E-E-A-Tとは?GoogleのSEO対策で重要な評価の高め方
SEOを行っていると「E-E-A-T」をよく耳にすると思いますが、概要は理解していても具体的な内容や何をすればE-E-A-Tの評価が高くなるのか分からない方も多いかと思います。今回は、Google検索品質評価ガイドラインの翻訳と実際の経験を元に、E-E-A-Tについてと評価を高める方法を完全解説します。
E-E-A-Tとは
E-E-A-Tとは、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trust(信頼)の頭文字から作られた言葉です。
E-E-A-Tは、「イーイーエーティー」または「ダブルイーエーティー」と読みます。2014年にE-A-Tが公式発表され、2022年にExperience(経験)が追加されてE-E-A-Tになりました。
E-E-A-TはGeneral Guidelines(Google検索品質評価ガイドライン)に記載されているページの評価基準で、「検索品質評価者」がWEBサイト及びWEBサイトの作成者を「信頼」できるかどうかを評価する上での指標となります。
▼ E-E-A-Tについて理解する上で覚えておきたい点は大きく2点です。
- E-E-A-Tはランキングを決定するアルゴリズムではない
- E-E-A-Tはページを評価する基準の一部
次の項目で詳しく解説します。
E-E-A-Tはランキングを決定するアルゴリズムでは無い
E-E-A-Tを理解する上で重要なポイントは、E-E-A-Tは検索順位に影響を与えるアルゴリズムではなく、ページの品質(PQ:ページクオリティ)を評価する上での基準ということです。
ここがE-E-A-Tを理解する上で一番ややこしいポイントですが、簡単に言うと、
- アルゴリズム:ランキングを決定する仕組み
- E-E-A-T:WEBぺージを評価する上での評価基準
となります。
つまり、E-E-A-Tの評価基準を元に、検索品質評価者によって高いPQの評価を得たWEBサイトが、検索結果の上位に表示されるように調整するのがアルゴリズムのアップデートです。
そのため、効果的なSEO対策をおこなうには、needs met(ユーザーの検索意図)を満たす高品質なコンテンツの作成と、E-E-A-Tの評価を高める施策どちらも重要となります。
念のためですが、これらのガイドラインは、Google のさまざまな検索ランキング システムのパフォーマンスを検索評価者が評価するために使用するものであり、ランキングに直接影響することはありません。また、Google 検索で上位に表示されるために自分のコンテンツを自己評価する方法を理解したいと思っているクリエイターにとっても有用です。
品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
E-E-A-Tはページを評価する基準の一部
E-E-A-Tを理解するためのもう一つのポイントは、E-E-A-Tはぺージを評価する基準の一部ということです。よくある間違いとして、E-E-A-Tをページ全体の評価基準として考えてしまうことです。
前述したように、E-E-A-Tはあくまでページの作成者、もしくはWEBサイトの運営者が情報源として信頼できるかどうかの基準となります。
例えば、コアアルゴリズムのアップデートで下落したサイトの順位を回復させるには、E-E-A-Tの見直しだけではなくサイト全体の品質向上やユーザーエクスペリエンスの改善、重複コンテンツの削除など様々な項目に対してのSEO対策が必要となります。
また、Googleにindexされないなどの問題や、CWVに関する問題がある場合はテクニカルな施策をおこない改善する必要があります。つまり、E-E-A-Tで高評価と判断される優れたコンテンツを作成しても、その他の項目が満たされていない場合はランキングに悪影響があるということです。
このように、E-E-A-Tとはページの作成者やWEBサイトが信頼できるかどうかの判断基準であり、コンテンツの品質全てを評価するものでは無いことを覚えておきましょう。
E-A-TからE-E-A-Tへの変更点
E-E-A-Tは、2022年まではE-A-Tと呼ばれており、Experience(経験)を除くExpertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の3つの要素で構成されていました。
2022年12月に、検索品質評価ガイドラインのアップデートをおこなった際に、E-A-TにExperience(経験)が追加され現在のE-E-A-Tとなります。E-E-A-Tに変更された際に、Trustworthiness(信頼性)がTrust(信頼)に変更され、位置づけが変わりました。
E-A-Tの時は、専門性・権威性・信頼性の3つの項目が並列に掲げられている図解でしたが、E-E-A-Tに変更後は、経験・専門性・権威性それぞれの円が重なり、中心に「信頼」が配置される図解に変更されました。
