サイトリニューアルがSEOに与える影響│順位下落防止のポイントを解説

サイトリニューアルを行うと、サイトの構造やコンテンツの変更が発生します。そのため、SEOを考慮して行わないと検索エンジンからの評価が変わってしまい検索順位が下落するなどの悪影響があります。今回は、サイトリニューアルで順位を上げるポイントや、順位を下げないための注意点についてSEOのプロが詳しく解説します。

サイトリニューアルがSEOに与える影響
サイト構造やコンテンツの変更を伴うサイトリニューアルは、SEO評価に大きく影響します。
Googleは定期的にWebページのクロールを行い、ページの内容が修正された場合はデータを更新してページを再評価します。ページの内容が良くなったと判断されれば順位は上がりますが、悪くなったと判断された場合は下がります。
定期的に記事のリライトをしている方なら、ページ単位でも内容を変更すると順位が大幅に変動することを日々体感していると思うので、サイト全体を変更するリニューアルがSEOの評価に大きく影響することがイメージできるのではないでしょうか。
サイトリニューアル後、SEOの影響で検索順位が上がるケース
サイトリニューアルで検索順位を上げるためには、次の施策を盛り込む必要があります。
メインテーマに関連するページを増やしたことで、サイト全体の専門性が向上した
検索するユーザーのニーズにマッチしたページを作成した
デザインや構造の見直しを行い、サイトのユーザビリティを高めた
メインテーマと関連性が低いページや低品質なページを削除した
ページ表示速度(Core Web Vitals)の改善を行った
関連するページ同士の内部リンクを整理して、クロール効率を改善した
著者情報や会社概要、実績・事例・資格などを明記してE-E-A-Tを強化した
このように、サイトリニューアルを行う際に、ユーザーが求めている情報がわかりやすく記されている&探しやすいサイトにできれば、SEOに良い影響があり検索順位が上昇しやすくなります。
Googleはユーザーファーストを掲げているため、リニューアルでユーザーにとって最適なWebサイトにできればGoogleからも高く評価されます。
サイトリニューアル後の順位変動について
サイトリニューアルを行っても、すぐに順位が変動する訳ではありません。
Googleのクローラーはサイトのページを順番に巡回するため、クロールされたページから順位が変動していきます。また、最終的に順位が落ち着くまでは数週間〜数ヶ月かかるため、リニューアルがSEOにおいて成功か失敗かすぐに結論を出さずに、ある程度長い目で検索順位をモニタリングしましょう。
特にサイト規模が数万ページを超える場合は、すべてのページを再クロールするまでに数ヶ月かかる可能性がありますが、コンテンツの内容が評価されれば徐々に検索順位が上がっていきます。
サイトリニューアル前に必ず押さえるSEOの4大ポイント
サイトリニューアルでは、事前に次の4つのポイントを抑えておくことでSEOで失敗する確率を防ぎ、自然検索からの流入を増加させることができます。
自社が抱えるSEO課題を明確にしておく
リニューアルの設計段階でSEOを考慮しておく
旧サイトのSEO評価を維持する方法を覚えておく
CMSを変更するとSEOにどう影響するか覚えておく
自社が抱えるSEO課題を明確にしておく
サイトリニューアルを行う前に必ず行うべきことは、自社が現在抱えているSEO課題を明確にしておくことです。
例えば、順位が下がっている原因が「サイト構造の問題」なのか、「コンテンツの質」なのか、「技術的なエラー」なのかを把握しないままデザインやCMSだけを変更しても、問題の本質は解決できません。
リニューアルは単なる見た目の刷新ではなく、「どこを維持すべきか」「何を改善すべきか」をデータに基づいて分析した上で行わないと、期待していた結果が出ません。
そのため、自社が抱えるSEOの課題を明確にした上で改善策となるリニューアル計画を立てましょう。
リニューアルの設計段階でSEOを考慮しておく
サイトリニューアルで順位やCVを落とさないためには、公開後ではなく「設計段階」からSEOを考慮しておくことが大切です。Googleのアルゴリズムはコンテンツの品質やサイトの専門性を重点的に評価しているため、どのようなぺージを作るかでSEO評価の8割は決まります。
