの選び方など、日常的な健康習慣に該当するトピックはユーザーの健康に直接的な危険を及ぼさないため、必ずしもYMYLには該当しません。

2-6

人種・宗教・性別

人種・宗教・性別などに関する情報は、誤った内容や偏見を含む表現がユーザーの尊厳や社会的立場に影響を与える可能性があるためYMYLに該当します。

具体例
人種や民族に関する情報

誤った主張や差別的な内容が広まると、特定の人々に対する偏見や差別を助長し、社会的分断を引き起こす恐れがあるため。

宗教や信仰に関する情報

不正確な説明や偏った意見が、信仰を持つ人々への誤解や対立を生む可能性があるため。

性別・性的指向・ジェンダーに関する情報

誤情報や否定的な表現により、ユーザーが心理的な不安を抱いたり、社会的差別を受けるリスクがあるため。

ただし、文化的背景の紹介や歴史的な出来事を中立的に解説する内容などは、YMYLの対象外とされます。

2-7

その他

上記以外にも、ユーザーの人生・生活・社会的評価に重大な影響を与える情報はYMYLに該当します。

特定のカテゴリに分類されなくても、誤った内容によってユーザーの安全・経済・信頼・プライバシーなどが損なわれる場合は注意が必要です。

就職・転職・進学に関する情報

誤った情報により、ユーザーが誤った進路やキャリア判断をしてしまう可能性があるため。

不動産や住宅購入に関する情報

不正確な物件情報や契約条件によって、大きな金銭的損失や生活上の不利益を被る恐れがあるため。

個人情報やプライバシーに関する情報

誤った取り扱いや公開により、ユーザーの社会的信用や安全が損なわれるリスクがあるため。

このように、YMYLに該当しやすいテーマには一定の傾向がありますが、「これだけが該当する」と明確に決まっているわけではありません。そのため、ユーザーの生活や人生にどれほど影響を与える内容かという観点から総合的に判断することが重要です。

3

YMYLの判断基準

先ほど紹介した代表的なジャンル以外でも、扱うテーマによってはYMYLに該当する場合があります。

YMYL領域に該当するかどうかを判断するためには、その情報がユーザーの「お金」や「人生」にどれほど影響を与える可能性があるかを基準に考えることが重要です。

具体的には、次の3つの観点から判断します。

  1. ユーザーの安全や健康に影響するか

  2.  経済的損失や法的リスクが生じるか

  3. 社会的・公共的な影響がある

また、検索品質評価ガイドラインの中では、YMYLの段階について「明確なYMYLトピック」「YMYLトピックではない」その中間に位置した「YMYLトピックに該当する可能性がある」の3段階に分けて考える方法が紹介されています。

YMYLの該当度別トピック例
トピックの種類明確なYMYLYMYLの可能性ありYMYLでない
情報地震発生時の避難手順花粉症シーズンの予測人気観光地の紹介
行動に関する助言心臓発作の対応方法睡眠時間を増やすコツコーヒーの淹れ方
個人的な意見特定の宗教が危険だという主張断食ダイエットは意味がないという意見ある映画が退屈だという感想
時事ニュース感染症の拡大に関する報道地域の停電情報新作アニメの放送開始ニュース
ソーシャルメディア投稿ワクチン接種を拒否するよう促す投稿過度な断食チャレンジダンス動画の投稿
オンライン取引・商品レビュー医薬品や投資商品の販売ページ中古車の比較レビューノートパソコンケースの紹介

このように、YMYLに該当するかどうかはジャンルだけで決めるのではなく、テーマ(扱うトピック)によって判断する必要があります。

4

YMYL領域ではE-E-A-Tが重要

YMYLに該当するジャンルで上位表示を狙うには、非YMYLジャンルと比べて、より高い水準でE-E-A-Tが求められます。

E-E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されている、WEBページの信頼性を評価するための指標です。以下4つの頭文字を取って、E-E-A-Tと呼ばれています。

  • 経験・体験(Experience)

  • 専門性(Expertise)

  • 権威性(Authoritativeness)

