SEO対策 サテライトサイトとは?SEO効果とペナルティのリスクについて解説

サテライトサイトとは、被リンクを増やすことや認知拡大のために作る別サイトのことで、主にSEOで順位を改善させるために作成します。本記事では「サテライトサイト」のSEO効果や、ペナルティのリスク、さらにSEO目的以外の活用方法についても解説します。サテライトサイトについて詳しく知りたい方は是非最後までご覧ください。
サテライトサイトとは
サテライトサイトとは、主にメインサイトのSEO対策(検索エンジン最適化)や、ユーザーの集客を増加させる目的で設ける、本サイトとは別で運営するWEBサイトのことを指します。
一般的に、サテライトサイトは本サイトとは別のドメインで運営し、その存在をメインサイトと明確に関連付けないことが多いです。その為、サブドメインで運用しているサイトや本サイトに関するサービスサイトはサテライトサイトとは呼びません。
そもそも”サテライト”という言葉はラテン語の “satelles” から派生したもので、本来的には「衛星」や「従者」を意味します。
インターネットやWEBの文脈では、「サテライトサイト」は主となるWEBサイト(メインサイト)から分離し、特定の目的のために独立して作成・運用されるサブのWEBサイトを指します。
この場合、”サテライト”の「衛星」の意味が比喩的に使われており、メインサイトが惑星(地球)で、サテライトサイトがその周囲を周回する衛星(月)のような関係性を示しています。
SEO対策でサテライトサイトを作る目的
SEO対策のために、サテライトサイトを作る目的については、主に被リンクの獲得が挙げられます。
被リンクの獲得
サテライトサイトを作成する目的の多くが、被リンクを獲得するためです。
SEO対策において関連するサイトから、自サイトへの被リンクを獲得することはドメインの評価を高めることに繋がり、検索順位を上昇させる効果があります。
Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
Google が掲げる 10 の事実:ウェブ上の民主主義は機能する。
例えば、ある旅行会社が企業のメインになるWEBサイトを運営しているとしましょう。その会社が、特定の観光地やホテルに焦点を当てたブログサイト(サテライトサイト)を立ち上げます。
このブログサイトでは、観光地の見所やホテルのレビュー、旅行のアドバイスなど、ユーザーにとって価値ある情報を提供します。
それぞれの記事やページから、メインサイトへのリンクを貼ることでメインサイトへの被リンクが増え、検索エンジンの評価を高めるというわけです。
その為、以前は多くのサイト運営者が被リンク目的でサテライトサイトを作成し、SEO対策をおこなっていました。ただし、最近ではGoogleのアップデートにより被リンクの数よりも質が重要視される傾向にあり、サテライトサイトを被リンク目的で作成することは少なくなっています。

サテライトサイトのSEO効果
サテライトサイトを作成することによるSEO効果はありますが、その効果は年々弱くなっています。
被リンクは、現在でもランキングを決定するアルゴリズムの中で重要な役割がありますが、前述した通りGoogleは被リンクの質を評価するようにアップデートを行っています。
その為、運営元が分からず、コンテンツの品質が低いサテライトサイトを作成しても被リンクとして殆ど評価されませんでした。
品質の高いサテライトサイトを大量に作成するためには、多くのコストと時間がかかるため、現在では高品質なコンテンツを自サイト内に作成し、ナチュラルリンクの獲得を目指すケースが被リンク獲得の主流となっています。
サテライトサイト作成によるペナルティリスク
サテライトサイトの作成そのものが、ペナルティを引き起こすわけではありませんが、その運用方法や目的によっては検索エンジンからペナルティを受けるリスクが存在します。
例えば、プログラムを使ってコンテンツを自動生成したり、他社のサイトからコピーしたコンテンツを使ってサテライトサイトを作成した場合は、Googleのガイドラインに明確に反する行為となり手動による対策ペナルティを課せられる可能性があります。
このような手法を、ブラックハットSEOと言います。
【リンクスパム】
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成する
ガイドラインに反した場合は、「検索ランキングが大幅に低下する」「インデックス登録を削除される」など厳しい処置となります。目的に関わらずサテライトを作成する際は、ガイドラインに違反しないよう注意しましょう。
