構造化データとは|書き方とマークアップ例・SEOへの影響を解説
「構造化データ」聞いたことはあっても、それがどういうものなのか詳しく分からないという方が多いのではないでしょうか?本記事では「構造化データとは何か」「得られる効果やSEOへの影響があるのか?」「マークアップの方法」など、構造化データの概要から仕組み、メリット、記述例、確認する方法まで初心者にも分かりやすく解説します。
構造化データとは
WEBページにおける「構造化データ」とは、HTMLを用いて記述する、情報のデータ形式です。WEBページに構造化データを記述することを、「構造化マークアップ」「構造化データをマークアップする」と表現します。
構造化データをマークアップする目的は、検索エンジンに対してWEBページに書かれた内容を正確に伝えることです。
ページを閲覧するユーザーは、文脈からテキストや数値の意味を推測することができます。
例えば、「〇〇会社の福岡です」と書かれていれば、ユーザーは「福岡」が名前だと分かるでしょう。
しかし、検索エンジンにとってテキストは文字列としか認識できず、名前を意味するのか、地名なのかを正確に判断ができません。このような課題を解決するために利用するものが、「構造化データ」になります。
分かりやすく、構造化データで記述した場合と、構造化データを使用しなかった場合で、検索エンジンにどのように伝わるか解説します。
■ 構造化データを使用した場合(JSON-LD)
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "オルグロー株式会社",
"employee": {
"@type": "Person",
"name": "福岡"
}
}
</script>
この例では、構造化データ(JSON-LD形式)が使用されています。
▼ これにより、検索エンジンは以下の情報を明確に理解することができます。
- この情報は、"オルグロー株式会社"という名前の組織(Organization)に関するものである。
- この組織には"福岡"という名前の従業員(Person)がいる。
という事を検索エンジンに伝えることが出来ます。
■ 構造化データを使用しない場合
<div>
<p>オルグロー株式会社</p>
<p>福岡</p>
</div>
この例では、構造化データが使用されていません。そのため、検索エンジンは文字列"オルグロー株式会社"と"福岡"を読み取ることはできますが、これらが何を表しているのか、どのような関連性を持つのか(例えば、"福岡"が"オルグロー株式会社"の従業員であるという関連性)を自動的に理解することはできません。
このように構造化データをマークアップすることで、検索エンジンに単なる文字列としてしか認識されていないページを、本来の意味として扱ってもらうことができるようになります。
セマンティックWEBについて
構造化データは、セマンティックWEBという構想に基づいて利用されています。
「セマンティックWEB」とは、World Wide Webの創始者であるティム・バーナーズ・リー氏が1998年に提唱した、WEBページに記載された文章や文字列、数値、画像にメタ情報を加えることで、検索エンジンやコンピュータシステムが意味を理解して処理することを目指す構想です。
HTMLで記述されたWEBページは文章や画像、数値を表示することはできますが、HTMLの規則に従って表示しているだけであり、文章の意味や文脈を理解した上で表示しているわけではありません。
セマンティックWEBは、WEBページに表示されている情報を統一した形式で記述することで、意味のある情報として取り扱えることを目指しています。
セマンティックWEBの構想を実現するために必要な技術が、構造化データです。
構造化データの仕組み
構造化データの構造を理解する上で、知っておくべき要素に「ボキャブラリー」と「シンタックス」があります。この2つの要素を基にHTML上に直接マークアップすることで、リッチリザルトを検索結果に表示させています。
ボキャブラリーとシンタックスは、Webページに書かれた情報に意味を付与するための2つの重要な要素です。
それぞれの詳細を以下に説明します。
ボキャブラリー | 情報の意味を定義する規格 | 情報の意味を定義する規格です。これは事実上のデータ辞書で、ウェブサイトのデータがどのような情報を持っているのか、その情報が何を意味するのかを検索エンジンに教えます。「Schema.org」が管理・規定するボキャブラリーの中から選択することで、情報の意味を定義します。 |
シンタックス | 構造化データの記述形式 | 構造化データの記述形式です。これは、データがどのように形式化され、構造化されるべきかを示すルールセットです。これは、ボキャブラリーが何を言っているのかを理解するための"文法"のようなものです。 |
「Schema.org」が管理・規定しているボキャブラリーの中から選択して情報の意味を定義します。
▼ Googleがサポートするシンタックスの形式は以下の3つです。
- JSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data)
- microdata
- RDFa(Resource Description Framework in attributes)
これら3つの形式は異なる特性を持ちますが、同じ情報を表現するために使用することができます。
