WEBマーケティングをもっと身近に。
SEO対策 2023/10/10

セマンティック検索とは|意味や効果・対応するためのSEO施策を解説

セマンティック検索とは?意味や効果・対応するためのSEO施策を解説のサムネイル画像です

WEBマーケターやWEBメディアのSEO担当者なら「セマンティック検索」という単語を目にする機会が多いと思います。しかし、具体的な意味や仕組みについてはよく分からないのではないでしょうか?この記事では、セマンティック検索の概要から仕組み、具体的な事例、対応するためのSEO施策について、初心者にも分かりやすく解説します。

1

セマンティック検索とは

「セマンティック検索」とは、人工知能(AI)を活用することでユーザーが検索エンジンで入力したテキストから検索意図を可能な限り正確に読み取り、ユーザーに対して最適な検索結果を出力する、検索エンジンの技術です。

検索エンジンにセマンティック検索が導入されたことで、検索キーワード(クエリ)に対してキーワードを含むページを検索結果に表示する以前の仕様とは異なり、これまで以上にユーザーの検索意図に沿った検索結果を提供できるようになりました。

入力したキーワードの組み合わせや、意味の関連性なども統計的にコンピューターが理解するため、従来のような全く関係性がないと思われるページは検索結果から除外され、よりユーザーが求める検索結果を正確に導き出すことができるようになっています。

1-1

セマンティック検索の仕組み

セマンティック検索は高度な自然言語処理や人工知能技術を使い、従来よりも曖昧なクエリの文脈や意味を理解出来るようになっています。

現在の検索エンジンがユーザーにとって最適な検索結果を表示できるのは、検索時に使用されたキーワードの「意味」のみから検索意図を推測するのではなく、文脈から検索意図を読み取る仕組みだからです。

例えば、ユーザーが「サッカー 移籍」というキーワードで検索した場合、「サッカー」というキーワードが使用されていることからスポーツについて知りたいのだと推測するのではなく、「移籍」というキーワードを組み合わせていることから、「サッカー」が「サッカー選手」を意味していると読み取ります。

その結果、「サッカー選手の中で最近移籍した選手」「移籍が噂されているサッカー選手」について知りたいのだろうと推測するわけです。

1-2

セマンティック検索の特徴

前述したようにセマンティック検索は、ユーザーが入力したキーワードの文字列だけでなく、そのキーワードの意味や文脈を理解して関連する情報や回答を提供する検索方法です。

以下にセマンティック検索の主な特徴を挙げます。

セマンティック検索(意味的検索)は、ユーザーが入力したキーワードの文字列だけでなく、そのキーワードの意味や文脈を理解して関連する情報や回答を提供する検索方法です。

▼ 以下にセマンティック検索の主な特徴を挙げます。

  1. 文脈の理解
    キーワードだけでなく、その文脈やニュアンスを解釈して適切な結果を提供します。

  2. 意味にマッチした検索結果
    キーワードと直接的に関連しない情報でも、意味的に関連する情報を提供することができます。

  3. 自然言語の処理
    自然言語処理技術を利用して、ユーザーの自然な言葉使いや疑問文を理解します。

  4. ナレッジグラフの活用
    情報の関連性や関連する事実を組み合わせることで、より幅広い検索結果を表示することができます。

  5. 表記揺れへの対応
    行う、行なう、おこなう、行いますなど、検索キーワードの表記ゆれによる違いを理解し最適な検索結果を表示させます。

このように、セマンティック検索の技術は、従来のキーワードベースの検索よりもユーザーの意図やニーズに合わせた情報提供が可能となり、より賢明な検索体験を実現しています。

2

セマンティック検索が導入された背景

検索エンジンにセマンティック検索が導入された背景として、ユーザーの検索行動が多様化したことと、インターネット上に情報が溢れていることが挙げられます。

インターネット環境が整備されスマートフォンが普及したことにより、ユーザーはいつでも、どこからでも検索して情報を得ることができるようになりました。さらに、インターネット上には毎日WEBページが投稿されており、検索から得られる情報は日々増加しています。

検索ユーザーのニーズとインターネット情報の両方が増加した結果、単純なアルゴリズムだけでは両者をマッチングさせることが困難になったと言えるでしょう。

膨大な情報の中から最適な情報を提供するには、セマンティック検索によりユーザーの検索意図を正確に把握することが必要になったということです。

3

セマンティック検索の具体的な事例

セマンティック検索が実際に使用されている例はいくつかあります。

例えば、Googleの検索エンジンで検索すると、検索意図に沿ったページが表示されるだけでなく、「リッチリザルト」や「アンサーボックス」、「ナレッジパネル」などの機能で情報が検索画面に表示されたり、類義語がハイライト表示されたり、検索キーワードと関連性の高いキーワードが表示されたりします。

