リンクジュースとは?意味とSEOでの効果について解説
WEBマーケティングやSEOでよく用いられる用語の中から、今回は「リンクジュース」の意味や、リンクジュースの仕組み、SEOの効果について説明します。リンクジュースの概念を知ることでPageRankとの関係性、その効果について理解することができるのでSEO対策をする上で欠かせない知識になります。それでは解説していきます。
リンクジュースとは?
リンクジュースとは、AというページからBという別のページへリンクさせたときに、引き渡されるドメインのパワーになります。
具体的に引き渡されるパワーとは、リンク元のWEBサイト自体の評価(価値)であり、PageRank(ページランク)と呼ぶことがあります。
1つのWEBサイトに対して複数のリンクを獲得すると、複数サイトからのパワーを受け渡されることになるので、リンク先のWEBサイトの評価は高まります。
このように、複数サイトからSEOに有利な評価(価値)が注がれてる様子をドリンクのジュースになぞって、リンクジュースと呼んでいます。
また、ジュース(juice)という単語はアメリカで“影響力”という意味でも使用されることから、「リンクを通じて他のWEBサイトに対して影響を与える」という意味でジュースという単語が当てられているようです。
検索順位が決まる要因としてさまざまなことが考えられますが、リンクジュースが多く集まれば集まるほど検索順位は高くなる傾向にあるため、SEO対策をおこなう上で大きく影響がある項目になります。
リンクジュースの仕組み
先程ご説明したように、リンクジュースは様々な外部サイト(被リンク)から評価を促し、リンク元のサイトに評価が1つに集約されることを指します。
具体的に説明すると、上記画像のようにリンクジュースを集めたい自社サイトAがあったとして、その被リンクをBとします。当然その被リンクBに対しても複数の被リンクがあります。仮にリンクC、D、Eとします。
まず初めに、リンクC、D、EのリンクジュースがリンクBに流れます。そしてそのリンクジュースがリンクBに集約され、リンク先の自社サイトAに流れます。上記画像のように、最終的にリンクB、C、D、Eの評価が自社サイトAに集約されることになります。これがリンクジュースが流れる仕組みになります。
リンクジュースを増やす=被リンクを増やすと言っても過言ではありません。
この仕組みによるサイトの評価は、Googleが世界で初めておこなった評価方法であり、現在もアルゴリズムに組み込まれています。
リンクジュースとPageRankの関係
リンクジュースを理解する上で重要になるのがPageRankです。
リンクジュースはドメインのパワーをサイトに引き渡す仕組みですが、ドメインパワーはPageRankという仕組みで算出されます。
多くのリンクジュースを集めるにはPageRankを理解しておく必要があるため、本章ではPageRankについてご説明します。
PageRankとは
PageRank(ページランク)とは、Googleの検索エンジンのアルゴリズムの1つで、WEBサイトの重要度を数値で評価する方法です。
PageRankは、獲得した被リンクの数と質によって決定されます。
評価は0~10の11段階で決定されており、PageRankの数字が高いほど価値の高いページと評価されるため、検索ランキングに与える影響が大きくなる仕組みとなっています。
以前までは、PageRankの数値を基準にドメイン評価や被リンクの質を確かめることができましたが、PageRankを確認するGoogleツールバーが廃止されたことにより、正確な数値を確認することができなくなりました。
Googleツールバーは、2013年を最後にPageRankの更新が止まり、2016年にはGoogleツールバー自体が廃止されています。
注意点としては、GoogleツールバーからPageRankを確認することは出来なくなりましたが、PageRankの仕組み自体が無くなったわけではありません。そのため、現在もPageRankは検索アルゴリズムに組み込まれています。
PageRankの分配方法
リンクジュースとPageRankの関係をより理解するために、PageRankの分配方法について解説します。
元々PageRankは、発リンクの数に応じて均等に分配されていました。
例えば、サイトのパワーが10だとした場合、2つのサイトに発リンクをした場合、それぞれのサイトにパワーが5ずつ分配されます。これをランダムサーファーモデルと言います。
現在ではアルゴリズムの進化により、ユーザーにとって価値の高い発リンクに対してPageRankを多く分配するようになりました。この仕組みを「リーズナブルサーファーモデル」と言います。
