動画SEOとは?SEO効果とやり方を解説
動画SEOとは、検索結果に動画を表示させることでアクセスや認知度を増やす施策です。最近は、YouTubeなどを用いたマーケティングをする企業が増えた事もあり「動画を検索結果に表示させる方法はあるか?」「サイトに動画を埋め込むことでSEO効果があるか?」というお問合せを多く頂きます。今回は、動画SEOについて説明します。
動画SEOとは?
動画SEOとは、Google検索エンジンが動画の内容を理解しやすいように最適化して、動画コンテンツが検索結果の上位に表示されることを目指す施策です。
別名で、「VSEO(Video Search Engine Optimizationの略)」とも呼びます。
HTMLで作成されたWEBページと違い、検索エンジンは動画の内容や質を判断することはできません。そのため動画SEOでは構造化データのマークアップや高画質なサムネイルの用意、動画タイトルの設定などを行い、動画の内容や品質を検索エンジンに理解してもらう施策を行います。
動画SEOをおこなった場合の動画掲載場所
動画SEOを行うことで、
- Googleの検索結果ぺージ
- Google画像検索
- Google動画モード
- Discover
などに動画を露出させることが出来ます。
ただし、2023年12月15日以降、検索結果に上記のように表示されるのは、動画がメインコンテンツになっているページに限定されます。
以前は、ぺージ内に動画が埋め込んであれば検索結果に表示されましたが、現在は動画を中心に作成されたページのみが検索結果ぺージや動画モードに表示されます。
動画SEOの効果
動画SEOの効果はGoogle検索における様々な場所での露出が高まり、自社のWEBサイトへの流入が増加する可能性が高まることです。
具体的には以下になります。
- 検索からの流入が増える
- 動画モード(動画検索)からの流入が増える
- YouTubeでの露出増加
検索からの流入が増える
動画SEOを行うことで、ユーザーが検索するキーワードと関連性が高い動画と検索エンジンから評価されると、検索結果に動画が表示される可能性が高まるため流入数の増加が期待できます。
通常検索結果にはURLとページタイトルとページの説明文が表示されますが、動画コンテンツを含むページの場合、動画のサムネイルも表示されるため検索結果ページ上で自社のWEBページを目立たせることができます。
動画モード(動画検索)からの流入が増える
2つ目の効果は、動画SEOを行うと動画モードページからの流入が増加する可能性があることです。
動画モードとは、検索結果画面の上部に表示される動画マークをクリックした先のページの事で、検索キーワードに関連する動画が一覧で表示されます。
動画モードを選択したユーザーは動画を探しているため、動画一覧が表示される動画モードぺージで自社の動画が上位表示できれば多くの流入を獲得できます。
YouTubeでの露出の増加
3つ目の効果は、YouTubeでの露出増加が期待できることです。動画SEOを行い検索結果画面から流入したユーザーが増えれば、YouTubeの視聴回数やいいねの増加に繋がります。その結果、YouTubeの検索結果の上位や関連動画に表示されやすくなります。
ただ、YouTubeを見てもらうには視聴維持率を高めたり、動画の質を高めたり、いいね!をたくさん集めたり、ユーザーからのいい反応を集めたりする必要があります。どのような動画が評価されるか分析して、動画SEOを行うようにしましょう。
動画SEOのやり方
動画SEOのやり方は下記になります。
- 動画専用のページを作成する
- 動画サイトマップの送信
- 動画のタイトルを最適化する
- ユーザーが見たくなるようなサムネイルにする
- 動画にタイムスタンプを入れる
- 構造化データを使って動画の内容を検索エンジンに伝える
それぞれ詳しく解説します。
動画専用のページを作成する
前述した通り、動画を検索結果に表示させるためには、テキスト情報が最小限に抑えられた動画がメインコンテンツである専用のページを作成する必要があります。
既に別のページに動画を埋め込んでいる場合でも、その動画専用のページを作ります。
ニュース記事や商品の詳細ページなど、他の情報とともに、専用ページと元のページの両方に同じ動画を含めても問題はありません。
動画のSEOベストプラクティス | Google 検索セントラル
また、検索結果に表示させるためには通常のWEBページと同様に動画専用ページも検索結果にインデックスされる必要があります。そのため、ページを作成したらGoogleが発見・インデックスできるようにnoindexタグや、robots.txtでぺージをブロックしないようにしましょう。
尚、Googleがページ内に動画があることを分かりやすくするために、<video>、<embed>、<iframe>、<object> などのHTMLタグを利用すると動画の識別が早くなります。
動画サイトマップの送信
動画専用のページを作成したら、XMLサイトマップに動画の情報を記載してGoogleに送信します。XMLサイトマップとは、WEBサイト内にあるURLや画像・動画を検索エンジンに伝える為のファイルです。
動画サイトマップを送信するとWEBサイト内にある動画専用ページの存在を検索エンジンが認識するため、動画ページをクロール・インデックスする可能性が高くなります。
動画サイトマップの作成方法や、XMLサイトマップの基本的な送信方法については、別記事で詳しく解説しているのでそちらを参考にしてください。