つまり、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)を満たすサイトが「信頼」できるサイトとして評価されます。
E-E-A-Tそれぞれの項目の意味
E-E-A-Tが何か理解できたら、E-E-A-Tの各項目、
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trust(信頼)
についてそれぞれどのような意味をもつのか解説します。
Experience(経験)
E-E-A-Tの経験(Experience)とは、コンテンツ制作者の実体験や経験値に関する項目です。
▼ 経験がどのようなものにあたるかは、Google検索セントラルの以下の文章が参考になります。
実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。
品質評価ガイドラインの最新情報:E-A-TにExperienceのEを追加 | Google検索セントラルブログ
具体的には、コンテンツ制作者自身が製品を使ってみた感想や、人気スポットへ足を運び体験した内容など、実際に経験した物事に対しての口コミを、コンテンツ内に記載することで評価を受けやすくなります。
例えば、人気のスポットを紹介するサイトが2つあったとして、サイトAは人気スポットの詳細が記載されている、サイトBには詳細と実際にその場所で体験した感想や写真などがあった場合、サイトBの方が経験(Experience)の評価は高くなります。
実際に使用せずネット上のレビューを集めて口コミを掲載しているサイトと、商品を購入して実際に使用した人の口コミが掲載されているサイトの場合も、同様に後者の方が経験(Experience)の評価は高くなります。
また、システム開発に関する経験が数週間の人が利用した、開発ソフトに関する体験談よりも、開発経験が20年ある人が利用した体験談の方がコンテンツ作成者しての信頼性が高くなり評価に繋がりやすいと言えるでしょう。
このように、コンテンツの作成者の実体験や、経験をサイトに記載することは、これから商品の購入やサービスの導入を検討しているユーザーにとって信頼できるコンテンツとなるため、Experience(経験)での評価が高くなります。
Expertise(専門性)
E-E-A-TのExpertise(専門性)は、コンテンツの作成者もしくはWEBサイトがそのジャンルにおいて、専門家として高いスキルを持っているかどうか、専門家として信頼できるかどうかの指標です。
例えば、サッカーのスパイクを販売しているサイトの場合、サッカー経験の浅いサイト運営者が書いたスパイクの選び方よりも、サッカーシューズのメーカーで開発をしている担当者やプロのサッカー選手が書いた選び方の方が専門性が高く信頼できます。
このように、コンテンツ作成者がそのジャンルにおける専門家の場合は、多くのユーザーにとって信頼できるコンテンツと言えるため、Expertise(専門性)での評価が高まります。
また、ジャンルによっては、WEBサイトの運営会社の専門性も評価の対象となります。
例えば、サッカー連盟が運営しているサッカーの練習法のサイトと、趣味でサッカーをやっている方が運営しているサッカーの練習方法のサイトでは、前者の方がサイト運営者の専門性が高いと言えます。
Expertise: Consider the extent to which the content creator has the necessary knowledge or skill for the topic.Different topics require different levels and types of expertise to be trustworthy. For example, which would you trust: home electrical rewiring advice from a skilled electrician or from an antique homes enthusiast who has no knowledge of electrical wiring
General Guidelines:3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
【SEM Plus編集部 翻訳】
専門知識:コンテンツ作成者がトピックについて必要な知識やスキルをどの程度持っているかを考慮してください。トピックが異なれば、信頼に足る専門知識のレベルや種類も異なります。たとえば、熟練した電気技師からの家庭用電気配線の再配線のアドバイスと、電気配線の知識がないアンティークの家の愛好家からのアドバイスのどちらを信頼しますか?