3-1

リッチスニペット

「リッチスニペット」とは、画面占有率が大きく、視覚的な印象が強い、検索結果のスニペットに表示される情報です。現在は、「リッチリザルト」と呼ばれています。

【代表的なリッチリザルト】

  • パンくずリスト
  • FAQ(よくある質問)
  • 写真・画像・動画
  • イベント情報
  • 会社概要
  • レシピ

例えば「ナイキ ゴルフシューズ」と検索すると、以下画像の検索結果のように商品の画像が検索結果に表示されます。

リッチリザルトの表示


WEBページに構造化データを設定することで、リッチリザルトが表示されやすくなります。

リッチリザルトについては別記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下ページをご確認ください。

3-2

アンサーボックス

「アンサーボックス」とは、検索結果の上部に、検索キーワードに対する答えを表示する検索エンジンの機能です。通常の場合だと、検索エンジンは特定のページを検索キーワードに対する答えとして表示しています。ユーザーは、ページを閲覧することでキーワードに対する回答が得られるわけです。

一方、検索キーワードに対する答えが明確なもの、ひとつしかないものについては、検索エンジンの判断により、アンサーボックスに結論を表示します。

例)母の日 2023

アンサーボックスの表示


「母の日 2023」と検索した場合、ユーザーが知りたいのは何月何日なのか、何曜日なのかです。答えは明確かつシンプルに表示できるため、ユーザーがわざわざWEBページを開かなくても回答が得られるように、検索エンジンはアンサーボックスを表示しています。

3-3

ナレッジグラフ

「ナレッジグラフ」とは、Googleの検索エンジンに蓄積された情報です。Googleの検索エンジンで検索すると、ユーザーが知りたいと思う情報が検索結果画面の右側の「ナレッジパネル」に表示されます。

Googleの検索エンジンで検索すると、Googleは「ナレッジグラフ」から検索キーワードにマッチした情報を抽出し、ユーザーが知りたいと思う情報を検索結果画面の右側の「ナレッジパネル」に表示します。

▼ 下記画像は、「オルグロー株式会社」と検索した際に表示されるナレッジパネルです。

ナレッジパネル
3-4

類義語の太字表示

セマンティック検索が効果を発揮していることが分かる事例として、検索時に使用したキーワードだけでなく、類義語や同義語も太字で表示される点が挙げられます。

Googleの検索エンジンは、検索時に使用したキーワードがディスクリプションに含まれていると、キーワードが太字で表示される仕組みです。セマンティック検索の影響により、検索時に使用したキーワードだけでなく類義語や同義語も太字で表示されます。

例)

検索キーワード太字で表示される類義語・同義語
SEOSearch Engine Optimization
失業手当失業保険
飲み屋居酒屋
贈り物プレゼント


上記の仕様は、検索エンジンがキーワードを文字列として認識しているだけではなく、意味まで理解していることを具体的に示す例と言えるでしょう。

4

セマンティック検索に対応するためのSEO施策

▼ セマンティック検索に対応したSEO施策を実施するためのポイントは以下の通りです。

  • htmlの構造化マークアップを適切におこなう
  • キーワードやテーマに沿ったコンテンツを作成する
  • 特定のテーマごとに適切にディレクトリ分けをおこなう
  • タイトル設定やスニペットを正しく設定する

検索エンジンがセマンティック検索を導入した狙いは、ユーザーの検索体験を向上させることです。

オーガニック検索の流入を目指してSEOを実施する場合、セマンティック検索と同じようにユーザーの検索意図をできる限り正確に予測し、最適なコンテンツを作成したうえで、適切にGoogleに認識してもらう取り組みが重要になります。

4-1

htmlの構造化マークアップを適切におこなう

セマンティック検索を意識したSEO施策を行う際には、htmlで構造化データをマークアップすると効果的です。検索エンジンがページに書かれた情報の意味を理解しやすくなり、検索結果にリッチリザルトが表示されることで、検索ユーザーに対して求める情報を提供しやすくなります。

構造化データについては別記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下ページをご確認ください。

4-2

キーワードやテーマに沿ったコンテンツを作成する

セマンティック検索を意識したSEO施策を行う際には、キーワードやテーマに沿ったコンテンツを作成することが重要です。

ユーザーが検索した理由や目的を意識せず、ただキーワードを詰め込んだだけのページを作成しても、セマンティック検索が導入された検索エンジンで上位表示されることはありません。

オーガニック検索から集客したいユーザーがどのようなキーワードで検索するのかを推測し、ターゲットキーワードから検索意図を読み取り、検索意図を満たすコンテンツを作成する必要があります。

4-3

特定のテーマごとに適切にディレクトリ分けをおこなう

セマンティック検索を意識したSEO施策を行う際には、特定のテーマごとにディレクトリ分けをおこない、検索エンジンやユーザーが理解しやすいサイト構造にしましょう。

同じテーマのページをひとつのカテゴリーの中に組み入れることで、ユーザーが関連ページを探しやすくなったり、検索エンジンにサイトの専門性をアピールできたりします。

カテゴリ分けについては別記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下ページをご確認ください。

4-4

タイトル設定やスニペットを正しく設定する

セマンティック検索を意識したSEO施策を行う際には、ユーザーの検索意図を理解したうえで、検索エンジンが理解しやすいタイトル・ディスクリプションを設定することが重要です。