SEOに効果的なサテライトサイトの作り方
SEO目的でのサテライト作成はリスクがあるため、SEM Plus編集部では推奨していません。
ただし、どうしてもSEO効果を高めるためにサテライトサイトを作成したい方に向けて、SEOに効果的なサテライトサイトを作る方法について紹介します。
ip分散をおこなう
サテライトサイトを作成した場合、IPアドレスは本サイトとは異なるIPアドレスを使う必要があります。また、複数のサテライトサイトを作成する際はサイトごとにIPアドレスを分散します。
例えば、ある企業がメインのWEBサイト(IPアドレス:192.0.2.1)と、複数のサテライトサイト(IPアドレス:203.0.113.2、198.51.100.3、192.168.1.4など)を運営しているとしましょう。この場合、各サテライトサイトはそれぞれ異なるIPアドレスでホストされています。
各サテライトサイトからメインサイトへリンクを設置した場合、これらのリンクは検索エンジンから見て、それぞれ異なるサイト運営者からのリンクとして認識されやすくなります。
つまり、自然にリンクされたナチュラルリンクとして、判断される可能性が高いというわけです。
一方、すべてのサテライトサイトが同一のIPアドレス(例えば、192.0.2.1)でホストされている場合は、それらすべてのサイトからメインサイトへのリンクが生成されても、検索エンジンはこれらのリンクを1つのソースからのリンクと認識するため、自作自演の可能性が高いと判断されます。
その為、サテライトサイトを作成する場合は、IPアドレスを分散するようにしましょう。
本サイトと関連性が高いサイトにする
サテライトサイトは、本サイトとの関連性が高いテーマで作成しましょう。
▼ 理由は以下の2点です。
- 被リンクの効果を高めるため
- コンバージョンに繋がるユーザーを獲得するため
例えば、ある企業がヘルスケア製品を販売しているとします。その企業がサテライトサイトを作成する場合、ヘルスケア・栄養・エクササイズなどの関連するテーマで作成することが理想的です。
本サイトのテーマと関連性が高いサテライトサイトからのリンクは、検索エンジンにとって本サイトのテーマや専門性を理解するためのヒントとなります。
これにより、検索エンジンは本サイトをそのテーマに関する信頼性の高い情報源と認識し、検索結果のランキングを向上させる可能性があります。
また、現在のPageRankの分配方法「リーズナブルサーファーモデル」では、関連性の高いリンク先に多くのリンクジュースを分配する仕組みになっています。
その為、関連性の高いテーマを持つサテライトサイトを作成することが、SEO効果を高める上で重要となります。
次にユーザー視点で考えてみましょう。
サテライトサイトの内容が、本サイトに関連が無いテーマの場合は、サテライトサイトから遷移してきたユーザーがコンバージョンする可能性が低くなります。
その為、サテライトサイトは本サイトに関連したテーマで作成しましょう。
コンテンツの品質を高める
サテライトサイトの被リンク効果を高めるには、品質の高いコンテンツを作成することが重要になります。低品質なサイトの場合は、作成をしてもGoogleからサイト自体が評価される事が無い為、被リンクの効果が期待できません。
一方で、ユーザーの役に立つ高品質なコンテンツを作成すれば、被リンク効果だけではなくサテライトサイト自体のアクセス数も増加するため、本サイトへの流入も期待できます。
サテライトサイトを作成する際は、Google検索セントラルにある以下のページを参考にしてコンテンツの品質を高めましょう。
【参考ページ】
Google検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
アンカーテキストにキーワードを含める
サテライトサイトを被リンクとして活用する場合は、アンカーテキストに対策キーワードを含めるようにしましょう。
アンカーテキストの役割は、ユーザーと検索エンジンにリンク先の内容を伝えることです。本サイトに関連するキーワードをアンカーテキストに盛り込むことで、Googleからの評価、クリック率の向上が見込めるでしょう。
例えば、本サイトへのアンカーテキストに「不動産」というキーワードを含めることで、Googleは本サイトのテーマを「不動産」と認識し、不動産関連のキーワードの評価が向上する可能性があります。
また、リンクを掲載する位置によってもpagerankの分配量が変わるため、ユーザーがクリックしやすい位置にリンクを設定するのもポイントです。
▼ アンカーテキストについては下記記事で詳細をご確認ください。