現在、Googleは構造化データを使用する際には、特にJSON-LDによるマークアップを推奨しています。これは、JSON-LDが他の形式に比べて直感的に理解しやすく、デバッグしやすいからです。
また、JSON-LDはJavaScriptを利用しているため、ウェブ開発者にとっては非常に扱いやすい形式となっています。
【参考記事】:Google検索セントラル:サポートされている形式
構造化データのメリット
▼ WEBページに構造化データをマークアップすることで、以下のような変化が生まれます。
- 検索結果にリッチリザルトが表示される
- 検索エンジンがコンテンツの内容を把握しやすくなる
- ナレッジグラフに表示されやすくなる
その結果、WEBメディアには以下のメリットに繋がる可能性があります。
- ページのクリック率やアクセス数が向上する
- ページのインデックスが早くなったり、ページが適切に評価されたりする
リッチリザルトが表示されクリック率の向上に繋がる
WEBページに構造化データをマークアップするメリットは、検索結果のスニペットにリッチリザルトが表示されることです。リッチリザルトが表示されれば、ページのクリック率やアクセス数の向上に繋がります。
【参考記事】:Google検索セントラル:構造化データをページに追加する理由
「スニペット」とは、検索結果のタイトルやURLの下のスペースの部分です。スニペットには本文中のテキストやmeta descriptionに記述したテキストだけでなく、画像や口コミ、筆者情報、レシピ、イベントなどの情報が表示されることがあります。
「リッチリザルト」とは、画像や評価、レビューなどの視覚的に目立つ情報が表示される、Googleの拡張機能です。
検索結果のスニペットにリッチリザルトが表示されると検索ユーザーの目につきやすくなり、クリック率が向上するなどのメリットがあります。
検索エンジンがコンテンツの内容を把握しやすくなる
メリットの2つ目は、構造化データをマークアップすることで、検索エンジンがコンテンツの意味を具体的に把握することができるようになることです。
検索エンジンがコンテンツ内容を把握した結果、ページのインデックスが早くなったり、ページの評価が適切にされることも、構造化データをマークアップするメリットと言えるでしょう。
ナレッジグラフにサイト情報が表示されやすくなる
2012年にGoogleが開発したナレッジグラフは、検索キーワードに関する情報を検索結果にまとめて表示する機能です。
構造化データを用いて、検索エンジンやクローラーにページの情報やデータの意味をしっかり伝えることで、ナレッジグラフにサイトの情報が表示されやすくなります。ナレッジグラフにサイトの情報が表示されると、企業やお店の集客や認知度の向上といった効果が期待できます。
構造化データのデメリット
構造化データをおこなう上でのデメリットは、
- 『実装に時間がかかる』
- 『専門知識が必要』
の2点です。
それぞれ詳しく解説します。
実装に時間がかかる
構造化データを使用すると「実装に時間がかかる」といったデメリットがあります。既存のデザインやHTMLに対して構造化データを使用すると、大幅なデザインの改修が必要になるなど、工数が増えるといったデメリットがあります。
そのため、現実的に考えて、コストに見合う価値があるのかどうかを見極めながら、自社のビジネスやサービスにとって関連性の高いものから順に構造化データを適用する必要があります。
また、構造化データのマークアップと、実際の検索結果等での表示のされ方は、完全に保証されているわけではありません。「特定の構造化データをマークアップした」からといって「検索結果に必ず反映されるわけではない」のです。
なので、「どこまでやるか?」「最低限、構造化データにするべきものは何か?」を見極める必要はあるでしょう。
専門知識が必要
構造化データのデメリットは、専門知識の要求や学習コストの高さです。
構造化データの実装には、適切なスキーマ、プロパティ、属性値の選択が必要とされます。業界や関連する用語を熟知していないと、正確な情報のマークアップが困難になります。
また、構造化データの仕様やベストプラクティスは頻繁に変化することがありますので、常に最新の情報にアクセスし、更新された仕様に基づいてマークアップを行う必要があります。
そのため、専門知識が必要になります。
構造化データの書き方
▼ 以下の2つの方法で、WEBページに構造化データをマークアップすることができます。
- HTMLで直接マークアップする方法
- 構造化データマークアップ支援ツールでマークアップする方法
- データハイライターでマークアップする方法
HTMLで直接マークアップする方法
構造化データは、WEBページのheadタグ内にHTMLで直接マークアップすることができます。ただし、マークアップする構造化データは自身で作成する必要があります。
▼ HTMLで構造化マークアップを行う手順は以下になります。
■ STEP1. ボキャブラリーの選択
構造化マークアップには、ボキャブラリー(スキーマ)が必要です。スキーマは、データのタイプやプロパティ、バリューを定義しています。一般的なスキーマとしては、Schema.orgが広く使われています。
■ STEP2. マークアップの対象を選ぶ
マークアップする情報の対象を選びます。例えば、記事、製品、イベントなど、特定の情報を表現する場合には、それに適したタイプ(スキーマ)を選びます。
