SEO対策 URLパラメータとは|設定方法・種類について解説

「URLパラメータとは何か」「どのような役割・効果があるのか」「どのように設定すれば良いのか」など、疑問に感じているのではないでしょうか?この記事では、「URLパラメータ」の概要から種類、利用する目的、設定方法、設定時の注意点まで、初心者にも分かりやすく解説します。
URLパラメータとは?

「URLパラメータ」とは、ページURLの末尾に加えることで、ページの内容を動的に変化させたり、WEB広告の効果を検証したりできる文字列です。URLの「?」以降の半角英数字で記述された部分になります。
URLパラメータは、URLの末尾に「?」や「&」「パラメータ名」「パラメータ値」といった記号や文字を組み合わせて生成されています。
例)http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine
パラメータ値が複数あるときには、以下のように「&(アンパサド)」で区切ります。
例)http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine&date=20200101
広告やメルマガ、SNSなどにURLパラメータが加えられたURLを設置し、そのURLをユーザーがクリックした場合にのみ、上記の効果を発揮します。
URLパラメータの種類
URLパラメータには、「パッシブパラメータ」と「アクティブパラメータ」という2つの種類があります。
指定した値に関わらず、全く同じ内容のコンテンツが表示されるパラメータが「パッシブパラメータ」
指定した値により表示される内容が動的に変化するパラメータが「アクティブパラメータ」です。
「パッシブパラメータ」「アクティブパラメータ」それぞれの役割と具体的な活用事例、記述例を解説します。
パッシブパラメータ
「パッシブパラメータ」は、ユーザーがどのようなオンラインプラットフォームで閲覧しているのかを伝えることが、主な役割となります。
URLパラメータは、表示するページの内容を変更する仕組みを持たなければ、表示するページに何かしらの変化は起きません。
例えば、静的なページに「?param=1」や、「?param=2」などのパラメータがついたURLを入力して表示しても、内容に変化はなく全く同じページが表示されます。パッシブパラメータはこの性質を利用しており、動的にページを表示させるためではなくサイトへの流入元を計測する目的があります。
パッシブパラメータの活用例
パッシブパラメータの主な活用例の1つは、メールマガジン内に設置することです。毎日メルマガを送信している場合に、メールの中に書かれたURLをユーザーがクリックしてサイトに訪問したとしても、送り主はそれを知ることができません。
そこでパッシブパラメータを使用し、以下のような値を送信したとします。
例)http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine&date=20200101
この場合、表示されるページはhttp://XXXX.co.jp/ と全く同じですが、アクセス解析では2つのパラメータを取得することができます。
上記の例では、from以降の「=mailmagazine」から流入元がメルマガであることが分かり、date以降の「=20200101」から2020年1月1日送信分からの訪問者だと分かります。パッシブパラメータで情報を把握することにより、メールマガジンのパフォーマンスの測定が可能になります。
アクティブパラメータ
「アクティブパラメータ」の役割は、サーバー側で動作するCGIなどのプログラムに情報を伝え、特定の情報だけを動的に表示させることです。分かりやすくいうと、アクティブパラメータを付与することで、WEBページの内容が変わるタイプのパラメータです。
求人サイトや不動産サイト、ECサイトの商品ページなどで絞り込み条件を表示させたり、人気商品順に並び順を変更するなどの用途があります。
アクティブパラメータの活用例
アクティブパラメータの主な活用例として、ECサイトの絞り込み機能での活用が挙げられます。アクティブパラメータを活用することで、ユーザーが探している特定のサイズやカラーの商品のみをページに表示することが可能です。
ユニクロ公式オンラインストアを例にアクティブパラメータの記述例をご紹介します。
▼ 下記URLは、ユニクロの女性向けノースリーブのページです。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/women/dresses-and-jumpsuits/dresses-and-jumpsuits/sleeveless
絞り込み機能で赤を選択すると、表示されたページのURLは以下のように変化します。ユーザーが探している、ノースリーブの赤い商品のみが表示されるようになります。
