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SEO対策 2025/06/24

llms.txtとは?書き方やLLMOでの効果について解説

llms.txtとはのサムネイル画像

llms.txtは、生成AIに対してWebサイトの情報の利用可否やコンテンツの要点を伝えるためのテキストファイルです。生成AIツールの回答や検索結果の「AIによる概要」に、自分のサイトが参照元として表示されることを目的とした施策として注目されています。今回は、llms.txtの書き方や必要性について解説します。

WHITE Link
項目説明
ファイル名llms.txt
読み方エルエルエムエス ドット ティーエックスティー
主な目的Webサイトが生成AI(LLM)に対して情報提供の可否を制御するためのファイル
使用場所Webサイトのルートディレクトリ(例:https://white-link.com/llms.txt)に配置
対象とするAIChatGPT、Perplexity、Gemini などの生成AIツール
機能の概要・サイト情報の使用を許可/拒否できる
・特定のパスを除外可能
フォーマット例・H1 Title:プロジェクト名・サイト名を含むタイトル
・Excerpt Block:目的や概要などの要約情報
・Detailed Information:詳細説明やポリシー情報(段落やリスト形式)
注意点まだすべての生成AIが対応しているわけではない
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llms.txtとは

llms.txtは、大規模言語モデル(LLM)に対し、Webサイト内の「この情報は利用しても良い/この情報は利用してはいけない」という指示を伝えるためのテキストファイルです。

主な目的は、次の2つです。

  1. 「この情報は使って良い/使わないでほしい」というポリシーを伝える

  2. LLMにとって有益なコンテンツの場所・内容を簡潔に示すことで、より適切に引用される可能性を高める

現在、一部のAI(例:Perplexity)は llms.txt を読み取り、ページのタイトル・URL・簡単な説明を基に、検索クエリへの回答に利用するかどうかを判断する仕組みを試験導入しています。

ただし、GoogleのGeminiやOpenAIのChatGPTは、現時点でllms.txtには正式に対応していないため、あくまで今後の標準化が期待されるファイルです。

この項目では、以下のトピックについて解説します。

  1. llms.txtの必要性

  2. llms.txtはLLMO施策のひとつ

llms.txtとはどのようなファイルなのか、詳細を把握しておきましょう。

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llms.txtの必要性

llms.txtを設置した方が良い理由は、生成AIの回答に自分のサイトの情報が利用される可能性を少しでも高めるためです。現在の生成AIは、ユーザーの質問に対し、あらかじめ学習した情報だけでなく、リアルタイムでWebを参照する「RAG(検索拡張生成)」という仕組みを用いるケースが増えています。

しかし、AIには一度に読み込める情報量に限界があるため、Web上にあるすべての情報を取得・活用することは困難です。

この問題に対して、 2024年9月にfast.aiのジェレミー・ハワード氏が「https://llmstxt.org/」で、AIにとって重要な情報を簡潔に伝える手段としてllms.txtを提案しました。

llms.txtファイルをWebサイトのルートに設置することで、AIクローラーが巡回した際に、優先的に読み取ってほしい情報(ページタイトル・URL・概要など)を効率的に伝えることができます。

もちろん、すべてのAIクローラーがllms.txtを参照するとは限らないため、現時点では設置したからといって必ず効果が出るわけではありません。

しかしながら、自社コンテンツの可視性を高める方法として、今後のスタンダードになる可能性があります。

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llms.txtはLLMO施策のひとつ

現在、検索結果の上部にはAIが生成した要約が表示される機能(AI Overview)が搭載されています。また、アメリカのGoogleでは、検索結果がすべてAIの回答になる「AIモード」が実装されました。

そのため、AIが生成する回答文の中に自社のコンテンツを引用元として表示させることを目指し、流入数の増加や、認知度の強化を目指す施策「LLMO」に取り組む企業が増えています。

LLMOでは、構造化データの実装やAIに引用されやすいコンテンツ構造の作成などSEO対策の延長線上にある施策を行いますが、「llms.txt」の設置もLLMOの施策の1つとして行います。

llms.txtを設置しただけで、AIに引用される数が増えるわけではありませんが、llms.txtを設置することでサイトの評価が下がることはありませんし、設置自体は非常に簡単にできるので、LLMOに取り組む場合は忘れずに設置しておきましょう。

