ワードサラダとは?仕組みと例文・使った場合のリスクを解説
ワードサラダとは、2010年以前にブラックハットSEOで使用された施策です。自動生成ツールを使って時間や手間をかけずに文章を作成することが出来るため、主に被リンク目的で作成したサテライトサイト内のコンテンツに使用されていました。本記事ではワードサラダの仕組みや例文、利用するリスクやSEOへの影響について解説します。
ワードサラダとは
「ワードサラダ」とは、文法的には正しく構成されているが、実際には意味が通じない文章の事です。単語をランダムに組み合わせて自動生成するため、文法的には問題ないものの、内容的には支離滅裂な文章となります。
ワードサラダは、形態素解析とマルコフ連鎖を使って自動生成される文章の一種で、システムやツールを使い短時間で大量のコンテンツを作成することが可能です。
そのため、以前はSEO対策の手法としてワードサラダが使用されていましたが、Googleのガイドラインに反する行為のため、手動による対策ペナルティの対象となります。
次の項目で、具体的にワードサラダで作った文章がどのようなものか紹介します。
ワードサラダの例文
ワードサラダの例文は以下になります。
- 「昨日、空がピアノを弾きながら、雲は靴を買いに行った。」
- 「本棚はコーヒーを飲み、カップは海を泳いでいる。」
このように文法的には成立していますが、意味的には支離滅裂になっています。
実際に、インターネット上で見つけたワードサラダの文章も例文として紹介します。
【例文①】
【例文②】
このように、文章を読んでも意味不明な文章になっているのがワードサラダの特徴となります。
ワードサラダが作られた背景
ワードサラダが作られた背景は、自作自演の被リンクによってランキングを操作するブラックハットSEOをおこなうためです。
Googleの検索エンジンのアルゴリズムには、多くの被リンクを獲得しているWEBサイトや、評価の高いサイトからリンクされているWEBサイトを評価するPageRankという仕組みがあります。
かつてのPageRankアルゴリズムは、ページの内容の質に関わらず、被リンクが多ければ高評価を得られる単純な検索アルゴリズムだったため、多くのスパマーが中身の無いサイトやリンク集を使ってランキングを操作していました。
これに対して、Googleはアルゴリズムをアップデートし、リンクの関連性や前後の文脈などを元に評価を変える仕組みを導入します。
そこで誕生したのが、ワードサラダです。
通常コンテンツの作成には、多大な労力が必要ですが、ワードサラダを生成するツールを用いることで、少ない時間と労力で大量のテキストを作成することができます。
ワードサラダで作成したテキストをサテライトサイトに使用し、コンテンツの関連性を疑似的に高め、被リンクによるSEO効果を高める方法がおこなわれました。
ワードサラダの仕組み
ワードサラダの生成プロセスは、主に形態素解析とマルコフ連鎖の二つの自然言語処理技術を利用しています。形態素解析は、文章を意味を持つ最小単位である「形態素」に分解し、それらがどの品詞に当たるのかを分類する自然言語処理(NLP)の技術です。
「私は校庭で運動します」を形態素解析で最小単位に区切ると、以下のようになります。
私 | は | 校庭 | で | 運動 | し | ます |
代名詞 | 係助詞 | 名詞 | 助詞 | 名詞 | 動詞 | 助動詞 |
次に、分解した単語をマルコフ連鎖を使って文章を作成します。
マルコフ連鎖とは、「未来の状態が現在の状態にのみ依存して決まる」という考え方に基づく数学モデルです。
例えば、「校庭」に続く単語として「で」が選ばれ、「で」に続く単語として「運動」が選ばれるといった具合に、ある単語に続く単語は、その単語と直接関係する確率に基づいて選ばれ、これまでの文章の流れや内容は考慮されません。
この仕組みを使って、第三者のWEBサイトにある文章などを土台にしてワードサラダを作成します。物凄く簡単に言うと、「ある文章を単語ごとに分解して、それを確率だけで繋ぎ合わす」これがワードサラダの仕組みです。
ワードサラダのリスク
ワードサラダをWEBサイト内で使用した場合のリスクや、被リンクとして使った場合にSEOに及ぼす影響は以下になります。
- Googleのガイドライン違反になる
- ワードサラダはGoogleに検知される
それぞれ詳しく解説します。
Googleのガイドライン違反になる
ワードサラダのように自動生成された役に立たないコンテンツは、Googleのガイドライン違反になります。
GoogleのWEB検索のスパムに関するポリシーには、以下のように記載されています。
・生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること
大量生成されたコンテンツの不正使用
