中古ドメインとは?選び方と効果、メリット・デメリットを解説

中古ドメインとは、過去に第三者が所有していたドメインのことで、過去運用されていたWEBサイトのSEO評価を引き継ぐ事ができます。ただし、良い評価も悪い評価も引き継ぐため中古ドメインを購入してSEOを行う場合は注意が必要です。この記事では中古ドメインの選び方とSEO効果、メリットやデメリットついて詳しく解説します。
中古ドメインとは
『中古ドメイン』とは、過去に他のWEBサイトで使用されていたが、サービスの終了や廃業などによるサイトの閉鎖や、契約期限が切れた事によって再度購入することが可能になったドメインのことです。
中古ドメインを利用すると、過去に運用されていた時のSEO評価を引き次ぐ事ができるため、新規ドメインでWEBサイトを運用するよりもSEO効果が早く出る傾向にあります。
そのため、アフィリエイトサイトや、サテライトサイト、被リンク用のサイトなどで中古ドメインが利用されます。
中古ドメインのSEO効果
中古ドメインを活用する事で、元のWEBサイトの被リンク効果やテーマ性の評価などいわゆるドメインパワーを引き継ぐ事ができるためSEO効果が高い状態でサイト運営をスタートできると言われています。
中古ドメインが新規ドメインに比べてSEO効果が高いと言われる理由は、以下の2点が要因として挙げられます。
- 被リンクの効果を引き継ぐ事ができる
- テーマ性の評価を引き継ぐ事ができる
それぞれ、詳しく解説します。
被リンクの効果を引き継ぐ事ができる
被リンクとは、第三者が運営するWEBサイトから自社のサイトに向けて貼られたリンクのことで、Googleの検索エンジンは被リンクが多く集まっているサイトを人気のサイトと判断して評価します。
新規ドメインの場合は、被リンクを一から増やしていく必要がありますが、中古ドメインは過去に運用していたWEBサイトが被リンクを獲得している事が多いため、最初から被リンクによるSEO評価の恩恵を受けることができます。
特に、一般的に知名度の高いWEBサイトや大学や公的機関など、権威性の高いWEBサイトから被リンクを獲得している中古ドメインの場合はSEO効果が高くなる傾向にあります。
特許を取得した PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します。
Google が掲げる 10 の事実 - Google
テーマ性の評価を引き継ぐ事ができる
GoogleはWEBサイトのコンテンツの内容から、特定のトピックにおいての専門性を評価しています。 例えば、本メディアのように「SEO」に特化したサイトの場合は、SEOの専門サイトと評価されているため、SEOと関連性の高いキーワードでは検索結果に表示されやすくなります。
そのため、なにかしらのテーマにおいて既に上位表示されている実績がある中古ドメインを、同様のテーマで運用すれば以前のWEBサイトで評価されていたテーマ性の恩恵を受けることができます。
中古ドメインを利用することで、前述した被リンクによる評価とテーマ性の評価を引き継ぐことができるため、新規ドメインを取得して一からWEBサイトを構築するよりも、最初からSEO上有利な状態でWEBサイトを運営できます。
では、中古ドメインを活用すると具体的にどのようなSEO上のメリットがあるのか次の項目で解説します。
中古ドメインのメリット
中古ドメインを取得することで得られるメリットは、以下の通りです。
- 上位表示されやすい
- インデックスされやすい
ただし、中古ドメインを利用するだけで上記のメリットが必ず得られる訳ではありません。
その理由を具体的に解説します。
上位表示されやすい
中古ドメインは元のWEBサイトの評価を引き継ぐため、被リンクを多く獲得していたり、権威性の高い企業が運営していた中古ドメインを利用すると、新規ドメインに比べてWEBサイトが上位表示されやすくなるというメリットがあります。
ただし、中古ドメインを使えば全てのサイトが上位表示されやすくなるわけではなく、以前のサイトで扱っていたジャンルと同じか、関係のあるジャンルを扱う場合のみ有効です。
また、Googleのランキングアルゴリズムは200以上のシグナルがあると言われており、中古ドメインが持つ被リンクやテーマ性だけでランキングが決まる訳ではありません。
