サイトマップとは?作り方とデザイン例・SEO効果について

サイトを運営していると、「サイトマップ」と言う単語を目にする機会があると思います。「サイトマップとはどのようなものなのか」「SEO効果はあるのか?」など気になっている方も多いのではないでしょうか?本記事では、サイトマップの概要から種類、サイトマップを作成するメリット、必要性、作り方、SEO効果まで詳しく解説します。
サイトマップとは?
サイトマップとは、WEBサイトを訪れたユーザーと検索エンジンに、サイトの全体構造を伝えるページもしくはファイルのことです。
数十ページ程度の規模のWEBサイトであれば、サイトの内容を確認することは容易ですが、数千から数万ページに及ぶ大規模サイトだと、全体像をつかむのに苦労するでしょう。
サイトマップを作成することで、ユーザーに対してはサイト内の案内図としての役割が担えるほか、検索エンジンのクローラーに対しては、サイトの構造をクローラーに効率よく伝えることで、インデックス促進の効果が期待できます。

サイトマップの種類
サイトマップは、ファイル形式や利用する対象、役割の違いから「HTMLサイトマップ」と「XMLサイトマップ」の2種類に分類できます。
HTMLファイルはサイトのページとして設置するためユーザーが見る事ができます。
XMLサイトマップはファイル形式となるためユーザーは見ることができず、クローラーだけが内容を認識することができます。
対象 | 設置する場所 | ファイル形式 | 役割 | |
HTMLサイトマップ | ユーザー | サイト上 | HTML | ユーザーにサイトの構造や目的のページの場所を伝える |
XMLサイトマップ | Google bot | robot.text サーチコンソール | XML | サイト内のURL、画像・動画などのファイルをクローラーに伝える |
HTMLサイトマップ
一般的に、「サイトマップ」とはHTMLサイトマップを指すことが多いですが、XML形式で作成されているXMLサイトマップと区別するために、HTMLサイトマップと表記されています。
HTMLサイトマップは、WEBサイト内のページを、カテゴリごとや重要な項目ごとにリスト形式で表示している、ハイパーリンクの一覧ページのことです。
HTMLサイトマップの設置場所はどのページからでもユーザーが目的のページを見つけられるように、サイトの上部や下部などの目立つ場所に設置するのが一般的です。
サイトにアクセスしたユーザーがサイト内で迷子にならないように作るのが目的ですが、内部リンクを設置するため、クローラーも新しいページを見つけやすくなります。
HTMLサイトマップがあることで、ユーザビリティの向上にも繋がるため設置しましょう。
XMLサイトマップ
XMLサイトマップは、検索エンジンのクローラーに、サイト内に存在するURLや画像、動画などを伝えるための、XML形式で作成されたファイルで「sitemap.xml」というファイル名で作成します。
sitemap.xmlファイルに記載する項目は、必須項目であるURLのほか、「最終更新日」「更新頻度」「優先順位」などを記載することができます。
XMLマップを作成・送信することで、新規ページや更新ページのクローリングが促進されます。
XMLサイトマップは、作成しただけでは効果がなく、XMLサイトマップが新規作成・更新されたことが検索エンジンに伝わり、クローラーがsitemap.xmlファイルにアクセスすることで初めて新しいURLを認識します。
そのため、XMLサイトマップを作成後に「サーチコンソールから送信」もしくはrobots.textにアップロードする必要があります。
▼ XMLサイトマップについて別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。
HTMLサイトマップを作成するメリットと必要性
サイトの構成をユーザーに伝えることが出来る
HTMLサイトマップのメリットは、サイトの構成をユーザーに分かりやすく伝えられることです。
WEBサイト内で扱っている、ジャンルやカテゴリーが一目で分かり、リンクをクリックすると目的のページへ移動ができます。
一方で、HTMLサイトマップへのリンクをクリックする必要があり、マウスポインタを合わせるだけでメニューが表示されるグローバルナビゲーションと比較すると、利便性は低いと言えるでしょう。
グローバルナビゲーションを利用しているなら、HTMLサイトマップを作成する必要性は低いです。
サイト運営側もWEBサイトの構造把握がしやすい
サイトを訪れたユーザーだけでなく、サイト運営側もWEBサイトの構造を把握しやすくなることも、HTMLサイトマップのメリットです。
複数の担当者がページの作成に関わっている場合、HTMLサイトマップがあれば情報の共有をスムーズにおこなうことができるでしょう。
重複した内容のページ作成を防止したり、不足したコンテンツを発見したりする効果も期待できます。
HTMLサイトマップ作成の作り方:事前準備
利便性の高いHTMLサイトマップを作るには事前に以下の3つをおこなう必要があります。
- サイト運営の目的を明確に設定する
- 目的に対する必要なページを洗い出す
- 必要なコンテンツ内容をグルーピングする
サイト運営の目的を明確に設定する
サイト運営の目的やターゲットを明確に設定することで、HTMLサイトマップに優先して表示するページを決めることができます。
▼ 企業がサイトを運営する目的には以下のようなものがあります。
- 会社の認知度を高めたい
- 商品やサービスの売上をアップしたい
- 来客数を増やしたい
- 広告収入を増やしたい
- ブランドのイメージを向上させたい
- 資料請求やお問い合わせを増やしたい
- 多くの人とコミュニケーションを図りたい
- 役立つ情報を多くの人に広めたい
目的に対する必要なページを洗い出す
目的を明確にした後は、目的に対して必要なページを具体的に選定する必要があります。
