コンテンツSEO ロングテールキーワードとは|SEOに効果的な選定方法と役立つツールを解説

ロングテールキーワードは、比較的検索ボリュームが少なく上位表示がしやすいため、SEO対策を始めたばかりのメディアでもコンバージョン効果を発揮できます。この記事では、ロングテールキーワードとは何か、使用するメリット・デメリットやSEOに効果的な選定方法について解説し、調べる際に役立つツールも併せてご紹介していきます。
ロングテールキーワードとは

ロングテールキーワードとは、主に3語以上の複数の単語で構成されたキーワードのことです。
月間検索ボリュームが1,000回未満と少ない場合が多く、ニッチな内容であることが特徴です。その為「スモールキーワード」や「ニッチキーワード」と呼ばれることもあります。
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードより検索ボリュームは低くなりますが、ユーザーの検索意図が明確でコンバージョンに近いのが特徴です。音声検索を使用した際にもヒットしやすい傾向があります。
ロングテールキーワード以外のキーワード
キーワードには、ロングテールキーワード以外に「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」があります。
ビッグキーワード
ビッグキーワードとは、Googleなどの検索エンジンでの検索ボリュームの目安が月間1万回以上となるキーワードで、多くのユーザーが検索するキーワードのことを指します。
ビッグキーワードは、1つの単語を設定するケースが多いですが、2語以上で構成するキーワードであっても、検索ボリュームが大きければビッグキーワードに該当します。
「整体」(月間検索ボリューム:246,000)
「骨盤矯正」(月間検索ボリューム:74,000)
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、検索ボリュームの目安が月間1,000〜1万未満となるキーワードです。主に、キーワードを組み合わせて2語で構成されるケースが多いです。
「整体 渋谷」(検索ボリューム:1,600)
「骨盤矯正 整体」(検索ボリューム:3,600)
ロングテールキーワードの例
ミドルキーワードの「整体 渋谷」をもとに、関連するキーワードの検索意図を考えた上でロングテールキーワードの設定例を紹介します。
ロングテールキーワード | 月間検索ボリューム | 検索意図 |
---|---|---|
整体 渋谷 おすすめ | 90 | 渋谷でおすすめの整体を知りたい |
整体 渋谷 保険適用 | 70 | 渋谷で保険適用が可能な整体を知りたい |
整体 渋谷 安い | 40 | 渋谷の安い整体を知りたい |
整体 渋谷 肩こり | 30 | 渋谷で肩こりを治療できる整体を知りた |
整体 渋谷 夜 | 10 | 渋谷で夜遅くまでやっている整体を知りたい |
ロングテールキーワードは、ミドルキーワードである「整体 渋谷」よりも、より具体的でユーザーの検索意図を明確にしたキーワードになります。
ロングテールキーワードが重要な理由
ロングテールキーワードは、検索ボリュームが1,000未満のキーワードであるにもかかわらず、なぜ重要なのか。米国のSEO分析ツールAhrefsが行った調査結果を元に詳しく解説していきます。
約9割のユーザーが3単語以上で検索
下記の図は、Ahrefsが調査したデータで、ユーザーがキーワードを検索する際に使用する単語の数の割合を表しています。
1~2単語で検索している割合が「13.6%」なのに対して、3語以上で検索する割合はおよそ「86.4%」という結果が出ています。この事から、ビッグキーワードやミドルキーワードに該当する1~2語のキーワードよりも、3語以上に設定するロングテールキーワードの方がより重要であることが分かります。
検索の98%以上が月間検索ボリューム200回未満のキーワード
また次の図は、検索キーワードの月間検索ボリュームの割合を表したグラフです。
検索ボリュームが200回未満のキーワードが「約98%」以上を占めています。ミドルキーワードやビッグキーワードに分類される検索ボリュームが5,000回以上のキーワードはわずか0.36%になります。
検索ユーザーは検索ボリュームが多いキーワードよりも、検索ボリュームが少ないキーワードを日常的に使用して検索をしていることが分かります。
ロングテールキーワードのメリット
ロングテールSEOのメリットは以下の3つです。
- コンバージョン率が高い
- 上位表示されやすい
- 検索意図が掴みやすい
コンバージョン率が高い
ロングテールSEOのメリットは、コンバージョン率が高いことです。
ロングテールキーワードで検索するユーザーは、ただ情報を知りたいのではなく、具体的な悩みや問題を解決したいと考えています。AIDMA(アイドマ)で言えば、最後のActionの段階と言えるでしょう。
AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買プロセスを説明するためのフレームワークのひとつです。
A | Attention | 存在を知る |
I | Interest | 興味を持つ |
D | Desire | 欲しいと思う |
M | Memory | 記憶する |
A | Action | 購入する |
つまり、ロングテールキーワードはCVにもっとも近いキーワードと言えるでしょう。
