PV数とは│アクセス数・セッション数との違いを解説
WEBマーケティングやWEBサイト運営担当者であれば、PVと言う言葉を目にする機会が多いと思います。しかし、PVの正確な定義は何か、何を読み取ればよいのか、どうすれば増やすことができるのかなど、お悩みではないでしょうか?本記事では、PVの概要から確認する方法、分析方法、増やす方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
PV(ページビュー)とは
WEBマーケティングにおけるPVとは、WEBサイト及びページがユーザーの画面に表示された回数を示す指標です。Pageviewを略してPV、ページビューと呼ばれることもあります。
1人のユーザーがページA→ページB→ページB→離脱といったようにサイト上を移動した場合のPV数は以下の通りです。
- サイト全体のPV数:3回
- ページAのPV数:2回
- ページBのPV数:1回
各ページのPV数を調査することで、ユーザーがサイト内でどのコンテンツに興味を持っているか把握でき、流入経路別のPV数を確認することで、サイトに興味を持つユーザーの属性を把握することができます。
PV数を確認する方法
自サイトのPV数は、Googleアナリティクスで確認するのが一般的です。ただし、Googleアナリティクス(UA)は2023年7月1日でサポートが終了して確認できなくなるため、Googleアナリティクス(GA4)で確認する必要があります。
競合サイトのPV数はGoogleアナリティクスで確認することはできず、SimilarWebやUbersuggestなどのSEOツールなどを使って確認できます。
ただし、Googleアナリティクスのように正確なPV数が確認できるわけではありません。
また、Ubersuggestではキーワードの検索順位と検索ボリュームから推測した、オーガニック検索のクリック数を合計した数値をPV数(トラフィック数)として表示しているため、SocialやReferra、Direct経由のPV数は含まれておらず、オーガニック検索からサイトへ訪れた後にサイト内を回遊した分のPV数も含まれていません。
【Googleアナリティクス(GA4)でWEBサイト全体のPV数を把握する方法】
GA4でWEBサイト全体のPV数を確認するには 「レポ―ト」→「エンゲージメント」→「エンゲージメントの概要」と進めた際に画面に表示される「表示回数」で確認することが出来ます。
より詳細なPV数を確認するには 「レポ―ト」→「エンゲージメント」→「イベント」と進めるとイベント名の中に「Page_View」が表示されます。その横にあるイベント数を見ると詳細なPV数を確認することができます。
【Googleアナリティクス(GA4)でページごとのPV数を把握する方法】
GA4で個別のページごとにPV数を確認するには「レポ―ト」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」と進めた際に画面に表示される「表示回数」で確認することが出来ます。 PV数の多い順にURLの一覧が並び、右側にぺージごとのPV数が表示されます。
PV数の分析と活用例
ページ別PV数の分析
各ページのPV数を調査することで、ユーザーがサイト内でどのコンテンツに興味を持っているか把握できます。
サイト内でPV数の多いぺージ=ユーザーが興味を持っているページの可能性が高いため、ページ内のデザインやコンテンツを強化することで問い合わせや購入に繋がりやすくなります。
そのため、ページのリライトやリニューアルをおこなう際には、PV数の多いページから優先的に改修していくと効果的です。また、SEO対策をおこなう際も同様にPV数の多いページから施策をおこなうことで、アクセス数の増加や問い合わせ数の増加効果を早期に実現できる可能性があります。
セグメント別PV数の分析
ユーザーの属性(年齢、性別、地域など)や流入元(検索エンジン、ソーシャルメディア、直接アクセスなど)に基づいてPV数を分析することで、ターゲットユーザーや効果的な集客チャネルを見極めることができます。
例えば、若い世代からのPV数が多い場合は、コンテンツを若者向けに変更したり、ソーシャルメディアからのPV数が多い場合はソーシャルメディアマーケティングに力を入れることで、効率的に集客をおこなうことができます。
PV数を増やすためのポイント
▼ サイト全体のPV数を増やす方法は以下の通りです。
- 流入経路を追加する
- 各流入経路からのPV数を増やす
- サイト内の動線を見直す
- 回遊性を高める
▼ WEBサイトへは、主に以下の経路からユーザーが流入しています。
- SNS経由(Social)
- オーガニック検索経由(Organic Search)
- 有料WEB広告経由(Paid Search)
- 外部サイトに設置されたリンク(Referral)
- ユーザーのブックマーク(Direct)
PVを増やす場合に重要なことは、上記の流入経路のうち、どこからのPVを増やそうとするかです。サイトへの流入経路はひとつだけではないので、対策する流入経路を明確にしないままPV数を増やそうとしても、十分な効果が出なかったり、逆効果になったりする恐れがあります。
それぞれの方法とポイント、注意点を解説します。
SNSを活用する
自社でSNSアカウントを作成・運用することで、PV数を増やすことができます。なぜなら、SNSアカウントに設置したリンクから、ユーザーがサイトを閲覧する可能性があるからです。軸となる流入経路が新たに追加されるため、PV数が増加します。