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llms.txtの書き方

llms.txtの書き方について、ここでは以下のことを解説します。

  1. llms.txtの記述ルール

  2. llms.txtに記述する項目

  3. AI botを制御するための記述方法

初心者でもllms.txtを作成できるように、詳しく解説します。

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llms.txtの記述ルール

llms.txtは、生成AI(LLM)に「このページを使ってほしい」と伝えるためのファイルです。

まずは、以下の3つのルールを意識すれば大丈夫です。

ルール①:Markdown風に書く

見出し(#)やリスト(-)を使うと、AIが情報を正しく読み取りやすくなります。

ルール②:伝えたい情報を上から順に書く

サイトの目的、メインコンテンツなど「AIに読んでほしい情報」を優先して記述します。

ルール③:AIが理解できるように短く、簡潔に書く

長文や曖昧な言葉はAIが誤解する原因になるため、必要な情報を一文で伝えるように心掛けましょう。

llms.txtの記述について、今のところ明確な決まりはありませんが、AIが理解しやすいようにするためにMarkdown形式が推奨されています。

また、ファイル内に記載する内容は、LLMに優先して伝えたい情報から先に記述するのがポイントです。AIが理解できるように、簡潔に要点をまとめて記述しましょう。

llms.txtの設置場所

設置場所はWebサイトのルートディレクトリに設置します。
例:https://example.com/llms.txt

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llms.txtに記述する項目

次に、llms.txtに記述する基本的な項目について解説します。

基本的な構成は、以下になります。

# プロジェクト名(またはサイト名)

サイトやサービスの名前を記述。H1見出しとして書きます。

> プロジェクトの概要や目的(引用形式)

サイトがどんなテーマで、どんなユーザーに役立つのかを要約。> を使って引用形式にします。

## 詳細情報(H2)

どのページが重要か、どんな構成なのかを説明。ページURLや記事構造を含めてもOKです。

## Optionセクション(任意)

読み込まなくてよいURLや、優先度の低いページの説明などを記述します。

上記を元に、llms.txtの記述例を作ると以下のようになります。

https://white-link.com/sem-plus/llmo/ ページの内容を、AIに伝える設定でllms.txtを作成してみます。

# ホワイトリンク - LLMO対策ページ

> このページは、生成AI時代のWeb集客対策「LLMO」について解説しています。  
> AIに自社コンテンツを引用させるための手法や、当社の支援サービスの特徴を紹介しています。  
> 対象は、法人企業のマーケティング担当者・経営者・Web担当者です。

## 主な内容
- LLMOとは何か(定義、LLMに引用されるとはどういうことか)
- LLMO対策の重要性(AIによる検索結果の変化と流入の仕組み)
- LLMOに取り組む企業が増えている背景
- 当社(ホワイトリンク)のLLMO支援サービス内容
  - コンテンツ構造設計
  - 検索クエリ分析
  - 生成AI向けの要約構成提案
- 対応するAIツール(ChatGPT、Gemini、Perplexityなど)

## 参考URL
- URL: https://white-link.com/sem-plus/llmo/  
  Summary: 生成AI検索時代のWeb集客に対応する「LLMO対策」について解説した企業向けサービス紹介ページ。  
  内容には、LLMOの定義・必要性・導入事例・支援サービスが含まれます。

llms.txtの記述例は、https://llmstxt.org/の模擬例を参考にしてみてください。

また、下記のような補足のメタ情報もllms.txtに含めることで、正規 URL・運営者情報などをAIに伝えることができます。

ディレクティブ名内容
license:コンテンツの利用条件license: CC BY-NC
canonical:正規URLの指定canonical: https://example.com/page1
article-pages:記事ページの構造定義/blog/*, type: how-to, updated: monthly
author-pages:執筆者ページの情報/authors/*, rss: /rss/authors.xml
sitemap: / rss:RSSやサイトマップのURLsitemap: /sitemap.xml
rss: /rss/feed.xml
publisher:サイト運営者の情報Example Inc., verified: true, description: SEO agency
supported-languages:対応言語の指定ja, en, zh
crawler-hints:クロール時の技術ヒントtrailing-slash: ignore
html-extraction: body only
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AI botを制御するための記述方法

