アウトバウンドリンク(OBL)とは?被リンクとの違い・SEO効果と注意点を解説

WEBサイトを運営する中で、「アウトバウンドリンク」の活用方法をご存知でしょうか。自サイトから他の信頼性や権威性の高いサイトへリンクを設置することで、ユーザーエクスペリエンスの向上やサイトの信頼性強化につながります。本記事では、アウトバウンドリンクの重要性や設置時の注意点など、現役のSEOコンサルが詳しく解説します。

アウトバウンドリンク(OBL)の意味は?
「アウトバウンドリンク(OBL)」とは、自分のWEBサイトから外部のWEBサイトへ貼られたリンクのことを指します。別の呼び方では「発リンク」とも呼ばれます。
アウトバウンドリンクとは反対に、外部のWEBサイトから自分のWEBサイトへ貼られたリンクのことをインバウンドリンク(IBL)といいます。
SEO(検索エンジン最適化)対策においてはインバウンドリンク(被リンク)の方が重要度が高いですが、アウトバウンドリンクも、Googleの検索エンジンから評価を受ける要素の一つとされています。

アウトバウンドリンクと被リンクの違い
アウトバウンドリンクと被リンクの違いは、リンクの方向性とその役割にあります。
前述した通り、アウトバウンドリンクは、自分のWEBサイトから他のWEBサイトへ向けて設置されたリンクであり、ユーザーに関連性の高い追加の情報を提供し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
一方、被リンク(インバウンドリンク)は、他のWEBサイトから自分のWEBサイトへ向けられたリンクです。これは、自サイトが外部からどれだけ参照されているかを示し、検索エンジンにおける評価やランキングに直接影響を与えます。
アウトバウンドリンク | 被リンク(インバウンドリンク) | |
---|---|---|
リンクの方向 | 自サイトから他サイトへ | 他サイトから自サイトへ |
主な目的 | ユーザーへの情報提供、信頼性の向上 | サイトの評価向上、トラフィックの増加 |
SEOへの影響 | 間接的 (ユーザーエクスペリエンスの向上による) | 直接的 (ドメインの評価やランキングに影響) |
アウトバウンドリンクのSEO効果について
自社のサイトから他サイトへのリンクのSEO効果についてはGoogleのジョン・ミュラー氏が以下のように発言しています。
私たちの観点では、他のサイトへの外部リンクは特にランキング要因ではありません。ただし、特定のリンクはあなたのコンテンツに付加価値を与える可能性があります。その結果、検索結果で関連性が高いと判断されることもあり得ます。
https://www.youtube.com/watch?v=4FkSZIW6d48
そのため、アウトバウンドリンクを設置したからといってランキングに直接的な影響はないものの、間接的なSEO効果を得ることができる可能性があります。
また、多くのSEOの専門家は、Googleの検索エンジンはアウトバウンドリンクを設置したときのアンカーテキストと、リンク先の情報が適切であるかを分析し評価対象にすると考えています。
ジョン・ミュラー氏の発言にある「コンテンツに付加価値を与える可能性がある」というのは、ユーザーにとって価値の高いサイトがリンク先である場合、ユーザー行動が改善し良い影響があると解釈できます。
流出したGoogleのドキュメントAPIにも、Google Chromeからユーザー行動データを取得しランキングに反映させている事を思わせる内容もあったため、良いアウトバウンドリンクは間接的にSEO効果が高くなるというのは大いにあり得ます。
SEO効果を高める可能性のあるアウトバウンドリンクとは
先ほど、アウトバウンドリンクによって、ユーザー行動が改善されるとランキングに良い影響があると解説しました。
では、次にどのようなリンクを設置すればSEO効果が高まるのか考えてみましょう。
Googleが掲げるユーザーファーストの視点で考えると、自サイトのページを閲覧しているユーザーにとって、役立つページへのアウトバウンドリンクであればSEO効果を高めることができると考えられます。
具体的には、以下に該当するサイトへのアウトバウンドリンクが効果的です。
- メーカーの公式ホームページ
- 根拠となるデータを掲載している公的機関
- 根拠となるデータを掲載している大学、研究機関
このように、信頼性や権威性が高く信用できる情報を掲載しているWEBサイトであれば、ユーザーにとって価値が高いと言えます。
例えば、旅行に関するブログ記事で特定の観光地の歴史や背景を紹介している場合、その観光地の公式ホームページや文化庁などの公的機関が提供する、詳細な情報ページへのアウトバウンドリンクを設置することが考えられます。
このように、リンク先のぺージの信頼性が高くユーザーの役に立つ場合はSEO効果が高まる可能性があります。
アウトバウンドリンクの重要性
適切なアウトバウンドリンクの設置は、SEO効果だけではなく以下2つの点で重要です。
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- 信頼性の向上
それぞれ詳しく解説します。
ユーザーエクスペリエンスの向上
アウトバウンドリンクは、ユーザーエクスペリエンスの向上に大きく寄与します。
具体的にはアウトバウンドリンクを設置することで、ユーザーが求める情報をより深く、幅広く提供できます。
例えば、ある製品についてのレビュー記事を読んでいるユーザーが、その製品の公式仕様や詳細な技術情報を知りたいと思ったとします。このとき、記事内でメーカーの公式ホームページへのアウトバウンドリンクが設置されていれば、ユーザーは検索をおこなう事なくスムーズに必要な情報へアクセスできます。