例えば、サービスサイトであれば、そのサービスを利用するユーザーにとって必要となる情報がどれだけWebサイトにあるかでSEO評価が決定します。
そのため、リニューアルでこの部分が考慮されていなければ、リニューアル後にSEOを行っても、表面的な施策になってしまい効果が出せないことがあります。
旧サイトのSEO評価を維持する方法を覚えておく
サイトリニューアルでは、見た目や機能が大きく変わる一方で、旧サイトで蓄積したSEO評価をどうやって引き継ぐかがポイントです。
後ほど詳しく解説しますが、旧サイトのSEO評価をリニューアルで失わないためには、次の施策を行う必要があります。
URLが変更になる場合はリダイレクトを行う
ユーザにとって必要なコンテンツを減らさない
ユーザーにとって必要なページを減らさない
Googleのクローラーがページの内容を読み取れるようにする
これまで、リニューアル後に順位が下がってしまったという相談を何件も受けましたが、そのほとんどが上記の対応をしていませんでした。
上記を適切に行わずにリニューアルをしてしまうと、サイト公開後に検索順位やCV数が大きく下がる可能性があるため、必ず確認しておきましょう。
CMSを変更するとSEOにどう影響するか覚えておく
サイトリニューアルでCMSを変更する場合は、SEOにどのような影響があるのか事前に理解しておくことが大切です。
なぜなら、CMSによってはtitleタグやhタグの設定ルールやカテゴリ設計のルールが異なるため、SEO的にベストな設定ができない可能性があるためです。
実際にあった事例では、「ページ名 | サイト名」といった自動生成のtitleやh1しか使えない仕様だったため、任意のtitleタグが設定できず、検索意図に合わないタイトルに上書きされてしまいました。
特にECサイトの場合は、CMSによって仕様が大きく異なるため事前の確認が必須となります。
サイトリニューアル時のSEOで順位下落を防ぐために注意する点
サイトリニューアル完了後に、検索順位の下落を防ぐためにSEOで注意することは以下の通りです。
titleタグの削除・設定ミス
メインコンテンツ内のテキストを大幅に削除してしまう
robots.txtで検索エンジンのクロールを拒否してしまう
noindexで検索エンジンへの登録を拒否する
スマートフォンページのコンテンツを減らしてしまう
モバイルフレンドリー対応ができていない
CWVの数値が悪化している
ページを大幅に削除してしまう
内部リンクを繋ぎ忘れてしまう
XMLサイトマップの送信漏れに注意する
URLの正規化を忘れずに行っておく
存在しないページに404エラーページを設定する
それぞれ詳しく解説します。
titleタグの削除・設定ミス
Webサイトリニューアル時にtitleタグを大幅に変更したり、削除してしまうと順位が大幅に下落する可能性があります。titleタグは検索エンジンがページのテーマを理解する上で重要な役割を持つため、以前titleタグに設定されていたキーワードを削除したり、異なるtitleタグに設定することで順位に影響があります。
そのため、旧ページの検索順位が高く、流入を獲得しているのであれば新ページのtitleタグは、旧ページのtitleタグをそのまま引き継ぐことをオススメします。
また、サイト運営者はtitleタグが不用意に変更されていたり、削除されていないか本番環境にアップする前に必ず確認しましょう。
ちなみに、リニューアルでCMSを変更する場合は、リニューアル前にCMSの仕様を確認し、任意でtitleタグを設定できるか確認しておきましょう。CMSによっては、元々の仕様でリニューアル前のtitleタグをそのまま仕様できないこともあるためです。
メインコンテンツ内のテキストを大幅に削除してしまう
Webサイトリニューアル時に、メインコンテンツ内のテキストを大幅に削減したり変更すると、検索エンジンからの評価が変わってしまい順位が下落する可能性があります。
メインコンテンツ内のテキストは、検索エンジンがユーザーが入力したキーワードとの関連性を評価したり、ページの品質を評価する上で重要な部分です。検索エンジンは、テキストから様々な情報を拾ってぺージを評価しています。
サイトリニューアル時に、メインコンテンツ内のテキストを削除してしまうよくあるケースは以下になります。
テキスト中心だったページを画像中心のページに変更した
ページのデザイン変更に伴いテキストを削減した
元々1ページにあったテキストを複数のページに分割した