Authoritativeness(権威性)
E-E-A-TのAuthoritativeness(権威性)は、コンテンツ作成者やWEBサイト、運営元の組織や個人が広く認知されているか、また信頼できる情報源として特定の分野で認知された権威であるかどうかが評価の対象になります。
具体的には、
- 権威性の高いサイトからリンクや引用されている
- 権威のある賞を受賞している
- コンテンツ作成者の資格や経歴
- 高評価なクチコミがWEB上に多く存在する
- 参考文献・ニュース記事に掲載されている
などが検索品質評価によって判断されます。
例えば、そのトピックにおいて競合他社よりも「WEB上で評判の良いクチコミが多くある」「多くのサイトから引用元としてリンクされている」「コンテンツの作成者が本を執筆している」などの実績が多い場合は、そのトピック内で権威性が高いサイトと判断できます。
Googleが実際にWEB上の著者情報やサイト運営者についてどのように権威性について判断しているかは不明ですが、Googleは2007年に「ページ上の著者、編集者、解説者、査読者の身元に基づいてページのランキングを高める可能性があるAgent Rank特許を出願しています。(現在は利用していません)
また、Googleは2018年8月にはWebサイトを専門家、見習い、一般人などのさまざまな専門分野に分類し、そのページにあるコンテンツの信頼性に基づいてページをランク付けできる特許の申請をしています。
さらに、2020年3月にはページ上で名前が明示的に言及されていない場合でも、文体のみに基づいて著者を特定する「Generating Author Vectors」という特許も申請しています。
このことからも、Googleは著者を特定して権威性を元にページの品質を判断したいと考えていることは明らかです。
SEO対策を効果的におこなう場合は、権威性を高めるために被リンクやサイテーションの獲得と著者の知名度を高める為の施策を継続的におこなうことが重要です。
Authoritativeness: Consider the extent to which the content creator or the website is known as a go-to source for the topic. While most topics do not have one official, Authoritative website or content creator, when they do,that website or content creator is often among the most reliable and trustworthy sources. For example, a local business profile page on social media may be the authoritative and trusted source for what is on sale now. The official government page for getting a passport is the unique, official, and authoritative source for passport renewal.
General Guidelines:3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
【SEM Plus編集部 翻訳】
権威性:コンテンツ作成者またはWebサイトが、そのトピックの信頼できる情報源としてどの程度知られているかを検討してください。ほとんどのトピックには、公式の信頼できるWebサイトまたはコンテンツ作成者が1人もいませんが、ある場合、そのWebサイトまたはコンテンツ作成者は、多くの場合、最も信頼できる情報源の1つです。たとえば、ソーシャルメディアに掲載された、ローカルビジネスのプロフィールページは、現在販売されている商品の信頼できる情報源である可能性があります。
Trust(信頼)
E-E-A-TのTrust(信頼)とは、「誰が作ったコンテンツなのか?」「コンテンツの情報がどれだけ信頼できるか?」が主に評価されます。つまり、「経験」「専門性」「権威性」それぞれの評価を高めることが「信頼」の評価を高めることに繋がります。
また、
- WEBサイトのSSL化をおこないセキュリティを強化する
- 運営元の会社名、住所、連絡先など運営者情報やコンテンツ作成者の情報を明示する
- 返金、返品ポリシーを構造化データで記述する
など、「WEBサイトの安全性」も信頼を高めるために必要となります。
例えば、オンラインショッピングをする場合、サイトAは個人が運営しているサイトでSSL化されていません。また、返品・返金ポリシーも明確な記載がありません。
一方、サイトBは企業が運営しているサイトでSSL化されているだけではなく、返品・返金ポリシーも明確に記載されており構造化マークアップによって検索結果にも表示されています。この場合、比較すると明らかにサイトBの方が信頼性が高いため、Trust(信頼)の評価が高くなります。
信頼はE-E-A-Tの中では一番重要な項目であり、Google検索品質評価ガイドライン内では、「Trust」という単語が175回登場します。「経験」が68回「専門」が114回「権威」が29回なので、いかにGoogleが「信頼」を重要視しているかが分かります。
繰り返しになりますが、E-E-A-Tにおける「信頼」は、様々な要素を総合的に判断して評価されます。ユーザーにとって何が信頼に繋がるのかを考えて信頼性を高める施策をおこないましょう。
E-E-A-Tの評価例
E-E-A-Tの各項目がどのようなものかを理解できたら、次にE-E-A-Tの評価が高いページと低いページの具体例を解説します。あくまで一般的な例になりますが、どのようなサイトが高評価、もしくは低評価に該当するかを理解しましょう。
