ECサイトSEO│商品ページの対策方法とテクニカルな施策9選

ECサイトを検索上位に表示するためには、最適なSEO対策を行うことが大切です。検索上位に表示することができれば、アクセスアップ・売上アップにもつながります。この記事では、ECサイトの運用におけるSEO対策を解説します。基本的な対策からECサイト特有の施策まで、体系的に分かる内容となっているのでぜひ参考にしてください。

ECサイトSEOとは
ECサイトSEOとは「Electronic Commerce SEO」の略で、shopifyやMake shopなどのショッピングカート付きのWEBサイトに対しておこなうSEOのことです。
ECサイトSEOでは利用しているショッピングカートシステムの仕様に合わせて、WEBサイト全体に対して内部対策(テクニカルSEO)の実装をおこないます。
個別の記事ページを上位表示させるコンテンツSEOとは異なり、商品一覧ページもしくは商品ページを上位表示させるための施策をおこなうのが特徴です。
ECサイトでコンテンツSEOをおこなうケースもありますが、コンテンツSEOは潜在層に向けたSEOであり、ECサイトSEOは顕在層に向けたSEOということを理解した上でSEOをおこなう必要があります。
ECサイトのSEOの基本
ECサイトのSEOをおこなうために、まずはECサイトの構造やどのようなぺージが検索結果に表示されるのか基本的なことを理解しましょう。
ECサイトの構造
ECサイトは規模が大きくなると数千~数万件の商品を登録するため、使い勝手が良いように商品ページと商品ページをまとめた商品一覧ページで構成された、ディレクトリ構造でサイトを設計するのが一般的です。
ディレクトリ構造とは、以下の画像のようにWEBサイトのコンテンツを論理的に整理して配置する手法です。

