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SEO対策 2024/10/10

ペンギンアップデートとは│基本と対応方法・由来を徹底解説

ペンギンアップデートとは?のサムネイル画像です

ペンギンアップデートとは、検索順位を不正に操作するWEBスパムを排除するためにGoogleが2012年におこなったアップデートの事で、主にリンクスパムを行なっているWEBサイトに大きな影響が出ました。今回は、ペンギンアップデートの概要と導入された背景、実施履歴と現在の状況、対応方法について分かりやすく徹底解説します。

【ペンギンアップデート概要】

項目詳細
名前ペンギンアップデート (Webspam Update)
初回リリース日2012年4月24日
目的WEBスパムの削減と検索結果の品質向上
主な対象リンクスパムや不自然なバックリンクを持つWEBサイト
主な特徴不正なリンクの検出、リンク元サイトの品質によってリンクを評価
影響検索結果全体の3%に影響を与える順位の大幅な変動
最新情報2016年9月23日にリアルタイム処理としてコアアルゴリズムに統合
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ペンギンアップデートとは?

ペンギンアップデートとは、リンクスパムやキーワードの詰めこみなど、スパムに関するポリシーに反したブラックハットSEO取り締まる事を目的に実施されたアルゴリズムアップデートです。

ペンギンアップデートによって、自作自演によるリンクビルディングや被リンクの購入など、不正に獲得した被リンク効果によってWEBサイトのランキングを上げていたWEBサイトの検索順位が大幅に下落しました。

ペンギンアップデートは、2012年4月24日に初めて実施され、その後約4年間で合計7回おこなわれました。2016年9月23日のペンギンアップデート4.0を最後に、Googleのコアランキングシステムに自動的に組み込まれています。

ペンギンアップデート以降は、リンクスパムによるSEO手法は衰退し、ユーザーにとって価値の高い高品質なコンテンツを作成するホワイトハットSEOが主流となっています。

Penguin システム
これは、リンクスパム対策のために設計されたシステムです。2012 年に発表されたこのシステムには「Penguin Update」というニックネームが付けられています。Penguin システムは、2016 年に Google のコア ランキング システムに組み込まれました。

Google 検索ランキング システムのご紹介
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ペンギンアップデートが導入された背景

ペンギンアップデートが導入された背景には、ブラックハットSEOによる手法が横行し、検索結果の品質が低下していた事があげられます。

2000年代~2010年代前半にかけて、Googleの検索エンジンは現在ほどコンテンツの内容を正確に理解できませんでした。そのため、ページ内のキーワードの数や被リンクの量と質を基に、検索クエリとの関連性や重要性を判断していました。

その結果、リンクスパムやキーワードの詰め込みといった不正な手法が広まり、低品質なWEBサイトやアフィリエイトサイトが検索上位に表示され検索結果の品質が低下してしまいました。

Googleはこうした不正行為を排除し、検索エンジンを利用するユーザーにとってより関連性が高く、質の高いコンテンツを上位表示させるためペンギンアップデートを導入しました。

尚、当時Googleのスパム対策チームのリーダーだったマット・カッツ氏曰く、元々はペンギンアップデートの前に実施されたパンダアップデートでブラックハットSEOを排除する予定でしたが、まだスパムが多くある事が判明したため追加の施策としてペンギンアップデートが導入されたとの事です。

3

ペンギンアップデートの主な対象はリンクスパム

ペンギンアップデートは、主にリンクスパムへの取り締まりを重要視したアップデートです。

代表的なリンクスパムの手法は、以下になります。

  • ワードサラダを使ったサイトからのリンク
  • リンクファームへの登録
  • PBN(プライベートブログネットワーク)
  • 有料リンク
  • 低品質なリンク

それぞれ詳しく解説します。

3-1

ワードサラダを使ったサイトからのリンク

ワードサラダとは、形態素解析とマルコフ連鎖を使って自動生成されたテキストの事です。

自作自演の被リンクを作るための、ワードサラダを使って自動生成された文章を使ってWEBページを作成し、本文からリンクをおこないます。

リンクプログラムによるガイドライン違反について
画像引用元:リンク プログラムによるガイドライン違反について: Google 検索セントラル ブログ

上記画像を見ると、支離滅裂で意味が分からない文章の中に完全一致のアンカーテキストが設置されている事が分かると思います。これは、検索順位を操作する目的で作成されたリンクスパムに該当するためペンギンアップデートの対象となります。

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リンクファームへの登録

リンクファームとは、PageRankを操作する目的で作成された過剰な相互リンク集の事です。

Googleの検索エンジンが誕生する前から存在する古典的なスパム手法の1つで、互いに大量のリンクを貼り合い、人工的に検索エンジンからの評価を高めます。

そのため、相互リンク用のページをWEBサイト内に作成し、過剰な相互リンクをおこなっているWEBサイトは、ペンギンアップデートの対象となり順位が大幅に下落しています。

