SEO対策 検索クエリとは?調べ方と種類・キーワードの違いと分析方法を解説

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検索クエリとは、検索ユーザーが検索エンジンを使って検索するときに、検索窓に入力した語句です。リスティング広告出稿やSEO対策において、検索ユーザーのニーズを把握するために分析されます。本記事では検索クエリの概要から調べ方、分析方法まで解説します。

目次
  1. 検索クエリとは
    1. 検索キーワードとの違い
    2. 検索広告の検索語句との違い
    3. 検索クエリとオーガニックキーワードの違い
    4. 検索クエリがカウントされる基準の違い
  2. 検索クエリから読み取れるユーザーニーズ(検索意図)
  3. Google検索における検索クエリの種類
    1. トランザクショナルクエリ(取引型)
    2. ナビゲーションクエリ(案内型)
    3. インフォメーショナルクエリ(情報型)
    4. ビジットインパーソンクエリ
  4. 検索クエリの調べ方
    1. Googleサーチコンソール
    2. Googleアナリティクス
    3. Google広告
    4. Yahoo!広告
    5. キーワード取得ツール
  5. 検索クエリの分析方法
    1. 検索クエリを分析する上で前提となる考え方
    2. 上位表示されている競合の記事を読んでみる
    3. Google・Yahoo!のサジェストを調べる
    4. Yahoo!知恵袋を確認してみる
    5. Twitterを確認してみる
    6. 検索画面の「他のキーワード」を確認してみる
    7. バーティカル検索を確認してみる
  6. 検索クエリの活用法
    1. リスティング広告出稿での検索クエリの活用法
    2. SEO対策での検索クエリの活用法
    3. トランザクショナルクエリ(取引型)での検索クエリの活用法
    4. ナビゲーションクエリ(案内型)での検索クエリの活用法
    5. インフォメーショナルクエリ(情報型)での検索クエリの活用法
  7. 検索クエリ活用時の注意点
    1. 表示されないことがある
    2. 検索意図が分かりにくいことがある
    3. E-A-Tが必要不可欠な検索クエリがある
  8. まとめ
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検索クエリとは

検索クエリとは、検索ユーザーがGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンを使って検索したときに、検索結果にGoogle広告やYahoo! 広告に出稿した広告が表示されたり、自サイトのページが表示されたりした語句です。

▼ 以下のように、検索クエリを分析するツールごとに表示される項目が異なります。

  • Google広告:検索語句
  • Yahoo! 広告:検索クエリー
  • Googleアナリティクス:検索語句・検索クエリ
  • Googleサーチコンソール:クエリ


Google広告やYahoo! 広告にキーワードを登録すると、広告が表示された検索クエリがレポートとして出力されます。Google広告では「検索語句レポート」、Yahoo! 広告では「検索クエリー」です。

GoogleアナリティクスではGoogle広告経由とオーガニック検索経由で表示された際の検索クエリが確認でき、Googleサーチコンソールではオーガニック検索経由で表示された際の検索クエリが確認できます。

ただし、検索ユーザーがGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンを使って検索した語句のすべてが確認できるわけではありません。

Google広告やYahoo! 広告に登録したキーワードに関連した検索クエリやGoogleから検索クエリと関連したコンテンツだと判断された場合に、検索クエリとして確認できます。

検索クエリは主にリスティング広告の運用を担当しているマーケターが使用する用語で、SEO対策においては検索キーワードと表現されることが多いです。

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検索キーワードとの違い

リスティング広告の運用における検索クエリと検索キーワードの違いは以下の通りです。

検索クエリ:検索ユーザーが検索するときに検索窓に入力した語句
検索キーワード:広告運用者・マーケターが広告運用時に登録する語句


誰が語句を使用したかによって、検索クエリと検索キーワードという用語が使い分けられています。

Google広告やYahoo! 広告などのリスティング広告運用担当者は、検索ユーザーが検索するときに検索窓に入力した語句である検索クエリからキーワードを選定して、Google広告やYahoo! 広告にキーワードを登録します。

検索クエリは検索ユーザーが実際に入力した語句なので、誤字脱字や表記のゆれも含まれます。

一方、リスティング広告にキーワードを登録する際には、誤字脱字や表記のゆれは考慮されません。誤字脱字や表記のゆれがあったとしても、検索エンジンから同じ検索意図だと判断されれば検索結果に広告が表示されます。