ユーザーにとって価値の高いリンクとは、「想定クリック率の高いリンク」「自サイトとリンク先との関連性が高いリンク」などを指します。
【想定クリック率の高いリンク】
推定クリック数が高そうなページの条件は、
- サイト上部、もしくはクリックされやすい位置にあるリンク
- アンカーテキスト内のキーワード、フォントのサイズや書式、単語数
から想定クリック率を判断しています。
【自サイトとリンク先との関連性が高いリンク】
関連性は、リンク先のテキストの内容やサイト全体のテーマから判断しています。
以前は、アンカーテキストのキーワードから関連性を判断していたと考えられますが、現在ではリンク先のコンテンツの内容が重要となります。
このように、ただリンクをされればリンクジュースが流れるわけではなく、ユーザーにとって価値が高く信頼できる発リンクであることがリンクジュースを多く集める条件となります。
次の項目では、具体的にリンクジュースを多く集める条件を解説します。
リンクジュースが多く集まるリンクの条件
ここまでの説明で、リンクジュースとPageRankの関係は理解できたと思います。リンクジュースを多く獲得したいのであれば、被リンクを獲得しPagerankを多く分配してもらう必要があります。
では、どのような条件で集まった被リンクであれば、Pagerankを多く分配してもらえるかを説明します。
発リンクが少ないぺージからのリンク
リンク先が多いとその分、PageRankが分配されるためリンクジュースのパワーが分散してしまいます。
【100のパワーがあるサイト例】
リンク先 | 1サイトあたりに行き渡るパワー |
100 | 1 |
5 | 20 |
例えば、100のパワーがあるサイトがあるとした際に、リンク先が100あると1サイトあたりに行き渡るパワーは1になります。リンク先が5の場合だと行き渡るパワーは1サイトあたり20になりますので、より高い評価を獲得することができます。
ただし、前述したように現在はリーズナブルサーファーモデルが導入されているため、単純に発リンク数が少ないページがリンクジュースの価値が高いというわけではありません。
アンカーテキストになっているリンク
アンカーテキストもPageRankの分配に関係するため、リンクジュースを集める上では重要です。
アンカーテキストがあることでユーザーはリンク先のページの内容を事前に把握することができます。一方URLでリンクされている場合は、クリックしてみないとリンク先のページ内容が分かりません。
リンク先のページが、詐欺やフィッシングサイトの可能性もあるためユーザーからすると、事前にリンク先の内容が分かる方が価値が高いリンクと言えます。
前述したように、リーズナブルサーファーモデルではユーザーにとって価値の高い発リンクの方が、PageRankが多く分配されるためリンクジュースを多く集めることができます。
nofollowタグが設定されていないリンク
nofollowタグはリンク先にPageRankの評価を渡さないようにするもので、nofollowを使うことでリンクジュースの効果を受け渡さないと検索エンジンに伝えることができます。
ただし、以前はnofollowを付けることで完全にリンクジュースの受け渡しを拒否することができましたが、現在では、nofollowタグの役割が変わりnofollowタグを設定しても、リンク先の分析をおこないランクキングに影響を与える可能性があります。
とはいえ、引き続きリンク先を評価しないという意思表示にはなるため、リンクジュースを流したくない場合はnofollowを設定するようにしましょう。
nofollow を使用していた場合と同じように、このようなリンクを完全に無視してはいけないのでしょうか?リンクには、リンク内の言葉がリンク先のコンテンツを表しているなど、検索の改善に役立つ有益な情報が含まれています。検出されたリンクをすべて確認することで、不自然なリンクパターンをより深く理解することもできます。ヒントモデルに移行することで、このような重要な情報を失うことはなくなります。その一方で、サイト所有者は引き続き、一部のリンクに当事者の推奨による重みを与えるべきでないことを示すことができます。
進化する nofollow - リンクの性質を識別する新しい方法
新しい被リンクが多いページからのリンク
新しい被リンクを多く獲得しているページからの被リンクは、多くのリンクジュースを獲得することができます。
Googleは、一定期間内に被リンクが減少しているとコンテンツが古くなっていると判断してページの評価を下げます。一方で、一定期間内に被リンクが増加している場合は評価の対象とします。