技術的な問題で検索エンジンがテキストを読み込めない
ページのデザイン性を高めるために、テキストを画像に置き換えたり、デザインする場合もあるかと思いますが、元のテキストはできるだけ維持した状態でページをデザインするのがオススメです。
デザインの都合でテキスト量を減らす必要がある場合は、タブやアコーディオンを使用してテキストを隠すなど、工夫してページ上のテキスト量が減らないようにしましょう。
robots.txtで検索エンジンのクロールを拒否してしまう
リニューアル中は、テスト環境にあるサイトを検索結果に表示させないために、robots.txtで検索エンジンのクロールを拒否する設定を行うことがあります。
しかし、そのままの設定を本番環境に適用してしまうと、Googleなどの検索エンジンがWebサイトをクロールできなくなるため、インデックスが削除され検索順位が落ちてしまいます。
そのため、サイトを公開後にサイト全体の順位が大幅に下がってしまった場合や、一定期間経っても新規ページがインデックスされない場合は、robots.txtの設定でクローラーを拒否していないか確認しましょう。
そもそも、robots.txtはGoogle のクローラーからのリクエストによってサーバーが過負荷になっている問題を回避する際に使用するファイルのため、テスト環境の制御に用いるべきものではありません。
Webサイトのリニューアル時に作成するテスト環境には、ベーシック認証の設定と、noindex メタタグの付与を組み合わせる方法が最適です。
noindexで検索エンジンへの登録を拒否する
前述した通り、サイトリニューアル中はテスト環境にあるサイトをGoogleにインデックスさせないために、noindexタグを設定することがあります。
noindexタグは、検索エンジンに「このページはインデックスしない」と伝える指令を出すタグのため、本番環境にアップロードする際にnoindexの設定を削除し忘れてしまうと、検索結果にページが表示されなくなります。
検索結果に公開したくないコンテンツの場合はそのままでも問題ありませんが、流入を獲得していたページはnoindexタグを必ず外すようにしましょう。
noindexが設定されているかどうかを確認する方法は、別の記事で詳しく解説しています。
スマートフォンページのコンテンツを減らしてしまう
サイトリニューアルを行う際に、スマートフォンページのコンテンツを減らしてはいけません。スマートフォンページを見やすくするために、テキスト情報を減らして画像に置き換えるなど、ページのコンテンツを減らした場合はリニューアル後に検索順位が下落する可能性があります。
ページのテーマとは関係のないテキスト情報や、低品質な情報であれば削除しても問題ありませんが、ページのテーマに関する情報やユーザーが知りたい情報は必ず残しておくようにしましょう。
なお、PCとスマホでコンテンツの内容やURLが分かれている場合は、サイトリニューアルを行う際に、レスポンシブデザインを採用するようにしましょう。
レスポンシブデザインとはGoogleが推奨するスマートフォンぺージの作成方法で、デバイスの画面サイズに応じてレイアウトが変化するものの、コンテンツ自体は同じものが表示されるため、どのデバイスからアクセスしても同じコンテンツを表示できます。
モバイルフレンドリー対応ができていない
前述した通り、Googleはモバイルページを重要視しているため、サイトリニューアル時はモバイルフレンドリーへ対応しているかどうかも確認しましょう。
Googleはモバイルフレンドリーアップデート以降、スマートフォンのデバイス用に表示が最適化されているページを評価しています。
例えば、ボタンの間隔が近すぎてタップしづらかったり、文字が小さすぎてテキストを読みづらい場合など、モバイルデバイスの操作性が悪いサイトはSEO評価が低下します。
CWVの数値が悪化している
サイトリニューアルの際には、ユーザーの利便性を高めるためにコアウェブバイタル(Core Web Vitals、略してCWV)の数値も改善しておきましょう。
コアウェブバイタルとは、ページの読み込みなどWebページの「使いやすさ」を測定するためのGoogleの指標のことです。例えば、リニューアル時にファイルサイズが大きい画像を使ったり、不要なJavaScriptスクリプトを多用している場合は、ページの読み込み速度が低下しSEO評価を下げてしまう可能性があります。