殆どのショッピングカートシステムが、このようにWEBサイトを主要なカテゴリに分けられるような仕組みになっています。
ECサイトのSEOでは、ディレクトリ構造や商品ページとカテゴリページの違いを事前に理解しておくことで、内部リンクの最適化や、改善すべきページや適切な打ち手を実行することができます。
次の項目で、どのページを優先的に施策するべきか解説します。
商品一覧ページが検索結果に表示される
Google検索から商品を探す方はイメージできると思いますが、基本的に商品名やアイテム名で検索をおこなうと、検索結果には商品ぺージではなく商品一覧ページが表示されます。
例えば、「テント 通販」と検索すると10位以内に表示されるWEBサイトのうち、8サイトが商品一覧ぺージが表示されています。
順位 | サイト | ヒットしたページ |
---|---|---|
1 | 楽天市場 | 商品一覧ページ |
2 | コールマン 公式オンラインショップ | 商品一覧ページ |
3 | orange | 商品一覧ページ |
4 | ナチュラム | 商品一覧ページ |
5 | snow peak 公式オンラインショップ | 商品一覧ページ |
6 | amazon | 商品一覧ページ |
7 | ヨドバシ.com | 商品一覧ページ |
8 | キャンプリンク 公式オンラインショップ | TOPページ |
9 | Nicetime Mountain Gallery | 商品一覧ページ |
10 | テントマーケット | TOPページ |
これは、Googleが検索結果に個々の商品ページや記事ページを表示するよりも、「ゲーミングチェア」の商品一覧ページを表示する方が、ユーザーにとって利便性が高いと判断しているためです。
また、商品一覧ページにはパンくずリストなどの内部リンクによって商品ページからリンクが集まっているため、検索エンジンからの評価も商品ページに比べて高くなり、検索結果に表示されていると考えられます。
検索キーワードによって表示されるページの種類は多少異なりますが、基本的にはBUYクエリの検索結果には商品一覧ページが表示されるため、ECサイトのSEOでは上位表示させたいキーワードに合わせた商品一覧ページを作成することがベストプラクティスとなります。
これについては、次の項目で詳しく解説します。
対策キーワードをカテゴリページに設定する
ECサイトは商品一覧ページ(カテゴリページ)が検索結果に表示されるため、予め上位表示を狙うキーワードにマッチしたカテゴリページを作成します。
例えば、スマホケースの商品を扱うECサイトでは、まず大きなカテゴリに「iphoneケース」を設定します。次にそれぞれの大カテゴリの下に、より詳細なサブカテゴリ「iphone15ケース」「iphone15 Pro Maxケース」「iphone15 Pro ケース」などを設定します。
表にすると以下のようなイメージです。
キーワード | 設定カテゴリ | URL |
---|---|---|
iphoneケース | 大カテゴリ | xxx.com/category/カテゴリ名 |
iphone15ケース | 中カテゴリ | xxx.com/categoryカテゴリ名/iphone15-case |
iphone15 Proケース | 中カテゴリ | xxx.com/category/カテゴリ名/iphone15-pro-case |
iphone15 Pro Maxケース | 中カテゴリ | xxx.com/category/カテゴリ名/iphone15-promax-case |
このように、サイトの設計段階で対策キーワードをカテゴリページに設定しておくことで、キーワードごとに、商品一覧ページを検索結果に表示させることができます。
反対に、対策キーワードに合わせてカテゴリページを設定していない場合は、以下のようなデメリットが発生します。
- 検索結果に表示されるURLが切り替わり安定しない
- 検索順位が上位に上がり切らない
キーワードに関連する商品一覧ページがサイト内に存在しない場合は、個別の商品ページがキーワードに関連するページになるため、類似する複数のページで評価が分散し上記のような現象が起こります。
ただし、「iphone15 Pro Maxケース 猫柄 高級」といった個別の商品ページが該当するようなキーワードに関しては、商品ページ単位でSEO対策をおこないます。
ここまでが、ECサイトSEOの基本になります。次の項目で具体的なキーワードの選定方法を解説します。
ECサイトのSEOで効果的なキーワード選定方法
ECサイトの売上を上げるには、情報収集ではなく購入する目的で商品を探しているユーザーが検索するキーワードでSEO対策をおこなう必要があります。
また、キーワードに合わせてカテゴリページを作成するため、初期のキーワード選定が重要です。
まずは、以下4つのポイントを意識してキーワード選定をおこないます。
- コンバージョンに近いキーワード
- ロングテールキーワード
- ECモール内で検索されているキーワード
- 競合他社が対策しているキーワード
それぞれ詳しく解説します。
コンバージョンに近いキーワード
ECサイトSEOで効果的なキーワード選定の方法の1つ目は、コンバージョンに近いキーワードを選ぶことです。
コンバージョンに近いキーワードとは、商品の購入意欲の高いユーザーが検索するキーワードのことで、例えば「〇〇 通販」や「〇〇 激安」「〇〇 お取り寄せ」などのキーワードが該当します。
このようなキーワードを「BUYクエリ」と呼び、ECサイトの目的であるオンラインでの売上を高めるためには、コンバージョンに近いキーワードでのSEO対策が必須となります。
尚、検索クエリには大きく以下4つの種類があります。
クエリの種類 | 詳細 | キーワード例 |
---|---|---|
Buyクエリ | 商品を購入したい | 「ワイヤレスイヤホン 通販」「ワイヤレスイヤホン 激安」 |
Knowクエリ | 情報や疑問を解決したい | 「有線 ワイヤスレイヤホン 違い」「有線 無線イヤホン 音質」 |
Doクエリ | やり方を知りたい | 「boseイヤホン 使い方」や「boseイヤホン 接続方法」 |
Goクエリ | 指名検索 | 「boseの公式サイト」や「Amazon bose イヤホン」 |
「Knowクエリ」や「Doクエリ」に関するキーワードも、WEBサイトの認知度や潜在顧客を増やす上では重要ですが、まずは売上を高めるためにコンバージョンに近いキーワードからSEO対策をおこないましょう。
ロングテールキーワード
ECサイトSEOで効果的なキーワード選定の方法の2つ目は、ロングテールキーワードも選んでおくことです。
ロングテールキーワードとは複数の単語を組み合わせたキーワードのことで、例えば「ワイヤレスイヤホン ノイズキャンセリング 日本製」のように、より絞ったキーワードが該当します。
商品を購入するユーザーは、目的の商品を探す際にロングテールキーワードで検索をおこなう傾向があるため、予め自社の商品の特性に合わせて選んでおく必要があります。
また、ロングテールキーワードは単体キーワードに比べて競争性が低いため、これからオンラインショップを始める運営者には特にオススメです。