・フィード、検索結果、その他のコンテンツをスクレイピングして、ユーザーにとってほとんど価値がない大量のページを生成すること(類義語生成、翻訳、その他の難読化手法などを使用)
・複数のウェブページからのコンテンツを、価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりすること
・コンテンツを大量生成したことを隠す目的で複数のサイトを作成すること
・検索キーワードは含んでいるものの、閲覧者にとってほとんどまたはまったく意味がないコンテンツのページを大量に作成すること
Googleは、ランキングを操作する目的でユーザーにとって価値の無いコンテンツを大量に作成する事を禁止しています。
ワードサラダはこれらの禁止事項に該当するため、WEBサイト内で使用した場合は、スパムと判断され検索順位が大きく低下したり、インデックスから削除されたりする恐れがあります。
ワードサラダはGoogleに検知される
ワードサラダはGoogleのアップデートによって、ほぼ100%検知出来るようになっています。
2010年以前のGoogle検索アルゴリズムには、文脈を正確に理解できる技術は備わっていませんでしたが、2011年におこなったパンダアップデートで、低品質なコンテンツや自動生成されたコンテンツ(ワードサラダ)を判別出来るようになりました。
また、現在はRankBrainや2019年のBERT(バート)アップデートによって、自然言語処理能力が高まり、コンピューターが人間と同じように文章やクエリの意味を理解出来るようになっています。
そのため、ワードサラダを使用して被リンクを作成してもGoogleから検知され、効力を無効化されます。
画像はワードサラダを使った被リンクの例ですが、このようなサイトからの被リンクを作成したり、購入してもSEO上全く意味がありません。
ワードサラダを使用したサイトからリンクされた場合の対処法
前述した通り、ワードサラダを使って被リンクを増やしてもSEO効果はありません。
仮に、ワードサラダを使用したWEBサイトから意図せずリンクされた場合でも、ペンギンアップデート4.0以降は、品質の低いリンクが自動で無効化されるようになっているため基本的には放置で問題ありません。
ただし、どうしても心配な場合は、Googleサーチコンソールの「リンクの否認ツール」を使ってリンクの否認をおこないましょう。
リンク否認の流れは、以下になります。
- Googleサーチコンソールにログインして左メニューの「リンク」をクリック
- 右上の「外部リンクをエクスポート」ボタンをクリック
- ファイルを開き低品質なURLをピックアップ
- 否認したいURLをtxtファイルに記載し否認リストを作成する
- リンクの否認ツールにアクセスしてファイルをアップロードします。
各項目の詳しい説明は、別の記事で解説しています。
ワードサラダに関するよくある質問
ワードサラダに関するよくある質問は以下になります。
誤字脱字や文法のミスはワードサラダと判断されますか?
テキストの大部分が、誤字脱字であればワードサラダとみなされるかもしれませんが、実際に検索上位表示されているページにも誤字脱字が見つかるケースもあるため、ページ内に数ヶ所の誤字脱字がある程度であればワードサラダとみなされることはないでしょう。
AIで作成した文章はワードサラダに該当しますか?
AIを使って自動作成したからといって、ワードサラダには該当しません。
ただし、AIで作成した文章をそのまま使用するのは注意が必要です。サイトに掲載する前に必ず人間が監修をおこない、ユーザーにとって役に立つコンテンツになっているかどうか確認しましょう。
ワードサラダを生成するツールを教えてください。
ゴーストライターを使うと無料でワードサラダを作ることができます。ただし、作成した文章をWEBサイト内で使わないようにしてください。
まとめ
ワードサラダは、2010年頃までブラックハットSEOのひとつとして乱用されていた手法ですが、現在ではGoogleからスパム行為と判断されSEO効果はありません。
WEBサイトの中の一部のぺージのコンテンツでワードサラダを使った場合でも、WEBサイト全体に悪影響を与える可能性もあるため絶対に使ってはいけません。
また、ワードサラダを使った被リンクもランキングを操作する行為としてGoogleからすぐに検知され無効化されます。ワードサラダを使ってコンテンツを作成するのではなく、時間はかかりますが人間がしっかりと監修をおこなった高品質なコンテンツを作成するようにしましょう。
尚、SEO対策や被リンクの獲得をおこないたい方は、弊社まで気軽にご相談くださいませ。
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