E-E-A-Tの評価が低いページの例
E-E-A-Tの評価の低いページは、ユーザーがページを利用するべきでは無いコンテンツ、または評判の悪いWEBサイトが該当します。
▼ 具体的には以下のようなケースが該当します。
- 運営者が不明な健康ブログ
医療の専門知識がない個人が運営する、根拠のない健康法やダイエット法を紹介するブログ。このような情報は信頼性が低く、専門性や権威性も欠けている可能性があります。 - 専門家ではない作成者がアドバイスを提供するページ
サーフィンをやったことが無い人が書いたサーフィンの上達方法。専門性が欠如しており、一般に権威性と信頼性も低いと評価されます。 - ガイドラインが不明確なオンラインショップ
商品の詳細や返品ポリシーが曖昧で、セキュリティも不安なオンラインショップ。ユーザーに信頼感を与えず、E-E-A-Tの評価は低いです。 - 低評価の多いオンラインショップ
ネット上に多くの悪いクチコミがあります。商品を購入しても発送されない、発送が遅いなどのクチコミが多い場合はE-E-A-Tの評価は低いです。
Googleの検索品質評価ガイドラインの「4.5.2:Web サイトまたはコンテンツ作成者の最低の E-E-A-T および最低の評判」には最低評価のE-E-A-Tについて、以下のように記載されています。
【参考】Googleの検索品質評価ガイドライン:4.5.2 SEM Plus編集部和訳
ページのE-E-A-T が十分に低い場合、ユーザーはそのページのメインコンテンツを使用できないか、使用すべきではありません。YMYLトピックのページが非常に専門的でない場合は、信頼できないと見なして評価する必要があります。
Webサイトやコンテンツ作成者の評判が非常に悪く、多くの人がそのWebページやWebサイトを信頼できないと見なす場合に、評価を行います。
E-E-A-Tの評価が高いページの例
E-E-A-Tの評価の高いページは、ユーザーがページを利用する目的を十分に満たすことができるページです。
▼ 具体的には以下のようなケースが該当します。
- 国立がん研究センターのウェブサイト
専門的な医療情報を提供し、内容が信頼できる医師や研究者によって作成されているようなサイト。専門性、権威性、信頼性が高く評価されます。 - 朝日新聞、毎日新聞などのニュースサイト
これらのメディアは長い歴史と信頼性があり、多くのユーザーが情報の取得元として活用しているため権威性が高いと見なされます。 - 東京大学などの大学の公式ページ
学術研究や教育情報を提供する大学の公式ページは、その分野における専門性と権威性が非常に高いと認識されます。 - 地元のハンバーグ屋さん
来店するユーザーにとって必要な住所・店舗までの経路・営業時間・メニュー・喫煙分煙の有無、駐車場の有無など飲食店を探すユーザーにとって必要な情報が揃っています。公式サイトに掲載される情報は信頼できると見なされます。
このように、E-E-A-Tでは公的機関だけが高評価を得るわけではありません。
トピックごとに求められるE-E-A-Tの内容が異なることを覚えておきましょう。
Googleの検索品質評価ガイドラインの「8.3:非常に高いレベルの E-E-A-Tページの例」では、以下のように記載されています。
【参考】Googleの検索品質評価ガイドライン:8.3 SEM Plus編集部和訳
非常に高いE-E-A-Tは、最高品質のページの特徴となります。特定のトピックに対して唯一無二の権威的で信頼性のあるウェブサイトやコンテンツ作成者は、非常に高いE-E-A-Tを持っています。
経験豊富なコンテンツ作成者は、経験が信頼性の主要な要素とされるトピックにおいて、非常に高いE-E-A-Tを持つと考えられるでしょう。
非常に高い専門知識は非常に高いE-E-A-T評価を正当化することができます。非常に高いE-E-A-Tを持つウェブサイトやコンテンツ作成者は、特定のトピックに関するインターネット上で最も信頼性のある情報源です。
ページのトピックに対してE-E-A-Tが意味することを考えてみてください。実際の経験はどれだけ重要ですか?専門家は誰ですか?トピックに対して高度な権威性を持たせる要素は何でしょうか?ウェブサイトやコンテンツ作成者を信頼性のあるものにする要素は何でしょうか?非常に高いE-E-A-Tの基準は、ページのトピックによって異なります。
E-E-A-TとYMYLの違い
E-E-A-Tとよく併用される用語にYMYLがあります。E-E-A-Tがコンテンツ作成者の信頼を評価する基準なのに対して、YMYLとは(Your Money or Your Life)の略語で、人々の生活や健康に関して大きな影響があるトピックをまとめたものです。
▼ YMYLには以下のようなジャンルが該当します。
- 金融:金融は、銀行、証券会社、保険会社、投資ファンド、財務プランニング
- 医療:医療分野では、一般病院、クリニック、製薬会社、医療機器メーカー
- 法律:法律事務所、弁護士、法務顧問、知財管理、合同法務事務所などが挙げられます。
- 災害:災害関連の業種としては、気象機関、災害対策センター、緊急救助組織、復興支援団体
- ニュース:新聞、テレビ局、ラジオ、オンラインニュース、報道機関など
YMYLに該当するジャンルでは、間違った情報を提供したことでユーザーに与える影響が非常に大きいため、コンテンツ作成者やWEBサイトの運用者はトピックにおいて信頼できる専門家である必要があります。
つまり、YMYLに該当するトピックではE-E-A-Tで高い評価が求められます。
The topic of the page helps determine the standards for your overall PQ assessment. Pages on YMYL topics have higher standards than pages on non-YMYL topics.