llms.txtでは、AIにサイトの内容を伝えるだけではなく、AI クローラーが自サイトをクロールする許可/拒否などをサイト運営者側で宣言することもできます。

目的ディレクティブ補足説明
全AIに共通の方針を示すuser-agent:すべてのAIに適用する設定(明示は推奨)
特定のAIを拒否するuser-agent: + disallow:GPTBot(OpenAIのAI)をサイト全体でブロック
一部パスのみ拒否するdisallow:特定のディレクトリだけブロック
逆に許可を明示するallow:指定ディレクトリを許可(disallow:との併用で明示的に)
学習・引用を禁止するx-ai-training-policy:記事のLLM学習・回答生成に使われたくない場合
クロール頻度を制限するcrawl-delay: / x-rate-limit:秒単位やリクエスト数で制限可能(サーバー負荷対策)
リトライ方法の指示x-retry-policy:(など)エラー時の再アクセスルール(指数バックオフなど)
クロール不要パスの抑制access-suppression:(※拡張)廃止・リダイレクト済みURLへのアクセス防止
負荷対策(レート上限)crawl-delay: / x-rate-limit:crawl-delay: 1(1秒に1リクエスト)

以下のように記述します。

【記述例①】GPTBot と Google-Extended を一括拒否する例
# llms.txt(サイト直下に設置)
user-agent: GPTBot
disallow: /

user-agent: Google-Extended
disallow: /
【記述例②】全AIを許可しつつ、会員エリアだけ拒否する例
user-agent: *
allow: /

# 会員専用ページは利用不可
disallow: /member/
x-ai-training-policy: "allowed"     # 記事本文は学習 OK
x-rate-limit: 60
x-rate-limit-window: 60

なお、「コンテンツの説明」と「AI BOTの制御」はまったく別の意図で記述されますが、同じファイルに混在させてOKです。

llms.txt は、生成AIに対して「読んでほしい情報の説明」と「読んでほしくない範囲の制限」を、1つのファイルで同時に伝えることができます。

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llms.txtの設置手順

llms.txtを作成したら、Webサイトに設置しましょう。

設置手順は以下の通りです。

  1. Webサイトのルートディレクトリにアップロード

    作成したllms.txtファイルは、Webサイトのルートディレクトリにアップロードします。

    robots.txt ファイルをアップロードするのと同じ要領で、llms.txtファイルもhttps://example.com/llms.txt  のように、ドメイン直下でアクセスできる場所に設置します。

    FTPソフトを使ってアップロードするか、サーバーの管理画面から「ファイルマネージャー」を利用して設置してください。

  2. ブラウザで実際にアクセスして表示をする確認

    llms.txtの設置が完了したら、ブラウザでllms.txtにアクセスして表示を確認します。
    https://example(あなたのサイトのドメイン)/llms.txtと入力すればアクセスできます。

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HTTPヘッダーに X-Robots-Tag: llms-txt を追加する【必須ではない】

ルートドメインにllms.txt を設置するだけでもAIクローラーに認識される可能性はありますが、HTTPヘッダーに「X-Robots-Tag: llms-txt」という情報を追加しておくことで、将来的により確実にAIにその存在を伝えられるようになる可能性があります。

HTTPヘッダーを追加したい場合、サーバーの種類によって以下のような記述を行います。

Apacheの場合(.htaccessファイルに追記)
<Files "llms.txt">
  Header set X-Robots-Tag "llms-txt"
</Files>
Nginxの場合
location = /llms.txt {
    add_header X-Robots-Tag "llms-txt";
}

なお、注意点として、HTTPヘッダーへの追加は現時点(2025年6月)ではGoogleやOpenAIなどの主要AIが正式に対応しているわけではないため、必須ではありません。将来的なAI対応への備えとして余裕があれば、設定しておきましょう。

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llms.txtの作成方法

llms.txtの作成方法は、以下の通りです。

  1. テキストエディタで自作する(非推奨)

  2. ジェネレーターを使って作成する

  3. WordPressプラグインを導入する

それぞれにメリットとデメリットがあるので、あなたに適した作成方法を選びましょう。

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テキストエディタで自作する(非推奨)

llms.txtファイルは、テキストエディタを使って自作できます。

自作するメリットは、任意のカスタマイズを自在に行えることです。自動生成したファイルでは不足してしまう情報や、構造を自分で考えることでより理解しやすいllms.txtファイルを作成できます。