また、SEO対策においては検索ユーザーが検索するときに検索窓に入力した語句を「検索キーワード」と表現することが多く、検索クエリという用語が使用される機会は少ないです。検索クエリと検索キーワードという語句が明確に使い分けられているわけではありません。

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検索広告の検索語句との違い

検索クエリと検索語句の違いは、検索クエリをどのツールで調べたのかです。

▼ 以下のように、検索クエリを分析するツールごとに表示される項目が異なります。

  • Google広告:検索語句
  • Yahoo! 広告:検索クエリー
  • Googleアナリティクス:検索語句・検索クエリ
  • Googleサーチコンソール:クエリ


Google広告においては検索クエリを「検索語句」という項目で表示し、Yahoo! 広告では検索クエリを「検索クエリー」という項目で表示しています。

つまり、リスティング広告においては、「検索クエリ」と「検索語句」と「検索クエリー」は同じ意味だということです。

一方、Googleアナリティクスでは、Google広告から流入した語句を「検索語句」という項目で表示し、オーガニック検索から流入した語句を「検索クエリ」という項目で表示しています。

また、検索ユーザーが検索クエリで検索した場合、検索結果にはリスティング広告枠のページと、オーガニック検索枠のページの2種類が表示されます。どちらのページを読むかについては、検索ユーザー次第です。

オーガニック検索枠にページが「表示」された場合にはGoogleサーチコンソールのクエリタブで表示回数としてカウントされ、オーガニック検索枠にページが「クリック」された場合はクリック数としてカウントされます。

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検索クエリとオーガニックキーワードの違い

検索クエリとオーガニックキーワードの違いは、リスティング広告枠に表示されたか、オーガニック検索枠に表示されたかです。

オーガニックキーワードとはGoogleアナリティクスで表示される用語であり、自サイトのコンテンツがオーガニック検索枠に表示された場合に、検索ユーザーが検索時に使用した語句がオーガニックキーワードとして表示されます。

一方、Googleアナリティクスにおける検索クエリはリスティング広告枠にGoogle広告が表示された語句なので、自サイトのコンテンツがオーガニック検索枠に表示された場合にはカウントされません。

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検索クエリがカウントされる基準の違い

リスティング広告からの流入とオーガニック検索からの流入では、検索クエリとしてカウントされる基準が異なります。

リスティング広告では、登録したキーワードにマッチした検索クエリに対して検索結果に広告が表示され、検索クエリとしてカウントされます。どこまでマッチした検索クエリが表示されるかは、キーワードに設定したマッチタイプ次第です。

また、キーワードに登録すれば必ず広告が表示されるわけではなく、出稿金額に応じて検索結果に掲載する広告がオークション形式で決定されます。

一方、オーガニック検索では、検索クエリの検索意図を満たすコンテンツが検索結果に表示され、検索クエリとしてカウントされます。

リスティング広告のようにキーワードを登録するわけではないので、Googleがコンテンツの中身を読み取った上で、検索結果として表示するかを判断します。

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検索クエリから読み取れるユーザーニーズ(検索意図)

検索ユーザーは自身が抱える悩みや疑問を解決するために、多種多様な検索クエリを使って検索しています。検索ユーザーがどのような検索クエリで検索しているかが分かれば、何を知りたいのか、何が分からないのかといったユーザーニーズを読み取ることができるでしょう。

例えば、「羽毛布団 通販」という検索クエリで検索した場合に想定されるユーザーニーズは以下のとおりです。

  • 羽毛布団を販売している通販サイトを利用したい
  • 通販サイトで販売している羽毛布団の価格を知りたい
  • オンラインショップで羽毛布団を買いたい


検索ユーザー自身が欲求を明確に自覚している状態のときに上記のような検索クエリが使用されます。

また、以下のように検索ユーザーが自分自身の欲求が明確になっていない場合でも、「羽毛布団 通販」という検索クエリで検索するかもしれません。

  • 軽い羽毛布団でぐっすり眠りたい
  • 布団を楽に干したい
  • 布団の買い替えを減らしたい


上記のように、検索クエリを確認することで、検索ユーザーがどのような目的で検索したのか、検索することで何を解決したいのかといったユーザーニーズを読み取ることができます。