■ STEP3. マークアップの開始
選んだタイプ(スキーマ)に基づいて、HTML要素内にマークアップを追加します。一般的には、<script>要素を使用してJSON-LD形式で構造化データを記述します。
▼ 以下は、基本的なマークアップの例です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"headline": "記事のタイトル",
"datePublished": "2023-07-18",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "著者の名前"
},
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "出版元の名前"
}
}
</script>
- @context:マークアップのコンテキストを定義します。ここでは、https://schema.orgを指定しています。これにより、スキーマ.orgのボキャブラリーが使用されます。
- @type:構造化データのタイプを指定します。ここでは、Articleを指定しています。これにより、記事に関連する情報をマークアップします。
- headline:記事のタイトルを指定します。
- datePublished:記事の公開日を指定します。日付はISO 8601形式(YYYY-MM-DD)で指定します。
- author:著者に関する情報を指定します。@typeをPersonと指定し、nameに著者の名前を指定します。
- publisher:出版元に関する情報を指定します。@typeをOrganizationと指定し、nameに出版元の名前を指定します。
■ STEP4. プロパティと値の追加
マークアップしたい情報に合わせて、適切なプロパティと値を追加します。例えば、記事のタイトルや公開日、著者の名前など、詳細な情報を記述します。各プロパティには、スキーマで定義された属性を使用します。
■ STEP5. マークアップの終了
JSON-LDのマークアップを終了するために、</script>タグを追加します。
■ STEP6. 検証
マークアップした構造化データが正しいかを確認するために、Googleの構造化データテストツールなどのツールを使用して検証します。ツールは、マークアップにエラーや警告がある場合にそれを示し、修正するためのヒントを提供します。
以上が、HTMLで構造化マークアップを行う手順です。
適切なスキーマとプロパティを選び、情報に合わせてマークアップを追加することで、検索エンジンはより正確にコンテンツを理解し、ユーザーに有益な情報を提供することができます。
構造化データマークアップ支援ツールでマークアップする方法
Googleが提供する「構造化データ マークアップ支援ツール」を利用することで、マークアップする構造化データのHTMLを出力できます。ツールを使用することで構造化データが自動的にマークアップされるわけではありません。自身で出力したHTMLをWEBページのheadタグ内に追加する必要があります。
▼ 「構造化データ マークアップ支援ツール」で構造化データをマークアップする手順
- 「構造化データ マークアップ支援ツール」ページを開く
- データ タイプを選択する
- マークアップするページのURLを入力する
- 「タグ付けを開始」ボタンをクリックする
- マークアップするテキストを選択する
- 画面右上の「HTMLを作成」ボタンをクリック
- 出力したHTMLをWEBページのheadタグ内に追加する
- 正しく記述出来ているかを確認する
- 構造化データが有効になっているかを確認する
上記画像の例では『公開日』のテキストを選択し表示された項目の中から「公開日」を選択しています。
これにより、以下画像のように公開日の構造化データを作成出来るというわけです。
こちらのタグをhead内に書いて完了です。
データハイライターでマークアップする方法
Googleサーチコンソールの機能であるデータハイライターを使って、構造化マークアップをおこなう方法があります。
データハイライターは、構造化マークアップの作成をサポートするツールです。
データハイライターを使用して構造化マークアップする方法は、別記事でまとめているので興味がある方は以下を参考に進めてみてください。
データハイライターを使用することで、構造化マークアップの作成が容易になります。ツールが提案するプロパティや入力フォームを利用することで、正しい構造化データを簡単に生成することができます。
データハイライターは、マークアップの効果を可視化することもできるため、正確な表示を確認しながらマークアップを行うことができます。
尚、構造化データマークアップ支援ツールと使い方は殆ど同じのため、どちらを利用しても問題ありません。
構造化データを正しく記述出来ているか確認する方法
構造化データを正しく記述出来ているかは、「スキーマ マークアップ検証ツール」で確認することができます。構造化データは正しく記述しないと検索エンジンが認識しません。
そのため、本番環境にアップする前に構造化データのコードが正しく記述出来ているかスキーママークアップ検証ツールで確認しましょう。
【「スキーマ マークアップ検証ツール」で確認する手順】
■ STEP1. 「スキーマ マークアップ検証ツール」ページを開く