General Guidelines:3.1 Page Quality Rating Considerations
【SEM Plus編集部 翻訳】
ページのトピックは、全体的なPQ評価の基準を決定するのに役立ちます。YMYLトピックのページは、非YMYLトピックのページよりも高い基準を持っています。
例えば、災害情報が間違っていた場合、最悪生死に関わる可能性があります。また、運用元が不明な災害の寄付金を募集するサイトは詐欺のサイトで財産を失うかもしれません。
このように通常のサイトに比べて絶対的な信頼が必要となるジャンル・サイトはYMYLトピックに該当し、E-E-A-Tで高い評価を得る必要が求められます。
E-E-A-Tの評価を高める施策
E-E-A-Tの評価を高めるための施策をいくつか紹介します。
E-E-A-Tで高評価を得るための手法に共通していることは「ユーザーにとって信頼できるサイトにする」ということです。
▼ ここでは信頼できるサイトにするために以下11個の施策を紹介します。
- 著者情報を充実させる
- 経験談や実体験を入れたコンテンツを制作する
- 被リンクを獲得する
- サイテーションを獲得する
- 評判の良いクチコミを増やす
- WEBサイトをHTTPS化する
- Whois情報を公開する
- 運営者情報・会社概要を充実させる
- 情報やデータの引用元を記載する
- Wikipediaに登録する
- 専門家による監修やインタビューをおこなう
それぞれ詳しく解説します。
著者情報を充実させる
著者がその業界において専門的なスキルがある場合は、著者情報を充実させ、専門性の高さをGoogleとユーザーの双方に伝えましょう。
▼ 著者情報には以下を掲載します。
- フルネーム
- 写真
- 現在の肩書、役職
- 詳しい経歴
- 連絡先情報 (電子メール フォーム、ソーシャル メディアなど)
上記以外にも著者情報には、取得している資格や経歴、出版した本の情報など自身の専門性をアピールできる項目は全て記載した方が効果的です。また、資格や本を提供しているサイトへのリンクや、著者が運用しているSNSへのリンクも合わせて掲載しましょう。
オンライン上での知名度が高まり、著者情報が外部サイトに掲載されたり、ナレッジパネルに表示されればそのトピックにおいて権威の高いコンテンツ作成者としても評価されます。
コンテンツの作成者が誰であるかを明確にしている場合は、E-E-A-T のコンセプトに沿っており、成功への道のりを歩んでいるといえるでしょう。著者の情報が求められるであろうコンテンツでは、バイラインを記載するなどして正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします。
Google検索セントラル:コンテンツに関する「誰が、どのように、なぜ」を考える
経験談や実体験を入れたコンテンツを制作する
自身が体験・経験した内容をコンテンツに追加することでE-E-A-Tの評価を高めます。
経験談や実体験を含むコンテンツとは、「実際にその場所に行った」「実際にサービスを使った」「製品・商品を利用した」このような実際の体験談を元に作成したコンテンツです。
どのような体験や経験が必要になるかは、トピックによって異なります。
Google検索セントラルには「Experience」の追加に対して、以下のように説明されています。
たとえば、確定申告書の正しい記入方法を知りたいときには、会計の専門家が作成したコンテンツを参照したいでしょう。一方で、確定申告ソフトの評価を知りたいのであれば、その種のサービスを体験した人たちが集まるフォーラムの議論など、別の情報を探すのではないでしょうか。
品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加
Googleの例のように、どのような体験や経験が必要になるかはトピックによって異なるため、ユーザーにとって必要な体験談を含むコンテンツを作成しましょう。
ただし、経験や体験を含めたコンテンツを作成するには著者が実際に経験している必要があります。SEO対策の方法であれば、実際に多くの顧客やサイトに対してSEOを実施してきた経験が必要になりますし、「テーマパークの選び方」の記事であれば実際にテーマパークに訪れている必要があります。
被リンクを獲得する
被リンクを多く獲得する事は、信頼できるサイトかどうかを見極める際に大きな判断材料となります。ユーザーが求める価値のあるコンテンツや役立つコンテンツは、外部サイトやSNSから被リンクが集まります。
知名度の高いサイトや公的機関からリンクされているWEBサイトは、E-E-A-Tの評価においても高評価を獲得できます。また、同じ業界の専門家からリンクされていると言うことは、その業界において権威があると言う証明となります。
「Googleが掲げる10の事実」では以下のように記載されています。
PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
Googleが掲げる10の事実
被リンクを集めるのは、容易なことではありませんが、以下の方法をおこなうことで関連する業界内の専門家からリンクを集めることができます。
例えば、自社に関連するトピックで市場調査をおこない、一次情報を掲載した記事を作成します。作成した記事をプレスリリースで配信することで、関連するサイトに掲載されたり、引用元として利用される可能性が高まります。つまり、被リンクされる可能性が高まるということです。