つまり、直近で多くの被リンクを獲得しているサイトは最新の情報を発信している価値の高いサイトと判断するというわけです。そのため、新しい被リンクを多く獲得しているページからの被リンクは、良質で価値の高いリンクジュースを獲得することになります。
想定クリック率の高いリンク
ユーザーが良くクリックすると思われる位置に配置されているリンクは、価値が高い発リンクと判断されるため多くのリンクジュースが流れます。
推定クリック数が高そうなページとは例えば、
- サイトの上部
- サイドナビ
- テキスト内
などが該当します。
このように、ユーザーにクリックされやすい位置にあるリンクのほうがリンクジュースの量が多くなるので、SEO効果が高いです。
PageRankが高いサイトからのリンク
PageRankが高いということは、質の高いリンクをたくさん獲得しているサイトとGoogleの基準で判断されています。当然そのようなサイトからの被リンクは、良質なリンクジュースを獲得することができます。
極端な例にはなりますが、PageRank10のページのサイトから複数の被リンクを受けることができれば、質の高いページから推薦されているということになります。選挙と似ていますが、指示する人間が多ければ当選確率は上がりますし、社会的に権威がある人からの推薦はさらに信頼度が増します。
被リンクによる評価の基本的な項目のため、しっかりと覚えておきましょう。
リンクジュースの計算方法
リンクジュースを計算する指標として、
- 被リンクの数
- 被リンクの質
この2点を掛け合わせて、リンクジュースの受け渡しがおこなわれているかを計算していると考えられます。
被リンクの質とは、PageRankの高いサイトのことを指します。
つまり、リンクジュースを多く集めたい場合は、PageRankの高いサイトから多くの被リンクを獲得する必要があるということです。
ここで問題になるのが、Googleツールバーが廃止されてしまったため、現在はPageRankを確認するすべが無いことです。そこで、有料のサードパーティーツールが独自に算出しているドメインパワーの数値を利用してPageRankの代わりに指標にします。
ドメインパワーを算出するサードパーティーツールはAhrefsもしくはMajesticを使用します。
Ahrefs | Majestic |
---|---|
DR | TF/CF |
を参考にします。
SEM Plus編集部ではどちらのツールも利用していますが、感覚的にはMajesticのTFの数値の方が実態に近いと感じます。
▼ ツールの特徴や詳細は、別記事で詳しく解説しています。
リンクジュースを意識して被リンクを獲得するべきなのか?
リンクジュースを意識して被リンクを獲得するということはSEO効果の要因の1つではありますが、それだけに注力することはおすすめできません。
過去には、PageRankが高いサイトから被リンクを獲得して、上位表示させたいページにリンクジュースを集めることが1番SEO効果が期待できる施策でした。
ただし現在のアルゴリズムでは、被リンクの獲得と同じくらいユーザーにとって価値の高いコンテンツを作ることが重要になっています。
Googleのジョン・ミューラー氏は、Twitterで「リンクは間違いなく最も重要なSEO要素ではない」と発言しています。
また、リンクジュースにおいても、「過去に読んだことをすべて忘れるように」と発言しています。
この発言は、リンクジュースが全く意味がないというものではないですが、PageRankやリンクジュースの仕組みに固執するのではなく、検索をしたユーザーが満足できるサイト作りに注力するべきだということです。
ユーザーに共感されるような良いサイトを作っていけば自然な形で質の高い被リンクが集まり、効果的にリンクジュースを獲得できるので、現在ではあまり意識して被リンクを獲得する必要はありません。
リンクジュースを渡さないためにnofollowをつけるべきか
多くのサイトが、自社サイトからリンクジュースを受け渡したくないため、第3社のサイトにリンクする際にnofollowをつけます。
しかし、必ずしもnofollowをつけて無効化する必要があるのでしょうか?考え方について解説します。
情報の信頼性を担保するための発リンクであれば問題無い
ユーザーにとって情報の信頼性を担保するような、自社サイトと関連する優良サイトへのリンクは設置しても問題ありません。
なぜなら、関連があるサイトへの発リンクがユーザーにとって有益である場合は、Googleからの評価が高まる可能性があるからです。
例えば、とあるメーカーのドライヤーの機能を紹介するページを作った場合、ページ内にメーカーの製品ページへの発リンクがあるのと無いのでは、どちらの方がユーザーはページの内容を信頼できるでしょうか?