  • 信頼(Trust)

これらの要素を満たすためには、次のような点を意識することが重要です。

経験(Experience)

体験談やケーススタディなど、一次情報を交えて発信する

専門性(Expertise)

専門知識や資格・実績に基づいた正確な情報を提供する

権威性(Authoritativeness)

公的機関や他サイトからの引用・評価など、第三者から信頼されていることを示す

信頼性(Trust)

情報源・運営者を明示し、正確で誠実な発信を行う

もう少し具体的に見ていきましょう。

例えば、YMYLジャンルに該当する「がん治療」に関する情報を発信しているサイトであれば、以下のようにE-E-A-Tを強化する必要があります。

経験・体験

実際に治療を受けた患者の体験談や、医師・看護師が現場で得た経験に基づく情報を発信していること。

専門性

専門医による正確な知識・治療法の解説、学会や研究データなどの根拠を示していること。

権威性

公的医療機関、医師会、大学病院など、社会的に信頼される組織や専門家によって運営・監修されていること。

信頼

情報の出典や監修者を記載し、科学的根拠に基づいた内容を発信することで、ユーザーが安心して参考にできるようにすること。

このように、YMYLジャンルで上位表示するためにはE-E-A-Tの対策が必須となっており、「正確で安全な情報を、信頼できる立場から発信しているかどうか」が何よりも重視されます。

【ヒント】

YMYLに該当するトピックでは高いE-E-A-Tが必要になるため、WEBサイトの運営元がその分野における専門家もしくは権威でない限り上位表示が難しい場合があります。

▼ E-E-A-Tについては別の記事で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

5

YMYL領域でSEO対策を成功させる8つのポイント

YMYL領域では、以下8つのポイントを意識してSEO対策に取り組みましょう。

  1. サイトの品質を高める

  2. 著者情報の明記・充実

  3. 運営元情報の充実

  4. 信頼性の高い情報を引用

  5. 最新の情報に更新する

  6. 専門家による監修・執筆

  7. 被リンクを獲得する

  8. YMYLと非YMYLを分ける

それぞれ詳しく解説します。

5-1

サイトの品質を高める

YMYLジャンルのSEOでは、サイト全体の品質を高めないと上位表示することができません。

Googleはサイト全体の専門性・構成・信頼性を総合的に見て評価しており、どれだけ個別のページが良くても、サイト全体の品質が低ければ上位表示は難しくなります。

実際にGoogleの検索評価ガイドラインには以下のように記載されています。

明確なYMYLトピックに関するページについては、非常に高いページ品質評価基準を設けています。

検索品質評価ガイドライン2.3

具体的に品質の高いサイトとは次のような特徴を持っています。

  • 情報が正確で根拠が明示されている(誤情報や曖昧な表現がない)

  • コンテンツ構成が整理され、探している情報にすぐ辿り着ける

  • 執筆者・監修者・運営者が明確に示されている

  • そのジャンルにおいての専門家が運営している

  • 広告や誘導リンクが過剰でなく、ユーザー体験を損なわない

  • スマートフォンでも読みやすく、表示速度が速い

このように「専門性が高くユーザーに安心して利用してもらえるWebサイト」のことを、品質の高いサイトと言います。

YMYLジャンルで上位表示を目指すためには、コンテンツやユーザビリティの改善を常におこない、サイト全体の品質を高めていく必要があります。

5-2

著者情報の明記・充実

YMYLジャンルでは、情報の信頼性を担保するために「誰が書いたのか」を明確に示すことが重要です。

Googleは著者の専門性や権威性についてもSEO評価の対象にしているため、執筆者や監修者の肩書・資格・経歴などを掲載したプロフィールページを作成し、専門家による情報発信であることを明確にします。

作成したプロフィール情報は、記事の冒頭や末尾に設置してユーザーとGoogleのクローラーに「どのような人物」が著者なのかわかりやすく伝わるようにします。

ただし、著者情報は誰でも良いわけではありません。
Googleの特許「Credibility of an author of online content」には、信頼できる著者として評価されるに値する著者情報の条件として次の5つの要素が記載されています。

