コンバージョン率(CVR)とは│計算式と平均値・改善方法を解説
「CVRはどのような指標なのか」「どのように計算されているのか」「改善するにはどうすればよいのか」など、お悩みではないでしょうか?この記事では、CVRの概要から計算式、平均・目安の数値、改善する方法について、初心者にも分かりやすく解説します。
コンバージョン率(CVR)とは?
コンバージョン率(CVR)とはConversion Rateの略で、WEBサイトに訪問したユーザー数に対して、「問合せ・購入・申し込み」などの成果に繋がった件数(コンバージョン数)の割合を示す指標です。
コンバージョン率は「CV率」や「顧客転換率」とも呼ばれます。
例えば、ECサイトで購入をコンバージョンとした場合、サイトに訪れたユーザーに対して購入してくれたユーザーの割合がコンバージョン率となります。
WEBサイトのコンバージョン率を出す場合、どの数値を母数やコンバージョンとして定義するかによって数値が変化します。どういうことか次の項目「コンバージョン率の計算方法」で説明します。
コンバージョン率(CVR)の計算方法
コンバージョン率(CVR)の計算方法は、「コンバージョン率=コンバージョン数÷訪問者数×100」です。
例えば、訪問者数が1000で、コンバージョン数が15の場合は以下のようになります。
15÷1000×100=0.015
コンバージョン率は1.5%です。
セッション数(訪問者数) | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|
1,000 | 15 | 1.5% |
コンバージョン率の計算方法は、このようにシンプルです。
しかし、コンバージョン率をきちんと運用に活かしたい場合は、ビジネスモデルに合わせて「コンバージョン数」(分子)と「セッション数」(分母)の定義を明確にする必要があります。
例えば、分母の定義を「サイトに訪れたユーザー数」にした場合と「無料お試し数」にした場合では、コンバージョン率が異なります。
分母の定義 | セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|---|
訪問者数 | 1,000 | 15 | 1.5% |
無料お試し数 | 200 | 15 | 7.5% |
今度は分子の定義を「無料お試し数」と「購入数」にした場合、それぞれのコンバージョン率がどうなるか計算します。
分母の定義 | セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|---|
無料お試し数 | 1,000 | 200 | 20% |
購入数 | 1,000 | 15 | 1.5% |
このように、コンバージョン率は分母や分子の定義によって異なるため、自身のビジネスモデルにマッチした定義を予め決めておく必要があります。
サイト運営でコンバージョン率(CVR)が重要な理由
WEBサイトの運営において、コンバージョン率は重要な指標となります。
例えば、コンバージョン率が2%のWEBサイトが、1ヵ月間で問合せ数100件を目標にする場合、予めコンバージョン率が2%という事が分かっていれば、必要なセッション数を算出することが出来ます。
計算方法は以下になります。
目標コンバージョン数÷コンバージョン率=必要なセッション数
施策 | 目標コンバージョン数 | コンバージョン率 | 必要なセッション数 |
---|---|---|---|
サイト全体 | 100 | 2% | 5000 |
これで目標達成するために必要なセッション数が分かったので、後は5,000セッション集めるための施策を検討して実行すれば目標達成することができます。
また、コンバージョン率を把握することで、ページごとに必要な施策が何か判断することも出来ます。
例えば、以下のようなサイトの場合、ページAに対してページBのコンバージョン率が悪いことがわかります。
施策 | セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|---|
サイト全体 | 1,000 | 15 | 1.5% |
ページA | 200 | 10 | 5% |
ページB | 200 | 5 | 2.5% |
この例の場合、それぞれのページのセッション数は同じなのでページBはSEO対策やリスティング広告でセッションを増やす前にページのデザインやCTAボタンの配置を変えるなど、コンバージョン率を改善する施策を行う方が効果的です。
このように、コンバージョン率を算出しておくことで、成果を増やすために必要な打ち手や、目標達成のために必要な数値を逆算して出すことが出来ます。
コンバージョン率の平均目安
一般的にコンバージョン率は1%前後と言われていますが、実際には流入経路や、コンバージョンに設定したゴール、対象にする分母、業界など条件によって異なります。
例えばECサイトの場合、購入をコンバージョンした場合と、会員登録をコンバージョンにした場合では会員登録の方がコンバージョン率は大幅に高くなります。
また、訪問者数をサイト全体を対象にするのと個別のページを対象とするのでは後者の方がCVRは高くなります。
このようにコンバージョン率は様々な条件によって変化するため、目安や平均を追う際は計測方法を公開している同業他社の情報を探してみましょう。
コンバージョン率(CVR)が下がる原因
CVRが下がる原因として考えられるのは以下の3つです。
- 競合他社のCVRが高くなった
- 流入経路による要因
- 市場・トレンドが変化した
それぞれ詳しく解説します。
競合他社のCVRが高くなった
オーガニック検索やリスティング広告においては、競合他社との競争に負けることでコンバージョン率が低下することがあります。
商品の購入や問合せを検討する場合、多くのユーザーは複数のサイトを比較します。そのため、競合他社がページのデザインを改善したり商品の価格を下げた場合、競合他社のCVRが高くなり自社のCVRが低下する可能性があります。
また、競合他社がテレビCMなどのプロモーションを強化することで、自社のコンバージョンに影響を与えるかもしれません。
競合サイトの商品に比べて自社の商品は魅力的に訴求出来ているのか、定期的にデザインや価格、プロモーション方法などをチェックしておきましょう。