ロングテールキーワードについては、別記事で詳しく解説しています。
ECモール内で検索されているキーワード
ECサイトSEOで効果的なキーワード選定の方法の3つ目は、ECモール内で検索されているキーワードを選ぶことです。
ECモールとは、「Amazon」や「楽天」「Yahoo!ショッピング」などのことを指し、これらのECモール内で検索されているキーワードは、購入を前提に商品を探しているユーザーが検索するキーワードのため、ECサイトSEOのキーワード選定では是非取り入れておきましょう。
ECモール内で検索されているキーワードをリストアップするために、モール内のサジェスト機能を利用します。
サジェスト機能とは、検索窓に入力したキーワードに関連するキーワードを検索候補として表示させる仕組みのことで、ラッコキーワードなどの無料ツールを使えば簡単に一覧で表示させることができます。

競合他社が対策しているキーワード
ECサイトSEOで効果的なキーワード選定の方法の4つ目は、競合他社が対策しているキーワードを参考にすることです。
インターネット通販の売上が高い競合サイトや、既に検索結果の上位に表示されている競合サイトに流入しているキーワードを調べておくことで、どのようなキーワードでSEO対策をおこなえば売上アップに繋がりやすいのか、ある程度予測を立てておくことができます。
競合他社が対策しているキーワードを調べるには、「ahrefs」というSEOの有料ツールを使って調査します。
ahrefsに競合サイトのURLを入力し、メニューから「オーガニックキーワード」を選択すると流入キーワードの一覧が表示されます。

表示されたキーワード一覧の中から、前述した「コンバージョンに近いキーワード」と「ロングテールキーワード」を拾い出しましょう。
ECサイトに実施するテクニカルSEOの施策9選
ECサイトの場合は、商品数によってはサイト全体のページ数が数千〜数十万になるため、ページ間の重複削除やクロール効率を高めるための施策などテクニカルなSEOが求められます。
▼ ECサイトのSEOで取り組む基本的な施策は、以下になります。
- 関連するページへ内部リンク設置する
- カラー・サイズ違いのページを処理する
- ページネーションによるコンテンツの重複を処理する
- パンくずリストを適切に設定する
- XMLサイトマップを作成する
- 不要なぺージのクロールを制御する
- ページ速度の改善
- スマートフォンで見やすいUIにする
- サイトのSSL化
それぞれ詳しく解説します。
関連するページへ内部リンク設置する
サイト全体のページ数が膨大になるECサイトでは、内部リンクを適切に設定する事がSEOの評価を高める上で重要な施策です。
サイト内で内部リンクが多く集まるページにはPage Rankが多く分配されるため、検索エンジンが重要なページと判断し評価が高まります。
そのため、検索結果に表示させたい商品一覧ページへ商品ページからパンくずリストやメニューを使って内部リンクを設置します。

また、内部リンクによるページの評価にはアンカーテキストの内容も重要視されるため、リンク先ページと関連性の高いアンカーテキストを設置しておきましょう。
カラー・サイズ違いのページを処理する
ECサイトの場合はサイトの仕組み上、「同一商品のカラー違いやサイズ違いで別々のURLが生成される」ことでコンテンツの内容が類似したページが発生します。
重複コンテンツがサイト内に大量にあると判断されると、サイトの評価が低下する恐れがあるため、適切に処理する必要があります。
1つの商品に対して異なるURLが複数発生する場合の解決策は、<canonial>タグを使って正規ページの指定をおこなうことです。<canonial>タグを記述する事で、クローラーは類似するページの中で正規ページがどれなのかを理解する事ができるため、重複コンテンツを回避する事ができます。

ページネーションによるコンテンツの重複を処理する
ページネーションの重複も、ECサイトSEOで解決しておくべき施策の一つです。
商品一覧ページに紐づく商品ページが多い場合は、ページネーションを設定して複数のページに分割して表示しますが、1ページ目と2ページ目以降のコンテンツが類似するため重複コンテンツと判断される可能性があります。
そこで、ページネーションの2ぺージ目以降は、canonicalタグを使って1ページ目を正規指定し、重複コンテンツを回避します。