動画のタイトルを最適化する
動画を埋め込んだページのタイトルと動画のタイトルは、動画の内容を表す分かりやすいタイトルを設定します。
Googleの検索エンジンはページのタイトルや動画のタイトルから動画の内容を判断するため、検索結果に表示させたいキーワードに関連するタイトルを設定することが重要です。
ただし、長すぎるタイトルはGoogleによって切り捨てられ検索結果画面に表示されないため、動画を埋め込んだページのタイトルは30文字以内、動画自体のタイトルは60文字以内に収まるように設定してください。
タイトルはCTR(クリック率)にも影響するため、ユーザーの興味を引くタイトルを設定すると、クリック数や視聴回数が増加します。
ユーザーが見たくなるようなサムネイルにする
どんなに素晴らしい動画を作ったとしても、見てもらわないと全く意味がありません。ユーザーがまず最初に見るか見ないか判断するところがサムネイルです。
サムネイルに魅力がないと視聴率もかなり下がってしまいますので、ユーザーが興味を持つようなサムネイルを作ることが重要です。
ユーザーが興味を持つサムネイルを作るにはサムネイルを2枚作り、ABテストを行い、どちらのサムネイルの方が再生回数が高いのか効果検証を行う必要があります。
また、再生回数が多い競合動画を模範したサムネイルを作りABテストを行うと、短期的に自社の動画にマッチしたサムネイルを作ることができるようになります。
最初は再生回数が伸びず上手くいきませんが、継続して取り組み良いサムネイルを作れるようにしましょう。
- 【利用可能なサムネイル形式】: BMP、GIF、JPEG、PNG、WebP、SVG
- 【サイズ】: 60×30 ピクセル以上
動画にタイムスタンプを入れる
Google検索結果に動画が表示される際に、タイムスタンプが表示されることがあります。タイムスタンプが表示されると、特定のセクションに直接リンクするため動画の視聴回数を大幅に向上させることができます。
動画がYouTubeにホストされている場合は、YouTubeの編集画面からタイムスタンプとラベルの設定を行います。動画がWEBサイトにホストされている場合は、構造化データを使ってタイムスタンプを有効にします。
詳しいやり方は、Googleのヘルプを参考にしてください。
【参考記事】:YouTube のタイムスタンプを含めるおすすめの方法
構造化データを使って動画の内容を検索エンジンに伝える
動画が埋め込まれたページに構造化データを追加することで、検索エンジンがページのコンテンツをより正確に理解することができるようになります。
具体的には、VideoObjectを使用して、動画の詳細情報をGoogleに伝えます。
【構造化データ例】
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "VideoObject",
"name": "動画のタイトル",
"description": "動画の説明文",
"thumbnailUrl": [
"http://example.com/thumbnail1.jpg",
"http://example.com/thumbnail2.jpg"
],
"uploadDate": "アップロード日(例:2025-02-05T08:00:00+08:00)",
"duration": "動画の長さ(例:PT1M33S)",
"contentUrl": "http://example.com/動画のURL.mp4",
"embedUrl": "http://example.com/埋め込み用のURL",
"interactionStatistic": {
"@type": "InteractionCounter",
"interactionType": "http://schema.org/WatchAction",
"userInteractionCount": 564
}
}
</script>
構造化データで、動画タイトルや動画の説明文、アップロード日、動画の長さなど動画に関する情報を追加すると、これらの情報が検索結果に表示されやすくなります。
また、LIVE動画の場合は、赤文字でLIVEと表示させることができるなど、構造化データを使うことでよりユーザーの興味を引く情報を表示させることができます。
構造化データについては、Googleのヘルプページをご確認ください。
【参考記事】:動画(VideoObject、Clip、BroadcastEvent)の構造化データ ー Google検索セントラル
動画SEOに適した動画の内容
検索エンジンは動画の内容を理解することができないため、動画の内容自体が検索順位に影響することはありません。ただし、動画を見たユーザーが満足しなければページの離脱やサイトの信頼を損なうため、作成する動画の内容についても動画SEOの一貫として考える必要があります。
そこで、動画を作成する際は、WEBサイト内でアクセスが多いページやコンバージョンが多いページのテーマに合わせた動画を作成します。
例えば、自社サイト内で動画SEOに関するページのアクセスが多い場合、動画SEOについての効果やメリット・施策方法について解説した動画を作成すると、ページに流入したユーザーの検索意図を満たすことができます。
検索意図を満たす動画を作成することで、動画の視聴維持率の向上や高評価を得ることが出来ます。
動画を入れたページのSEO効果
動画自体をSEOで検索結果上で露出させる方法について解説してきましたが、ページ内に動画を入れるとSEO効果はあるのでしょうか?