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Google検索における検索クエリの種類

検索クエリから検索ユーザーのニーズを読み解く際に参考になるのが、検索クエリの種類です。

Googleのマット・カッツ氏は、検索クエリには以下の3つの種類があると提唱しています。

  • インフォメーショナルクエリ(情報型クエリ)
  • ナビゲーションクエリ(案内型クエリ)
  • トランザクショナルクエリ(取引型クエリ)


また、検索クエリを以下の4つに分類する考え方もあります。

  • Knowクエリ(知りたい)
  • Goクエリ(行きたい)
  • Doクエリ(やってみたい)
  • Buyクエリ(買いたい)


▼ ここでは検索クエリを以下の4つに分類し、ユーザーの検索クエリから検索エンジンがどのように解釈、検索結果を表示しているのかを解説します。

  • トランザクショナルクエリ(取引型)
  • ナビゲーションクエリ(案内型)
  • インフォメーショナルクエリ(情報型)
  • ビジットインパーソンクエリ
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トランザクショナルクエリ(取引型)

トランザクショナルクエリとは、検索ユーザーが実際にアクションを起こしたい時にという意図の際に用いられる検索クエリです。取引型クエリやDoクエリとも呼ばれています。

検索する意図が明確な場合に使用されることが多いため、問い合わせや成約に結びつけやすい検索クエリと言えるでしょう。

検索クエリ検索意図
羽毛布団 通販オンラインショップで羽毛布団を買いたい。
ハワイ 格安航空券ハワイの格安航空券をネット予約したい。
ハウスクリーニング 依頼ハウスクリーニング業者に依頼をしたい。
FFFTP ダウンロードFFFTPをダウンロードしたい。
楽天カード 入会楽天カードを作りたい。
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ナビゲーションクエリ(案内型)

ナビゲーションクエリとは、特定のページやサイトを閲覧したいという明確な意図の際に用いられる検索クエリです。案内型クエリやGOクエリ、Websiteクエリとも呼ばれています。

【ナビゲーションクエリの例】

  • 「楽天市場」
  • 「Youtube」
  • 「Yahooメール」
  • 「Googleビジネスプロフィール」
  • 「マクドナルド 店舗一覧」
  • 「JAL マイページ」
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インフォメーショナルクエリ(情報型)

インフォメーショナルクエリとは、情報を調べたい、最新の情報を得たいといった悩みや疑問を解決する際に用いられる検索クエリです。情報型クエリやKnowクエリとも呼ばれています。

情報収集の段階で使用されることが多い検索クエリであり、検索ユーザーが見込み顧客になる前の段階、つまり潜在層・潜在顧客であることが分かります。

【インフォメーショナルクエリの例】

検索クエリ検索意図
歯科矯正 料金歯科矯正の料金を知りたい。
八王子市 人口八王子市の人口を知りたい。
自転車 メンテンナス自転車のメンテナンス方法を知りたい。
タイ 首都タイの首都名を知りたい。
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ビジットインパーソンクエリ

ビジットインパーソンクエリとは、近くや特定の地域での情報を検索したいという意図の際に用いられる検索クエリです。エリア型クエリやLocationクエリとも呼ばれています。

モバイルやスマートフォンなどを使って屋外で検索する際に用いられることが多い検索クエリです。

【ビジットインパーソンクエリの例】

  • 「ファミレス」
  • 「ガソリンスタンド」
  • 「ラーメン屋」
  • 「ATM」
  • 「美容院」
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検索クエリの調べ方

検索クエリは、Googleが提供しているツールや広告管理画面、キーワード取得ツールで調べることができます。

検索クエリ検索クエリの調べ方
Google広告から流入した検索クエリGoogle広告の管理画面
Googleアナリティクス
Yahoo!広告から流入した検索クエリYahoo!広告の管理画面
オーガニック検索から自サイトに流入した検索クエリGoogleアナリティクス
Googleサーチコンソール
オーガニック検索から競合サイトに流入した検索クエリキーワード取得ツール
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Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールでは、自サイト全体もしくは各ページに流入した検索クエリを確認できます。

▼ 自サイト全体に流入した検索クエリを確認する手順は以下の通りです。

  1. Googleサーチコンソールにログイン
  2. 「検索パフォーマンス」をクリック
  3. 「検索結果」をクリック


検索クエリごとの、合計クリック数・合計表示回数・平均CTR・平均掲載順位も確認できます。

Googleサーチコンソール 検索クエリの確認


▼ 各ページに流入した検索クエリを確認する場合は以下の手順になります。

  1. Googleサーチコンソールにログイン
  2. 「検索パフォーマンス」をクリック
  3. ページタブをクリック
  4. 検索クエリを確認したいページを選択
  5. クエリタブをクリック
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Googleアナリティクス