ただし、SNSアカウントを作成したり、定期的に情報を発信したりするだけでは、PVはほとんど増加しません。SNSアカウントや発信したツイートが、ユーザーの目に触れなければサイトへのリンクがクリックされることはなく、PV数が増えることもないからです。
実際にフォロワーが少ない企業アカウントを確認すると、定期的にツイートしていてもインプレッションは100回以下になっていることが分かります。SNS経由でPV数を増やすには、多くのユーザーの目に触れるようにSNSアカウントを運用することが重要です。
また、他の流入経路と比較すると、コンバージョンに結びつきにくいユーザーからの流入も多く含まれてしまうため、成果が発生しないPV数が増加しやすい傾向にあります。
SEO対策をおこなう
SEO対策をおこなうことでサイトの評価を高めることができれば、オーガニック検索を経由したPV数を増やすことができます。ページ数が10万以上のサイトであっても、各ページの検索順位が10位以下の場合、ほとんど検索からの流入は期待できないからです。
SEO対策で検索順位を3位以内にすることができれば、キーワードの検索ボリュームに応じたPV数増加が期待できます。一度対策が完了すれば長期的に効果が期待できる方法なので、費用対効果が高いです。
ただし、リスティング広告と併用する場合には、ターゲットキーワードがバッティングしないように注意する必要があります。
広告を活用する
さまざまな媒体へ広告を出稿することで、コンバージョンに繋がりやすいPVを増やすことができます。なぜなら、広告を見たユーザーが広告をクリックすることでサイトへ誘導できたり、自社に興味を持ったユーザーが自サイトへ訪問してくれたりするからです。
▼ 代表的な広告には以下のようなものがあります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- SNS広告
- アドセンス広告
- アフィリエイト広告
自社のターゲットユーザーや予算に応じて、出稿する広告や課金方式、媒体を選択するようにしましょう。
サイト内の導線を見直す
サイト内の導線を見直すことで、サイトを訪問したユーザーのPV数を増やすことができます。なぜなら、サイトを訪れたユーザーの離脱を防止し、回遊性を高めることができるからです。
▼ サイトの回遊性を高める方法には以下のようなものがあります。
- CTAを設置する
- CTAの配置・デザインを見直す
- パンくずリストを設置する
- グローバルナビゲーションを設置する
PV数の目安を参考にしない
アドセンスサイトや、アフィリエイトサイトの収益化の目安として紹介されているPV数は、参考にしない方が良いです。なぜなら、実際に獲得できる収益は広告のCVRや広告の単価次第で大幅に変わるため、参考にならないからです。
例えば、アドセンス広告ではゲーム・アプリジャンルで10~30円、金融・保険・投資ジャンルでは100~200円と単価に10倍以上の差があります。アフィリエイト広告はアドセンス広告より単価は高い傾向にありますが、100円~数千円までとアドセンス広告以上に差が大きいです。
さらに、アドセンスは広告がクリックされるだけで報酬が発生しますが、アフィリエイトでは広告がクリックされただけでなく成約しなければ報酬が発生しません。
同じPV数のサイトであっても、実際に得られる収益額に100倍以上の差が生まれてしまうこともあるため、PV数を目安にすると期待外れな結果に終わることもあります。
また、競合サイトのPV数も目安になりません。なぜなら、コンバージョンを獲得できないPV数を増やしても、成果は得られないからです。
例えば、Twitter広告運用を受注している企業のサイトがオーガニック検索からの流入を増やそうとする場合、「Twitter 動画 保存」というキーワードから大量のPVを集めたとしても、成果に結びつくことはありません。
「Twitter 動画 保存」は、検索ボリュームが201,000(Ubersuggest調べ)と非常に大きいため、検索上位表示できればPV数を大幅に増やすことができます。しかし、「Twitter 動画 保存」で検索するユーザーとTwitter広告運用を受注している企業が求めるユーザーには大きな隔たりがあります。
「SimilarWeb」などのSEOツールで競合サイトが大量のPVを獲得していることが分かったとしても、そのPVのうちどのくらいが成果に結びついているかは分かりません。外部からはPV数が多いサイトに見えたとしても、社内ではCVRが低くて悩んでいる場合もあるでしょう。
また、Ubersuggestなどのツールで確認できるPVはオーガニック検索経由だけでSocialやReferra、Direct経由のPVは含まれないので、PV数としての目安にしない方が良いでしょう。
重要なことは、現在のPVがどのくらいなのか、どのような経路から流入できているのかを把握し、コンバージョンが期待できるユーザーからのPVを増やすことです。
PV数と似ている指標
PV数と似ている指標や混同されやすい指標は以下の通りです。
- セッション数
- アクセス数
- ユニークユーザー(UU)数
- アクティブユーザー(AU)数
- インプレッション数
- リーチ数
それぞれの指標の意味とPV数との違いを解説します。
セッション数との違い
PV数と同じくよく見かける単語に「セッション数」があります。これらの単語はどちらも、Googleアナリティクスのユーザー項目にデータとして表示されます。