CWVの評価が下がっている場合は、検索ランキングにも影響を及ぼす可能性があるため、必ずCWV数値を意識してサイトリニューアルを行いましょう。
ページを大幅に削除してしまう
サイトリニューアルを行う際にページを大幅に削減すると、サイト全体の評価が低下し検索順位が下がる可能性があります。
サイト内にある低品質なページを削除する分には問題ありませんが、検索エンジンから評価されていたページを大幅に削除すると、以下の問題が発生する可能性があります。
品質の高いページを削除ししたため、ドメイン評価が低下
被リンクを獲得してページを削除したため、被リンク効果が低下
そのため、古いぺージであっても安易に削除してはいけません。
なお、「ページ間でテーマが重複している場合」や、「Webサイトのテーマと全く関連性のないページ」「低品質なぺージ」であれば、サイトリニューアル時に削除して問題ありません。
内部リンクを繋ぎ忘れてしまう
サイトリニューアルを行う場合、新しいURLを作成したり既存のURLを変更するケースも多々あります。
そのため、サイトを公開したら必ず内部リンク切れや、どこからも内部リンクが設定されていないページが存在していないか確認するようにしましょう。
▼ リンク切れを見つける方法については、別の記事で詳しく解説しています。
なお、内部リンクを繋ぐコツは以下です。
ユーザーが次に知りたいぺージへのリンクを設置する
関連するページ同士を内部リンクで繋ぐ
関連するページ同士を内部リンクで繋ぐことで、ユーザーが目的のページや興味を持ったページへ移動しやすくなるため、離脱率を低下させ回遊率や滞在時間を向上させる効果があります。
リニューアルでディレクトリ構造が変わる場合や新しいカテゴリを新設する場合など、サイトの構造が変わる場合は、必ず内部リンクを設定しておきましょう。
XMLサイトマップの送信漏れに注意する
サイトリニューアル後は、Webサイト内でインデックスさせたいURLを記載したXMLサイトマップを作成し送信しておきましょう。
XMLサイトマップとは、検索エンジンにWebサイト内のあるページの存在を伝えるためのファイルのことです。
例えば、新しく作ったページをXMLサイトマップに記述してGoogleサーチコンソールから送信すれば、検索エンジンがすぐに新しいURLの存在を発見できるため、クロールからインデックスされるまでの期間を短縮できます。
新規ぺージの追加だけでなく、ページの構造変更に伴いURLが変わった場合や、ドメイン自体を変更した場合は、XMLサイトマップの送信を行いましょう。
URLの正規化を忘れずに行っておく
サイトリニューアル時には、URLの正規化も忘れずに行っておきましょう。
URLの正規化とは、「wwwあり・なし」や「http・https」といった全く同じ内容のぺージが異なるURLを統合することを指します。
URLの正規化は、301リダイレクトを使ってどちらかのURLにリダイレクトを行うだけです。リニューアル時に忘れずにやっておきましょう。
存在しないページに404エラーページを設定する
リニューアル時に削除したページがある場合は、新しいサイトデザインに合わせて404ページも一緒に作成しておきましょう。
404ページとは、ぺージが存在しないことを表すページのことで、リニューアルで削除したURLや間違ったURLにアクセスすると表示されます。

サイト内の他のページへのリンクやナビゲーションが記載された404ページを作成しておけば、ユーザーがリニューアルで削除されたページにアクセスした場合も、別のページへ案内できます。
なお、削除するページに対応する新しいページがある場合は、301リダイレクトを使って削除するページへアクセスしたユーザーが新しいページへ自動的に転送されるようにしておきましょう。
URL変更が伴うサイトリニューアルで必ずやるべきSEO施策4選
Googleはドメイン単位でもWebサイトを評価しているため、サイトリニューアル時にドメインを変更する場合はSEO評価を新しいドメインに引き継ぐための施策が必要です。
また、CMSの入れ替えによってURLが変更になる場合も同様に、旧URLの評価を新しいURLに引き継ぐ必要があります。
ドメインやURLを変更をする場合は、次の4つの施策を行います。
旧URLから新しいURLに301リダイレクトで転送する
サイト内部のURLを新しいURLに書き換える