Googleアナリティクスでは、自サイトに訪れたユーザーがどのような検索クエリを使って検索したのかが分かります。

Googleアナリティクスを使って検索クエリを調べるには、事前にGoogleサーチコンソールと連携させておく必要があります。

Googleアナリティクス サーチコンソールと連携


▼ Googleアナリティクスでオーガニック検索による検索クエリを確認する手順は以下の通りです

  1. Googleアナリティクスにログイン
  2. 【集客】をクリック →①
  3. 【Serch Console】をクリック →②
  4. 【検索クエリ】をクリック →③
  5. 【右下の数値】をクリック →④


検索クエリだけでなく、クリック数や表示回数・クリック率・平均掲載順位のデータも確認できます。

Googleアナリティクス クリック数や表示回数・クリック率・平均掲載順位のデータ確認


▼ また、Google広告から流入した場合の検索クエリを確認する手順は以下の通りです。

  1. Googleアナリティクスにログイン
  2. 【集客】をクリック
  3. 【Google広告】をクリック
  4. 【検索語句】をクリック


GoogleアナリティクスでWEBサイトの検索クエリを調べていると、(other)や(not set)という項目が表示されることがあります。(other)とは、上限を超えたデータをまとめて集約した値のことです。

無料のGoogleアナリティクスでは仕様により表示される件数が5万件と上限が定められており、1日のデータ件数が5万件以上になると、残りが(other)に集約されることがあります。

一方、(not set)とは、キーワードを入力せずに流入してきた場合に表示される項目です。代表的な例としては、ほかのWEBサイトから流入したり、ブックマークから流入したときなどがこの項目に当てはまります。

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Google広告

Google広告とは、Googleが提供するリスティング広告です。検索ユーザーがGoogleで検索した際に、検索キーワードに連動した広告が検索結果に表示されます。

Google広告を出稿している場合は、管理画面で広告がクリックされた検索クエリを確認できます。

▼ Google広告で検索クエリを確認する手順は以下の通りです。

  1. Google広告の管理画面にログイン
  2. 「キーワード」をクリック
  3. 「検索語句」をクリック
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Yahoo!広告

Yahoo!広告とは、Yahoo! JAPANが提供するリスティング広告です。検索ユーザーがYahoo! JAPANで検索した際に、検索キーワードに連動した広告が検索結果に表示されます。

Yahoo!広告を出稿している場合は、管理画面で広告がクリックされた検索クエリを確認できます。

▼ Yahoo!広告で検索クエリを確認する手順は以下の通りです。

  1. Yahoo! 広告の管理画面にログイン
  2. 広告管理ツールの「検索広告」をクリック
  3. 「キャンペーン管理」タブをクリック
  4. 画面中央の「キーワード」をクリック
  5. 画面中央の「検索クエリーを表示」ボタンを押す
  6. 「表示されているすべてのキーワード」または「選択したキーワード」を選択


「表示されているすべてのキーワード」を選択するとすべての検索クエリが表示され、「選択したキーワード」を選択すると「キーワード一覧」でチェックを入れているキーワードを含む検索クエリが表示されます。

▼ Yahoo!広告で検索クエリーレポートを作成すると、以下のような項目が確認できます。

  • マッチタイプ
  • インプレッション数
  • クリック数
  • クリック率
  • コスト
  • 平均CPC
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キーワード取得ツール

AhrefsやUbersuggestなどのキーワード取得ツールを使用すると、競合サイトに流入した検索クエリが確認できます。

▼ UbersuggestでWEBサイトに流入した検索クエリを確認する手順は以下の通りです。

  1. Ubersuggestにログイン
  2. 「トラフィック予測」をクリック
  3. 「トラフィック概要」をクリック
  4. ドメインもしくはページURLを入力
  5. 「検索」ボタンをクリック


WEBサイト全体もしくは各ページに流入した検索クエリと、検索ボリューム・現在の順位・流入見込みが確認できます。

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検索クエリの分析方法

検索クエリの分析では、検索ユーザーがどのような目的で検索したのかが重要です。

▼ 以下のような方法で検索クエリから検索意図を分析することができます。

  • 上位表示されている競合の記事を読んでみる
  • Google・Yahoo!のサジェストを調べる
  • Yahoo!知恵袋を確認してみる
  • Twitterを確認してみる
  • 検索画面の「他のキーワード」を確認してみる
  • バーティカル検索を確認してみる