商品を販売することが目的であれば、商品カテゴリやヘルプガイド、会員ページなどを選び、BtoBメディアのように企業からの問い合わせが目的の場合は、会社概要や事業内容、問い合わせフォームを選ぶなど、目的に対し必要なコンテンツを漏れなく挙げることが大切です。
【必要なページ例】
- TOPページ
- 会社概要
- 対象エリア
- 費用・料金
- 沿革
- お知らせ
- 代表メッセージ
- 理念、ビジョン
- 採用情報
- 外壁塗装
- 屋根塗装
- 防水工事
- お客様の声
- 社員インタビュー
- 1日の流れ
- 外壁塗装豆知識
- 屋根塗装豆知識
- お問合せ
- 防水工事豆知識
洗い出したページをグルーピングする
必要なコンテンツ内容を挙げたあとは、コンテンツ内容を適切にカテゴリ分けし対応するページへの内部リンクを設置します。
基本的には、WEBサイトのカテゴリ構造に合わせた形で問題ありません。
ページ数が多い場合は、不要なページを削除しながら、主要なページや主要なカテゴリに絞って表示しましょう。
【カテゴリごとに整理した例】
・TOPページ
・お知らせ
・会社概要
・沿革
・代表メッセージ
・理念、ビジョン
・採用情報
・社員インタビュー
・1日の流れ
・事業内容
・外壁塗装
・屋根塗装
・防水工事
・お客様の声
・外壁塗装のお客様の声
・屋根塗装のお客様の声
・防水工事のお客様の声
・対象エリア
・費用・料金
・コラム
・外壁塗装豆知識
・屋根塗装豆知識
・防水工事豆知識
・お問合せ
グルーピングが完成したら、後はHTMLサイトマップのページのデザインを決めて作成するだけです。
次の項目でHTMLサイトを作る方法を解説します。
HTMLサイトマップの作り方:作成方法
手動で作成する場合
HTMLサイトマップには、ジャンルもしくはカテゴリーごとのページのURLを内部リンクとして設置します。
基本的には全ページへのリンクを設置しますが、ページ数が多いサイトの場合はすべてのページの記載ができないので、主要なページに絞って内部リンクを設置しましょう。
作り方がイメージできない場合は、他のサイトのHTMLサイトマップを参考にするのもおすすめです。本記事の最後に参考になるデザイン例を紹介していますので参考にしたい方はご確認ください。
WordPressのプラグインで作成する場合
WordPressのプラグインの「WP Sitemap Page」もしくは、「All in One SEO」を導入すれば、手動で作成するより簡単にHTMLサイトマップが作成できます。
「WP Sitemap Page」は、簡単な操作でHTMLサイトマップが作成でき、サイトマップ作成後に新規ページを作成した場合でも自動的に更新してくれるプラグインです。
「All in One SEO」は、SEO対策に効果的なさまざまな機能が利用できるプラグインです。HTMLサイトマップだけでなく、XMLサイトマップも作成できます。
以前までは、「PS Auto Sitemap」というプラグインでHTMLサイトマップが作成できていましたが、ガイドライン違反により2022年10月27日に公開が停止されており、現在は使用できません。
■ プラグインをインストールする手順
- WordPressの管理画面にログイン
- 画面左にあるメニュー「プラグイン」をクリック
- 「新規追加」をクリック
- 画面右にある検索窓にプラグイン名を入力
- 「今すぐインストール」をクリック
- 「有効化」をクリック
■ 「WP Sitemap Page」でHTMLサイトマップを作成する手順
- 「使い方」をクリック
- ショートコードをコピーする
- ページにショートコードを貼り付ける
■ 「All in One SEO」でHTMLサイトマップを作成する手順
- 「SEO設定」をクリック
- 「サイトマップ」をクリック
- 「サイトマップHTML」をクリック
- ショートコードをクリックしてコードをコピー
- ページにショートコードを貼り付ける
XMLサイトマップを作成するメリットと必要性
XMLサイトマップを作成するメリットは、Google検索エンジンのクローラーに対して新しいページの存在やサイト全体にどのようなページがあるのかを知らせることができることです。
基本的にはクローラーが自動でサイト内を巡回しページを発見してくれるため、XMLサイトマップを作成しなくてもクローラーは巡回してくれますが、時間がかかる場合があるため早くページをインデックスさせたい場合には有効な施策です。
また、大規模なサイトではクローラーがサイト全体を巡回してくれないため、内部リンクを設置しても新しいURLを見つけてくれない場合があります。
▼ そのため、以下の条件に当てはまる場合はXMLサイトマップの作成を推奨しています。
- ページ数が500ページ以上のサイト
- 主要なページからの内部リンクがないサイト、もしくはページが多くあるサイト
- 新しいサイトで被リンクがないサイト
- 動画や画像などのリッチコンテンツが多くあるサイト
上記に該当するWEBサイトの場合は、XMLサイトマップがあるとクローラーがページの見落としを防ぐことができるため作成しましょう。
XMLサイトマップを作成するデメリットはないため、ページやカテゴリを追加する際は活用しましょう。
XMLサイトマップの作り方
XMLサイトマップを作成する際は、自動生成ツールなどを使うと手軽に作成できます。
本記事ではXMLサイトの作成方法に関して、ツールやプラグインを使った作成方法を解説します。
XMLサイトマップ自動作成ツールで作成する場合
ツール名:sitemap.xml Editor
「sitemap.xml Editor」は、ブラウザ上からXMLサイトマップが無料で作成できます。
ツールのインストール、会員登録は不要です。1,000URLまで、登録ができます。
日本語に対応しているため、「sitemap.xml Editor」がおススメです。