PV数は特定のWEBページがブラウザに表示された回数のことを指しますが、セッション数はユーザーがサイトを訪問し離脱するまでのことを指します。
例えば、同一のユーザーがAというサイトに、朝と夜で2回訪問した場合はセッションが2回としてカウントされます。離脱すると判断されるのは、「サイト内での行動が30分以上ない」「日付が変わる」「参照元が変わる」の3パターンになります。
Googleアナリティクスの項目に「ページ/セッション」という項目がありますが、ここで分かるのは1セッションごとのPV数を平均した訪問別のPV数です。訪問別のPV数が多ければ、一度の訪問に対してユーザーがサイト内のページやコンテンツをいくつも閲覧しているという意味にもなります。
しかし、この数値だけが高いからと良し悪しを判断することはできないため、訪問別のPV数を高めることはもちろん、コンバージョン率(CVR)などの要素と併せて判断することが大切です。
アクセス数との違い
アクセス数とは、どのくらいの人数のユーザーがサイトを訪れたのか、何回サイトを訪れたのかを総合的に示す用語です。具体的な数値として表すことはありません。実際の数値は、下記のような指標で確認するのが一般的です。
- PV数
- ユーザー数
- UU数
- セッション数
PV数とアクセス数の違いは、明確に定義されているかです。
前述したようにアクセス数は具体的な数値を指すものではなく、定義もあいまいです。文脈によってイメージする指標が異なるケースが多いため、何を指しているのか確認する必要があります。
一方、PV数はGoogleアナリティクスなどのツールを使用することで具体的な数値として確認できる指標です。
▼ アクセス数については、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
ユニークユーザー(UU)数との違い
ユニークユーザー(UU)数とは、特定の期間にサイトを訪れたユーザー数です。同じユーザーが期間中に複数回サイトを訪問しても、重複してカウントすることはありません。
PV数とユニークユーザー(UU)数の違いは、何を軸としてカウントする指標なのかです。
PV数は「ページ」が閲覧された回数であり、ユニークユーザー(UU)数は「ユーザー」がページを閲覧した回数を指します。また、PV数では同じユーザーがサイトを訪れたり同じページを閲覧した場合に重複してカウントしますが、ユニークユーザー(UU)数では重複してカウントしません。
例えば、ユーザーAがページAを3回、ページBを2回、ページCを1回閲覧し、ユーザーBがページAを5回、ページBを3回閲覧した場合、それぞれの指標は以下の通りです。
PV数 | UU数 | |
ページA | 8 | 2 |
ページB | 5 | 2 |
ページC | 1 | 1 |
▼ ユニークユーザー(UU)については、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
アクティブユーザー(AU)数との違い
アクティブユーザー(AU)数とは、特定の期間にWEBサイトやアプリを利用したユーザー数です。ユニークユーザー(UU)数と同様に、同一ユーザーが複数回利用しても重複してカウントすることはありません。
旅行予約サイトやアプリのように、継続して複数回利用することが前提の場合に使用される指標です。
▼ 以下のように、期間ごとに別の呼び方をする場合もあります。
- DAU:1日あたりのアクティブユーザー数
- WAU:1週間あたりのアクティブユーザー数
- MAU:1ヶ月あたりのアクティブユーザー数
PV数とアクティブユーザー(AU)の違いは、サイトを利用したかどうかです。
PV数はユーザーがサイトを閲覧しただけでもカウントされますが、アクティブユーザー(AU)数はサイトを利用したユーザーしかカウントしません。
インプレッション数との違い
インプレッション数とは、SNSの投稿やWEB広告が、ユーザーの画面に表示された回数です。ユーザーがWEB広告をクリックしなくても、画面に表示されるだけでカウントされます。
PV数とインプレッション数の違いは、分析する媒体です。PV数はWEBサイトを分析する際に用いられる指標であり、インプレッション数はSNSやWEB広告に対して使用されます。
リーチ数との違い
リーチ数とは、WEB広告を画面に表示させたユーザー数です。PV数とリーチ数の違いは、分析する媒体です。PV数はWEBサイトを分析する際に用いられる指標であり、リーチ数はWEB広告に対して使用されます。
PV数についてよくある質問
PV数についてよくある質問と回答をご紹介します。
「PV数」の読み方は?
「PV数」の読み方は、「ぺーじびゅーすう」です。
PV数はどこで見る?
自サイトのPV数は、Googleアナリティクス(UA)では「ページビュー数」という項目から、Googleアナリティクス(GA4)では「表示回数」という項目から見ることができます。
競合サイトのPV数はSimilarWebやUbersuggestなどのSEOツールから見ることができますが、推定値なので正確なPV数ではありません。
まとめ
今回は、PV数の概要から確認する方法、分析方法、増やす方法まで解説しました。
WEBサイトを分析する際の基礎的な指標であり、PV数を増やすことでコンバージョン増加にもつながります。流入経路やユーザーの属性を確認し、自社にとって最適な方法でPV増加に取り組みましょう。
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