検索クエリを分析する上で前提となる考え方と、検索クエリから検索意図を分析する方法を解説します。

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検索クエリを分析する上で前提となる考え方

検索クエリを分析する上で前提となるのは、検索意図を把握することが重要だということです。検索意図を把握できていなければ、リスティング広告出稿やSEO対策で検索クエリを活用できません。

検索意図を把握することが重要

検索意図とは、検索ユーザーがGoogleやYahoo!で検索するときの、知りたい情報や解決したい問題を指します。分かりやすく言えば、検索する目的です。

検索ユーザーが検索エンジンを使って検索する場合、何らかの目的があります。

「平成29年 西暦」と検索した人は、「平成29年を西暦にすると何年だろうか?」という疑問を解決することが目的と考えられます。

上記の「平成29年を西暦にすると何年だろうか?」の部分が、検索意図です。

ただし、上記の検索意図は予想したものにすぎません。実際に何を考え検索したかは、検索した人にしか分からないからです。つまり、検索ユーザーが使用した検索クエリから、検索する目的を予想する必要があるということになります。

検索ユーザーがどのような検索クエリで検索したかより、どのような目的で検索したのか、検索することでどのような問題を解決したのかを読み解くことが重要です。

リスティング広告ではマッチタイプを設定する必要がある

リスティング広告においては登録したキーワードと検索クエリが一致した場合に広告が表示される仕組みですが、キーワードを登録する際にマッチタイプを設定する必要があります。

マッチタイプとは、登録したキーワードと検索クエリがどの程度一致した場合に広告を配信するかを定める設定です。

▼ マッチタイプには、以下の3種類があります。

  • 完全一致
  • 部分一致
  • フレーズ一致

以前は「絞り込み部分一致」もありましたが、2021年7月から廃止されています。

【登録キーワード:「靴 男性」の場合】

マッチタイプ表示される類似パターン
完全一致靴 男性
男性 靴
シューズ 靴
部分一致男性用の靴
メンズシューズ
ランニングシューズ
フレーズ一致靴 男性 
靴 男性 冬用
靴 男性 おすすめ


マッチタイプが完全一致の場合は広告が表示される機会が少ないですが、CTRが高い傾向にあります。

一方、部分一致の場合は登録していないキーワードでも広告が表示される可能性がありますが、コンバージョンに繋がらないクリックが増加し、広告費用が余計に発生する恐れがあります。

検索クエリレポートで登録していないキーワードが見つかった場合には、新たにキーワード登録した方が効果的です。

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上位表示されている競合の記事を読んでみる

検索意図は、上位表示されている競合の記事を読んでみることで分析できます。

検索エンジンは、より多くの検索意図を満たしているページを検索上位表示する仕組みです。検索上位表示されているページに共通して書かれているテーマやトピックをチェックすることで、検索意図をつかむヒントとなるでしょう。

ただし、検索上位ページがすべての検索意図を満たしているとは限りません。検索上位記事を分析していると、表現方法は異なるものの、扱っているトピックがほとんど同じケースもあります。

需要が少ない検索意図を満たしていなくても、主要な検索意図を満たしていれば検索上位表示されやすいからです。また、複数の検索意図に対して、複数のページを用意しているサイトもあります。

検索上位ページに書かれた内容だけでなく、内部リンクが貼られたページの内容や同じカテゴリーに分類されているページの内容も確認しておきましょう。

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Google・Yahoo!のサジェストを調べる

Googleサジェスト


Googleサジェストとは、Googleの検索エンジンを使い検索をしたときに、入力したキーワードと関連性の高いキーワードが自動的に表示される機能です。Googleオートコンプリート機能とも呼ばれています。

上記画像は検索窓に「羽毛布団」と入力したときのサジェストキーワードです。表示される検索クエリは実際に検索ユーザーが使用した検索クエリなので、検索意図をつかむときに役に立ちます。