サイテーションを獲得する
SNSやクチコミサイトに、自社サービスや自社のビジネス情報が掲載されることを意味するサイテーションの獲得は、権威性の評価を高めます。
なぜなら、サイテーションも被リンクと同じように多くのサイトに掲載されているということは、WEBサイトの安全性や信頼性が高いと判断することができるからです。
例えば、SNSで多くのユーザーにシェアされているメディアAと全くシェアされていないメディアBでは、明らかにメディアAの方が権威性が高く信頼に繋がると言えます。また、WEBサイトやコンテンツ作成者についてのポジティブな引用・言及が多いと、より高い評価を得ることができます。
評判の良いクチコミを増やす
著者やサイト運営者に関する良い評判(ネット上のクチコミ)は、E-E-A-Tの評価を高めます。第三者が投稿した評価の高いクチコミは、コンテンツを見たその他のユーザーが著者が専門家であることを理解できます。
▼ 検索品質ガイドラインにも以下のように記載されています。
For some types of pages, the level of experience and expertise may be clear from the MC itself. What evidence can you gather from examining the MC or testing the page out? For example, you may be able to tell that someone is an expert in hair styling by watching a video of them in action (styling someone's hair) and reading others' comments (commenters often highlight expertise or lack thereof).
【SEM Plus日本語訳】
ある種のページでは、MC(メインコンテンツ)自体から経験と専門知識のレベルが明確になることがあります。MCを調べたりページをテストしたりすることで、どんな証拠を集めることができるでしょうか?例えば、ビデオで彼らが髪をセットしている様子を見たり、他の人々のコメントを読んだりすることで、誰かがヘアスタイリングの専門家であることが分かるかもしれません(コメント欄では、専門知識の有無がしばしば強調されます)。
このように、インターネット上の評判からも専門家が作ったコンテンツと判断される場合があります。
例えば、ユーザーの役に立つコンテンツを作成し、サイト内にコメント欄を作りユーザーからの口コミを獲得できるようにします。日々良質なコンテンツを作成し、インターネット上で良い評判が集まるようにしましょう。
WEBサイトをHTTPS化する
WEBサイトのHTTPS化は、WEBサイトの安全性を向上する上では必須です。「https://」ではじまるURLは、SSL(Secure Sockets Layer)という通信暗号化技術を利用しています。
例えば、ECサイトでクレジットカード情報を扱うケースでは情報漏洩防止に暗号化は必須です。
Googleは2014年に、HTTPS化が検索順位を決定する1つの要素だと発表しました。
Googleは過去数か月にわたり、暗号化された安全な接続をサイトで使用していることを検索のランキングアルゴリズムのシグナルとして考慮するテストを実施してきました。このテストで十分な結果が得られたため、GoogleはランキングシグナルとしてHTTPSを使用することにしました。
ランキングシグナルとしてのHTTPS | Google検索セントラルブログ
なお、SSLには3つの認証レベルがあります。
- 無料のドメイン認証(DV)
- 企業実在認証(OV)
- 拡張認証(EV)
SSL化するなら無料のドメイン認証が手軽ですが、信頼性に重点をおくなら企業実在認証(OV)以上がおすすめです。
Whois情報を公開する
Whois情報を公開すれば、ドメインの信頼が向上します。Whoisとは、ドメインのIPアドレス・登録者名・登録年月日などを確認できるサービスです。
▼ Whoisでは以下のような情報が分かります。
- 登録ドメイン名
- 登録年月日
- ドメインの有効期限
- 登録者の名前
- 住所
Whois情報を公開するかしないかは細かい施策ではありますが、Whois情報を公開することで、誰がドメインの登録者なのかをユーザーと検索エンジンに伝えることができます。
運営者情報・会社概要を充実させる
WEBサイトの運営者情報・著者情報・会社概要の充実はコンテンツの信頼性を高めます。
▼ 具体的には、会社概要ページを作成して以下の情報を記載します。
- 住所
- 電話番号
- 問い合せ先のメールアドレスの記載、もしくは問い合わせフォーム
- 会社が取得している資格や加盟している団体
会社概要ページを作成したら、会社概要ページへのリンクをグローバルナビゲーションもしくはフッターメニューに設置し、WEBサイト内のどのページからもユーザーがアクセスできるようにします。
会社概要ページの作成以外にも、プライバシーポリシー・コンテンツ作成のガイドラインの明記・Q&Aなどの設置も信頼性向上に有効です。