これについて、Googleのゲイリー氏は以下のように回答しています。
Having a video on your page will absolutely not help you rank better in web search.
Gary "鯨理/경리" Illyes (@methode)
ページに動画を掲載しても、ウェブ検索でのランクが向上するわけではありません。
一方で、過去には別のGoogleスタッフが「SEOで検索順位が上がりにくいキーワードは、画像とか動画を載せてみよう。」と発言していることもあり、実際に動画をページ内に埋め込むことで、ランキングアルゴリズムで評価されるのかされないのか不明です。
ただし、Googleはユーザーの役に立つコンテンツを評価しようとしているため、動画を入れることでユーザーにとって価値の高いコンテンツになるのであれば評価される可能性があります。
そのため、サイト管理者は動画を入れることによって、「ユーザーの疑問が解決される」「ページの内容を理解するのに役立つ」かどうかを基準に動画を埋め込みましょう。
ユーザーから支持される動画を入れることで、「サービス・製品の理解に繋がりCVRが高くなる」「会社の信頼性が高まる」などSEO効果以外のメリットもあるため、積極的に動画は入れるべきです。
サーチコンソールの「動画がページのメインコンテンツではない」はSEOに悪影響か?
2023年12月以降、サーチコンソールの動画ページのインデックスレポート内に「動画がページのメインコンテンツではない」が表示された方が多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、これが原因でページのSEO評価が下がることはありません。
これは、前述したGoogleの仕様変更によるもので、今までは動画が埋め込まれている事を検索エンジンが認識していれば動画はインデックス登録されましたが、2023年12月15日以降は動画がメインコンテンツとなっているページ以外の動画をインデックスしなくなったためです。
そのため、検索結果に表示される動画から多くの集客を行っていたサイト運営者以外は気にする必要はありません。
ただし、動画を検索結果にどうしても表示させる必要がある場合は、本記事の「動画SEOのやり方」を参考に、動画専用のページの作成と動画SEO対策を行いインデックスさせてください。
動画SEOでよくある質問
既にYouTubeにアップした動画がGoogleにインデックスされているが、同じ動画で専用ページを作ったらインデックスされるのか?
YouTube、Vimeo、Facebookなどで公開した動画と同じ動画であってもGoogleはどちらのページもインデックスすることがあります。
インデックスされた動画ページを検索結果から削除することは出来ますか?
可能です。サーチコンソールの削除ツールから削除申請をおこないます。
その後、ページを完全に削除(404を返す状態)にすればGoogle以外の検索エンジンの検索結果からも削除されます。ページは残した状態で検索結果ページからのみ削除したい場合は、削除申請を行った後にページにnoindexタグを設置します。
まとめ
本記事では、動画SEOについて解説してきました。
動画ぺージを検索結果に表示させる対策を行い、色々なキーワードで露出できればサイトへの流入数の増加だけではなく、会社の信頼性アップや認知度の向上が期待できます。
また、ジャンルによっては通常のSEO対策に比べて競合が少ないためすぐに上位表示できる可能性があるため、動画コンテンツを作成している方は積極的に取組むべき施策です。
ただし、通常のページの検索順位を上げる目的で動画を入れるのは効果が不明なため、オススメできません。
大事なことは、常にユーザーのことを意識したコンテンツ作りをすることです。ユーザーに評価されれば同時に検索エンジンからの評価も上がっていきます。
YouTubeだけではなくTiktokなどショート動画を含めると、1ユーザーあたりの視聴回数は年々増加しているため、コンテンツの一部として動画SEOに取り組んでいきましょう。
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