URLパラメータを利用する目的
前述したように、URLパラメータには「アクティブパラメータ」と「パッシブパラメータ」の2種類があり、利用する目的や効果が異なります。
アクティブパラメータを利用する目的は、特定の情報だけを動的に表示させることです。ユーザーにマッチしたコンテンツをいち早く提供することや、ページ管理の手間が減らせるなどが挙げられます。
一方、パッシブパラメータはWEB広告の効果を測定することを目的として利用されています。
また、パッシブパラメータには、
- ユーザーのアクセス経路が計測できる
- 自然検索とCPC広告のアクセスを区別して計測できる
の2つの目的があります。
具体的に解説します。
ユーザーのアクセス経路が計測できる
URLパラメータを設定することで、ユーザーがどの経路からアクセスしたのかを正確に計測することができます。
▼ WEBサイトの流入経路には、以下のような経路があります。
- オーガニック検索
- WEB広告
- SNS
- 直接流入(お気に入り・ブックマークなど)
Googleアナリティクスを使えば、どの流入経路からアクセスしたのかを確認することが可能です。またSNSから流入した場合についても、どのSNSから流入したのかまで確認することができます。
しかし、メールマガジンやQRコードなどから流入した場合はどちらも、「direct(直接流入)」に分類されてしまい、どこから流入したかが分かりません。メールマガジンとQRコードに対して、別のURLパラメータを設定しておけば、どこから流入したのかを正確に計測ができます。
また、1つのページに対し複数の広告を出稿している場合でも、どの広告からユーザーがアクセスしたのかを区別して計測することが可能です。
自然検索とCPC広告のアクセスを区別して計測できる
URLパラメータを設定することで、自然検索とCPC広告のアクセスを区別して計測することができます。リスティング広告を出稿している場合、検索結果のリスティング広告枠とオーガニック検索枠の両方にページが表示される場合があります。
Googleのリスティング広告に出稿している場合であれば、URLパラメータを設定していなくても、Googleアナリティクスを使えばそれぞれのアクセスを区別して計測することは可能です。
しかし、Yahoo!のリスティング広告に出稿している場合、それぞれのアクセスを区別して計測することができません。この場合、別のURLパラメータを設定しておけば、どちらから流入したのかアクセスを区別して計測ができます。
URLパラメータの設定方法
URLパラメータは、パラメータ名とパラメータ値がセットになった文字列で構成されます。その為、手動でURLパラメータを設定する場合は、ルールに従ってパラメータ名とパラメータ値を記述する必要があります。
ただし、ECサイトなどで絞り込み機能のアクティブパラメータを設定する場合は、システム側で自動生成される場合がほとんどです。
基本の記述ルール
基本的なURLパラメータの記述ルールは以下の通りです。
ルール | 記述例 |
「?」で始まる文字列を記述する | http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine |
パラメータ名とパラメータ値を「=」 で繋げる | http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine |
パラメータが複数あるときには「&(アンパサド)」で区切る | http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine&date=20200101 |
パラメータに複数のパラメータ値を入れない | 間違った記述例 http://XXXX.co.jp/?from=mailmagazine=date=20200101 |
■ パラメータ値は任意の文字列を使用できますが、ルールに従って記述しなければ正確なデータを計測できない場合があります。
Googleアナリティクスの分析で活用する際の設定方法
GoogleアナリティクスでWEB広告の効果を測定する場合に、手動でURLパラメータを設定する方法と、URL生成ツールを使用して設定する方法を解説します。
パラメータの種類とルール
GoogleアナリティクスでWEB広告の効果を測定する場合の、主なURLパラメータと用途、記述例は以下の通りです。
パラメータ名 | 用途 | 記述例 |
utm_source(必須) | 流入元を区別する | utm_source=yahoo |
utm_medium(必須) | 広告媒体・課金方式を区別する | utm_medium=cpm |
utm_campaign(必須) | 広告キャンペーンを区別する | utm_campaign=sale |