また、ECサイトにおいては返金・返品ポリシーが構造化データで検索結果に表示されるようになったため、構造化マークアップをしておくと検索エンジン・ユーザーからの信頼性向上に繋がります。
このように、ユーザーが安心・信頼できる情報は積極的に公開し、WEBサイトの信頼性を高めましょう。
情報やデータの引用元を記載する
E-E-A-Tの評価を高めるには、正確な情報の発信が不可欠です。正確な情報の定義はトピックによって異なりますが、情報の引用元を記載することで正しい情報だとユーザーに知らせることができます。
ただし、引用元の信頼性が低い場合は信頼性には繋がりません。
▼ 信頼性が高い引用元の例は以下の通りです。
- 行政・国会・司法などを含む公的機関
- メーカーの公式ページ
- 研究機関や企業の調査結果・統計データ・公式発表
- 論文
- 大手新聞社・メディアの報道
このように、公的な機関や大学など社会的に権威性が高いとされているサイトが提供しているデータであれば、引用元として信頼することができます。
正確な情報を引用することは、ユーザーが信頼できる情報源としてページを安心して利用することに繋がります。
Wikipediaに登録する
Wikipediaは、Google検索品質評価ガイドラインで176回も言及されていることから、Googleが信頼している参照元の1つだと考えられます。そのため、Wikipediaに掲載されている企業・著者は信頼できると評価することができます。
実際にYMYLに該当する金融ジャンルのキーワード「FX」と検索した際に、Googleの1ページ目に表示されるサイトの内、9割がwikipediaに企業情報が掲載されています。
【Wikipedia掲載状況】
「FX」順位 | サービスサイト名 | 運営会社 | wikipediaの 掲載有無 |
1 | みんなのFX | トレイダーズ証券株式会社 | ○ |
2 | 楽天証券 | 楽天証券株式会社 | ○ |
3 | auじぶん銀行 | auじぶん銀行株式会社 | ○ |
4 | SMBC日興証券 | SMBC日興証券株式会社 | ○ |
5 | SBI FXトレード | SBI FXトレード株式会社 | ○ |
6 | 外為オンライン | 株式会社 外為オンライン | ○ |
7 | 外為どっとコム | 株式会社外為どっとコム | ○ |
8 | OANDA証券 | OANDA証券株式会社 | × |
9 | DMM FX | 株式会社DMM.com証券 | ○ |
10 | 楽天銀行 | 楽天銀行株式会社 | ○ |
この調査結果からも、Wikipediaへの掲載が信頼できる運営者としての証明になっている可能性は高いと考えられます。ただし、Wikipediaではセルフプロモーションが禁止されているので、中立的に自社の情報を登録しましょう。
また、Wikipediaからのリンクは全てnofollowが設置されているため、直接的な被リンク効果はありません。
専門家による監修やインタビューをおこなう
トピックによっては、専門家に監修やインタビューを依頼しましょう。知名度が高い専門家が監修した記事は信頼できる情報源として評価されます。
現在は、多くのWEBサイトが専門家に監修した記事を作成しています。特に高いE-E-A-Tが求められるYMYLのジャンルでは、あるキーワードで10サイト中9サイトが専門家の監修を入れています。
この場合、競合他社よりも高いE-E-A-Tの評価を得るためには以下の方法をおこないます。
例えば、専門家を1人ではなく、複数人に対してアンケートをおこないアンケート結果をコンテンツに掲載して、より専門性の高いページを作成します。
なぜなら、睡眠薬の効果について1人の専門家の意見よりも、10人の専門家の意見があるページの方がユーザーは信頼できる情報源として判断します。
また、アンケートの結果だけを掲載するのではなく、「誰にどのような方法でアンケートを取ったのか」プロセスまで示しましょう。
Googleは、検索セントラルで信頼性の高いコンテンツについて以下のように記載しています。
たとえば商品レビューでは、テストした商品数、テストの結果、テストの実施方法を、テストを実施した証拠となる写真などとともに確認してもらうことでユーザーの信頼を得ることができます。詳細については質の高い商品レビューを書くためのヘルプページをご覧ください。
Google検索セントラル:どのように(コンテンツが作成されたか)
E-E-A-Tの評価を高めるコンテンツ作成方法
E-E-A-Tはアルゴリズムではありませんが、高品質なコンテンツを作成する上で、E-E-A-Tの評価を考慮して作成するべきです。
この項目では、作成したコンテンツが、E-E-A-Tの評価と検索品質評価ガイドラインで高評価を獲得するために必要なポイントを簡単に紹介します。
- 業界内で有名または権威の高い人にコンテンツを作成してもらう
- 専門家、公的間が公表しているデータ、権威性の高いニュースを引用元として掲載する
- 誤字脱字・他社記事のコピー・文法、読みやすさなどに注意する
- インターネット上にある著者、サイト運営者に関する良いクチコミを掲載する
- 視覚的に魅力が高まる画像・グラフなどを利用する
- コンテンツの内容を表す分かりやすいタイトルをつける
上記全てを満たすには労力がかかりますが長期的に見た場合、作成したコンテンツを上位表示させ、順位を維持するのに大きく貢献します。
AIによって作成されたコンテンツはE-E-A-Tで評価されるのか?
