隠しテキスト・隠しリンクとは?SEOペナルティのリスクと見つけ方
WEBマーケティングやSEOでよく用いられる用語の中から、今回は、隠しテキストと隠しリンクの意味や具体的なケース、SEOに及ぼす危険な影響、隠しリンクの見つけ方等について解説します。どのようなケースが該当するのかを予め把握しておくことで、未然にペナルティを防ぎホワイトハットなSEO対策に繋がるのでチェックしましょう。
「隠しテキスト」「隠しリンク」とは
「隠しテキスト」「隠しリンク」は、検索エンジンスパムの一種です。
ユーザーがブラウザ上でサイトを閲覧したときには、設置テキストが隠れて見えない、あるいは見えづらい状態になっているのに対し、検索エンジン向け(HTMLソース上)にはキーワードやリンクが認識される状態にする行為のことです。
「隠しテキスト」と「隠しリンク」はブラックハットSEOの手法の1つとなります。
「隠しテキスト」「隠しリンク」を用いた主な手法
具体的な「隠しテキスト」「隠しリンク」の手法としては、
- 背景色と文字フォントの色を同じに設定する
- テキストのフォントサイズを小さくする
- 画像の後ろにテキストを隠す
- CSSを用いてテキスト領域を表示しないように指定する
といった方法があります。
視覚的にはテキストやリンクは見えない状態になっていますが、検索エンジンはHTMLソースを辿ってテキストやリンクを読み込むことから、かつてはSEOの内部対策として有効とされていました。
Google検索エンジンが誕生した当初は、アルゴリズムの精度が低いこともあり「隠しテキスト」「隠しリンク」により、検索ランキングが上がるなど一定のSEO効果がありましたが、Googleのアップデートにより「隠しテキスト」や、「隠しリンク」は検知され効果がなくなりました。
現在は、「隠しテキスト」「隠しリンク」はスパム行為と判断され、ペナルティの対象になることから、操作することはなくなりましたが、意図せず行ってしまうケースもあるため、「隠しテキスト」や「隠しリンク」になるケースを詳しく説明していきます。
「隠しテキスト」「隠しリンク」になる5つのケース
「隠しテキスト」「隠しリンク」には、様々なケースと種類があります。
Googleのガイドラインにも記載されている、隠しテキストの例について紹介します。
CSSを利用してテキストを画面外に表示させる
WEB上で開いた画面の範囲外に、テキストを配置する行為は「隠しテキスト」「隠しリンク」の対象となります。
具体的には「text-indent: -9999px」をCSSで設定することで、WEB画面上の外にテキストを配置することができます。
画面の外にテキストが配置されているため、ユーザーはテキストを確認できませんが、クローラーは画面外のキーワードやテキストをレンダリングします。
間違ってこのような設定をするケースはないと思いますが注意しましょう。
背景色と同色の文字設定になっている
WEBサイトの背景色とテキストの色を同一色に設定する行為も、「隠しテキスト」「隠しリンク」と判断されます。
具体的には、「background-color: #ffffff」で背景色を白に、「font color=”#ffffff」でテキストの色を白に指定することで、背景とテキストを同化させます。
こうすることで、ユーザーにはテキストの存在を気付かせずに、HTMLを読み込むクローラーに対して、背景に埋め込まれたテキストを認識させることができます。
背景色とテキスト色が同色設定になっていないかチェックしましょう。
フォントサイズが1もしくは0で設定されている
ページ上のテキストや、リンクをユーザーが認識できない大きさに設定する行為は、「隠しテキスト」「隠しリンク」と判断されます。
具体的には、テキストやリンクのフォントサイズを、0や1など極端に小さいサイズに設定し、肉眼では確認できないサイズでテキストを表示させます。
やり方は、HTMLやCSSで「font-size: 1px」「font-size: 0px」と記述するだけです。
ユーザーはテキストを認識できませんが、クローラーはHTMLソースコードを読み込むことでページの内容を確認するため、フォントが小さいテキストを読み込み認識します。
誤ってフォントサイズを小さく設定していないか、ページを公開する前にしっかりと確認しましょう。
画像でテキストを隠している
ページ上のイラストや、画像の裏にテキストを配置する行為も、「隠しテキスト」「隠しリンク」と判断されます。
通常ページ上の画像とテキストは、被らないように配置しますが、CSSの設定では画像の下にテキストを配置することができるため、意図的に画像の下にクローラーに読み込ませたいテキストを入れることで偽装します。