定期的な更新をおこなう
サテライトサイトを作成した場合、定期的に更新する必要があります。特に最新の情報を扱っている場合は、頻繁な更新が求められます。
なぜなら、古い情報を掲載したままのサイトは、Googleからの評価だけでなく、ユーザーからの信頼も低下する可能性があるからです。ユーザーは最新の情報を求めているため、更新されていないコンテンツは信頼性の面で問題が生じる可能性があります。
Googleは頻繁に更新されるサイトを評価し、そのようなサイトをより高い順位で表示する傾向があります。その為、サテライトサイトを作成した場合は、最新の情報を掲載し続けるよう定期的な更新を心掛けましょう。
被リンク目的以外でサテライトサイトを作るケース
被リンクの獲得目的以外で、サテライトサイトを活用する方法を2つ紹介します。
- 本サイトでは対応できないユーザー層の獲得
- リターゲティングリストの獲得
繰り返しになりますが、サテライトサイトを被リンクとして活用するのはリスクがあるため推奨は出来ません。
サテライトサイトを作成するのであれば、上記「1」「2」のどちらかを目的として作成するようにしましょう。
本サイトでは対応できないユーザー層の獲得
本サイトでは対応できないユーザー層を獲得したい場合、サテライトサイトの作成を作るケースがあります。例えば、本サイトがBtoB向けのサイトで法人顧客を対象としている場合、個々の一般消費者を対象に集客を行うのは困難かもしれません。
しかし、BtoC向けのサテライトサイトを作ることで、個々の消費者を対象とした集客が行えます。ユーザー層が多様化すればするほど、さまざまなサテライトサイトの作成が有効となるでしょう。
その為、異なるユーザー層を対象とした複数のサテライトサイトを作成することで、広範なユーザー獲得を目指すことが可能となります。
ただし、サテライトサイトの運用には時間と労力が必要なため、それぞれのサイトの目標と戦略を明確に定め、適切な管理と最適化を行うことが重要です。
リターゲティングリストの獲得
リターゲティングリストの獲得も、サテライトサイトを活用するケースの1つです。
リターゲティングとは、自社サイトに訪問したことがあるユーザーに対して、広告を配信する手法のことです。自社サイトだけでなく、サテライトサイトにもリターゲティングのタグを設置することで見込みリストのターゲット層を広げ、増やすことが可能になります。
この手法はリスティング広告など、WEB広告を出稿する際によく使われるテクニックです。
例えば、本サイトで不動産の内容を発信、サテライトサイトでリフォーム、リノベーションに内容を発信している場合、不動産、リフォーム、リノベーション全ての見込みリストを増やすことが可能になります。
サテライトサイトに関するよくある質問
サテライトサイトを作るべきサイトは?
サテライトサイトを作成するべきかどうかは、ビジネスの目標や戦略、対象とするユーザー層などによります。
- 異なるユーザー層をターゲットにしたい場合
- リターゲティングリストの獲得が目的の場合
- SEOの効果を高めるために、被リンクとして活用する場合
主には上記を目的とする場合に作成します。
サテライトサイトとオウンドメディアの違い
オウンドメディアとサテライトサイトは、目的と活用方法に違いがあります。
オウンドメディアは、認知度の拡大やリード獲得を目的とし、潜在的な顧客層に対する情報提供を行います。
対して、サテライトサイトはSEOのパフォーマンス向上、特定のユーザー層へのアピール、リターゲティングリストの拡充など、特定の戦略目標を達成するために利用されます。
サテライトブログとは?
「サテライトブログ」とは、SEOの順位を改善するための手段として、被リンクの数を増やす目的で作成するブログのことを指します。(サテライトサイトと意味は同じです)
まとめ
ここまで解説したように、サテライトサイトはSEO効果を高めるための被リンクとして作成されてきました。
ただし、近年ではGoogleのアルゴリズムの進化により、品質に重きが置かれるようになったことでサテライトサイトを量産しても、SEO効果は無くなっています。
現在では、被リンクによるSEO効果を高めたい場合には、関連性が高く良質なナチュラルリンクの獲得が必須となります。
SEM Plus編集部では、ナチュラルリンクを獲得するための手法をまとめた資料を無料で配布していますので、興味がある方はダウンロードをして被リンク獲得にお役立てください。
その他、被リンク獲得やSEO対策にお困りのことがあれば気軽にお問合せください。
以上、「サテライトサイト」についての解説でした。