ただし、llms.txtを手作業で自作するのはおすすめしません。理由は次の通りです。

  • 複数ページの情報を1つずつ手作業で記述するのは、時間がかかりすぎる

  • コンテンツを更新するたびに、llms.txt も手動でメンテナンスする必要がある

  • サイト規模が大きい場合、作成ミスや更新漏れが起きやすくなる

そのため、基本的にはllms.txtを自動で作成してくれるツールの使用を推奨しています。

次の項目で、自動でllms.txtを作成できるツールについて紹介します。

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ジェネレーターを使って作成する

llms.txtの作成を行うなら、ジェネレーターを利用するのがおすすめです。ジェネレーターを利用することで、誰でも簡単に自動でllms.txtを作成することができます。

下記のいずれかのURLにアクセスし、実際にllms.txtを作成してみましょう。

llms.txt Generator

llms.txt Generator
https://llmstxtgenerator.org/

無料版では、最大20URL分のllms.txtを作成できます。払い切り13.1ドルの有料版にすることで、さらに多くのURLに対応できます。

20ページ以上ある場合は、有料版がおすすめです。

firecrawl llms.txt Generator

firecrawl llms.txt Generator
https://llmstxt.firecrawl.dev/

こちらも海外では多く利用されているllms.txtジェネレーターです。無料でも使えますが、会員登録を行いAPIキーを入力することで、完全なllms.txtを作成できます。なお、llms-full.txtも作成できるので、より詳細な内容をAIに伝えたい場合はfirecrawlを利用するのがおすすめです。

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WordPressプラグインを導入する

WordPressを利用している場合は、プラグインをインストールするのがおすすめです。主なllms.txt作成プラグインは3種類あります。

どのプラグインもインストール後、[有効化]を選択すると利用できるようになります。プラグインごとに自動設定の範囲が異なるので、どのプラグインを導入すべきか事前に機能を確認しておきましょう。

Website LLMs.txt

Website LLMs.txt
website-llms-txt
項目詳細
生成内容サイト内の重要URLをMarkdown形式で出力できます。
カスタマイズ性投稿タイプや並び順を管理画面で設定可。キャッシュ機能もあり
無料/有料完全無料
おすすめのユーザー中小規模サイト、WordPress ユーザー向け

LLMs.txt Generator

LLMs.txt Generator
llms-txt-generator
項目詳細
生成内容無料版は基本的なllms.txt ファイルを生成
カスタマイズ性プレミアム版では投稿タイプ・キャッシュ・リアルタイム更新などの追加機能あり
無料/有料無料版と有料版があり。
Starter $49/年、Business $99/年、Agency $179/年
おすすめのユーザーWordPress 中〜大規模サイト、多機能を求めるユーザー向け

Advanced LLMs.txt Generator

Advanced LLMs.txt Generator
advanced-llms-txt-generator
項目詳細
生成内容LLMs.txt ファイルの自動生成
カスタマイズ性構成オプションを使用することで、AIへの提示方法を調整できる
無料/有料全機能無料で使用可
おすすめのユーザー高機能を求めるWordPressユーザー、初心者〜中級者向け
5

llms.txt作成時のポイント

効果的なllms.txtを作成するために、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • AIが理解できる表現で記述する

  • 情報の優先度を整理する

  • 専門用語は正確に説明する

それぞれ詳しく解説します。

5-1

AIが理解できる表現で記述する

llms.txtを作成する際のポイントの1つ目は、AIが理解できる表現で記述することです。

AIは長すぎる文章や曖昧な言い回しを苦手とするため、情報は一文ごとに要点を明確に伝えるようにしましょう。例えば、「役に立つ情報」ではなく「中小企業向けにWebマーケティングの実践ノウハウを提供する」といったように、具体的な内容を明記することで、AIが理解しやすくなります。

また、前述した通り、llms.txtではMarkdown形式を用いることが推奨されており、見出しや引用、セクションの構造が明確にわかるように記述すると、AIが情報を構造的に把握しやすくなります。

なお、現段階では必須ルールではありませんが、User-Agentの指定を最初に記述しておくと、llms.txtを参照可能なすべてのAIクローラーに内容を認識させることができます。