ページ作成時に、イラストや画像の背後に誤ってテキストを配置していないか注意しましょう。
小さい画像や1文字にリンクを埋め込む
ページ上にある装飾目的の小さな画像や、「-(ハイフン)」「.(ピリオド)」「、(句読点)」などの1文字を、アンカーテキストとして設定しリンクを埋め込むことで、クローラーにURLを読み込ませる行為も、「隠しリンク」となります。
この手法は1文字がリンクになっていると、ユーザーは気づかないことを悪用したスパム行為となります。
ここまで5種類の手法を紹介しましたが、共通していることは、クローラーに対してのみテキストやリンクを読み込ませていることです。
意図して行っていない場合でも、ペナルティの対象となるので注意が必要です。
次の項目では「隠しテキスト」「隠しリンク」の見つけ方を解説します。
「隠しテキスト」や「隠しリンク」の見つけ方5選
「隠しテキスト」や「隠しリンク」には種類があり、見つけ方も異なるので紹介します。
WEBページ全体を範囲選択して確認する
ページのテキストを全選択することで、背景同色や極小フォントに設定した「隠しテキスト」「隠しリンク」を見つけることができます。
具体的なやり方は、キーボードの「Ctrl」+「A」を押して、ページ全体のテキストを選択します。
※Macの場合は、「Command」+「A」
上記コマンドを実行すると、選択された画面上のテキストが青文字で表示されるため、背景と同一化しているテキストや、リンクを見つけることができます。
【「Ctrl 」+「A」ページ全体を選択した例】
TAB(タブ)キーを押してWEBページ内のリンクをたどる
キーボードの「TABキー」を押すと、ページ上にURLがリンクとして埋め込まれている箇所を選択できます。
「TABキー」はクリックするたびに、次にリンクが埋め込まれている箇所に移動するため、この機能を利用して意図していない場所や、ユーザーが気付かない場所にURLが埋め込まれていないかを確認することが可能です。
ユーザビリティを考えて、画像やテキストにURLを埋め込んでいる場合は問題ありませんが、クローラーしか気付かないような場所や手法でURLがリンクとして埋め込まれている場合は、削除しましょう。
WEBページのHTMLソースを確認する
HTMLのソースコードを理解してる場合は、直接HTMLから確認することができます。
ページのソースコードを確認する方法は、
- Google Chromeで「F12キー」を押してデベロッパーツールを開く
- キーボードの「Ctrl+U」をクリックする
の、2つの方法があります。
ソースコードを開いたら、「Ctrl」+「F」をクリックしてソースコード内を検索できるようにします。
リンクの埋め込みを確認したい場合は、「http」を検索窓に入れて検索をかければソースコード上にあるURLが全てヒットするので、1つずつ確認していきます。
また、文字のフォントを0にしている場合は、「font:0」「fontsize=”0″」「font-size:0」で検索するとヒットするため確認してみましょう。
WEBページ内のリンクを一覧表示するアドオンを活用する
Google Chromeや、fire foxなどブラウザの拡張機能(アドオン)を利用して、ページ内のリンク一覧表示する方法もあります。
Google Chromeの拡張機能である「リンクゲッター」という拡張機能は、インストールするとWEBページ上のハイパーリンクの一覧を簡単に表示できます。
▼ リンクゲッターを使って、隠しリンクを見つける手順は以下になります。
- リンクゲッターをインストール
- アドオンを追加したら、隠しリンクがないか調査したいWEBページを開く
- ブラウザの上に表示されるリンクゲッターのアイコンをクリックする
- ページ内にあるURLが一覧で表示されるので、検索窓に一致させたいURLを入力し該当するURLが無いか調べる
WEBページ内の隠しテキストをチェックするソフトを活用する
ここまで無料で探す見つけ方を紹介しましたが、隠しテキストをチェックする有料ソフトもあるので紹介します。
「HTML隠しテキストチェックツール」で、WEBページ上の隠しテキストやリンク数などを簡単にチェックできます。有料のサービス(約1万円)ですが、作業を軽減されたい方は検討してみてください。
▼ 下記の項目に対して、簡単にチェックすることができます。
- 背景色と同化している色の文字
- 背景色とほぼ同化している色の文字
- フォントサイズが小さい文字
- リンク数が設置しすぎてないか
「隠しテキスト」「隠しリンク」はGoogleのガイドライン違反になる
この項目では、SEOに及ぼす影響・ペナルティの種類・ペナルティを受けてしまった場合の回復方法を具体的に解説します。
SEOに及ぼす危険な影響とは?