GoogleはAI 生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンスで、作成方法を問わず高品質なコンテンツであれば評価すると記載しています。そのため、AIよって作成されたコンテンツでも高品質なコンテンツであれば評価されます。
ただし、GoogleはAIに関するガイダンスに「どのようにコンテンツが作成されたかを明記する必要がある」と記載しています。
コンテンツの生成の大部分に自動化を使用している場合は、以下の質問を自身に問いかけてください。
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
・AI による生成などの自動化を使用していることを、開示などの方法でユーザーに対して明確にしていますか。
・コンテンツの作成に自動化や AI による生成をどのように使用したかを説明していますか。
・自動化や AI がコンテンツの作成に有用であると考える理由を説明していますか。
また、Googleのダニー・サリバン氏はAIによって作成されたコンテンツは、Googleのガイドラインに反するわけではなく、編集者が監修をおこない事実確認をしっかりと行えば問題無いとツイートしています。
今後Googleのガイドラインが更新される可能性はありますが、現段階では「編集者がきちんと監修をおこなった上でコンテンツを作成し、どのようにAIを使ったのかを明記すれば問題無い」という結論となります。
尚、Experience(経験)が必要となるトピックでは、AIには作成することが出来ないのでサイト運営者自身が体験談や経験談を作成する必要があります。
E-E-A-Tに関するよくある質問
E-E-A-Tに関するよくある質問を解説します。
前もって疑問を解消し、高品質でユーザーに役立つコンテンツを制作しましょう。
E-E-A-Tはスコア化されている?
E-E-A-Tは、検索アルゴリズムでスコア化されていないと考えられています。
また、YMYLも同様にYMYLスコアは無いと言われています。
E-E-A-T(E-A-T)はいつから重要になったの?
E-E-A-Tの前身であるE-A-Tは、2014年3月31日にGoogleが発表してから徐々に重視されるようになりました。
E-A-Tは2010年代後半には浸透し、現在では多くのコンテンツ制作者がSEOに取り入れています。
E-E-A-TはすべてのWEBサイトに適用される?
E-E-A-Tは、すべてのWEBサイトにとって重要な指標です。
ただし、GoogleはすべてのWEBサイトにE-E-A-Tが適用されるとは公表していません。しかし、検索順位を見る限りE-E-A-Tが非常に広範囲に影響するのは確かです。
E-E-A-Tの評価が低いWEBサイトはどうなるの?
E-E-A-Tが低いWEBサイトは、信頼できないサイトとGoogleから評価されます。
そのため、E-E-A-Tが高いサイトに比べて検索順位が低くなる可能性があります。
まとめ|E-E-A-Tを意識した高品質コンテンツで上位表示を目指そう
E-E-A-Tは検索品質評価者が、コンテンツ作成者やサイト運営者が信頼できるかどうかを判断するための指標です。そのため、E-E-A-Tはランキングには直接関係する指標ではありません。
E-E-A-Tを高めたいと考えているサイト運営者は、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trust(信頼)を理解した上で、サイトの信頼向上に務める必要があります。
本記事の中で、いくつかE-E-A-Tの評価を高める施策を紹介しましたが、トピックによってはそれ以外の方法もあります。
どのようにサイトを運営すればユーザーが信頼できるのかを日々考えていくことが重要です。
以上、E-E-A-Tについての解説でした。
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