  1. 特定トピックにおいて著者が作成してきたページの数

  2. 特定トピックに関するページを作成してきた著者の歴

  3. 著者に関する権威性の高い公的な受賞歴

  4. 著者についての引用数、検索数

  5. 著者が出版した書籍等についての評判

このように、著者情報は単なる形式ではなく、その業界での実績や専門性がある人物でなければ、ユーザーは安心して情報を信頼することができません。

信頼できる著者情報を記載することで初めてSEO評価とユーザー満足につながります。

5-3

運営元情報の充実

YMYLに該当するジャンルでは信頼性や専門性が求められるため「誰が運営しているのか?」を明確にしておくことが重要です。Googleの検索品質評価ガイドラインには運営元情報について以下のように記載されています。

全てのページはWEBサイトに属しており、次のことを明確にする必要があります。誰が(どのような個人、企業、事業、団体、政府機関など)WEBサイトの責任者なのか

検索品質評価ガイドライン2.5.2

Googleはサイトや情報発信者の信頼性を正しく評価するために、ナレッジグラフというデータベースに、企業や団体、人物などの情報を登録・整理しています。

会社概要に会社名や住所・電話番号を掲載するだけではなく、代表者の経歴や会社の詳細な沿革、取得している資格情報などを記載して、そのテーマを扱う専門家であることを検索エンジンに伝えましょう。

5-4

信頼性の高い情報を引用

YMYLジャンルのSEOでは、信頼性の高い情報源を引用することが重要です。

YMYLジャンルでは、 扱う内容がユーザーの健康・財産・安全に関わるため、発信者自身の意見や経験・推測だけでなく、公的機関・大学・医療機関・などが発表しているデータや情報を根拠として示す必要があります。

具体的には以下のようなイメージで信頼性の高い情報を引用します。

医療系の内容

厚生労働省や国立がん研究センターの発表データを引用

金融・投資系の内容

金融庁や日本銀行の統計資料を引用

法律・相続など法務系の内容

最高裁判所の判例や法務省の通達・見解を引用

このように、引用元を明確に記載することで、ユーザーが情報の正当性を確認できるだけでなく、Googleもそのコンテンツを信頼できる情報として評価しやすくなります。

5-5

最新の情報に更新する

YMYLジャンルのSEOでは、情報を常に最新の状態に保つことが重要です。

なぜなら、古い情報を放置すると、誤った内容をユーザーに伝えたり、信頼を失う原因になるからです。

特に法律・医療・金融などの分野では、制度改正やガイドラインの変更が頻繁に行われるため、内容が古いままだと事実と異なる情報になる危険があります。

そのため、以下のように情報を更新します。

医療系

治療法・薬の承認状況・ガイドライン改訂などを定期的に確認し最新情報に差し替える

法律・相続系

税制改正や民法改正後の内容に更新する

金融・投資系

金利・税率・制度変更に合わせて最新データを反映する

このように、定期的に情報を見直し、最新の法令・データ・研究結果に更新することで、最新の情報を発信しているWebサイトとして検索エンジンからの評価も高まります。

ページを更新したら、更新日も明記してユーザーと検索エンジンにいつ更新したのか伝えるようにしておきましょう。

5-6

専門家による監修・執筆

YMYLジャンルのSEOでは、専門性と信頼性が重要になるため、専門家に監修や執筆を依頼しましょう。

専門家が監修・執筆に関与していることで、

  • 情報の正確性や根拠の明確化が担保される

  • ユーザーにとって安心して信頼できる情報源になる

  • GoogleからE-E-A-Tが高いと評価される

といった効果が得られます。

実際にGoogleの検索品質評価ガイドラインでも以下のように明記されています。

医療、法律、金融などのYMYLページでは、内容が専門家によって作成または監修されていることが望ましい。

例えば、金融であれば、税理士・公認会計士・ファイナンシャルプランナーなど、専門的な資格を持つ人物に監修や執筆を依頼するのが理想です。

同様に、医療分野では医師や薬剤師、法律分野では弁護士や司法書士、教育分野では大学教授など、各領域で適切な資格・専門知識を持つ人物が監修・執筆に関与することが、YMYLサイトでは重要です。