以前のGoogle検索エンジンは、「隠しテキスト」や「隠しリンク」の手法を用いたWEBサイトに関しても、検索上位に表示される仕様だったため、アップデートを繰り返し、Googleガイドラインに背くスパム行為をしている低品質なWEBサイトは評価をしない仕様になりました。
「隠しテキスト」や「隠しリンク」を用いているWEBサイトが、Googleのガイドラインに違反した行為であると検索エンジンに判断されると、Google側から「ペナルティを受けてしまう」可能性があります。
手動による対策を受ける可能性がある
「隠しテキスト」や「隠しリンク」が原因で与えられるペナルティは、「手動による対策」という重いペナルティです。「手動による対策」を受けてしまうと、サイトの検索順位が著しく下がる、もしくは検索結果からサイトが削除されてしまうことがあります。
上位表示されなくなれば、流入率を下げてしまうほか、コンバージョンの下落、収益が下がるなどの悪循環を引き起こす危険があるため注意が必要です。
【参考ページ】
・Google Search Consoleヘルプ 手動による対策の一覧
「隠しテキスト」「隠しリンク」でペナルティを受けてしまった場合の対処法
「隠しテキスト」「隠しリンク」によって、Googleから手動による対策のペナルティを受けた場合、サイトの検索順位が大幅に下降するため、早急に対応する必要があります。
▼ 手動による対策の対処方法は以下の手順になります。
- Googleのサーチコンソールに違反メッセージが届きます
レポートの手動による対策の説明パネルを開き、詳細を確認してください。 - WEBサイト内で該当する箇所を確認します
問題の種類と説明を確認し、さらに【詳細】という項目もチェックします。 - 「隠しテキスト」「隠しリンク」に該当する箇所を修正します
ツール等を使い、見落としがないようにしましょう。 - Googleに再審査のリクエストを送信します
事前にGoogleのクローラーが、各ページにアクセスできることを確認します。
再審査リクエストの際、修正内容をしっかりと記述する必要があります。最低でも「どのような修正をしたのか」は、記述するようにしてください。審査後、1週間から3週間程度で解除されることが多いです。
▼ Googleペナルティについて詳細を知りたい方は以下をご確認ください。
「隠しテキスト」「隠しリンク」とみなされないケース
「隠しテキスト」や「隠しリンク」は、必ずしもGoogleにスパム行為として扱われるわけではありません。
ここではスパム行為として、扱われないケースについて紹介します。
タブの切り替えによって見ることができるテキスト
タブの切り替えによって表示されるテキストやリンクに関しては、「隠しリンク」「隠しテキスト」には該当しません。
タブは背景同色文字や極小フォントとは違い、ユーザーの操作によってテキストを表示させることができるためです。
例えば、ECサイトで「商品説明」「サイズ」「素材」の説明をそのまま記載すると、縦長のページになりますが、タブ機能を使うことでページがコンパクトになり、ユーザーにとって見やすいページにすることができます。
特にモバイルユーザーに対しては効果的です。
このようにユーザーの役に立つ施策であれば、一時的にテキストやリンクが非表示でも検索エンジンから、「隠しテキスト」「隠しリンク」とは判断されないため使用して問題ありません。
説明テキストを使用する場合
ページ上の「?」アイコンやロゴなどにマウスオーバーすると、注釈として表示される「補足テキスト」や「注釈」に関しては、隠しテキストに該当しません。
このような機能を、「ツールチップ」と呼びます。
ツールチップは、ユーザビリティを高めるためことが目的であり、クローラーに対しての偽装行為ではないためスパム行為には該当しません。
ツールチップを使ったほうがユーザビリティが高まる場合には、積極的に使用して問題ありません。
「隠しテキスト」「隠しリンク」に関するよくある質問
「隠しテキスト」「隠しリンク」について、よくある質問をまとめました。
隠しテキスト・隠しリンクはSEOに有効ですか?
隠しテキストや隠しリンクは、SEOに有効な効果はありません。検索エンジンは、見えない部分に埋め込まれた文字やリンクを検知しスパムと認識します。
その結果、サイトのランキングが低下したり、検索結果から削除される可能性があります。
隠しテキスト・隠しリンクの簡単な見つけ方は?
隠しテキストや隠しリンクを見つけるためには、以下のような方法があります。
- ソースコードを確認する
- スクリーンリーダーを使用する
- ページを開き「Ctrl+A」で全選択する
- Chromeのプラグイン「リンクゲッター」を使用する
隠しテキストの例は?
隠しテキストの例として、以下のようなものがあります。
「文字色を透明にする」「文字サイズを0にする」「背景色を同じ色にする」「CSSで隠す」 「画像に文字を埋め込む」「JavaScriptを使用して文字を埋め込む」
隠しテキスト・隠しリンクでペナルティを受けた場合の回復方法は?
サーチコンソールに「手動による対策」の通知が来た場合は、該当箇所を削除して再申請リクエストを送信しましょう。
【参考記事】Googleペナルティとは?確認方法・原因と対策について解説
まとめ
今回は、「隠しテキスト」「隠しリンク」とは、どのような行為かや、見つけ方、ペナルティ内容について解説しました。
「隠しテキスト」「隠しリンク」は、WEBサイトの運営者が意図しない形でも、WEBサイト内に設定してしまうことで、コンテンツの評価を下げたり、スパム扱いとしてみなされてしまうこともあります。
その為、リスクを事前に避けられるよう、「隠しテキスト」「隠しリンク」の基礎知識を理解し、WEBサイトの運営に役立ててください。
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