ツール名:XML Sitemaps Generator
「XML Sitemaps Generator」は、ブラウザ上からXMLサイトマップが無料で作成できます。
ツールのインストール、会員登録は不要です。無料プランは、500URLまで登録できます。

WordPressのプラグインでXMLサイトマップを作成する方法
WordPressで制作されたWEBサイトなら、「XML Sitemaps」や「All in one SEO」などのプラグインを導入することにより、XMLサイトマップを簡単に作成することが可能です。
ツール名:XML Sitemaps
「XML Sitemaps 」は、XMLサイトマップ作成と送信を自動的におこなってくれるプラグインです。
▼ プラグインをインストールした後に、下記の項目を設定するだけで自動的に作成されます。
- 基本的な設定
- Additional Pages
- 投稿の優先順位
- Sitemapコンテンツ
- Excluded Items
- Change Frequencies
- 優先順位の設定 (priority)
上記の流れで設定をすると、指定した間隔でXMLサイトマップが自動的に作成されるだけではなく、新規公開や更新毎に自動で更新通知の機能があります。
すぐにXMLサイトマップを作成する場合は、設定画面上部の「your sitemap」のテキストリンクから手動で作成することも可能です。

ツール名:All in one SEO
前述したように、「All in one SEO」ではXMLサイトマップも作成できます。
▼ 「All in one SEO」でXMLサイトマップを作成する手順は以下の通りです。
- 画面左にあるメニュー「All in One SEO Pack」をクリック
- 「管理機能」をクリック
- 「XMLサイトマップ」の「Active」をクリック
- 画面左にあるメニュー「XMLサイトマップ」をクリック
- 設定画面で「サイトマップを動的に生成」にチェック
- 登録したいページのURL・優先順位や更新頻度の設定・最終更新日を入力
- 「設定を更新」をクリック