ドメイン変更をした場合は、Google Search Consoleの「アドレス変更ツール」を使う
外部サイトに掲載されているリンクの更新連絡を行う
それぞれ詳しく解説します。
旧URLから新しいURLに301リダイレクトで転送する
サイトリニューアルでURLが変更される場合、古いURLから新しいURLへリダイレクトの設定を行います。なぜなら、リダイレクトをしなかった場合、Googleから新規ページと認識されてしまい、SEO評価は0からのスタートになってしまうためです。
また、リダイレクトの設定をしておけば、サイト訪問者が旧URLにアクセスした場合に自動で新しいぺージに転送されるため、離脱を防ぐことができます。
リダイレクトの方法は、Googleが推奨している301リダイレクトを使用することがベストプラクティスです。
サイト内部のURLを新しいURLに書き換える
サイトリニューアルでURLが変更される場合、内部リンクのURLを新しいURLに置き換える作業が必要です。
前述した、301リダイレクトの設定を行っていれば自動で新しいURLへ転送される問題はありませんが、リダイレクトは一度別のページを挟んだ上で転送する特性上、ページが表示されるまでの時間が長くなります。
ユーザビリティを考えるのであれば、極力短い時間でページを遷移できるように設定しておくのが良いため、内部リンクのURLを新しいURLに置き換えるようにしましょう。
ドメイン変更をした場合は、Google Search Consoleの「アドレス変更ツール」を使う
サイトリニューアルでドメインを変更した場合は、Googleサーチコンソールの「アドレス変更ツール」を利用して新しいドメインに変更したことをGoogleに伝えます。
新しいドメインへ移行したことをGoogleに対して伝えることで、元のドメインで獲得していたトラフィックを失うことなく、早期に検索結果画面に新しいドメインのページを表示させることができます。
▼ Google Search Consoleに、新しいドメインを通知する手順は以下の通りです。
元のホームページから新しいホームページに対する301リダイレクトを実装します。
サーチコンソールにログインします。
メニューの「設定」から「アドレス変更」を選択します。
プルダウンから新しいサイトを選択します。
「他のサイトがこのサイトに移転しています」というメッセージを確認します。
なお、新しいドメインの通知を行うには、旧URLと新URLどちらも同じアカウントでGoogle Search Consoleに登録しておく必要があります。
外部サイトに掲載されているリンクの更新連絡を行う
サイトリニューアルでドメインを変更した場合、外部サイトに掲載されている自社サイトのURLも、できるだけ新しいものに更新してもらいましょう。
リニューアル直後に301リダイレクトを正しく設定しておけば、旧URLから新URLへのSEO評価は基本的に引き継がれます。そのため、急激な順位下落を心配する必要はありません。
ただし、将来的に301リダイレクトの設定を外したり、旧ドメインを廃止した場合、そのリンクからの被リンク効果は失われます。つまり、301リダイレクトが切れると、外部サイトからの貴重なリンク資産が無効になるというリスクがあります。
そのため、自社が運用している他のサイトやSNSに記載されているURLは必ず新URLに差し替えます。また、外部のメディアや取引先など連絡が取れる掲載元には、できるだけ新しいURLへの変更依頼をしておきましょう。
SEOの観点からリニューアルを検討すべきタイミング
SEOの観点から、サイトをリニューアルを検討するタイミングは以下になります。
サイトに訪れたユーザーニーズに応えるページがない場合
ページの品質が低い場合
CMSやシステムが古く、施策実行が困難なとき
UI/UXに問題がある場合
サイト構造が最適化されていないとき
サイト内に重複ページが大量に存在するとき
スマホ用のぺージが存在しないもしくは、スマホとPCでURLが分かれている時
それぞれ詳しく解説します。
サイトに訪れたユーザーニーズに応えるページがない場合
自社のサービスや商品を探しているユーザーが必要とするコンテンツが記載されたぺージがない場合は、リニューアルを検討しましょう。ユーザーが必要としているコンテンツがないということは、ユーザーのニーズを満たしていないWebサイトとGoogleから判断され、SEOで評価されづらいためです。