実際に中古ドメインを使っても「順位が上がらなかった」というケースは多くあり、「中古ドメインを取得したから上位に表示される」という考えは間違いです。
「元のWEBサイトと同じテーマで運用する」「ユーザーにとって価値の高い高品質なページを作成する」「ユーザービリティに優れたサイトにする」といった条件を満たして、上位表示されやすいメリットを受ける事ができます。
インデックスされやすい
中古ドメインは新規ドメインと比べると、ドメイン自体の評価が高いためGoogleにインデックスされやすいと言われています。
Googleとしては、ユーザーにとって役立つサイト・役立つページをインデックスしたいと考えているため、新規ドメインで信頼性が低いサイトよりも、中古ドメインで過去に運用歴のあるサイトの方がインデックスされる可能性が高くなります。
ただし、本質的には「誰が運営しているのか?」「コンテンツはユーザーの役に立つのか?」といった事の方が重要であり、中長期的な視点で見るとインデックスのされやすさは新規ドメイン・中古ドメインどちらも同じであるというのが弊社の見解です。
実際に、本メディアのドメイン「https://white-link.com/」は新規でドメインを取得していますが、インデックスされなかった事は過去一度もありません。
また、中古ドメインであっても、WEBサイトに掲載するコンテンツが低品質であったり、スパム行為をおこなえば当然インデックスはされないため、あくまでWEBサイト立ち上げ直後のインデックス登録において少し優位性があるだけです。
インデックスの仕組みや早める方法については、以下の記事が参考になりますので、ぜひ併せて読んでみてください。
【参考記事】:Googleインデックスとは?仕組みと確認方法、早くインデックスさせる方法を解説
中古ドメインのデメリット
中古ドメインの主なデメリットは、以下の通りです。
- 悪い評価を引き継ぐ可能性がある
- 悪用するとGoogleからペナルティを与えられる
- 評価の高いサイトは高額な費用が必要となる
中古ドメインに潜む危険性に気づかないまま取得してしまうと、十分な成果を残すことができません。
デメリットをしっかりと理解して、安全に運用をおこなえるように備えておきましょう。
悪い評価を引き継ぐ可能性がある
中古ドメインは良い評価を引き継ぐ半面、悪い評価も引き継ぎます。
過去に手動ペナルティや自動ペナルティを受けていた場合は悪い評価をそのまま新しいWEBサイトが引き継いでしまい、中古ドメインを利用しても検索順位が上がらない、インデックスされないなど、マイナスの影響が発生します。
WEBサイトの運営者がドメインの契約を解除する理由の中には、リンクスパムや、クローキング、コピーコンテンツなどブラックハットSEOをおこなった事によるペナルティが原因の場合がありますが、このようドメインも中古ドメイン売買サイトで販売されているため注意が必要です。
尚、中古ドメインを取得する前の段階では、Googleサーチコンソールを入れる事ができないため「手動による対策」にぺナルティの通知が来ているか確認できません。
そのため、獲得している被リンクや以前のコンテンツなど、ドメインを購入する前に取得できる情報を元にペナルティを受けているか推測で判断する必要があります。
悪用するとGoogleからぺナルティを与えられる
ユーザーにとって価値が全くないページに関わらず、中古ドメインの評価を悪用して検索順位を上げる行為はスパム行為とみなされペナルティの対象となります。
これを「期限切れドメインの不正使用」と呼び、2024年3月5日のスパムアップデートの際にGoogleの公式ガイドラインに追加されました。
期限切れドメインの不正使用の具体例は、Googleの公式ヘルプに以下のように記載されています。
・以前に政府機関が使用していたサイトで、アフィリエイト コンテンツを掲載する
期限切れドメインの不正使用:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
・以前に非営利の医療団体が使用していたサイトで、医療関連の商品を営利目的で販売する
