サイト構造がSEOで重要な理由と設計方法を紹介
WEBサイト構造を正しく設計することはSEO対策として重要な施策です。ユーザーの回遊率が向上する、検索順位が上がりやすくなるといった効果が期待できます。この記事では、サイト作成時やリニューアル時に活用できる、サイト構造の設計方法、効果的な作り方と注意点、可視化・解析ツールをご紹介します。
サイト構造とは
サイト構造とは、WEBサイトをどのような階層構造に設計するのかを考えるための設計図です。
サイト内のコンテンツを分類することでカテゴリーを決定し、カテゴリーごとにディレクトリ構造を設計、トップページから各下層ページへつなげる導線設計を検討する流れでサイトの構造を設計します。
WEBサイトに訪れるユーザーの行動を意識しながら、利便性の高いサイト構造にすることが重要です。サイト構造設計はSEO対策としても重要な施策であり、Googleも推奨しています。
ディレクトリ構造とは
ディレクトリ構造とは、パソコンのファイル管理におけるフォルダと同じように、WEBサイトのカテゴリー・ページを階層構造で分類したものです。
フォルダの中にフォルダがあり、さらにそのフォルダの中にもフォルダがあるという階層構造と同様に、カテゴリー・ページを階層構造にしたものがディレクトリ構造になります。
▼ 一般的なWEBサイトのディレクトリ構造は以下の通りです。
- トップページ:第一階層
- カテゴリーページ:第二階層
- カテゴリーページに紐づく下層ページ:第三階層
すべてのページをトップページにつなげてしまうと、求める情報がどこにあるのか分かりにくくなり、見つけるのが困難です。ページをカテゴリーごとに分類し、カテゴリーの下にページを配置することで、サイトに訪れたユーザーは求めるページがどこにあるかがわかりやすくなります。
内部リンクとの違い
内部リンクとは、WEBサイト内のページ同士をつなげるリンクです。
ページを閲覧したユーザーにサイト内の別のページへ誘導することを目的として、内部リンクが設置されます。内部リンクが設置されていることでGoogleのクローラーがサイト内を巡回しやすくなり、ページの評価が高くなりやすいというSEO効果も期待できる施策です。
一方、サイト構造では、トップページ・カテゴリーページ・カテゴリーページに紐づく下層ページが内部リンクでつながっているわけではありません。
内部リンクではなく、構造設計でページをつなげることがサイト構造と言えるでしょう。
Googleも推奨している
サイトを訪れるユーザーにとってわかりやすいサイト構造を設計することは、Googleも推奨している施策です。
ウェブサイトは利用者の便宜のために構築するべきであり、すべての最適化はユーザーエクスペリエンス向上のための調整である必要があります。検索エンジンもそうした利用者のひとつであり、他のユーザーがあなたのコンテンツを見つけるための手助けをしています。
検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
Googleの検索エンジンは検索ユーザーの利便性を向上することを重視しており、サイトを訪れるユーザーにとってわかりやすいサイト構造を設計することで、さまざまなSEO効果が期待できるでしょう。
サイト構造を設計するメリット
WEBサイトを構造化することで、以下のような効果が期待できます。
- ユーザーの回遊率が向上する
- 検索順位が上がりやすくなる
- 記事の重複を避けられる
ユーザーの回遊率が向上する
サイト構造を設計する目的は、ユーザーにサイト内を自由に回遊してもらうことです。
サイト内のページが整理されていなければ、ページを見たユーザーはサイトのどこにいるのか、他のページを見るためにどこをクリックすればよいのか分からないこともあるでしょう。
ユーザーが最初に訪れるページは、トップページだけとは限りません。検索エンジンを経由してサイトに訪れる場合、ディレクトリ構造における最下層であるページが、最初に目にするページであることがほとんどです。
今見ているページがどんなカテゴリーに含まれるページなのかが分からなければ、一度トップページに戻り、求めるページを探すことになります。面倒だと感じたユーザーは、検索画面に戻って別のサイトを見に行ったり、調べることを断念したりするかもしれません。
ユーザーの行動を意識し、回遊しやすいサイト設計にすることが大切です。
検索順位が上がりやすくなる
適切にサイト構造を設計することでページ同士のつながりを明確にすれば、クローラーの巡回を促進されるため検索順位が上がりやすくなります。
▼ サイトの検索順位が決定されるまでのプロセスは以下の通りです。
- クローリング
- インデックス
- ランキング
クローリングとは、検索エンジンの情報収集ロボットであるクローラーが、周期的にWEB上を巡回してWEBサイト・ページを発見することを指します。
