「他の人はこちらも検索」とは?仕組みと活用方法を解説!
Googleで検索すると、「他の人はこちらも検索」という検索サポート機能が表示されることがあります。ユーザーとして検索しているときにも便利な機能ですが、SEOにも活用できることをご存知でしょうか。この記事では「他の人はこちらも検索」の仕組みやSEOに活かす方法、関連するGoogleの検索機能についても詳しく解説します。
「他の人はこちらも検索」とは
「他の人はこちらも検索」とは、検索したキーワードに関連する追加のキーワードをGoogleが検索結果に表示させるサポート機能の1つです。
2018年から導入され、海外では「People also search for」と呼ばれています。
「いま調べているキーワードでは、求めている情報にたどり着けない」とGoogleが判断した場合、似たような課題を抱えているユーザーがどのようなキーワードで検索しているか教えてくれます。
たとえば「クレジットカード おすすめ」と検索すると、次のような「他の人はこちらも検索」が表示されます。
■ PCでの表示
■左:スマートフォンでの表示(検索結果上部) ■右:スマートフォンでの表示(検索結果下部)
「クレジットカード おすすめ」と検索するユーザーが真に知りたいことはどのような情報なのかGoogleが推測し、それに近しい候補を表示してくれています。
なお、PCでは1か所にしか表示されませんが、スマートフォンでは表示が2か所に分かれることも特徴です。この場合、上部に表示される要素のほうが、よりユーザーが知りたい情報に近いと考えられます。
表示形式はさまざまで、Googleがテストしている場合には異なるバージョンが表示されることもあります。また、表示されるタイミングもさまざまですが、上位表示記事からブラウザバックしたときに表示される傾向も強いです。つまり、「上位表示記事では悩みを解決できなかったユーザーに、他の選択肢を与える」機能であるともいえます。
「他の人はこちらも検索」の仕組み
「他の人はこちらも検索」の仕組みは、以下になります。
- ユーザーの検索履歴や行動パターンに基づいて、別のユーザーがおこなった検索が似ている場合に、過去の検索履歴を元に関連性のある検索クエリを表示させている
- 全ての検索結果に表示される訳ではなく、検索ボリュームの少ないキーワードの場合は表示されない傾向にある
- 「他の人はこちらも検索」には6~8個のキーワードが表示される事が多いが、検索キーワードによっては4個表示されるケースもある
【4個表示されるパターン】
以前は、検索結果画面からWEBサイト訪問後にブラウザバックした際に表示される事が多かったですが、2024年8月現在は、最初にキーワード検索をおこなった時点で検索結果画面に表示されています。
「他の人はこちらも検索」で表示されるキーワードの傾向
この機能をSEO対策に活用していくために、次の3つのポイントを知っておきましょう。
- サジェストキーワードと共通していることが多い
- 常に同じキーワードが表示されるとは限らない
- 表示されないこともある
それぞれ詳しく解説します。
サジェストキーワードと共通していることが多い
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードはさまざまですが、サジェストキーワードと共通していることが多いです。
サジェストキーワードとは、検索窓に自動表示される検索候補のことを指します。「クレジットカード おすすめ」と検索したときに表示されるサジェストキーワードは、次のとおりです。
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードと殆ど同じキーワードが表示されている事が分かります。
Googleは同じキーワードを表示させる事で「検索をする時」と「検索した後」のどちらでも、ユーザーが目的のページに辿り付きやすいようにしています。
常に同じキーワードが表示されるとは限らない
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードは、常に同じであるとは限りません。
表示される内容は検索をおこなうタイミングによっても異なりますし、ユーザーの位置情報や検索履歴などパーソナルな情報によっても異なります。
例えば、「コナン映画 上映中 いつまで」と検索すると、以下のように2024年に上映されている映画に関連するキーワードが表示されますが、1年後に検索した場合は別のキーワードが表示されます。
また、近くの店舗を探す検索意図を持つ「居酒屋 近く」といったローカル検索をおこなった場合は、以下のように、ユーザーの位置情報が反映され「渋谷の居酒屋」に関するキーワードが表示されます。大阪で検索した場合は、「大阪の居酒屋」に関するキーワードが表示されます。