・以前に小学校が使用していたサイトで、カジノ関連のコンテンツを掲載する
尚、アフィリエイトサイトであってもユーザーにとって価値の高い情報の多いページであれば問題ありません。中古ドメインを使ったからといってペナルティになる訳ではなく、あくまで、低品質なページに関わらず過去のWEBサイトの評価を利用して検索順位を意図的に操作する行為がペナルティの対象となります。
評価の高いサイトは高額な費用が必要となる
評価の高い中古ドメインを購入する場合、費用が高額となる場合があります。
そのドメインの品質や人気度によっても価格は変動しますが、基本的にはSEOの評価が高いほど価格も高くなると考えておくと良いでしょう。特にドメイン名が有名企業やサービス名などの商標の場合、かなり高額な価格設定となるのが一般的です。
高額な中古ドメインに絞れば、ある程度の低品質なドメインはふるいにかけられます。しかし、高額なドメインを選んだからといって、確実に良質なドメインを取得できるわけではありません。予算とドメインの品質を見比べて、取得するかどうかの検討を慎重におこないましょう。
中古ドメインの選び方
評価の低い中古ドメインを選ばないようにするためには、そのドメインの過去の履歴を確認する事が大切です。
具体的には、以下5つのポイントを確認します。
- WEBサイトのテーマとコンテンツを確認する
- 不自然なリンクビルディングをおこなっていないか確認する
- 悪い評判がないか確認する
- 過去のトラフィックを確認する
- ドメイン名に商標が含まれていないか確認する
それぞれの確認方法を解説します。
WEBサイトのテーマとコンテンツを確認する
中古ドメインを購入する前に、過去どのようなテーマで、どのようなコンテンツが掲載されていたWEBサイトだったのか確認しましょう。
Wayback Machineを利用することで、購入を検討している中古ドメインが以前どのようなWEBサイトだったのか確認できます。

【利用方法】
- 中古ドメインのURLを、上部にある検索窓に入力してエンターキーを押します。
- カレンダーが表示されるので、色が付いている日付をクリックします。
- クリックした日付のWEBサイトが表示されます。
過去のWEBサイトが表示されたら、コピーコンテンツや低品質なコンテンツで作成されたアフィリ例とサイトやサテライトサイトではないか確認しましょう。
品質に問題がなく、自身がこれから作成するWEBサイトと類似するテーマを扱っているWEBサイトであればひとまず安心です。
不自然なリンクビルディングをおこなっていないか確認する
中古ドメインを購入する際は、過去のWEBサイトが不自然なリンクビルディングをおこなっていないか確認をおこないます。
リンクビルディングとは被リンクを増やす手法の事で、自然に獲得した被リンクであれば問題はありませんが、有料リンクやリンクファームなどのリンクスパムを使って被リンクを獲得している場合は、Googleからペナルティを受けている可能性があります。
中古ドメインのリンク状況を調べるためには、有料のサードパーティーツールを使う必要があります。例えば、MOZ社が提供しているツール内にあるSPAM SCOREを確認すれば、スパムリンクの割合が多いかどうかを確認できます。
また、有料ツールなので詳細は割愛しますが、majestic seoのLink Graph機能を使う事で、リンクファームからの被リンクがあるかの確認をおこなったり、Link Profile機能を利用することで不自然なリンク構造になっていなかどうかを確認できます。

その他にも、
- 完全一致のアンカーテキストが多い
- 特定のぺージに被リンクが集中している
といった場合は、不自然なリンクビルディングをおこなっていた可能性があります。
購入を検討している中古ドメインの被リンクを確認して、不自然な点やスパムリンクを使った形跡がある場合は購入をしないでおきましょう。
悪い評判がないか確認する
スパムに利用されていた過去がある中古ドメインはGoogleからペナルティを与えられている可能性があるため、購入前にインターネット上でドメインに関した悪い評判がないか調べましょう。