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Yahoo!知恵袋を確認してみる

Yahoo知恵袋に投稿されている悩みや疑問を読むことで、具体的な検索意図を把握できます。

Yahoo知恵袋に検索クエリを入力し、検索クエリに関してどのような悩みや疑問を抱えているのかを確認してみましょう。Yahoo知恵袋は悩みや疑問を記入して解決方法を募集する仕組みなので、何を知りたいのか、何が分からないのかを詳細に把握できます。

また、他の方が記入した解決方法に対する反応を確認すれば、その解決方法で満足したのか、解決できなかったのかも分かります。

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Twitterを確認してみる

Twitterを確認してみることで、検索意図が把握できる場合もあります。

GoogleやYahoo!の検索機能を使って積極的に問題を解決しようとする人ばかりではありません。自身が抱える悩みや疑問をTwitterでつぶやくだけの人もいます。

Twitterのキーワード検索欄に検索クエリを入力すると検索クエリに関するさまざまなツイートが表示されるため、どのような悩みや疑問があるのかを具体的に確認できます。

気になるツイートが見つかったら、そのアカウントのプロフィールや他のツイートも確認してみましょう。検索クエリに関する悩みや疑問を抱えている人の人物像がイメージしやすくなり、具体的な検索意図が見えてくるかもしれません。

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検索画面の「他のキーワード」を確認してみる

検索画面の下部に表示される検索クエリ


他のキーワードとは、検索画面の下部に表示される検索クエリです。関連キーワードと呼ばれることもあります。上記画像は、検索窓に「羽毛布団」と入力したときに表示された検索クエリです。

GoogleやYahoo!のサジェストキーワード同様に実際に検索ユーザーが使用した検索クエリが表示されるため、検索意図をつかむときに役に立ちます。

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バーティカル検索を確認してみる

バーティカル検索を確認することで、検索クエリの種類が確認できます。

バーティカル検索とは、特定種類のコンテンツに限定して検索結果を参照できる検索機能です。Google検索の場合だと、検索窓の下に以下のようなカテゴリーが表示されます。

・すべて ・画像 ・ショッピング ・ニュース ・動画 ・地図 ・もっと見る


入力した検索クエリごとに、Google検索のツールバーに表示されるカテゴリーが変わります。ユーザーの意図に合わせて最適な検索結果を表示したいというGoogleの意図が、ツールバーにも表れていると言えます。

例えば、『ハンバーグ』と検索した際のGoogle検索ツールバーは以下のとおり(青枠部分)です。

「ハンバーグ」で検索した際のGoogle検索ツールバー表示画像


つまり、「ハンバーグ」という検索クエリは、ビジットインパーソンクエリ&インフォメーショナルクエリの意図であると解釈できます。

一方、「ハンバーグ 冷凍」と検索した際のGoogle検索ツールバーは以下のとおり(青枠部分)です。

「ハンバーグ 冷凍」で検索した際のGoogle検索ツールバー表示画像


検索ツールバーの左端に【ショッピング】が表示されたので、「ハンバーグ 冷凍」という検索クエリは、トランザクショナルクエリと解釈できます。

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検索クエリの活用法

リスティング広告を出稿する場合とSEO対策をおこなう場合の検索クエリの活用法を解説します。

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リスティング広告出稿での検索クエリの活用法

リスティング広告に登録するキーワードを追加・修正する

リスティング広告に登録しているキーワードに「問合せ」や「購入」といった検索ユーザーの行動を促す語句を加えてトランザクショナルクエリに変化させることで、コンバージョンが発生しやすくなります。

ただし、トランザクショナルクエリは成約に繋がりやすい一方で、競合が多い検索クエリでもあるため、広告の掲載順位が下がる可能性もあります。

成果に繋がらないキーワードを除外する

広告がクリックされていても、成果に繋がっていなければ広告費用が無駄になってしまいます。

Google広告やYahoo!広告の検索クエリレポートから検索クエリごとの費用を確認し、費用が発生しているにもかかわらずコンバージョンが発生していない検索クエリがある場合は、キーワードの除外を検討しましょう。