また、Yomi-Searchなどの自動化されたプログラムで作成される無料リンク集の利用にも注意が必要です。

3-3

PBN(プライベートブログネットワーク)

PBN(プライベートブログネットワーク)とは、特定のサイトの検索順位を上げるために、複数のブログやWEBサイトを使ってリンクを集める手法です。

中古ドメインを複数購入し、リンク先のサイトに関連するコンテンツを作り検索順位を上げたいWEBサイトに向けてリンクを設置します。PBNはリンクファームに似ていますが、関連性のあるコンテンツが含まれている点や、同じ運営者によって管理されている点が特徴です。

3-4

有料リンク

有料リンクとは、検索順位を操作する目的で購入したリンク全般を指します。

Googleの公式ドキュメントには、以下の行為がリンクの売買に該当すると記載されています。

・リンク自体やリンクを含む投稿に関して金銭をやり取りする
・リンクに関して物品やサービスをやり取りする
・特定の商品について記載してリンクを設定してもらうのと引き換えにその商品を送る

リンクスパム:Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー

有料リンクの多くは、前述したPBNやワードサラダを使って作成されたWEBページからの被リンクでした。そのため、有料リンクを使って検索順位を上げていたWEBサイトの多くがペンギンアップデートによって順位が下落しました。

3-5

低品質なリンク

ペンギンアップデートでは、リンクスパムをおこなっているWEBサイトに対して、手動もしくは自動ペナルティを与えるだけではありません。リンク元のWEBサイトの品質についてもアルゴリズムによって判断され、品質が低い場合はリンク自体の効果を低下させます。

以下に該当する被リンクは、低品質なリンクです。

  • WEBサイトのサイドナビやフッターに埋め込まれたリンク
  • 掲示板やコメント欄に投稿された作為的なリンク
  • ユーザーの目的を達成させる事が出来ない低品質なぺージからのリンク

このようなリンクは、低品質なリンクとGoogleからみなされペンギンアップデートでその効果を失っています。

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ペンギンアップデート実施履歴

2012年に開始されたペンギンアップデートは一度だけでなく、細かな修正や更新を加えながら何度も実施されています。

以下、ペンギンアップデートの実施履歴です。

名前詳細
2012年4月24日ペンギンアップデート1.0当初は「Webspam Update」という名前でリリースされました。
2012年5月25日ペンギンアップデート1.11.0から1ヵ月後にリリース データの更新
2012年10月5日ペンギンアップデート1.2アルゴリズムの更新
2013年5月22日ペンギンアップデート2.0リンクスパムの調査範囲をTOPページだけではなく下層ぺージにも拡大
2013年10月4日ペンギンアップデート2.1コメント欄へのリンクと PBNを使ったリンクスパムが対象
2014年10月17日ペンギンアップデート3.0アルゴリズムの更新
2016年9月23日ペンギンアップデート4.0アルゴリズムの更新・コアアルゴリズムの一部に組み込まれた
2016年9月27日4.0 フェーズ1リンクスパムに対してペナルティではなくリンク自体を無効化する
2016年10月6日4.0 フェーズ2ペンギンアップデートによるペナルティを全て取り消す

このように、Googleはペンギンアップデートに関する更新を細かい変更も含め合計9回実施しています。

Googleは時間をかけてリンクスパムへの対応をおこない、ユーザーにとって価値の高いコンテンツを上位表示させる事に取組んでいます。

なお、4.0だけ数回のフェーズに分けて実施していますが、これは他のアルゴリズムアップデートでは見られないため珍しいやり方と言えます。

ペンギンアップデートは4.0で内容に変更がありました。次の項目で詳しく解説します。

4-1

「ペンギンアップデート4.0」でコアアルゴリズムに統合される

ペンギンアップデート4.0までは手動でアップデートがおこなわれていましたが、4.0でコアアルゴリズムに統合されました。

コアアルゴリズムに統合された事で、ペンギンアップデートは手動による実施から、自動的にリアルタイムで実施されるようになったため、Googleはリンクスパムを随時検出できるようになっています。

Penguin のアップデートがリアルタイムになりました。
これまでは、Penguin の影響を受けるサイトのリストは、定期的に同じタイミングで更新されていました。ウェブマスターがサイトを大幅に改善し、インターネット上でのプレゼンスを強化すると、Google の多くのアルゴリズムではすぐに考慮されますが、Penguin など他のシグナルでは更新作業が必要でした。今回の変更により、Penguin のデータはリアルタイムで更新されるようになります。