インデックスとは、クローラーが発見したWEBサイト・ページの情報を検索エンジンのデータベースに保管することです。
ランキングとは、検索エンジンがインデックスされた情報を相対的に評価し、ページの内容に対応したキーワードの検索順位を決めることを指します。
つまり、ページの内容に対応したキーワードの検索順位が決定されるまでには、ページがGoogleにインデックスされる必要があり、インデックスされるためにはクローラーにサイトを巡回してもらう必要があるということです。
また、クローラーは一度の巡回でページの内容を正確に把握できるわけではなく、何度もサイトを巡回することでページの内容を把握しようとしています。
適切なサイト構造設計によりクローラーの巡回が頻繁におこなわれるようになれば、ページの内容を正確に把握してもらうことができ、サイトの検索順位が上がりやすくなります。
記事の重複を避けられる
サイト構造の設計で記事が適切にカテゴリー分けされることで、似たような内容の記事を作成してしまうことを防止できます。
ひとつのカテゴリーに含まれる記事数が数十記事程度であれば、それぞれの記事の内容が重複する可能性は低いです。しかし、100記事、200記事と記事数が増加するにつれて、過去にどんな内容の記事を書いたのか分からなくなることがあります。特に、複数の人が記事を執筆する場合には注意が必要です。
SEOに効果的なWEBサイト構造の作り方
コンテンツをカテゴリーに分類する
サイト内のコンテンツをカテゴリーに分類します。
ユーザーは、どんな会社なのか知りたい、提供しているサービスを利用したい、情報を得たいなどさまざまな目的でサイトに訪れます。ユーザーの目的に合わせてコンテンツをカテゴリーに分類することで、ユーザーの利便性が高くなります。
▼ 弊社オルグロー株式会社が運営している、WEB集客を担当している方向けのメディア「SEMPlus」のカテゴリーは以下の通りです。
- SEO対策
- MEO対策
- コンテンツSEO
SEO対策に関する記事とMEO対策の記事が同じカテゴリーの中に入っていると、SEO対策について知りたい読者にとっては、必要としていない記事も目にすることになるでしょう。求める記事にたどり着くまでに余計な時間がかかるかもしれません。
サイト内の記事を整理し、カテゴリー別に分類することで、サイトに掲載されている情報が把握しやすくなります。
カテゴリーごとにディレクトリ構造を作成する
上記で分類したカテゴリーが幅広いテーマを扱う物である場合には、カテゴリーをさらにディレクトリ構造にした方がページを分類しやすいです。
ファッション系ECサイトの場合、性別やデザイン、価格などで分類できます。
たとえば、「スカート」というカテゴリーを作成し、「ミモレ丈スカート」「タイトスカート」「フレアスカート」というカテゴリーを「スカート」カテゴリーの下に配置しておけば、スカート全般を探している人は「スカート」カテゴリー、タイトスカートを探している人は「タイトスカート」カテゴリーから商品を探すことができます。
関連キーワードから設計する
関連キーワードを意識することで、カテゴリーごとのディレクトリ構造が作りやすくなります。
▼ たとえば、「動画編集」の関連キーワードは以下の通りです。
- 動画編集アプリ
- 動画編集ソフト
- 動画編集 仕事
「動画編集」と検索した人には、アプリを探している人、ソフトを探している人、どんな仕事なのか知りたい人がいることが分かります。
「動画編集」カテゴリーを作成し、「アプリ」「ソフト」「仕事」というサブカテゴリーを作成すれば、検索から訪れた人でも求める情報がどこにあるのか分かりやすいです。
検索ボリュームから設計する
関連キーワードからカテゴリーを作成する場合には、検索ボリュームが大きいキーワードを優先して作成する方が効果的です。
▼ 前述したキーワード「動画編集」の関連キーワードと検索ボリュームを整理すると以下のようになります。
キーワード | 検索ボリューム |
動画編集 | 74,000 |
動画編集アプリ | 90,500 |
動画編集ソフト | 40,500 |
動画編集パソコン | 22,200 |
動画編集ソフト 無料 | 18,100 |
動画編集 仕事 | 9,900 |
動画編集ソフトおすすめ | 8,100 |
動画編集無料 | 8,100 |
動画編集副業 | 6,600 |
動画編集 スマホ | 6,600 |
動画編集アプリ iphone | 4,400 |
動画編集アプリ パソコン | 3,600 |
検索ボリュームを見る限りでは、動画編集の仕事や副業について知りたいと考えている人より、アプリやソフトについて知りたいと考えている人が多いことが分かります。
また、「動画編集アプリ」の検索ボリュームが大きいですが、デスクトップアプリ、つまりソフトを探している人が一定数含まれる可能性があるでしょう。
上記のように、検索ユーザーが何を求めているのか、需要が大きいテーマは何かを意識してカテゴリー分けすることも重要です。