utm_term(任意) | キーワード・日付を区別する | utm_term=20200101 |
utm_content(任意) | 複数の広告を区別する | utm_content=011 |
■ Googleアナリティクス(UA、GA4)でURLパラメータを設定する場合、下記3種類のパラメータは必ず記述する必要があります。
- utm_source
- utm_medium
- utm_campaign
URL生成ツールでの設定方法
前述したように、手動でURLパラメータを設定することができますが、URL生成ツールを使用することで簡単に設定することも可能です。
Googleが提供しているURL生成ツール「Campaign URL Builder」を使用した、URLパラメータの作成手順をご紹介します。
- 「Campaign URL Builder」ページにアクセスする
- URLパラメータを設定するページのURLを入力する ※必須
- キャンペーンIDを入力する ※任意
- 参照元(Campaign Source)を入力する ※必須
- メディア(Campaign Medium)を入力する ※必須
- キャンペーン(Campaign Name)を入力する ※任意
- キーワード(Campaign term)を入力する ※任意
- 広告のコンテンツ(Campaign contents)を入力する ※任意
上記の手順で、自動的にURLパラメータが追加されたURLが画面上に出力されます。
URLパラメータを設定する際の注意点
間違った方法で設定すると、想定した通りの内容が表示されない、正確な計測ができない、ページの評価が分散するなどのトラブルが発生する恐れがあります。
▼ URLパラメータを設定する際には、以下の3点に注意して設定しましょう。
- 半角英数字を使用する
- リダイレクト時は引継ぎ設定を行う
- 重複コンテンツに注意する
半角英数字を使用する
URLパラメータを設定する際には、半角英数字を使用し、日本語の使用は避けるようにしましょう。
URLパラメータに日本語を使用すると、以下のように文字化けした文字列へ自動でエンコードされます。
▼「utm_source」に「Google」ではなく「グーグル」と設定した場合のURLパラメータ
http://XXXX.co.jp?utm_source=%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB
文字化けしていても計測自体できますが、文字化けしていることで間違った広告に設定してしまったり、Googleアナリティクスで計測結果を確認する場合に、どの広告に設定したURLパラメータなのかの判断がしづらくなります。
URLパラメータには日本語ではなく半角英数字を使用し、誰が見ても設定内容が分かるようにしておきましょう。
リダイレクト時は引継ぎ設定を行う
URLパラメータを設定したページから別のページへリダイレクトすると、URLパラメータ情報が外れてしまう可能性があります。URLパラメータを設定したページをリダイレクトする場合には、URLパラメータが引き継がれるように設定をおこないましょう。
重複コンテンツに注意する
URLパラメータを設定する際には、Googleから重複コンテンツとみなされないように注意する必要があります。重複コンテンツとは、ほとんどあるいは全く同じ内容が異なるURLで表示されるコンテンツです。
ECサイトなどでアクティブパラメータを設定した絞り込み機能を利用すると、重複コンテンツになってしまいます。canonicalタグを利用してURLパラメータが設定されていない元ページのURLを正規ページに指定することで、重複コンテンツとみなされなくなります。
URLパラメータに関するよくある質問
URLパラメータに関するよくある質問と回答をご紹介します。
パラメータの意味は?
「パラメータ」とは、プログラムの処理を動的に変化させる値です。
URLパラメータと引数の違いはなに?
URLパラメータと引数の違いは、用語を利用するケースです。
URLパラメータはページのURLを対象とする場合にのみ利用されますが、引数はすべてのプログラムに対して利用されます。プログラムの処理を動的に変化させる値である点は同じです。
まとめ
今回は、「URLパラメータ」の概要や種類、利用する目的、設定方法、設定時の注意点について解説しました。「URLパラメータ」には「アクティブパラメータ」と「パッシブパラメータ」の2種類があり、それぞれ設定するシーンや効果、設定方法などが異なります。
簡単に言えば、ユーザーに合わせて表示する内容を動的に変化させる場合は「アクティブパラメータ」、広告の効果を検証する場合は「パッシブパラメータ」を利用します。
「URLパラメータ」を設定することで何ができるのか、どのような場合に利用するものなのかを確認し、WEBサイト運営に役立てましょう。