流入経路による要因
ユーザーの流入経路によってもコンバージョン率は変化します。
検索広告やオーガニック検索から流入したユーザーは、目的意識がハッキリとしているため、コンバージョン率は高くなる傾向があります。一方、SNS広告やディスプレイ広告は属性に応じて表示されるため、目的意識が曖昧なユーザーが多くコンバージョン率が低くなる傾向があります。
流入経路 | セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|---|
検索広告・オーガニック検索 | 1,000 | 15 | 1.5% |
SNS広告・ディスプレイ広告 | 1,000 | 10 | 1% |
また、検索広告からの流入とオーガニック検索からの流入でもCVRは異なる可能性があります。
コンバージョン率が低い場合は、流入経路も確認してみましょう。
市場・トレンドが変化した
市場・トレンドの変化により需要そのものが低下したことが、CVRが低下した要因となっているケースがあります。
上記の画像は、Googleトレンドでキーワード「カニ」の1年間の検索ボリュームの変動を示したグラフですが、年末年始に比べると他の期間では検索需要が低いことが分かります。
年末年始には贈答用にカニをネットで購入する人が急増しており、他の期間では購入しようとするユーザーが少ないことが要因と言えるでしょう。
つまり、6月と12月に広告を出稿した場合、12月に比べると6月のCVRは低下する可能性が高いということです。
ただし、広告の表示回数ではなくクリック数を分母としてCVRを算出した場合、CVRはそこまで大きく低下しない可能性もあります。需要があるかどうかとは関係なく広告は表示されますが、広告がクリックされるかどうかはユーザー次第だからです。
コンバージョン率(CVR)の改善する6つの方法
コンバージョン率を改善する方法は以下の6つです。
- LP(ランディングページ)のデザインを改善する
- エントリーフォームの改善
- CVまでの導線の改善
- CTAの改善
- ターゲットキーワードを見直す
- ターゲットユーザーを見直す
コンバージョン率が悪い要因によって改善すべき打ち手は変わりますが、基礎知識として覚えておくべき項目になるためそれぞれ詳しく解説します。
LP(ランディングページ)のデザインを改善する
LP(ランディングページ)のデザインを改善することで、コンバージョン率を改善することができます。
特に流入したユーザーが最初に見るファーストビューはCVRに大きく影響するため、商品やサービスの特徴や強みが一目で分かる魅力的で分かりやすいデザインにしましょう。
また、魅力的なページにするために具体的な数字や図の活用、お客様や実績をページ内に配置します。
エントリーフォームの改善
エントリーフォームを改善することで、CVRを高めることができます。
エントリーフォームはコンバージョンに一番近いページのため、入力項目の数や入力のしやすさがCVRに大きく影響します。
- 「入力項目が多すぎる」
- 「入力の仕方が分からない」
- 「前のページに戻ると入力した内容が消える」
といった要因があると、入力フォームまで到達したユーザーが途中で離脱する場合があります。
CVまでの導線の改善
コンバージョンポイントまでの導線を改善することで、CVRを高めることができます。
例えば、記事ページから流入したユーザーが提供しているサービスについて気になったとしても、サービスページへの導線が分かりづらければそこで離脱してしまいます。
そこで、各ページの分かりやすい位置にコンバージョン率の高いページへの内部リンクをバナーで設置したり、グローバルナビゲーションやフッターにサービスページを設置して、CVまでの導線を改善します。
CTAの改善
CTAボタンを設置する数、設置する場所、デザインなどを改善することで、CVRを高めることができます。
ユーザーに分かりづらい場所にCTAボタンが設置されていたり、CTAボタンに記載されたテキストの訴求が弱いとコンバージョン率は低下します。
そのため、CTAボタンを
- 「目立つ位置に設置する」
- 「1つのページ内に複数設置する」
- 「CTAボタン周りのテキストを魅力的にする」
など、工夫を行いましょう。
LPのファーストビューやCTAボタンの位置、デザインについては定期的にABテストを行い改善していくと、CVRの改善に繋がります。
ターゲットキーワードを見直す
ターゲットキーワードはコンバージョン率に大きく影響します。
例えば、PV数や訪問者数を増加させる目的で潜在層向けのキーワードなど、検索ボリュームの大きいキーワードで流入を集めても、情報収集が目的のユーザーが多いためCVRは低くなります。
そのため、検討するユーザーが検索するキーワードを洗い出してターゲットキーワードに設定します。
具体的には、以下のようなキーワードがコンバージョンに近いと言われているキーワードです。
- 「○○ 比較」
- 「○○ 値段」
- 「○○ 安い」
- 「○○ おすすめ」
- 「○○ 会社」
など
このように、検索広告やSEOで設定しているキーワードを見直すことでニーズが明確なユーザーからの流入が増えるため、CVRが向上する可能性が高くなります。
ターゲットユーザーを見直す
ターゲットユーザーの設定を見直すことで、コンバージョン率の向上につながる可能性があります。
自社の商品やサービスが魅力的でも、ターゲットユーザーと商品や訴求のポイントがミスマッチの場合は訪問者数を増やしても購入数が増えないため、コンバージョン率は低くなります。
そのため、自社の商品やサービスを求めているユーザーがどのような人物や企業なのかを「エリア」「年齢」「性別」など、細かく分析してターゲットユーザーを設定します。
まとめ
今回は、コンバージョン率(CVR)の概要から、計算方法とCVRを改善する方法について解説しました。
CVRは、WEBサイトや広告の効果を測るための重要な指標です。CVRの数値を継続して調査することで、実施している施策が成果を上げているのか、出稿した広告が適切に運用されているのかを確認できます。
CVRが低下している場合は、要因を特定して問題点を早期改善しましょう。
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