パンくずリストを適切に設定する
ECサイトの場合、パンくずリストを設定すると商品ページから1つ上のカテゴリページへの内部リンクが集まるため、カテゴリページの評価が高まり検索結果で上位に表示されやすくなります。
また、パンくずリストが設定してあることで、ユーザーはサイト内のどの階層を閲覧しているのかを直感的に理解することができるため、回遊率が高まるなどユーザビリティの向上に役立ちます。

パンくずリストは基本的に全てのページに設定します。設定する際は、アンカーテキストにキーワードを含めたり、シンプルな構造にするとSEOに効果的です。尚、複数のカテゴリにまたがる場合は、2つ以上のパンくずを設定しても問題ありません。
XMLサイトマップを作成する
ECサイトのSEOでは、多くのページを検索結果に表示させるためのテクニカルな手法が必要になります。
例えば、大規模なECサイトの場合は、WEBサイト内のどのページからもリンクされていない孤立したページが発生しやすくなるため、XMLサイトマップを作成してサーチコンソールから送信します。
サイト全体のURLを記載したXMLサイトマップを作成すれば、検索エンジンに全てのURLを伝える事が出来るため、内部リンクが繋がっていないページでもGoogleからクロールされインデックスされる可能性が高くなります。

不要なぺージのクロールを制御する
GoogleのクローラーにはWEBサイトをクロールできる上限があるため、不要なページに対してのクロールが増えてしまうと、検索結果に表示させたいページへのクロール頻度が低下しSEOに悪影響がでます。
ECサイトを長く運用していると、サイト内検索ボックスから動的に生成されたURLなど、インデックスさせる必要のないページが次々発生していきます。
このような、本来インデックスさせる必要のないURLは「noindexタグ」や「robots.txt」を使って検索エンジンからのクロールもしくはインデックスを拒否しておきましょう。

ページ速度の改善
ページ速度はECサイトの購入率に大きく影響するため、テクニカルなSEO施策をおこない改善します。
ECサイトで買い物をおこなうユーザーは、複数の商品ページを経由して購入します。そのため、ページの読み込み速度が遅いとストレスに感じ、離脱やカゴ落ちの原因となります。
ページ速度は、サーチコンソールの「ページエクスペリエンス」や、Googleが提供しているLighthouseを使って確認します。ページの読み込みパフォーマンスを表す「LCP」の数値が悪い場合は、改善しておきましょう。

スマートフォンで見やすいUIにする
ECサイトの利用者の多くはスマートフォンから商品ページを閲覧し決済までおこなうため、モバイルデバイスから見やすいUI/UXにすることが大切です。
また、Googleはスマートフォンの画面の大きさに合わせてコンテンツが表示される、モバイルフレンドリーなWEBサイトを評価します。
スマートフォンからでも見やすく操作しやすいように、フォントサイズ・行間・テキストの長さ調整や、ボタンやリンクをタップしやすいようにしておきましょう。
サイトのSSL化
ECサイトは決済時にクレジットカード情報や個人情報を入力するため、サイトのSSL化は必須です。
SSL化とは、HTTPSセキュリティでWEBサイトの通信を暗号化しデータの安全性を強化する技術の事で、SSL化を実施することで、データの流出や個人情報の漏えい、悪意のあるアクセスを防ぐことに繋がります。
また、GoogleはHTTPSをランキングシグナルに使用すると明言しているため、SSL化の有無はSEOの評価にも影響します。
今ではほとんどのサイトがSSL化をおこなっているため、直接的な検索順位への影響は殆どありませんが、ユーザーの安全性を確保するためにもECサイトのSSL化は最初におこないましょう。