このように「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードは、検索するタイミングやユーザーの位置情報によって、その時最適な候補を表示させるため常に同じキーワードが表示されるわけではありません。
表示されないこともある
「他の人はこちらも検索」は、多くのユーザーの検索履歴データを使って表示させているため、検索するユーザーの少ないキーワードでは表示されません。
例えば、People also search forの略語である「PASFとは」で検索をおこなうと、以下のように「他の人はこちらも検索」が検索結果画面に表示されていませんでした。
これは、「PASFとは」というキーワードがニッチのためキーワードの検索ボリュームが少なく、Googleがユーザーの検索データが集まっていないことが原因と考えられます。
ただしサジェストキーワードは表示されるため、他のユーザーが検索しているキーワードを知りたい場合はサジェストを参考にしてみてください。
「他の人はこちらも検索」を非表示(無効)にする方法
以前は、「他の人はこちらも検索」の枠の上部にある「×印」をクリックすることで、デスクトップ画面上からは非表示(無効)にできました。
ただし、2024年8月時点では「×印」が表示されないため、デスクトップ・モバイルともに「他の人はこちらも検索」を非表示にはできません。
また、いくつかのメディアでは、Googleの拡張機能「No Search For」をインストールする事で非表示できると解説されていますが、こちらの拡張機能は更新がストップしておりインストールしても非表示にできません。(検証日:2024年8月20日)
そのため、現在「他の人はこちらも検索」を非表示にする方法はありません。表示されるかどうかはGoogle次第となります。
「他の人はこちらも検索」と似ているGoogleの検索機能
Googleにはさまざまな検索サポート機能が実装されており、日々更新・追加されています。それら機能の中で「他の人はこちらも検索」と似ており、さらにSEO対策にも活用できる機能は次の3つです。
- 関連キーワード
- 関連する質問(PAA)
- Googleオートコンプリート
それぞれの機能の概要、SEOへの活かし方を見ていきましょう。
関連キーワード
「関連キーワード」とはその名のとおり、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高いキーワードが表示される機能です。「他の人はこちらも検索」とほぼ同等の機能であり、どちらが表示されるかはタイミングや検索キーワードによります。
「他の人はこちらも検索」が検索結果画面の上部にも表示されるのに対して、「関連キーワード」は検索結果の一番下にしか表示されません。また、「関連キーワード」はキーワードが表示されるだけではなく、関連するキーワードに関する画像も一緒に表示されることがあります。
たとえば「SEO対策」と調べると、次のような情報が表示されます。
キーワードは「SEO対策」を含めた複合キーワードが表示されていますが、画像には「コンテンツマーケティング」「デジタルマーケティング」など、SEO対策と関係の深いジャンルの情報が表示されています。
関連する質問(PAA)
「関連する質問」は、検索したキーワードに関連する「よくある質問」と、「回答」を検索結果に表示する機能です。People Also Ask略してPAAとも呼ばれています。
「関連する質問」は、検索結果画面にプルダウン形式で質問文が表示され、クリックすると質問の答えと一緒に回答が記載されているWEBサイトのタイトルやリンクが表示されます。
■「SEO対策」と調べたときに表示されたPAA
検索結果画面の真ん中に表示される選択肢が多く、検索結果画面を見ているユーザーがすぐに回答を得られるようになっています。
尚、「関連する質問」をクリックした際に表示される回答は、表示された質問で検索をした際に表示される強調スニペットのテキストが表示されています。(一部例外があります)
Googleオートコンプリート
「Googleオートコンプリート」は、検索キーワードの入力を高速化するためのサポート機能です。
検索窓に文字を入力すると、Googleの自動システムがユーザーがおこなった過去の検索履歴や位置情報・トレンドなどを元に、キーワードの候補を生成してくれます。
例えば、検索窓に「山」と入れると以下画像のように、山を含む単語でよく検索されるキーワードが自動的に表示されます。
オートコンプリート機能は、検索を実行する前の段階でキーワード候補を一覧で表示してくれるため、ユーザーはキーワードを入力する手間を省きながら目的とする検索結果画面へ移動できます。