元のWEBサイトが詐欺のサイトや犯罪を助長するようなスパムサイトであれば、掲示板や口コミサイトに悪い評判が記載されている可能性があります。
調べ方は簡単です。購入を検討している中古ドメインのサービス名や、ドメイン名でGoogle検索をおこなえば、ドメインやサービス名が記載されているWEBサイトが検索結果に表示されるので、悪い評判に関する言及がないか確認します。
また、Google検索だけではなく念のためX(旧Twitter)でも、URLで検索をおこない悪い評判がないか確認しておきましょう。
過去のトラフィックを確認する
中古ドメインの過去のトラフィックを確認することで、元のWEBサイトがペナルティになっているのか推測できます。中古ドメインの実際のアクセス数などを調べる事はできませんが、ahrefsを利用すればトラフィックの予測値を過去に遡って確認できます。
例えば、ある時期にトラフィック数が一気に落ちている場合は、何らかのペナルティになった事が原因でドメインを手放した可能性があります。また、Googleのフルプフルコンテンツアップデート以降にトラフィックが減少していっている場合は、低品質なコンテンツが多く含まれているWEBサイトだったかもしれません。

WEBサイトの統合や、移転などによるトラフィックの減少も考えられるため、全てペナルティであると考える事はできませんが、極端に減少している中古ドメインは注意しましょう。
ドメイン名に商標名が含まれていないか確認する
SEOの評価とは関係ありませんが、不要なトラブルを避けるためにドメイン名に商標名が含まれていないか確認しておきましょう。
第三者が所有している商標が含まれるドメイン名を利用している場合、商標権を持っている企業や団体からドメインの使用について、法的な訴えを起こされる可能性があります。
特許庁が提供しているJ-PlatPatでは、日本国内で登録されている商標を調べられるので、中古ドメイン名を購入する際は第三者が商標権を取得している商標に類似したドメインかどうかを事前に確認の上、購入するようにしましょう。
中古ドメインの活用方法
新規でサービスを始める際に、中古ドメインを活用するメリットは殆どないと考えています。
前述した通り、中古ドメインを活用することでSEO効果を得られる可能性はありますが、中古ドメインの良し悪しを判断するにはそれなりの経験が必要になる事を踏まえると、活用するメリットよりもデメリットの方が高くなります。
また、運用歴が長いWEBサイトの場合は、過去の実績が大きく影響するため新しいサイトのテーマが元々のWEBサイトのテーマと異なる場合は、評価されづらい傾向があります。
そのため、活用できるケースとしては、中古ドメインのメリット・デメリットや良し悪しを判断できる熟練者か、ブラックハットSEOで短期的にアフィリエイト収益を得たい方や、自作自演の被リンクを作成したい方に限定されます。
中古ドメインを販売しているサイト
オススメの中古ドメイン販売サイトは、以下の通りです。
この中でも、ラッコドメインはログインすると過去の運用されていたWEBサイトの被リンクの状況などを詳細に表示してくれるため、最もオススメの中古ドメイン販売サイトです。
ただし、表示される項目は専門的な内容になるため、ある程度SEOの事を理解している中級者向けのサイトとなります。
なお中古ドメインの購入方法は、「オークション形式」と「販売形式」の2パターンありますが、ラッコドメインは「販売形式」になります。
具体的な購入方法については販売サイトによって取得形式が異なるので、各サイトの利用方法を確かめておきましょう。
まとめ
この記事では、中古ドメインのSEOにおけるメリットと取得方法について解説しました。中古ドメインはすでに獲得したコンテンツや、被リンクなどの評価をそのまま利用できるのが大きなメリットです。
しかしその一方、ペナルティを受けたドメインが存在したり、ドメイン名を自由に決められなかったりといったデメリットやリスクも伴います。
購入前の調査を丁寧におこなうことで、悪質なドメインを回避できる可能性を高められます。販売サイトとも連携しながら、あなたのサイトを体現する中古ドメインを選んでみてください。

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