ECサイトSEOで効果的な商品ページへの対策方法
ECサイトの中で一番多くなるページが商品ページのため、商品ページに対してSEO対策をおこなう事でサイト全体の評価を向上させる事ができます。
▼ 商品ページに対してのSEO施策は、以下になります。
- 商品ページの情報を充実させる
- 商品ページのtitleタグを最適化する
- 高品質な商品画像を増やす
- 商品画像にaltタグを設定する
- ECサイトに適した構造化データを使用する
- 商品レビューを集める
- 販売終了商品のページを適切に処理する
どの施策も、商品の購入を検討しているユーザーにとって役に立つ施策となっています。つまり、商品ページのSEO対策とは商品ページを見たユーザーの満足度を上げるための施策です。購入率の向上に繋がるため、1つ1つ対策をおこなっていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
商品ページの情報を充実させる
商品ページのSEO評価を高めるには、商品ページごとに独自性が高い情報を入れて品質を高めることが重要です。
充実させるべき情報とは、ユーザーが商品を購入するにあたって役に立つ情報全てです。例えば、商品の説明や、使い方、スタッフの商品レビューなどが該当します。
メーカーの公式サイトに記載されている説明文などをそのまま自社のWEBサイトに掲載している場合がありますが、独自性の低い情報はSEOの評価を下げる可能性があるため改善が必要です。
以下の項目を参考に、商品ページで現在不足している項目があれば追加しましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
商品説明文 | 素材や成分、サイズ重量、特徴など商品説明を詳細に記載します。 |
使い方や注意点 | 商品の正しい使用方法と注意点を明記します。 |
スタッフのレビュー | スタッフが実際に商品を使用した際の感想を掲載します。 |
関連商品・新着商品 | 購入する商品と関連性の高い他の商品や新着商品を紹介します。 |
売れ筋ランキング | 現在の人気商品や売れ筋商品をランキング形式で紹介。 |
Q&Aの記載 | よくある質問と回答を記載し、ユーザーの疑問を解消します。 |
商品ページのtitleタグを最適化する
SEOに強い商品ページを作成するために、商品ページごとに独自のtitleタグを設定しましょう。
ECサイトに関わらず、titleタグはページの内容を検索エンジンに伝える重要な項目です。商品ページごとにtitleタグが重複しないように気を付けながら、ターゲットキーワードを埋め込むことでSEO評価を向上させることができます。
また、titleタグは検索結果に表示されるため、商品を探しているユーザーの興味を惹きつけるtitleタグにすることでクリック率を高める事が出来ます。
例えば、「送料無料」や「セール開催中」「期間限定」などお得に感じるキーワードや、「人気」「最新」「高品質」など、魅力的な商品に感じるキーワードをtitleタグの左側に入れます。
商品ページが多くなるとtitleタグを個別に設定するのが大変になるため、商品名が自動的にtitleタグに入るようにするなどして常に最適化されるようにしておきましょう。
高品質な商品画像を増やす
SEO対策に強い商品ページを作成するためには、高画質な商品画像を用意したり、商品画像の枚数を増やすなど、商品画像の最適化が重要です。
海外のEコマース情報メディア「digital commerce 360」の調査によると、ECサイト利用者がサイトに対して不満に思った事の第1位が、「商品画像が少なく、商品イメージが分からない」でした。
【参考記事】:The Shopper Speaks: The pandemic is a gift to ecommerce
高品質な商品画像を用意することで、商品の購入率だけではなくページの滞在時間や離脱率などユーザー行動に良い影響をもたらすため、間接的にSEO評価が向上します。
商品画像を充実させるためには、商品写真を撮影する際に自然光または照明機具を使用して、商品の色や質感が正確に表現されるように意識したり、商品を異なる角度から撮影し様々な角度から見せる工夫をおこないます。
商品画像の品質や枚数もECサイトのSEO対策では重要になるため、用意しておきましょう。
商品画像にaltタグを設定する
SEO対策に強い商品ページを作成するために、商品画像には必ずaltタグを設置しましょう。
altタグとは画像の内容を検索エンジンに伝えるためのhtmlタグの事で、画像の内容を表すテキストを設定することでキーワードと関連する画像があるページと判断されSEO評価が向上します。
また、altタグを設定すると通常の検索結果だけではなく、画像検索やショッピング検索にも表示されるようになるため、画像SEOにも効果的な施策です。
goo Search Solutionの調査結果によると、ECサイトで買い物をするユーザーの20%が画像から商品を探しています。

このように、バーティカル検索に画像が表示されるキーワードの場合は、5人に1人が「画像タブ」から商品ページに遷移するため、altタグを設定し画像検索結果上でも表示されるようにしましょう。
altタグの設定方法については、別の記事で詳しく解説しています。
ECサイトに適した構造化データを使用する
SEO対策に強い商品ページを作成するためには、ECサイト特有の構造化データの利用も欠かせません。
構造化データとは、検索エンジンにページの構造や内容をより分かりやすく伝えるために用意されたHTMLにマークアップするコードの事です。
「Product」の構造化データを実装すると製品ページの情報(価格、在庫状況、レビューの星評価など)がリッチリザルトとして表示されるため、検索結果画面上で商品ぺージが目立つようになります。