5-7

被リンクを獲得する

YMYLジャンルのSEOでは、信頼性の高いサイトからの被リンクを獲得することが重要です。

Googleの検索アルゴリズムには「PageRank」という考え方があり、質の高い被リンクを多く得ているページ=他サイトから信頼されているページとして評価されやすくなります。

特にYMYL領域では、Googleが「誰が情報を発信しているか」「どこから信頼されているか」を重視しているため、被リンクを獲得することで専門性・権威性(E-E-A-T)を裏付ける重要なシグナルになります。 

YMYLジャンルでは以下のような被リンクを獲得していくのが効果的です。

  • 自サイトテーマと関連性の高いサイトからのリンク

  • 信頼性の高いサイトからのリンク(公的機関や大学・行政など)

  • 被リンクを多く獲得しているサイトからの被リンク

一方で、自作自演の被リンクやお金を払って獲得した被リンク、運営元が不明なサイトからの被リンクについては獲得してもSEO効果はありません。

被リンクは「量より質」を意識することが何より大切です。

▼ 被リンクの獲得方法については別の記事で詳しく解説しています。

5-8

YMYLと非YMYLを分ける

YMYLジャンルでは、サイト全体が「専門領域に特化しているかどうか」が評価に大きく影響します。

そのため、YMYL領域のテーマと非YMYL領域のテーマを1つのWebサイト内で扱わないようにしましょう。

これについては、GoogleのSearch AdvocateであるJohn Muellerも、2021年4月のOffice-hoursで

YMYLコンテンツと非YMYLコンテンツを同一サイトに混在させると、Googleがそのサイトをどのように扱うべきか判断しにくくなる

YouTube-English Google SEO office-hours from April 9, 2021

と述べています。

例えば、整体院や整骨院が本来は医師や医療機関が扱うべき領域である「椎間板ヘルニアの治療方法」「うつ病や自律神経失調症の医学的治療」といった医療行為に該当するテーマを、専門的根拠なく記事として掲載してしまうケースがあります。

Googleからすると、施術院のサイトなのに医療行為や診療領域の内容を扱ってしまうと、そのサイトが「医療機関なのか施術院なのか」という判断が曖昧になり、医療レベルの専門性が求められるYMYL領域として扱われてしまいます。

その結果、本来満たすべき専門性や権威性が不足していると判断されて、順位が上がりにくくなります。

6

YMYLに関する豆知識

6-1

YMYLが注目された背景

Googleは公式ホワイトペーパー「How Google Fights Disinformation」で、 YMYLカテゴリを2014年に導入したと明言しています。しかし、YMYLという概念が日本で強く認識されるようになったのは、その後に起きたウェルク問題(2016年)です。

2016年、DeNAが運営していた医療系オウンドメディア「Welq(ウェルク)」において「他サイトからの画像無断転載」「医療知識のない素人による記事作成」「科学的根拠のない健康法・医療情報の量産」といった問題が次々と発覚し、ニュースやSNSで大きく取り上げられました。

その結果、誤情報が実害につながる危険性が社会的に指摘され、 医療・健康ジャンルの情報品質への不信感が一気に高まりました。
※ウェルクは2016年に全記事非公開→サイト閉鎖。

これを重く見たGoogleは、2017年2月3日に「日本語検索の品質向上にむけて」を検索セントラルブログで発表しページの評価方法を変更。

2017年12月6日には、検索セントラルで日本の検索結果向けに「医療や健康に関連する検索結果の改善について」を発表し、健康に関連するページの信頼性をより厳格に評価するアルゴリズムのアップデートをおこないました。

この結果、YMYL領域のテーマでは専門性が低い個人ブログや、権威性の低いサイトはほとんど検索結果に表示されなくなったため大きく注目を集めました。

6-2

YMYLはアルゴリズムではない

YMYLは、Googleが検索結果を評価するために導入している「概念」や「フレームワーク」であり、特定の数値スコアや専用アルゴリズムが存在するわけではありません。