また、サービスに関する具体的な説明・料金体系・導入事例・よくある質問といった情報がサイト内に存在しないと、ユーザーは「この会社で本当に依頼して良いのか」という判断ができず、すぐに離脱してしまいます。
特にBtoBサービスや単価の高いサービスの場合、ユーザーは複数のサイトを比較しているため、Webサイトの情報が不足している場合は選択肢から外される可能性があります。
ページの品質が低い場合
Googleはページの品質によって検索順位を決定しているため、サイト全体のコンテンツ品質が低い場合は、Googleからサイト内にあるページを評価してもらえず検索順位が上がりづらくなります。
狙っているキーワードで上位に表示される競合他社のページと比較を行い、ページの品質が明らかに劣っている場合はリニューアルを検討すべきタイミングです。
このような状態で内部対策や外部対策を行ってもSEO効果は限定的になってしまうため、サイト全体のリニューアルを行って、各ページの品質を改善しましょう。
CMSやシステムが古く、施策実行が困難なとき
サイトリニューアルを検討するべきタイミングの1つ目は、CMSやシステムが古かったり、Webサイトの仕様上の問題でGoogleが推奨するテクニカルな施策を実行できない場合です。
例えば、レンタルサーバーやブログサイトのサブドメインを使って運営している場合は、技術的な制約が多く発生するためテクニカルな施策の実行ができない場合があります。
具体的には、以下のような施策ができない場合はSEO上不利になることがあります。
パンくずリストの設定ができない
SSL化ができない
ページごとに個別のtitleタグやDescriptionタグの設定ができない
レスポンシブデザインに対応していない
コンテンツごとにURLが切り替わらない
動的ページに個別のtitleタグが設定できない
ページのクロールやインデックスに関連する問題、titleタグに関連する問題は、検索順位に大きく影響するため早期に改善が必要です。
UI/UXに問題がある場合
Webサイトが使いづらかったり、ページ表示速度が遅いなどUI/UXに問題がある場合は、Webサイトのコンバージョン率や検索順位に悪影響が出る可能性があります。
UIとは「見た目のわかりやすさ」を指し、UXとは「機能の使いやすさ」のことを指します。
Googleのサーチコンソールには、ユーザーエクスペリエンスに関する指標を確認できる項目があることからも、GoogleがUI/UXに優れたユーザーフレンドリーなWebサイトを評価していることがわかります。
例えば、Webサイトが以下のような状態になってしまっている場合は改善が必要です。
テキストが見づらい・読みにくい
スマートフォンでタップできる要素がわかりづらい
ユーザーにとって役に立たない不要な機能が多い
ユーザーにとって不要な広告が表示されている
ページの表示速度が極端に重い
UI/UXに問題があると、離脱や直帰が増えるなどユーザー行動にも悪影響が出るため、使い勝手が悪い場合は、サイトリニューアルを行い改善しましょう。
サイト構造が最適化されていないとき
サイト構造を見た時に「階層が深すぎたり」「論理的に整理されていない」場合は、SEOでマイナスになる可能性があります。
例えば、重要なコンテンツページがトップページから5クリック以上必要な位置に置かれている場合、Googleのクローラーがそのページに到達しにくくなります。また、ユーザーにとっても「目的の情報にたどり着きにくい」構造となり、直帰率や回遊率にも悪影響を及ぼします。
さらに、サイト構造が整理されていないことで内部リンクの設計も曖昧になり、リンクジュースの流れが偏ったり、無駄なクロールが発生したりするため、全体のSEO効率も悪化します。
このような状態では、個別のページをどれだけ最適化しても、サイト全体としての評価が高まりにくいため、構造面の見直しを行うためにサイトリニューアルを検討するタイミングとなります。
サイト内に重複ページが大量に存在するとき
テーマやページタイトル・コンテンツが似ているページがサイト内に多く存在している場合は、検索エンジンがどのページを評価して良いのか判断を迷ってしまい、結果的に検索順位が上がりづらくなることがあります。
また、重複ページが多い状態では、Googleのクローラーが同じような内容のページを何度も読み込むことになるためクロールバジェットが無駄に消費され、本来クロールしてほしい新規作成したページや重要なページのクロールが遅れる可能性があります。