ユーザーの行動から設計する
サイト構造設計で意識しなければいけないのは、ユーザーを満足させないままサイトから離脱させてしまうことです。
ひとつのページで、すべてのユーザーを満足させられるとは限りません。たとえば、「無料の動画編集アプリ」という記事を読んだ読者の中には、無料の動画編集アプリではやりたいことができないと思う人もいるでしょう。このような読者に対しては、有料の動画編集アプリの記事へ誘導する必要があります。
サイトに訪れたユーザーがページを閲覧した後、次に知りたいことは何か、どんなことに興味を持つかを意識してサイト構造を設計することが重要です。
サイトマップを作成する
サイトマップとは、WEBサイトの構成がわかりやすく説明されているページです。ユーザーに向けて作成するHTMLサイトマップと検索エンジンに向けて作成するXMLサイトマップの2種類があります。
HTMLサイトマップを作成する目的は、サイトを訪れたユーザーに対しどのようなコンテンツがあるのかを伝えることです。一方、XMLサイトマップは検索エンジンのクローラーに対してサイト内のページURLや構造を知らせることを目的として作成します。
検索エンジンがXMLサイトマップを使うようになったためHTMLサイトマップが重視されなくなっていますが、立ち上げたばかりのサイトや規模の大きなサイトなどでは効果的な場合があります。
サイト構造を設計する際の注意点
WEBサイトを構造化する際の注意点は以下の6つです。
- 初期段階から取り組む
- トップページから訪れるとは限らない
- キーワードの重複に注意する
- 専門性を高める
- 内容が分かるURLを設定する
- 重要なページは細分化しすぎない
初期段階から取り組む
サイト構造の設計は、初期段階から取り組む方が効率的です。
カテゴリー分けしないままページを量産すると、最終的にカテゴリーの数が多くなり、どんなテーマを扱っているのか分かりにくくなります。
100記事に対してカテゴリーが数個であれば問題ありませんが、10以上のカテゴリーにわかれてしまうと特定のカテゴリーの記事が不足することになるかもしれません。場合によっては、どのカテゴリーにも入れることができない記事が出てくることもあるでしょう。
サイト構造を設計する段階で扱うテーマを明確にし、分類するカテゴリーを決めておくことで、どんなページが必要なのか、どのカテゴリーのページを追加すべきかが把握できるようになります。
トップページから訪れるとは限らない
サイトに訪れるユーザーは、トップページから訪れるとは限りません。特にオーガニック検索からの流入では下層ページからの流入が大半を占めています。あるWEBサイトでは月間のクリック数約60万に対し、トップページのクリック数は約3,000と、サイト全体の0.5%にすぎませんでした。
トップページからカテゴリーページ、下層ページというユーザーの行動を意識しすぎると、下層ページから流入したユーザーの利便性を損なってしまうこともあります。目的のページを探すためにサイト内をさまよってしまうことになるかもしれません。
下層ページ→トップページ→カテゴリーページ→下層ページと移動した場合、ユーザーは求めるページに到達するまでに最低3回サイトをクリックすることになるわけです。一般的に、サイト内でクリックする回数が増えるたびに、離脱するユーザーは増加していきます。
ページをクリックする回数を少なくするサイト構造を設計するようにしましょう。
キーワードの重複に注意する
カテゴリーの分け方によっては、キーワードの重複が発生する場合があります。
「動画」・「広告」・「SNS」という3つのカテゴリーの場合、「動画広告」・「動画 SNS」・「広告 SNS」といったキーワードで記事を書くこともあるでしょう。
「動画」と「広告」カテゴリーの両方で別々に「動画広告」の記事を書いてしまうと、Googleから重複コンテンツとみなされたり、キーワードカニバリゼーションが発生する恐れがあります。
重複コンテンツとは、ほとんど同じ内容のコンテンツが異なるURLに掲載されている状態です。同一ドメイン内でコンテンツが重複した場合、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 被リンク評価が分散する
- どちらか一方の記事が検索結果に表示されない
- Googleからペナルティを受ける
- クローラビリティが低下する
サイト内に似たような内容の記事が複数あっても読者にはなんのメリットもないですし、記事を書くコストも無駄です。
記事を作成する際にキーワードの重複が発生しないように注意するか、重複が発生しないようなカテゴリー分けをおこないましょう。
専門性を高める
サイトのカテゴリーは、専門性が高いと評価されやすいものを選びましょう。幅広いテーマのカテゴリーや何にでも当てはまるようなカテゴリーは専門性が低いと判断されやすいです。