除外キーワードを活用すると検索結果に広告が表示されなくなるため、不要な広告費用を削減できます。

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SEO対策での検索クエリの活用法

Googleサーチコンソールで自サイトに流入した検索クエリを確認すると、以下のようなSEO対策として活用できます。

  • 検索意図を満たすコンテンツを作成する
  • 検索意図を満たすようにリライトする
  • 既存コンテンツから想定していなかった検索クエリを探す


また、リスティング広告の検索クエリレポートから新規コンテンツを作成し、広告費用を抑えることもできます。

検索意図を満たすページを作成する

検索クエリが下記の4つのうちどれなのかを分析することで検索意図を満たすページを作成すれば、検索上位表示しやすくなります。

  • トランザクショナルクエリ(取引型)
  • ナビゲーショナルクエリ(案内型)
  • インフォメーショナルクエリ(情報型)
  • ビジットインパーソンクエリ


ただし、ビジットインパーソンクエリについてはSEO対策よりもMEO対策の方が効果的です。

検索意図を満たすようにリライトする

Googleサーチコンソールで既存ページの検索クエリを確認し、検索意図を満たすようにリライトすることで、検索順位が上がる場合があります。

検索クエリとして表示されているということは、コンテンツの内容と検索クエリがある程度マッチしているとGoogleが判断しているわけです。

設定したキーワードで上位表示出来ていない場合、検索クエリに合わせてコンテンツをリライトする方がうまくいくかもしれません。

既存ページから想定していなかった検索クエリを探す

Googleサーチコンソールで既存ページの検索クエリを確認すると、想定していない検索クエリや意外な検索クエリが見つかることがあります。

SEOキーワードツールでは表示されない検索クエリが発見できることもあるため、リライトする必要がないページでも検索クエリを確認してみましょう。

発見された検索クエリの検索意図を調査し、既存のコンテンツに加筆したり新規ページを作成したりすると効果的です。

リスティング広告からオーガニック検索からの集客にスライドする

リスティング広告はユーザーの検索と連動してすぐに検索結果に表示されるといった即時性の高さが大きなメリットですが、ユーザーが検索結果に表示された広告をクリックするごとに課金されるシステムなので継続して費用が発生します。

また、ナビゲーションクエリやインフォメーショナルクエリでは検索ユーザーが広告を敬遠する傾向もあるため、広告が表示されていても広告がクリックされない場合もあるでしょう。

一方、オーガニック検索からの集客であれば、リスティング広告のように継続して費用が発生することはありません。

リスティング広告の費用が負担になっている場合や、広告がクリックされない検索クエリがある場合には、オーガニック検索からの集客を期待する新規ページを作成した方が高い効果が見込めるかもしれません。

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トランザクショナルクエリ(取引型)での検索クエリの活用法

「羽毛布団 通販」という検索クエリを例に、トランザクショナルクエリを活用する方法を解説します。

▼「羽毛布団 通販」で検索すると、検索上位ページには以下のような特徴が確認できます。

  • 商品一覧のカテゴリーページ(TOPページではない)が10位以内に9URL表示されている
  • カテゴリーページ内の表示商品数が多い
  • 10URL中8URLが静的URLで生成されている
  • 同一ドメインの表示結果は2URL
  • 認知度が高い企業のECサイトURLが多い
  • Q&Aのリッチリザルトが2URLで表示されていた


上記の結果から、商品数が多いページが評価されていると仮定できます。

つまり、検索ユーザーは実際に商品を購入したいという検索意図があり、商品数が多いページが評価されるということです。

トランザクショナルクエリにおいてはマークアップでの施策より、商品数が多いといった選択肢を多くする構成の方が効果が高くなります。マークアップにおいては、下層ページにも波及する様に実装する必要があります。

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ナビゲーションクエリ(案内型)での検索クエリの活用法

ナビゲーションクエリは特定のページやサイトを閲覧したいという明確な意図の際に用いられる検索クエリなので、検索ユーザーが閲覧したいと考えているサイトが検索結果に表示されていればユーザーニーズは満たされます。

ナビゲーションクエリで検索上位表示を目指したり、広告を出稿するのは効率が悪いと言えるでしょう。

ナビゲーションクエリを活用する場合は、ナビゲーションクエリを含めたキーワードで広告を出稿したり、コンテンツを作成したりするようにしましょう。

例えば、「ユーネクスト ログイン」というナビゲーションクエリの場合には、以下のようなインフォメーショナルクエリに対応したコンテンツ作成がおすすめです。

  • 「ユーネクスト ログインできない」
  • 「ユーネクスト ログインid 忘れた」
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インフォメーショナルクエリ(情報型)での検索クエリの活用法