また、「Product」でマークアップすると通常の検索結果だけではなく画像検索にも表示され、商品の補足情報が表示されるため、商品ページへのアクセスアップに繋がりやすくなります。
「Product」構造化データのマークアップ方法については、Googleの公式ガイドProduct の構造化データについてを参考に進めてみてください。
商品レビューを集める
良質な商品レビューを集めることで、商品ページの独自性が高まるためSEO効果が向上します。
Googleの検索エンジンは独自性が高く、ユーザーにとって役立つコンテンツを評価します。商品レビューが定期的に投稿されることで、ぺージ内にオリジナルコンテンツが追加されるため、検索エンジンからの評価が高くなります。
一般的なCMSを利用しているのであれば、レビュー投稿機能が元々ついているため、商品を購入されることが多くなってきたら、購入者からレビューを書いて貰えるように工夫しましょう。
商品レビューを獲得するためには、
- 商品受け取り後にメールでレビュー促進をおこなう
- レビューを書いてくれたら次回使えるクーポンを発行する
など、ユーザーがレビューを投稿したくなるような仕組み作りが必要です。
レビューを集めた事によって商品ページの評価が高くなれば、内部リンクで繋がっている上の階層(商品一覧ページやTOPページ)の評価も高くなるため、サイト全体のSEO評価が向上します。
販売終了商品のページを適切に処理する
ECサイトを運用していくと、商品の販売が終了したり、欠品となり再入荷待ちになることも少なくありません。SEO対策上、販売が終了したページをどのように扱えば良いのか解説します。
Googleは、キーワードに関連するページの数によって専門性などを判断し評価します。そのため、10万ページ以下の場合は販売終了している商品をそのまま残しておくほうがSEO効果は高くなります。
ただし、Googleのクローラーには一定の期間内に巡回出来るページの上限があります。そのため、10万ページ以上ある大規模ECサイトの場合は販売を終了した商品ページを削除し、新しいページへクローラーが巡回するようにします。
再販予定がある | 再販予定がない | |
---|---|---|
小規模サイト (取り扱う商品数が10万点未満) | 一時的な欠品であり、再販の予定があることを告知する | 商品ページを売り切れのまま残す |
大規模サイト (取り扱う商品数が10万点以上) | ページを削除する |
販売が終了した商品のページを残して置く場合の注意点として、ユーザーの満足度が低下する可能性があります。
そこでページを残す場合は以下をおこないます。
- 販売終了を明示する
- 関連する商品やカテゴリへのリンクを掲載する
販売終了商品のページを削除する場合も注意が必要です。ただし、削除した場合は404エラーページが表示されるため、ユーザーは離脱してしまう可能性があります。
また、商品ぺージが被リンクを獲得している場合、ぺージを削除してしまうと被リンクの効果が無くなってしまいます。そこで301リダイレクトで類似商品かカテゴリページへリダイレクトをおこない、ユーザーを遷移させます。この方法であれば、被リンクの効果も遷移先のページに引き継ぐことができます。
301リダイレクトについては、以下のページを参考におこなってください。
ECサイトSEOで効果的な商品一覧ページへの対策方法
前述した通りECサイトの場合、検索結果に最も多く表示されるページは商品一覧ページになります。そのため、多くのキーワードで上位表示させるには、商品一覧ページの評価を高める施策が重要です。
▼ 商品一覧ページに対してのSEO施策は、以下になります。
- 商品一覧ページに個別のtitleタグを設定する
- 商品一覧ページの情報を充実させる
- 商品一覧ページに掲載する商品ページを増やす
それぞれ詳しく解説します。
商品一覧ページに個別のtitleタグを設定する
商品一覧ページのSEO評価を高める方法の1つ目は、各商品一覧ページに個別にtitleタグを設定することです。
商品に関するキーワード(BUYクエリ)でGoogle検索をおこなうと、商品一覧ページが検索結果に表示されることが多いため、商品一覧ページには必ずページのテーマを表すキーワードをtitleタグに含めます。
例:<title> 〇〇商品一覧│スニーカー通販専門店○○ <title>