Googleはサイトを評価する基準として「E-A-T」を重視しており、特定のテーマに対して詳しく解説している(記事数が多い)サイトを専門性が高いと判断しています。
「スポーツ」や「ファッション」というカテゴリーだと扱うテーマが多すぎるため、専門性が高いと判断されるためには膨大な量の記事が必要です。
また、「フリーソフト」「おすすめ」といったカテゴリーだと専門性がないと判断されるかもしれません。また、「野球」「趣味」「仕事」のようにカテゴリー同士に関連性がないと、どのテーマが専門のサイトなのかが分かりにくくなります。
どこまでテーマを絞るべきかはサイトの規模によって異なりますが、サイトを訪れた読者とGoogleから専門性が高いと認識されることを意識しましょう。
内容が分かるURLを設定する
ページのパーマリンクを内容が分かる文字列にすることで、記事の内容が分かるようになり、クリック率が高まる効果が期待できます。
パーマリンクとは、記事に割り当てられたURLで、URLの末尾にあたる部分を指します。
例えば、https://white-link.com/sem-plus/seoでは、「seo」という部分がパーマリンクです。パーマリンクの文字列は、サイト内の他の記事と重複しない限り自由に設定できます。
パーマリンクには、会社概要であれば「company」、問い合わせなら「contact」、サービスなら「service」といったように、ユーザーがURLを見ただけで内容がある程度想像できる英単語を使用するようにしましょう。
パーマリンクには日本語も使用できますが、URLエンコードされると英数字と記号が混在した意味不明で無駄に長い文字列が表示されてしまいます。パーマリンクを日本語にしてもSEO的な効果はないので、基本的には英数字がおすすめです。
また、パーマリンクを後になって変更すると、記事の評価がリセットされてしまいます。仮に検索1位だったとしても、ゼロからの評価となります。301リダイレクトすることで記事の評価を受け継ぐことは可能ですが、すべての評価が受け継がれるわけではありません。記事数が多いと手間がかかるので、パーマリンクは変更しなくてすむように設定しましょう。
ページの階層を深くしすぎない
コンテンツを階層やフォルダに分類することでユーザーの回遊率が向上しますが、ページの階層を深くしすぎると、かえってユーザビリティを損なう原因にもなります。
深い階層にあるページは、クローラーから巡回されにくいです。重要なページが深い階層にあると、クローラーから正しい評価が得られなくなる恐れもあります。
サイト構造を可視化する方法とツール
サイト構造の可視化・解析に役立つ機能・ツールは以下の3つです。
- パンくずリスト
- グローバルナビゲーション
- マインドマップ作成ツール
パンくずリスト
パンくずリストとは、サイトを訪れたユーザーがサイトのどこにいるのかが視覚的にわかるように表示したものです。上記の画像であれば、「SEOの基本」というカテゴリーの中の「クローラーとは」という記事であることが分かります。
▼ パンくずリストを設定することで、以下のような効果が期待できます。
- 読者の回遊率が上がりやすい
- クローラーの巡回を助ける
- 内部リンク構造を強化しやすい
また、パンくずリストは構造化データを用いてマークアップすることで、Googleの検索結果のスニペットに表示させることも可能です。
グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションとは、会社概要や問い合わせ、主要なコンテンツへのリンクが設置されたメニューです。
サイトのすべてのページに表示されるため、読者がどの記事を読んでいても次に読みたい記事へ最短でたどり着くことができます。
▼ グローバルナビゲーションを設置することで、以下のような効果も期待できます。
- 検索エンジンに重要なページがどのページかを伝えられる
- WEBサイト内の現在位置を把握できる
- WEBサイト全体の構成が分かりやすくなる
- 内部リンクを集めやすい
上記の画像のように、パンくずリストと併用するとより効果的です。
マインドマップ作成ツール
マインドマップとは、アイデアやイメージを視覚的に整理できるツールです。
サイト全体の構造を文字やエクセルで表現するのは困難ですが、マインドマップならサイト構造を設計する前にカテゴリー同士のつながりや階層構造をイメージしながらレイアウトできます。
▼ 代表的なマインドマップ作成ツールは以下の通りです。
- Mindmeister
- XMind
- Coggle
まとめ
サイト構造を設計することは、ユーザーのためだけでなく、SEO対策としても重要な施策です。ユーザーの回遊率が向上する、検索順位が上がりやすくなるといった効果が期待できます。
ユーザーの行動やキーワードを意識しながら、サイト構造設計の初期段階から取り組みましょう。
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