5-2

情報の優先度を整理する

llms.txtを作成する際のポイントの2つ目は、情報の優先度を整理することです。

Webサイトが扱っているメインとなるサービス内容や、ユーザーにとって価値が高いページなどは、llms.txtの冒頭に配置し、AIが最初に目を通せるように設計します。

一方で、すべてのページを無差別にAIに読み取らせてしまうと、公開する意図のない情報までAIの回答文に使われてしまうリスクがあります。重要でない情報や、AIに読み込んでもらいたくないページについては「option」セクションを使って、明示的に除外するよう指示を出しましょう。

5-3

専門用語は正確に説明する

llms.txtを作成する際のポイントの3つ目は、専門用語を使用する場合に補足を入れるなど注意が必要です。

特に医療や法律などに代表されるYMYL領域では、情報の正確性がかなり重視されます。AIが正確な情報を読み取れるように、専門用語を使う際は注釈をつけて解説をはさみましょう。

記述例
# オルグロー内科クリニック

> 当クリニックは、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を中心に、地域の健康を支える内科専門施設です。  
> 患者一人ひとりに合わせた診療と予防医療に力を入れています。

## 提供する主な医療サービス

- **糖尿病**(※インスリンの分泌量や作用不足によって血糖値が慢性的に高くなる病気)
- **高血圧**(※血管にかかる圧力が基準よりも常に高い状態。心疾患や脳卒中のリスク要因)

## 詳細記事・参考情報

- URL: https://example.com/column/diabetes  
  Summary: 糖尿病の基礎知識、合併症の予防、当院での治療方針について解説

各専門用語に「かっこ付きの簡潔な注釈」を付けており、AIが読み取る際に誤認識しにくくなっています。専門用語に補足を入れておくことで、生成AIが正しく文脈を理解・要約し、信頼性の高い出典として引用してくれる可能性が高まります。

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llms.txtを設置するメリット

llms.txtを設置することで得られるメリットは、以下の通りです。

  1. LLMにサイト内の情報を正確に伝えることができる

  2. AIに読ませたい情報を指定できる

  3. LLMに運営者の信頼性を伝えることができる

それぞれのメリットについて、詳しく解説しますので設置するかどうかの判断材料としてご活用ください。

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LLMにサイト内の情報を正確に伝えることができる

llms.txtを設置することで、LLMに正確なサイト情報を伝えられます。サイト内にどのようなコンテンツがあるのかをLLMが理解すれば、検索結果の回答に利用される可能性が高くなります。

ただし、llms.txtはあくまでも「こう読み取ってほしい」という情報提供側の意図を示すファイルであり、実際にAIがその内容をどの程度参照・反映するかは、各AI事業者のポリシーや技術的対応状況に依存します。

そのため、AIによる引用数や言及数を増やすのであれば、あくまでllms.txtは「AIに伝わる可能性を高める補助的なファイル」として考え、質問の回答となるコンテンツを作成したり自社のブランド力を高めるといった本質的な施策に力を入れましょう。

6-2

AIに読ませたい情報を指定できる

llms.txtを設置することで、AIに対して「どのコンテンツを優先して読み込んでほしいか」「どの部分は読み込まないでほしいか」といった意図を伝えることができます。

例えば、AIに読み込んでもらいたい価値あるページを明示的に記述することで、情報の取得精度を高め、ユーザーにとって有益なAI回答に貢献できる可能性も高まります。

また、特定の生成AIクローラーに対して読み取りを禁止する指示を記述することもできます。

ただし、llms.txtはあくまで「読み取りポリシーの表明」に近いものであり、AI側がその内容に従うかどうかは各生成AI事業者のポリシー次第です。

現時点では、Perplexityなど一部のAIがllms.txtの読み取りに対応していることを公表していますが、GoogleやOpenAIについては正式な対応は未発表です。

6-3

LLMに運営者の信頼性を伝えることができる

llms.txtを設置することで、生成AIに対してサイト運営者の情報や信頼性に関する補足情報を提供できます。

例えば、会社概要や執筆者プロフィール、監修者情報などのページURLをllms.txt内で指定しておくことで、AIがサイトの運営体制や背景を理解しやすくなります。

Googleは検索ランキングを決定する際に、WebサイトのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼)を重要視しています。そのため、AIによる要約や引用(AI OverviewやAImode)においても、間接的にE-E-A-Tが影響する可能性があります。