例えば、サッカーシューズの商品一覧ページであれば、上記例の〇〇の中にキーワードを設定することで、検索エンジンが「サッカーシューズ」を紹介しているページと認識し、検索結果に表示されやすくなります。
商品一覧ページの情報を充実させる
商品一覧ページのSEO評価を高める方法の2つ目は、商品一覧ページに表示させる情報を充実させることです。メインコンテンツ内に表示される商品ページ内の情報は、レビュー・価格・発送日情報・在庫情報などユーザーが商品ページに遷移する上で役立つ情報を記載します。
また、サブコンテンツとしてページ下部に類似するカテゴリーページの紹介やカテゴリー内の新着商品、ランキング情報を記載してページ内の利便性を高めましょう。
商品一覧ページはユーザーが最初に検索結果画面から遷移する入口ページになることが多いため、情報を充実させることで、直帰率の低下などユーザー行動の改善にも繋がります。
商品一覧ページに掲載する商品ページを増やす
商品一覧ページのSEO評価を高める方法の3つ目は、商品一覧ページに紐づく商品ぺージ数を増やすことです。
ECサイトSEOでは、商品一覧ページがピラーページで商品ぺージがクラスターページの役割を持つため、商品数が多い方がピラーぺージへの内部リンクが多く集まり、SEO評価が高くなります。
楽天やAmazonなど大手ショッピングモールの一覧ぺージが色々なキーワードで上位表示されているのはこれが大きな要因です。そのため、競合サイトと比較して、商品一覧ページの商品数に大きく差がある場合は対策キーワードを変更するか、商品数を増やしましょう。
ECサイトで効果的なSEO外部対策
SEOで上位表示されるには、テクニカルな施策だけではなくドメイン自体の評価も高める必要があります。そのためには、SEO外部対策としてリンクビルディング(被リンク獲得)も積極的におこないましょう。
▼ ECサイトの被リンク獲得でオススメの方法は、以下の3つです。
- 取引先企業からリンク付きで紹介してもらう
- 商品のプロモーションをおこなう
- 商品に関連するイベントに協賛する
それぞれ詳しく解説します。
取引先企業からリンク付きで紹介してもらう
ECサイトで被リンクを増やす1つ目の方法は、取引先企業に依頼してWEBサイトをリンク付きで紹介してもらう事です。
例えば、メーカーの商品を代理で販売している場合は、メーカーのWEBサイトに正規販売業者としてリンク付きでWEBサイトを紹介してもらい、卸先がある場合は、卸先のWEBサイトに製造元やメーカーとしてリンク付きで紹介してもらうように働き掛けましょう。
取引先であればリンクしてくれる可能性が高く、関連性の高いWEBサイトからのリンクが獲得できるためSEO効果も高くなります。
商品のプロモーションをおこなう
ECサイトで被リンクを増やす2つ目の方法は、商品のプロモーションを積極的におこなう事です。
プレスリリースで新製品の発表や展示会への参加、Facebook、Instagram、PinterestなどSNSを使ってプロモーションをおこない、認知度が高ければ、ブログなどで紹介されるなどナチュラルリンクの獲得に繋がります。
また、自社商品が他サイト上で言及されている場合は、メールで紹介してくれた事への感謝を伝えた上で商品ページへのリンクも付けて欲しいと依頼してみましょう。
商品に関連するイベントに協賛する
ECサイトで被リンクを増やす3つ目の方法は、イベントのスポンサーになることです。取り扱っている商品に関連するリアルイベントに協賛することで、協賛元としてイベントのWEBサイトやプレスリリースサイトからリンクを獲得することができます。
例えば、テントやキャンプ用品を扱っているECサイトであれば、アウトドアイベントや野外イベントに協賛すれば、関連性の高いサイトからリンク付きで紹介してもらうことができます。
ECサイトでコンテンツSEOをおこなうポイント
ECサイトは基本的に顕在層向けのキーワードを中心にSEO対策をおこないますが、リソースや予算に余裕がある場合はより多くの流入を獲得するために、情報収集段階のユーザーをターゲットにしたコンテンツSEOにも取り組んでみましょう。
コンテンツSEOとは、ユーザーの疑問や課題についての解決方法や、商品比較について記事ページを作成して上位表示を狙うSEOの手法です。
ECサイトでコンテンツSEOを行うメリットは、以下になります。