「他の人はこちらも検索」をSEOに活かす方法
それでは最後に、「他の人はこちらも検索」をSEOに活かす方法を紹介します。コンテンツマーケティング用の記事を制作する際は、次の4つを意識してみてください。
- ユーザーの検索意図を推測する
- SEO記事の構成作成に取り入れる
- 記事を作成する際のテーマの候補として活用する
- 記事中の図表作成の参考にする
それぞれ具体例と合わせて見ていきましょう。
ユーザーの検索意図を推測する
上位表示されるためには、ユーザーの検索意図を推測し、その疑問を解決できるコンテンツにしなければなりません。そのため第一に、「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードからユーザー意図を推し量ることが重要です。
たとえば「美容室 集客」というキーワードで検索してみると、次のような「他の人はこちらも検索」が表示されました。
ここから、次のようなユーザー意図が推測できます。
- 一人経営の美容室でも実行できることが知りたい
- 集客のためのサイト・アプリ・媒体を知りたい
- 企画アイデアを知りたい
- 地方でも実現できる施策を知りたい
検索ユーザーの悩みが浮かび上がってきたのではないでしょうか。ここで推測したユーザーの検索意図を解決するためのコンテンツを作ることが、上位表示への第一歩です。
SEO記事の構成作成に取り入れる
「他の人はこちらも検索」に表示されるのはユーザーの関心が高い要素であるため、記事内でもある程度のボリュームを持って紹介する必要があります。そのためSEO記事の構成では、「他の人はこちらも検索」に関連する見出しを取り入れると良いでしょう。
たとえば、上記で紹介した美容室向けの集客記事であれば、次のような見出しが考えられます。
- 美容室の集客に役立つ媒体
- 美容室の集客に役立つアプリ
- 美容室の集客に役立つサイトの作り方
- 地方の一人経営の美容室が集客した事例・アイデア
上記は一例であるため、実際には競合となる上位記事に掲載されている他要素も含めなければなりません。しかし競合記事より便利なコンテンツにするためにも、「他の人はこちらも検索」に表示される要素を見出しに取り入れることを意識してみてください。
記事を作成する際のテーマの候補として活用する
「他の人はこちらも検索」に表示されている要素を記事内で解説することが難しい場合には、別のコンテンツを作成する際のテーマの候補として活用もできます。
「他の人はこちらも検索」に表示されているということは、ユーザーが再検索している、つまり別の記事へ移動しているということです。
関連するテーマをWEBサイト内に作り、内部リンクを設置することで、ブラウザバックで別サイトへ移動するのではなく、内部リンクによって自社サイト内の別ページへ移動するように対策ができます。
流出したGoogleのAPIの使用を見ると、Google Chromeでサイト内のユーザー行動も評価の対象にしている事も考えられるため、サイト内でユーザーの検索意図を満たす事ができればSEO評価が高まる可能性があります。
また、特定のテーマに関するページを増やす事で、サイトの専門性が高まり関連するキーワード全体の順位が向上する可能性があります。
記事中の図表作成の参考にする
「他の人はこちらも検索」に表示される要素は、記事内に掲載する図表の参考にもなります。そもそも「他の人はこちらも検索」に表示されているということは、ユーザーが既存記事の情報だけでは満足できず、再検索している可能性が高いです。
そのため図表で分かりやすく解説すれば、既存記事よりユーザーの悩みを解決できるコンテンツとなるでしょう。
再び「美容室 集客」で調べたときの要素で考えると、サイト・アプリ・媒体などへの興味が高いことが伺えます。そのため、これら情報の一覧図・カオスマップなどを掲載するといいかもしれません。どのようなコンテンツを掲載すべきか迷ったときは、「他の人はこちらも検索」の情報を基に考えてみてください。
まとめ
「他の人はこちらも検索」は本来、検索ユーザーをサポートするための機能です。しかしユーザーの行動を基にGoogleが表示しているその内容からは、検索キーワードからのみでは伺えない「ユーザーの潜在的な課題」を推測できます。
そのため検索ユーザーだけではなく、SEO対策の担当者にとっても非常に役立つ機能なのです。SEOコンテンツを制作するときは、この記事で紹介したコツを参考に、「他の人はこちらも検索」に表示される要素を記事内に含めてみてください。
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