ユーザーにとって必要なページである場合は、noindexやcanonicalタグを設置することでGoogleから重複と見られることを防ぐことができますが、ユーザーにとって不要なページの場合はリニューアルを行い削除するようにしましょう。
スマホ用のぺージが存在しないもしくは、スマホとPCでURLが分かれている時
現在のGoogleは、「モバイルファーストインデックス」を採用しており、PC版ではなくモバイル版のコンテンツを優先的に評価しています。そのため、スマホ用に最適化されたページがないWebサイトは、検索順位が上がりづらい傾向があります。
また、スマホとPCでURLが分かれている場合は、被リンクが分散するため、URLごとにSEO評価も分散してしまう上に、正しくrel="alternate"やrel="canonical"が設定されていないと、Googleが重複ページと判断するリスクがあります。
さらに、ページの更新をする際も、スマホ用とPC用それぞれのページを更新しないといけないため運用上の手間もかかります。
Googleは、同一URL・同一HTMLで端末ごとに最適化されたぺージが表示されるレスポンシブデザインを推奨しているため、リニューアルを検討しましょう。
SEOを含むリニューアルを外注する際にやっておくべきこと
SEOを含むリニューアルを外注する場合は、以下2つのどちらかを必ずやっておきましょう。
社内でSEOの知識をつけておく
SEO会社に監修を依頼する
社内でSEOの知識をつけておく
検索エンジンから評価されるWebサイトを作るには、制作会社に任せっきりにするのではなく、社内で基本的なSEOの知識を付けておくことが必要です。
社内にSEOの知識がなければ、制作会社から提案されたリニューアル案がSEO上評価されるものなのか判断できません。事前にGoogle検索セントラルのSEOスターターガイドを見ておくだけでも良いので、どのようなページやサイトが評価されるのか勉強しておきましょう。
SEO会社に監修を依頼する
社内でSEOに関する事前知識を付けるのが難しい場合は、外部のSEO会社に依頼してリニューアルの監修を行ってもらいましょう。
SEO会社に監修してもらうことで、提案されたサイト構造やワイヤーフレームがGoogleから評価される内容になっているかチェックしてもらうことができます。
また、前述したtitleタグの抜け漏れやnoindexタグの外し忘れなど、技術的なミスが発生していないかどうかも細かくチェックしてもらうことができるため、リニューアルが成功する可能性が高くなります。
まとめ
サイトリニューアル時に行う、サイトの構造変更やコンテンツの変更、技術的な変更などはSEOに大きく影響します。また、SEO要件を満たさない状態でリニューアルを行った場合、公開後に順位が大きく低下する可能性があります。
そのため、リニューアルを行う際は、社内や、リニューアルを委託する会社にSEOの知見があるかどうかを確認して進める必要があります。SEOの知見がない場合は信頼できるSEO会社やSEOコンサルに入ってもらい、SEOを考慮したリニューアルを行いましょう。
なお、弊社が提供するホワイトリンクサービスでは多くのリニューアルSEOのコンサルティングを行ってきた実績がございます。「リニューアル後に順位が下がった」「SEOを考慮したリニューアルがしたい」「SEOの監修をしてほしい」場合はお問合せください。

ぜひ、読んで欲しい記事
- SEO対策「検出-インデックス未登録」がサーチコンソールに表示される原因と解決策2025/07/01
2025/07/01
- SEO対策llms.txtとは?書き方やLLMOでの効果について解説2025/07/01
2025/07/01
- SEO対策サイトリニューアルがSEOに与える影響│順位下落防止のポイントを解説2025/06/24
2025/06/24
- SEO対策LLMO対策代行会社おすすめ9選│失敗しない外注業者の選び方を解説2025/06/20
2025/06/20
- SEO対策403(Forbidden)エラーの意味とは?発生する原因と解決方法を解説2025/06/13
2025/06/13
- SEO対策LLMOへの関心・取り組み状況に関する市場調査レポート2025/06/10
2025/06/10