- 将来商品を購入する可能性があるユーザーを獲得できる
- キーワードに関連するページが増えるため検索エンジンからの評価が高くなる
- ユーザーにとって役立つ情報を記事にする事で信頼性が高くなる
- Amazonや楽天など大手モールが検索結果に表示されないキーワードで集客できる
このようにコンテンツSEOをおこなう事で、SEO対策上の効果だけではなく、将来見込み客になるユーザーへのアプローチや自社の信頼性や認知度の向上に繋がります。
どのようなコンテンツを作成すれば良いか、次の項目で詳しく解説します。
比較記事の作成
ECサイトのコンテンツSEOで一番成果が出やすいのが、「〇〇 比較」や「〇〇 おすすめ何選」など、複数の商品を比較する記事の作成です。
ユーザーは商品を購入する前に情報収集をおこない、複数の商品を比較した上で購入を決定します。そこでユーザーがよく比較する商品同士を比較するコンテンツを作成し、どの商品を選べば良いのかユーザーに分かりやすく伝えて商品ページへ誘導します。
具体的なデータや使用感、サイズ感などを詳細に比較したコンテンツを作成すれば、ユーザーからの信頼性も高まり商品の販売に繋がりやすくなります。
人気の商品やオススメの商品を紹介して、ユーザーに行動を起こしてもらえる導線を作っておきましょう。
ユーザーの疑問を解決するコンテンツを作成する
ユーザーの疑問を解消する記事も、商品の購入や自サイトの認知度向上に繋がるためオススメです。
例えば、あなたが革靴用品を扱っているWEBサイトのオーナーの場合は、「革靴の磨き方のコツ」「革靴のシミを落とす方法」といった革靴に関する疑問や悩みなどを解決する方法で記事を作成します。
この時に、記事内で革靴を磨く時に使うクリームやブラシなどサイト内で販売している商品を紹介しておけば、興味をもったユーザーが商品ページへ遷移して購入してくれる可能性が高まります。
ただし、Googleから記事を評価してもらうためには、自社商品を紹介する事だけを目的に作成するのではなく、ユーザーにとって本当に役立つコンテンツを作成する必要があります。
ECサイトSEOでおすすめのショッピングカートシステム
これからECサイトを始める方に向けて、SEOに適したショッピングカートシステムを2つ紹介します。
- Shopify
- Makeshop
それぞれの特徴を解説します。
shopify
shopifyは、カナダの企業が開発したレンタル型のショッピングカートシステムです。自身でサーバーを借りる必要がなく、多言語に対応した決済システムや多彩なテンプレートが初めから用意されているため世界中で利用者が急増しています。
ShopifyにはSEOに特化したアプリが豊富にあり、商品ページやカテゴリページのtitleタグを一括で更新してくれる機能や、構造化データのサポート機能など、初心者でもテクニカルなSEO施策がやりやすい環境が初めから整っています。
また、InstagramやAmazon、pinterestなど外部サービスとの連携も簡単にできるため、SEO以外の集客チャネルを用意できるなど、幅広いマーケティング戦略をおこなうことができます。
Makeshop
Makeshopは、日本のGMO社が提供しているショッピングカートシステムです。日本の企業が提供しているため、管理画面も日本語で操作することができ、ECサイトを運営している多くの企業が利用しています。
Makeshopのカテゴリは1カテゴリにつき、最大5階層までサブカテゴリを作成できるため、商品一覧ページを商品カテゴリに合わせて細かく作成することがSEO上のメリットになります。
また、Wordpressとの連携もできるため、ECサイトの下層ページにコラムページを設置してコンテンツSEOをおこなうことも可能です。ページごとにtitleタグを変更したり、XMLサイトマップを作成する機能も付いているため、初心者でもSEOをおこないやすいのが特徴です。
まとめ
ECサイトのSEOは、ユーザーの獲得・売上の向上に直結する重要な施策です。競争が厳しくなりつつあるEC市場で勝ち抜くためには、SEO対策は必須と言えるでしょう。
ECサイトを検索上位に表示させられるように、少しずつSEO対策をおこなっていきましょう。

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