検索ユーザーは、検索結果に表示されるタイトルやディスクリプションを見て、どのページを閲覧するのかを判断しています。

一方、検索エンジンは、タイトルやディスクリプションに含まれているキーワードから、WEBサイトの運営者がどのキーワードで上位表示を狙っているのかを判断しています。

適切にタイトルやディスクリプションが設定されていなければ、ユーザーからページがクリックされなかったり、検索上位表示が困難になったりするかもしれません。

タイトルタグやメタディスクリプションタグの設定方法については、別記事で詳しく解説しているので興味がある方は以下ページをご確認ください。

5

セマンティック検索に関連するGoogleのアップデート

セマンティック検索に関連して、Googleは検索エンジンのアルゴリズムをアップデートしています。

2013年9月には「ハミングバードアップデート」が実施され、2015年に検索アルゴリズムに人工知能(AI)を活用するRankBrain(ランクブレイン)が導入、2019年10月に「BERTアップデート」が実施されました。

ハミングバードアップデート(Hummingbird Update)やBERTアップデートはコアアルゴリズムアップデートの名称ですが、RankBrainについては名称が付けられていないようです。

5-1

ハミングバードアップデート

「ハミングバードアップデート」とは、2013年9月にGoogleが実施した、検索エンジンのアルゴリズムアップデートです。

Googleは定期的に検索エンジンのアルゴリズムをアップデートしており、主要なものについては「ハミングバードアップデート」や「ペンギンアップデート」といったように名称が付けられています。

単語の組み合わせによる検索だけでなく、日常会話で使用されるような言葉を使用した会話型検索にも対応することを目的として導入されたのが、ハミングバードアップデートです。

・キーワード型検索の例:「東京 レストラン」
・会話型検索の例:「東京駅に近いレストラン」


会話型検索にも対応できるようになったことで、曖昧な検索に対しても適切なページが検索結果に表示されるようになっています。

ハミングバードアップデートについては別記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下ページをご確認ください。

5-2

RankBrainの導入

「RankBrain」とは、2015年にGoogleの検索エンジンへ導入されたアルゴリズムです。人工知能(AI)の機械学習により、検索キーワードから検索意図を読み取る精度を高めています。

ハミングバードアップデートで導入されたアルゴリズムを、人工知能(AI)を導入することで強化したものが、「RankBrain」です。

5-3

BERTアップデート

「BERTアップデート」とは、2019年10月にGoogleが実施した、検索エンジンのコアアルゴリズムアップデートです。

「BERT」とは、人工知能(AI)を活用した自然言語処理技術により、会話型検索から検索意図を読み取る精度を高めるアルゴリズムです。「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の頭文字を取って、BERTと呼ばれています。

前述した検索アルゴリズム「RankBrain」と同様に人工知能(AI)を活用しており、「RankBrain」を更に進化させたものが「BERT」と言えるでしょう。

6

まとめ

今回は、セマンティック検索の概要から仕組み、導入された背景、具体的な事例、対応するためのSEO施策について解説しました。セマンティック検索には、AI(人工知能)と自然言語処理の技術が多く使われています。

Googleはテキストだけでなく自然な会話で出てくる文章が検索時に使用されることになると考えて、数年前よりセマンティック検索に力を入れてきました。

自社WEBサイトを検索結果の上位に表示させ続けるためのSEO対策に取り組むWEB担当者にとって、セマンティック検索という技術を理解することは今後のSEO戦略において、非常に重要なことだと言えるでしょう。

ホワイトリンク 記事内用バナー


この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。 サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超のノウハウをSEOサービスに反映し、3,000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

RECOMMENDED ARTICLES

ぜひ、読んで欲しい記事

  • SEOの外部対策とは?のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/11/19
    SEO外部対策とは?やり方と注意点を徹底解説

    2024/11/19

  • 内部リンクとは?のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/10/28
    内部リンクとは?貼り方とSEO効果について解説

    2024/10/28

  • 更新頻度とSEOの関係のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/10/28
    更新頻度とSEOの関係は?最適なコンテンツの管理方法を解説

    2024/10/28

  • ブラックハットSEOとは?のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/10/17
    ブラックハットSEOとは?ホワイトハットSEOとの違いと手法一覧

    2024/10/17

  • ペンギンアップデートとは?のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/10/10
    ペンギンアップデートとは│基本と対応方法・由来を徹底解説

    2024/10/10

  • HTTPステータスコード一覧のサムネイル画像です
    SEO対策
    2024/10/08
    HTTPステータスコード一覧│意味を完全解説

    2024/10/08

backtotop