上位表示されやすい
ロングテールSEOは、弱者のためのSEOとも呼ばれています。
規模が大きいサイトは、主にビッグキーワードとミドルキーワードをターゲットにした記事を作ります。
検索ボリュームが多いキーワードで記事を作った場合、ひとつの記事から得られるアクセス数が多くなり、費用対効果が高いです。一方、ロングテールキーワードでは期待できるアクセス数が少なく、記事を管理・分析する手間がかかります。
つまり、ビッグキーワードとミドルキーワードで上位表示できるサイトにとっては、ロングテールキーワードで記事を作るのは費用対効果が低くなってしまうということです。
一方、記事を投入し始めたばかりのサイトや規模の小さいサイトは、検索ボリュームが大きいキーワードで集客しようとしても、なかなか上位表示できません。ビッグキーワードは競合記事が多く、運営するサイトも強いドメインばかりだからです。
サイト自体がGoogleから評価されていない(ドメインパワーが低い)状態でビッグキーワード・ミドルキーワードで記事を量産してもGoogleからの評価が得られず、費用対効果が低くなります。
ロングテールキーワードで記事を作れば、規模が大きいサイトとの競争を避けることができるため、上位表示されやすいです。
上記のように、ロングテールSEOは弱者のためのSEOと言えるでしょう。
検索意図が掴みやすい
ロングテールSEOのメリットは、検索意図が掴みやすいことです。
「動画編集アプリ」と検索する人は、iPhone用のアプリを探している、android用のアプリを探している、無料で使えるアプリを探しているなど目的はさまざまです。iPhone用のアプリを探している人にandroid用のアプリを紹介しても満足されないでしょう。
一方、「動画編集アプリ iPhone 無料」というロングテールキーワードで検索した場合だと、iPhoneで利用でき、かつ無料のアプリを探していることがはっきり分かります。
ロングテールキーワードは検索ユーザーの検索意図が色濃く反映されたキーワードなので、ユーザーの満足度が高い記事が作れます。
ロングテールキーワードのデメリット
ロングテールSEOのデメリットは以下の3つです。
- アクセス数が少ない
- 重複記事の発生に繋がる
- 記事のメンテナンスに手間がかかる
アクセス数が少ない
ロングテールSEOのデメリットは、ひとつの記事から得られるアクセス数が少ないことです。
一般的に、ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ない傾向にあります。検索ボリュームが少なければ、検索上位になったとしても検索ボリューム以上のアクセス数は得られません。
【検索順位とクリック率・アクセス数の目安】
検索順位 | クリック率 | 検索ボリューム 1,000のアクセス数 | 検索ボリューム 50,000のアクセス数 |
---|---|---|---|
1位 | 28.5% | 285 | 14,250 |
2位 | 15.7% | 157 | 7,850 |
3位 | 11.0% | 110 | 5,500 |
4位 | 8.0% | 80 | 4,000 |
5位 | 7.2% | 72 | 3,600 |
6位 | 5.1% | 51 | 2,550 |
7位 | 4.0% | 40 | 2,000 |
8位 | 3.2% | 32 | 1,600 |
9位 | 2.8% | 28 | 1,400 |
10位 | 2.5% | 25 | 1,250 |
上記の表のように、検索ボリューム1,000のキーワードで検索1位になった場合より、検索ボリューム50,000の記事で検索10位になる方がアクセス数がはるかに多いです。また、順位をひとつ上げる時の効果も、検索ボリュームが多い方が大きくなります。
ただし、ロングテールキーワードのすべてが検索ボリュームが少ないわけではありません。
「Twitter 動画 保存」のように、検索ボリュームが20万以上のロングテールキーワードもあります。
重複記事の発生に繋がる
重複記事の量産に繋がりやすいことも、ロングテールSEOのデメリットです。
例えば、「動画 編集 費用」と「動画 編集 料金」だと検索意図はほとんど同じです。それぞれのロングテールキーワードで記事を作成しても、似たような内容になるでしょう。
似たような記事を量産すればカニバリが発生しやすくなり、Googleからの評価分散につながります。
記事のメンテナンスに手間がかかる
ロングテールSEOのデメリットは、メンテナンスに手間とコストがかかることです。
ビッグキーワードならひとつの記事で大量のアクセスを得られますが、ロングテールキーワードでアクセス数を稼ぐためには記事を大量に作る必要があります。記事数が多ければ記事の分析やメンテナンスにかかる手間とコストも多くなるため、記事の管理がおろそかになることもあるでしょう。
検索上位を維持するためには、記事の定期的なメンテナンスは欠かせません。最初は検索上位表示できていたのに、半年後には順位が大幅に下がっていることも十分考えられます。
ロングテールSEOを実施するなら、記事を作るだけでなくメンテナンスの必要性も考慮しておきましょう。
ロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードの選び方は以下の3つです。
- ビッグキーワードから関連キーワードを探す
- サイト構造を意識する
- サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶ
ビッグキーワードから関連キーワードを探す
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードを軸にして選びます。関連性の低いロングテールキーワードで大量に記事を作っても、Googleからの評価が限定されてしまうからです。
ビッグキーワードからミドルキーワード、ロングテールキーワードと細分化する形で、ロングテールキーワードを選びます。ぼんやりした画像の焦点を絞ってはっきり見えるようにする作業と考えると分かりやすいかもしれません。
サイト構造を意識する
ロングテールキーワードを選ぶときには、サイト構造も意識しましょう。
Webサイトは、ツリー構造が基本です。ミドルキーワード記事がビッグキーワード記事を支え、ロングテールキーワード記事がミドルキーワード記事を支える構造になります。各記事を内部リンクでつなげることで検索エンジンのクロールを促し、評価も得られやすいです。

また、ロングテールSEOではトピッククラスターモデルも効果的です。トピッククラスターモデルとは、コンテンツをトピッククラスターにまとめて整理する手法です。
キーワードの検索ボリュームが大きい場合や、競合するサイトのドメインパワーが強い場合でも、上位表示できる可能性が高くなります。

サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶ
ロングテールキーワードを選ぶときには、サイトの目的・ターゲットに合わないキーワードを除外する作業も必要です。
たとえば、SNS動画の制作がテーマのサイトであれば、「Twitter 動画 保存」というキーワードで記事を作るのは効果的ではありません。検索するのはTwitterに流れてくる動画を保存して個人的に視聴することが目的の一般ユーザーであり、動画を制作しようとは考えていないからです。
同様に、SNS広告の運用会社であれば、「Twitter 広告 消す」で記事を作るのも効果的ではありません。Twitterに流れてくる広告を見えなくなるようにするのは、自社の利益に相反するからです。
ロングテールキーワードを選ぶ時には、サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶようにしましょう。
ロングテールキーワードの調べ方
ロングテールキーワードの調べ方は以下の2つです。
- サジェストキーワードを参考にする
- ツールを使用する
サジェストキーワードを参考にする
ビッグキーワードを検索窓に入力すると、ミドルワードがサジェストキーワードと関連キーワードに表示されます。キーワードによってはロングテールキーワードが含まれることもあるようです。
表示されたミドルキーワードをさらに検索することで、サジェストキーワードと関連キーワードにロングテールキーワードが表示されます。
上記作業を何度も繰り返すことで、ロングテールキーワードが見つけられます。
ただし、上記のやり方では検索する手間がかかり、表示されるキーワードが8個もしくは10個と少ないです。見つけたロングテールキーワードを一つ一つファイルなどに記入する作業も必要になります。また、ロングテールキーワードの検索ボリュームまでは分かりません。
ツールを使用する
ロングテールキーワードは、ツールを利用することでも見つけられます。
おすすめのツールは以下の通りです。
・ Googleトレンド
・ Googleキーワードプランナー
・ Googleサーチコンソール
・ Ahrefs
・ Ubersuggest
・ ラッコキーワード
ロングテールキーワードの上位に当たるビッグキーワードやミドルキーワードで記事をすでに書いている場合は、Googleサーチコンソールを使ってロングテールキーワードを調べることをおすすめします。
Googleサーチコンソールに記事URLを入力し、クエリタブをクリックすれば、実際に検索ユーザーが使用したロングテールキーワードを調べられます。掲載順位が11以下のキーワードをピックアップして、対策すべきかどうかをチェックしましょう。
AhrefsやUbersuggestなどのツールでロングテールキーワードを調べる手順は、前述した手順と同様です。ツールにビッグキーワードを入力し関連キーワードを取得、さらに関連キーワードをツールに入力してロングテールキーワードをピックアップします。
ツールを使用してロングテールキーワードを調べる時のポイントは、ビッグキーワードから関連キーワードを取得しただけで終わらないことです。
ビッグキーワードからだけでもロングテールキーワードは調べられますが、すべてではありません。手間がかかりますが、ミドルキーワードからも関連キーワードを取得することで、より多くのロングテールキーワードが見つかります。
まとめ
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないため、対策がおろそかになりやすいです。
検索順位が上げやすい、ビッグキーワードの評価に影響を与える、コンバージョン率が高いといったメリットがあるため、ロングテールSEOに取り組むメディアが増加しています。
なかなか検索順位が上がらないとお悩みであれば、ロングテールキーワードでコンテンツを制作してみましょう。
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