これについて、Google検索チームのGary Illyesが以下のように言及しています。

E-A-T スコアや YMYL スコアというような指標を Google は内部的に持っていない。E-A-T や YMYL というのは、アルゴリズムをわかりやすく概念化したものだ

E-A-TスコアもYMYLスコアもGoogle検索には存在しない、コアアルゴリズムはベイビーアルゴリズムの集合体

そのため、YMYLだからといって特別な「YMYLアルゴリズム」が働いたり、「YMYLスコア」が直接順位を決めたりするわけではありません。

あくまで、命やお金に関わる領域では誤情報によるリスクが大きいため、通常よりも厳しい品質基準で評価されるという考え方がYMYLの本質です。

7

YMYLに関するよくある質問

YMYLとEEATの違いは何ですか?

YMYLは、 ユーザーのお金・健康・安全・生活など、人生に大きな影響を与えるテーマを指します。一方でE-E-A-Tは、 その情報がどれだけ信頼・専門性・経験・権威性を持っているかを評価する指標です。

YMYL:評価の対象を指す用語
E-E-A-T:評価の基準を指す用語

YMYLジャンルで信頼性を高めるには、まず何をすべきですか?

まずは著者・監修者・運営元情報の明示から始めましょう。次に、出典を明記した正確なコンテンツ作成、最新情報の更新、公的機関など信頼できるサイトからの被リンク獲得が重要です。

個人が運営している場合、YMYL領域で上位表示は難しいですか?

キーワードによっては個人が運営している場合でも上位表示は可能ですが、難易度が非常に高いです。検索結果を見てどのようなサイトが表示されているのか確認した上で上位表示を狙うか判断しましょう。

YMYLジャンルでAIによる自動生成コンテンツを使うとペナルティになりますか?

AIによる自動生成コンテンツを使っただけでペナルティを受けることはありません。Googleは2023年以降、AIコンテンツに対して次のように明言しています。

高品質でユーザーに価値を提供するコンテンツであれば、人間が書いたものであってもAIが生成したものであっても問題ありません。
Google 検索セントラル公式ブログ(2023年2月)

ただし、事実確認・専門家チェックが行われていることが前提です。

商品レビューやアフィリエイト記事もYMYLになりますか?

扱う商品によって異なります。
健康食品、投資商品、保険など生活に影響する商品を扱う場合はYMYLに該当しますが、
家電や日用品などリスクの少ない商品はYMYLとはみなされません。

YMYLジャンルで「体験談」は有効ですか?

YMYL領域では必ずしも「体験談」が評価されるわけではありません。
例えば個人の体験はあくまで一例であり、それが「誰にでも安全・正しい方法」とは限りません。
一方で「弁護士が実際に担当した相談事例から得た教訓」「理学療法士が担当したリハビリの成功・失敗事例」といった専門家の体験談は有効です。

8

まとめ

YMYLとは、ユーザーの「お金」や「健康」「安全」「人生」に大きな影響を与える可能性があるジャンルを指し、 GoogleはYMYL領域のページを厳しく評価します。

誤った情報はユーザーの生活に深刻な悪影響を及ぼすため、 YMYLジャンルでは 「正確性・専門性・信頼性」 が何より重要です。そのため、 YMYL領域では以下のポイントを意識してSEO対策をおこないます。

YMYL対策のポイント
  1. サイトの品質を高める

  2. 著者情報の明記・充実

  3. 運営元情報の充実

  4. 信頼性の高い情報を引用

  5. 最新の情報に更新する

  6. 専門家による監修・執筆

  7. 被リンクを獲得する

  8. YMYLと非YMYLを分ける

もし、YMYLのジャンルに該当するテーマを扱っているWebサイトでSEOで成果が出ない場合はSEM Plus編集部までご相談ください。

YMYL領域で上位表示をおこなってきた実績と経験を元に、最適なご提案をさせて頂きます。

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この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。 サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超のノウハウをSEOサービスに反映し、3,000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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