現時点(2025年6月時点)で、llms.txt内のE-E-A-T関連情報をGoogleがどのように評価・反映しているかについて公表されていないため、効果があるかは不明ですが、余裕があれば著者情報などを記載しておきましょう。

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llms.txtを設置するデメリット

繰り返しになりますが、llms.txtは標準化されているファイルではなく、GoogleやOpenAIなどの主要なプロパイダはllms.txtをサポートしていません。

そのため、llms.txtを設置したとしてもAIがファイルを参照するとは限らず、LLMOの評価にも影響するかどうかは現時点では不明です。

実際に、Googleのジョン・ミュラー氏はRedditのスレッドで次のように投稿しています。

ジョン・ミュラー氏 Redditのスレッド

「私の知る限り、どのAIサービスもLLMs.txtを使用しているとは言っていません(サーバーログを見れば、チェックすらしていないことがわかります)。私にとって、これはキーワードメタタグに相当するものです。」

https://www.reddit.com/r/TechSEO/comments/1k0kcx9/llmtxt_where_are_we_at/

つまり、時間をかけてllms.txtファイルを作成しても、全く効果がない可能性があるということです。

リソースが限られている場合は、成果に繋がるか疑わしい施策に時間をかけても費用対効果が悪いため、良質なコンテンツを作りや、EEATを高めていく施策に投資をするようにしましょう。

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llms.txtに関するよくある質問

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llms.txtとrobots.txtの違い

robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して「クロールの許可または拒否」を伝える役割を持つファイルです。一方、llms.txtは、生成AI(大規模言語モデル=LLM)に対して「どの情報を読み取ってよいか、どの情報を優先的に参照すべきか」を伝えるためのファイルです。

それぞれの違いは以下になります。

比較項目robots.txtllms.txt
設置目的検索エンジンのクローラーに対するアクセス制御生成AIに対してサイト情報の読み取り・利用ガイドを提示
対象Googlebotなどの検索エンジン系クローラーGPTBot、ClaudeBot、PerplexityBotなどのAIクローラー
主な役割クロールを許可・拒否するURLを指定コンテンツの使用可否・優先度を明示し、AIに伝える
記述形式テキスト形式Markdown形式
設置場所サイトのルートディレクトリサイトのルートディレクトリ
8-2

llms.txtとllms-full.txtとの違い

llms.txtには、より詳細な情報を提供する拡張ファイルとしてllms-full.txtという形式も存在します。どちらもAIクローラー向けの情報ファイルですが、情報量と目的に違いがあります。

比較項目llms.txtllms-full.txt
設置目的サイトの要点・コンテンツ要点をAIに伝えるサイト全体をより網羅的・詳細にAIに伝える
対象AIクローラーAIクローラー
主な役割優先的に読ませたいページやコンテンツの指定全体構造、コンテンツの分類・頻度・関連性などの記述
記述形式Markdown形式Markdown形式(より構造化された詳細記述)
推奨使用場面小規模・中規模サイト大規模サイト・構造が複雑なサイト
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まとめ

llms.txtは、LLMに対してWebサイトの情報の利用可否を伝えるテキストファイルです。

現時点での効果は不明ですが、設置しておくことでAIがサイトの情報を利用し、ユーザーが入力した質問に対する回答を生成する際に自社のコンテンツが参照されやすくなる効果が期待できます。

AI検索は今後ますます加速していくと予想され、検索エンジンと同時にAIへの最適化も進めていかなければなりません。llms.txtをすぐに設置する必要はありませんが、今後に備えてどのようなものなのかしっかり理解しておきましょう。

なお、AIへの最適化は必須ですが、基本的には従来通りのSEOで必要とされる「Webサイトの評価自体を高める施策」を進めることがLLMO対策にも繋がります。

SEOでもLLMOでも、検索エンジンやAIエンジンからの評価のことだけを考えるのではなく、ユーザーニーズを徹底的に考え、最適なコンテンツを生み出していくことが求められます。

弊社が提供しているSEO対策サービス『White Link』では、お客様が抱えている状況・課題に合わせてベストな施策をご提案します。

LLMO時代にも通用するWebサイトの評価を高める施策をお求めの方は、気軽にお問合せくださいませ。無料相談も受け付けております。

WHITE Link

この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。 サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超のノウハウをSEOサービスに反映し、3,000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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