ユーザーは自身の疑問を素早く解消できるため、使い勝手の良いサイトという印象を持ちWEBサイト自体に対する満足度も高まります。
つまり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。
信頼性の向上
信頼性や権威性の高いサイトへのアウトバウンドリンクは、自サイトの信頼性を向上させる効果もあります。公的機関や大学、研究機関などへアウトバウンドリンクをおこなうことで、提供する情報の根拠や裏付けを示すことができます。
根拠や裏付けを示すことで、ユーザーはあなたのサイトのコンテンツに対して信頼感を抱きます。また、信頼性が高まればSNSでのコンテンツの共有や口コミによる拡散などの集客効果と、再訪問や長時間の滞在につながる効果が期待できます。
アウトバウンドリンクを設置する際の注意点
アウトバウンドリンクを設置するときには、以下のポイントに注意しましょう。
- 過剰にアウトバウンドリンクを設置しない
- リンク切れに注意する
- 関連性の低いサイトへリンクしない
- 品質の低いサイトへリンクしない
それぞれ詳しく解説します。
過剰にアウトバウンドリンクを設置しない
アウトバウンドリンクは、ユーザーに追加の情報や関連性の高いリソースを提供する上で有益ですが、過剰に設置すると逆効果になる可能性があります。
リンクが多すぎると、ユーザーが迷ってしまいどのリンクをクリックするのが良いのか分からなくなってしまう恐れがあり、ユーザビリティの低下につながる可能性があります。
また、過度なアウトバウンドリンクは、Googleからスパム的な行為とみなされ、SEO上の評価を下げるリスクがあるため注意が必要です。
過剰なアウトバウンドリンクを防ぐためには、ページが完成した後にユーザーの立場になってページを読んでみてリンクの数や配置が適切かどうかを確認しましょう。
この時に、
- ページ全体の流れを妨げないようにリンクを配置してあるか
- アンカーテキストも適切に設定してあるか
といった部分も合わせて確認しておくと、ユーザーにとって利便性の高いアウトバウンドリンクを設置できます。
アウトバウンドリンクを設置する際は、ユーザーにとって本当に有益で必要な情報へのリンクに限定し、適切な数に抑えることが大切です。
リンク切れに注意する
アウトバウンドリンクを設置した後は、リンク切れを起こさないように注意を払うことが重要です。
リンク切れとは、リンク先のページが削除されたり、URLが変更されたりしてアクセスできなくなってしまう状態を指します。リンク切れがあると、ユーザーは求めている情報にたどり着けず、フラストレーションを感じる可能性があり、ユーザビリティの低下に繋がります。
リンク切れを防ぐための具体的な対策としては、まず信頼性の高いWEBサイトへのリンクを選ぶことが挙げられます。
公的機関や大手企業のサイトはURLの変更が少なく、リンク切れのリスクが低い傾向にあります。また、リンク切れをチェックできるツールやプラグインを活用し、アウトバウンドリンクの状態を定期的にモニタリングする方法も効果的です。
アウトバウンドリンクを設置したら定期的にチェックし、リンク先が正しく表示されるか確認しましょう。
関連性の低いサイトへリンクしない
アウトバウンドリンクを設置する際には、リンク先のサイトが自分のコンテンツと高い関連性を持っていることが重要です。関連性の低いサイトや無関係な内容のページへリンクすると、ユーザーは混乱し、求めている情報を得られないため、サイト全体の信頼性にも悪影響を及ぼします。
また、検索エンジンはリンク先の関連性を評価基準の一つとして考慮します。関連性の低いサイトへのリンクが多いと、検索エンジンからサイトの品質が低いと判断され、SEO上の評価が下がるリスクがあります。
例えば、料理レシピを紹介するページだからといって、日本の食文化についてのページへリンクしても、ユーザーにとって必要なページへのリンクにはならないため、関連性は低いと言えます。
このように、アウトバウンドリンクを設置する際は、自分のコンテンツの内容との関連性を重視することが大切です。
品質の低いサイトへリンクしない
アウトバウンドリンクを設置する際には、品質の低いサイトにリンクしてはいけません。
品質の低いサイトとは、信頼性の欠ける情報や誤った内容、他サイトをコピーしたページ、フィッシング詐欺のページ、不適切なコンテンツを含むページなどを指します。つまり、ユーザーにとって役に立たない、もしくはユーザーを危険にさらす可能性のあるサイトです。
ユーザーはリンクを通じて提供される情報全体を一体として捉えるため、リンク先が信頼できないものであれば、自サイトも同様に信頼性が低いと判断されかねません。また、低品質なページへリンクすることで、検索エンジンからの評価も下がる可能性があります。
アウトバウンドリンクを設置する際は、リンク先のページの内容や運営元、著者情報などをしっかり確認した上でリンクを設置するようにしましょう。
まとめ
アウトバウンドリンクを設置する際は、ユーザービリティを第一に考えて設置することが効果を高める重要なポイントです。SEO効果を意識するのではなく、どういったページにリンクするとユーザーにとって利便性が高いかを考えて設置すれば、検索エンジンからも評価されサイトの信頼性アップに繋がります。
しかし、サイト内のページ数が多い場合は、アウトバウンドリンクの見直しをおこなうのは手間のかかる作業です。社内にリソースがない場合はホワイトリンクまで気軽にご相談ください。
以上、「アウトバウンドリンク(OBL)」の意味や効果についての解説でした。

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