XMLサイトマップをGoogleに登録する方法
作成したXMLサイトマップをGoogleに登録する方法は2通りあります。
- サーチコンソールから作成したXMLサイトマップを送信する
- robots.txtにsitemap.xmlの情報を登録する
サーチコンソールに登録済みであれば、「1.」が簡単に出来るためおすすめです。
それぞれの送信手順を説明します。
尚、Wordpressのプラグインで作成した場合は自動で登録されるためこの手順は不要です。
サーチコンソールからXMLサイトマップを登録する方法
- Googleサーチコンソールにログインする
- 左のメニュータブから「サイトマップ」をクリックする
- 「新しいサイトマップの追加」の入力欄にXMLサイトマップのURLを入力する
- 「送信」をクリックし、「サイトマップを送信しました」と通知がでれば、XMLサイトマップの送信完了です
- 「OK」をクリックすると、送信されたサイトマップの内容やステータスが確認できます
また、Googleのクローラーは、XMLサイトマップを巡回する頻度が少ないため、クロールのたびにXMLサイトマップを読み込むわけではありません。
Googleに対して、XMLサイトマップが更新されたことを伝えられた時にアクセスするので、XMLサイトマップを更新した場合は都度更新通知をしましょう。
robots.txtにXMLサイトマップを記述する方法
XMLサイトマップをrobots.txtに記述するには、robots.txtに、「Sitemap: https://○○○.com/sitemap.xml」と記述します。
※「https://www./○○○.com」の部分にはサイトのURLを入れてください。
また、XMLサイトマップはサーバーのルートディレクトリにファイルをアップロードしておきましょう。
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対し、特定のページのクロールを制御することを伝えるファイルです。クローラーがWEBサイトを訪れた際に、初めにチェックするファイルがrobots.txtになります。
その為、robots.txtにXMLサイトマップを記述することで、クロールする必要がないページはどれなのかを初めに伝えることができます。
サイトマップのSEO効果について
HTMLサイトマップのSEO効果
HTMLサイトマップにはSEOの効果は殆どありません。
以前はHTMLサイトマップが、検索エンジンに対しサイト内のリンクを辿り、WEBページの構造を伝える役割があったため、SEO対策として活用されていました。しかし、2005年にXMLサイトマップが登場してからはその役割は無くなりました。
Googleもサイトの構造を伝える方法として、XMLサイトマップを推奨しており、Googleのジョン・ミューラー氏も、アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイト「reddit」の中でHTMLサイトマップは不要だと発言しています。
一方で、Googleはユーザビリティを重視しているため、ユーザビリティが向上するHTMLサイトマップには間接的なSEO効果があるとも言えるでしょう。
XMLサイトマップのSEO効果
XMLサイトマップは、Googleのクローラーにインデックスしてもらいたいページを伝えることで、クローラビリティが向上しインデックス促進に繋がるため、間接的なSEO効果があると言えるでしょう。
XMLサイトマップを作成することで、必ずしも全ページがクロールからインデックスされるとは限りませんが、本来クローラーが回ってくるまでに要する時間が短縮され、スピーディーに検索結果へ表示することが可能です。
ただし、XMLサイトマップはコンテンツの質を評価するシグナルではないので、Googleに送信したことで、検索順位が上がるわけではありません。
また、XMLサイトマップを定期的に送信しても、低品質なコンテンツが多いサイトではインデックスされるまでに時間がかかる・もしくはインデックス自体されないため注意しましょう。
ページ数が少ないサイトや内部リンクが適切に構築されているサイトでは、大きな効果は期待できませんが、ページ数が多いWEBサイトや、画像や動画などのリッチメディアを多用しているサイトでは、重要な施策と言えるでしょう。
HTMLサイトマップのデザイン例
HTMLサイトマップのデザインをする上で参考になる例を3つ紹介します。
【デザイン例①】:資生堂 オンラインストア
カテゴリごとに枠を設け、視覚的に見やすく工夫しているデザインです。

【デザイン例②】:環境省
ページ数が多いため、上部にカテゴリを配置してクリックすると、クリックしたカテゴリに紐づく項目に移動するサイトマップです。ユーザーの利便性を考えて作られた良いケースとなります。

【デザイン例③】:リクナビNEXT(ネクスト)
カテゴリごとに並べられた一般的にサイトマップですが、サイトマップ内にも検索窓を設置してあるのが特徴です。

まとめ
今回は、サイトマップの種類や効果・作成するメリット・必要性などを解説しました。
HTMLサイトマップは、ユーザビリティを向上させる効果が期待でき、XMLサイトマップはクローラビリティを向上し、より迅速にインデックスされることが期待できます。
同じサイトマップでも、「HTMLサイトマップ」と「XMLサイトマップ」は作成する目的と効果が全く異なるため、作成するメリットや必要性を把握し、自社のWEBサイトに合わせたサイトマップを作成しましょう。

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