ページ内の情報が正しいかどうかを確認することができるため、殆どのユーザーは後者を選択すると思います。
このように、ページとリンク先の関連性が高くユーザーにとってメリットがある場合は、nofollowを付けずにリンク先のページを、Googleのクローラーに読み込ませる方が評価が上がるというわけです。
リンクジュースだけを気にして発リンクをしないという考えもありましたが、もっと広い視野で効果や影響を考えることも重要です。
低品質なサイトへのリンクはnofollowをつけるべき
外部へのリンクを貼るときに、リンク先が自社のWEBサイトよりも品質が低いサイトの場合、サイトの評価が下がってしまう場合があります。(評価が高いところから低いところに流れるようなイメージをしてください)
こういったことを防ぐためにも、評価の低いサイトにリンクを貼らなければいけないときは、nofollow指定をしてリンクすることが大切です。
必ずしも、全てのリンクが優良だとは限らないため、Googleでは「信頼できないWEBサイト」「保証できないコンテンツ」へのリンクには、リンクジュースの受け渡しを無効化するためにnofollowを設定することが推奨されています。
リンクにその他の適切な値がなく、そのリンクとサイトを関連付けたくない場合、またはリンク先のページをサイトからクロールさせないようにする場合は、nofollow の値を使用します。
Google に外部リンクの関係性を伝える
リンクジュースについてよくある質問
リンクジュースについてよくある質問をまとめました。
リンクジュースのジュースとはどのような意味?
リンクによる受け取る価値、受け渡す価値を飲み物のジュースに例えた俗語になります。
PageRankは廃止されたのではないんですか?
PageRankは廃止はされていませんが、2016年にPageRankの表示が見れなくなりました。
被リンクを増やしてリンクジュースを集めるのは効果的か?
被リンクをただ増やすことは効果的ではありません。
自作自演の被リンクや過剰な相互リンクなどはスパムリンクと判断され、Googleのアルゴリズムによって効果が無効化されます。
リンクジュースを受け渡すと発リンクしたサイトのドメインパワーはなくなるのか?
これについて、Googleによって明言はされていません。
基本的に発リンクをすることでパワーが行き渡る仕組みはありますが、パワーが0になることはありません。ただし、リンクパワーが減るとは考えられます。
リンクジュース|まとめ
今回は、リンクジュースについて解説しました。
リンクジュースの仕組みを正しく理解することで、被リンクやPageRankがSEOに与える影響について知識が深まるため、覚えておいて損はないと思います。
ただし、PageRankやリンクジュースの受け渡しに関するアルゴリズムは公開されていないためどこまで効果的かはわかりません。
また、PageRankを高めるために意図的にリンクジュースを集めても、ガイドラインに抵触すると評価を下げることに繋がるため、SEO対策にどこまで組み込むかは判断に迷う方も多いのではないでしょうか?
SEM Plus編集部では、日々被リンクの効果について検証をおこなっているため、被リンクの獲得にご興味がある方はお気軽にお問合せください。
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