Penguin が Google のコア アルゴリズムの一部になりました

統合されて以降は、ペンギンアップデートに関する更新についてGoogleから発表はありませんが、現在も数あるアルゴリズムの中の1つとして機能しています。

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ペンギンアップデートが検索結果に与えた影響

ペンギンアップデートによって、本記事で説明しているリンクスパムをおこなっていたWEBサイトの順位が大きく下落しました。

バージョンごとの検索結果への影響度合は、以下になります。

名前検索結果への影響
ペンギンアップデート1.0約3%
ペンギンアップデート1.10.10%
ペンギンアップデート1.2約 1%
ペンギンアップデート2.0約 2.3%
ペンギンアップデート2.11%未満
ペンギンアップデート3.01%未満
ペンギンアップデート4.0不明

また、海外で有名なSEO会社RustyBrickのCEOバリー・シュワルツ氏が2012年におこなったペンギンアップデートに関するアンケートでは、回答者の65%が悪影響があったと回答しています。

影響を受けたWEBサイトの順位の下落幅は、以下のようになっています。

WEBサイトの順位の下落幅
引用元:https://www.seroundtable.com/penguin-traffic-drop-chart-15096.html

このことからも、ペンギンアップデートが検索結果に与えた影響度が大きいことが分かります。

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ペンギンアップデートへの対応方法

ペンギンアップデート4.0以降は、リンクの効果を無効化(無視する)ように変更されたため、ペンギンアップデートに対して、現在何か特別な対応をおこなう必要はありません。

そのため、第三者からスパム性の高いリンクが設置された場合や、過去に有料リンクを購入している場合でもリンク否認ツールを使う必要はありません。

ただし、スパムリンクの効果が無効化されるからと言って、自作自演の被リンクや有料リンクの購入をおこなっても良いわけではありません。

現在、ペンギンアップデートに対して具体的に何か対応する必要はありませんが、ペンギンアップデートはGoogleの数あるランキングアルゴリズムの1つに過ぎません。

その他も様々なアルゴリズムがあるため、Googleが推奨するホワイトハットなSEOをおこなう事が重要です。

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ペンギンアップデートに関するよくある質問

7-1

ペンギンアップデート4.0でスパムリンクが無効化された理由は?

ペンギンアップデート4.0でリンクスパムが無効化されるようになった背景には、競合サイトの検索順位を下げるためにおこなわれる、「逆SEO」が横行した事が要因です。

ここで言う逆SEOとは、ペンギンアップデートで検索順位が下がった原因となった被リンクを、競合サイトに設置する事でWEBサイトの評価を下げる手法です。

これを防ぐために、Googleはリンクスパムに対してはペナルティではなく、その効果自体を無効化しています。

7-2

ペンギンアップデートの由来は何ですか?

ペンギンアップデートは、当初「Webspam Update」と言われていましたが、Googleのマット・カッツ氏がX(旧Twitter)に「ペンギンアップデート」と投稿した事で一般的に広まりました。

なぜ、「ペンギン」なのかは公表されていませんが、先におこなわれていたパンダアップデートと同様にサイトの評価を白黒させるという意味が込められている説が濃厚です。

パンダアップデートは、Googleのアルゴリズム開発に大きく関わったNavneet Panda氏(ビスワナス・パンダ氏)が由来になっている説もあります。

7-3

パンダアップデートとの違いは何ですか?

パンダアップデートは内容が薄かったり、他サイトのコピー、自動生成されたコンテンツなど、低品質なコンテンツの評価を下げるアップデートです。

ペンギンアップデート

リンクスパムに対するアップデート

パンダアップデート

低品質なコンテンツに対するアップデート

パンダアップデートは、ペンギンアップデートが実施される前の2011年2月(日本では2012年7月)に初めて実施されました。

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まとめ

繰り返しおこなわれたペンギンアップデートによって、リンクスパムによるSEOは不可能になりました。

以下、ペンギンアップデートについてのまとめになります。

ペンギンアップデートの目的悪質なリンクスパムを使って順位を上げているWEBサイトを排除し、ユーザーにとって価値の高いページを上位に表示させる
ペンギンアップデートの対象リンクスパムをおこなっているWEBサイト
ペンギンアップデートの影響現在リンクスパムは効果を無効化される
ペンギンアップデートの実施状況2016年にコアアルゴリズムに統合される

Googleは、ユーザーにとって価値の高いページを検索結果に表示させるために、日々様々なアップデートをおこなっています。そのため、「ユーザーファースト」なコンテンツを作成する事を心掛ける必要があります。

以上、ペンギンアップデートについての解説でした。

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この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。 サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超のノウハウをSEOサービスに反映し、3,000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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