「厚生年金とは」という検索クエリを例に、インフォメーショナルクエリを活用する方法を解説します。

▼「厚生年金とは」で検索すると、検索上位ページには以下のような特徴が確認できます。

  • 民間企業ではない公的機関のURLは3URL表示
  • 表示URL内でコンテンツ執筆者・著者の紹介文があるのは3URL
  • 民間企業のURLはページ内に平均3URLから引用している
  • 1年以内のURLは4URL
  • Wikipediaは7位の表示


上記の結果から、公的機関のURLが強いことが分かります。

一方、検索1位のページは「厚生年金と国民年金の違いは?」というタイトルなので、厚生年金を調べる人は他の年金との比較情報が知りたいというさらに下の階層の検索意図まで考慮されていると仮定できます。

また、民間企業が作成したページでは、執筆者記載欄がE-A-T観点で重要です。
専門性と権威性の両方の効果があるとは断言できませんが「誰がこの内容を書いたか?」という視点は必須と言えるでしょう。

さらに、改正がなされたり、ニュース情報などの紐づきそうな内容の検索クエリの該当ページは、最新情報(少なくても1年以内)であるという事は重要な要素です。

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検索クエリ活用時の注意点

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表示されないことがある

Googleサーチコンソールで検索クエリを調べると、狙っていたキーワードが検索クエリとして表示されないことがあります。

ターゲットキーワードを決めてコンテンツを作成しても、検索意図を十分に満たしていなかったり競合サイトが多かったりすれば、必ずしも検索クエリとして表示されるとは限りません。

検索ボリュームが大きいビッグキーワードでコンテンツを作成した場合、ビッグキーワードが検索クエリとして表示されず、ミドルキーワードやロングテールキーワードしか表示されないことがあります。

さらに、GoogleサーチコンソールとGoogleアナリティクスが正しく連携できていない場合には、Googleアナリティクスに検索クエリが表示されません。

また、Google広告やYahoo!広告では、検索回数が少ない検索クエリは表示されません。個人の特定を防ぐことを目的として、ユーザープライバシー保護の観点から検索回数が少ない検索クエリの表示が制限されています。

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検索意図が分かりにくいことがある

検索クエリと検索意図は常に1対1であるわけではありません。検索クエリによっては複数の検索意図が含まれていることがあり、検索意図が読み取りづらいことがあります。

▼「動画編集 パソコン」という検索クエリを検索してみると、以下の検索意図があると読み取れます。

  • 動画編集に向いたパソコンが欲しい
  • パソコンで動画編集ができるソフトが欲しい


また、インフォメーショナルクエリとトランザクショナルクエリの両方の要素を持つ検索クエリもあります。

同じ検索クエリでも時代の流れとともに検索意図が変化することもあるため、定期的に検索クエリを分析し、検索意図を確認することが重要です。

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E-A-Tが必要不可欠な検索クエリがある

医療や薬事、法律といった特定のジャンル(YMYLジャンル)においては、E-A-Tを高めることが重要です。

「時効援用」という法律に関する検索クエリで自社サイトの掲載順位を上げようとする場合には、検索意図を満たすコンテンツであるだけでなく、サイトのE-A-Tも必要になります。

「時効援用」という検索クエリの場合は、時効援用の言葉の意味や法律上での定義、時効援用の法律的な歴史・凡例などを限りなく詳細に記載していけば、検索意図を満たすことができるでしょう。

しかし、「時効援用」は法律に関わる検索クエリなので、検索意図を満たすだけでなく、以下のようなコンテンツ上のE-A-Tが求められます。

  • 時効援用に関しての内容を執筆しているのは行政書士か弁護士か。
  • 時効援用に関して解決実績がどれくらいあるのか。
  • 時効援用以外の法律問題においてどれくらいの実績があるのか。
  • 利用者からのレビュー状況は良いか。


つまり、YMYLジャンルの検索クエリでは、E-A-Tを高めることが重要となります。
E-A-Tを高めるには、外部施策のサイテーションや関連サイトへの発リンク、運営者情報の開示といった施策が必要です。

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まとめ

検索クエリはリスティング広告出稿時に活用できますが、SEO対策においても重要な要素です。

Googleが提供しているツールや広告管理画面で自サイトに流入している検索クエリを調べ、検索意図を正確に把握できれば、リスティング広告のCPAを改善したり、新規コンテンツの作成に活用できたりします。

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この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。
サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超の塩田英司のノウハウをSEOサービスに反映し、2000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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