■ STEP2. コードスニペットのタブをクリック
■ STEP3. アップ予定の構造化データのコードを貼り付けて『テストを実行』をクリックします。
正しく構造化データを記述出来ている場合、画面右上に「エラーなし 警告なし」と表示されます。
エラーや警告がある場合は、該当箇所が表示されるので修正をおこない再度コードを貼り付けて確認します。
「エラーなし、警告なし」が表示されたら本番環境にアップロードして完了です。
尚、既に本番環境にアップロード済みの場合は、STEP2.で『URLを取得』を選択して確認したいURLを入力し、『テストを実行』をクリックします。
【参考記事】:構造化データ テスト ツール のご紹介
構造化データが有効になっているページの確認方法
どのページで構造化データが有効になっているのか、ページに記述した構造化データが有効になっているかは、Googleが提供している「リッチリザルトテスト」と、Googleサーチコンソールの「リッチリザルトレポ―ト」で確認することができます。
リッチリザルトテストでの確認
リッチリザルトテストを使うと、ページ単位で構造化データが有効になっているかどうかを確認することが出来ます。本番環境に構造化データを実装した後にリッチリザルトテストを使って有効になっているか確認します。
早速、「リッチリザルトテスト」で確認する手順を紹介します。
■ STEP1. 「リッチリザルトテスト」ページを開く
■ STEP2. 『URL』のタブを選択してWEBページのURLを入力する
■ STEP3. 確認する媒体(スマートフォン・パソコン)を選択する
※ モバイルファーストインデックス化がされ、スマートフォン用のGooglebotがクロールしている場合はスマホページのデータをインデックスしているため、スマートフォンを選択しましょう。
■ STEP4. 「URLをテスト」ボタンをクリックする
ページに記述した構造化データが有効になっている場合は、「検出された構造化データ」の欄に対象となっているリッチリザルトが表示されます。
『有効なアイテムを検出しました』と表示されていれば、構造化データは正しく認識されています。
Google Search Consoleのリッチリザルトレポ―トで確認
Googleサーチコンソールでは、構造化データが有効になっているページの総数を確認することが出来ます。WEBサイト全体で有効になっている構造化データの種類と件数がリッチリザルトレポ―トとしてグラフで表示されます。
【Googleサーチコンソールで確認する手順】
■ STEP1. Googleサーチコンソールにログインする
■ STEP2. 左側のメニュー「拡張」の下に表示されているリッチリザルトの中から確認したいリッチリザルトを選択してクリックする
■ STEP3. 「有効なアイテムのデータを表示」をクリックする
選択した構造化データが有効になっているページのURLが一覧表示されます。
尚、拡張の項目に表示される項目はWEBサイトで実装した構造化データの種類が表示されます。
リッチリザルトレポ―トについては、別記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
構造化データがSEOへ与える影響
構造化データは、検索順位に直接影響を与える要素ではありません。
Googleのジョン・ミューラー氏も、英語版のGoogleオフィスアワーでchema.org を用いた構造化データの利用方法について、以下のように解説しています。
品質を判断する要因としては構造化データを使っていない
https://youtu.be/bIc61gjPMlQ
つまり、構造化データはページの品質の判断には使われないため、構造化データを使っても使わなくても検索順位を決定するアルゴリズムには影響しないと考える事が出来ます。
そのため、SEO対策で検索順位を上げるために構造化するのは間違いとなります。検索順位を上げるには、ページ自体の品質を高めることに注力する必要があります。
ただし、間接的にはSEO効果があると言えます。
例えば、検索結果のスニペットにリッチリザルトが表示されることで、クリック率上昇によるアクセス数の増加や滞在時間の増加といった間接的なSEO効果が期待できます。
また、構造化データをマークアップをすることでページ内の情報を正しく検索エンジンに伝えることが出来るため、検索エンジンが間違ってページ内のコンテンツを認識することを防ぐことが出来ます。
例えば、ECサイトであれば販売している商品の価格、在庫状況、レビュー評価などを構造化データとしてマークアップすることで、検索エンジンはこれらの情報を理解し、適切な検索クエリでページを表示することができます。
このように直接的なSEO効果は無いものの間接的にはSEO効果が期待出来ます。
Googleがサポートしている構造化データの種類
Googleがサポートしている構造化データは主に31種類あり、この中から代表的なものを紹介します。
■ 代表的な構造化データの種類と概要・主な利用ポイント
構造化データの種類 | 概要 | 主な利用ポイント |
Article(記事) | ブログ記事やニュース記事など、一般的な記事のマークアップに使用します。 | 記事の見出し、著者、公開日等を明示することで、検索エンジンの理解を助けます。 |
BreadcrumbList(パンくずリスト) | ページの位置を階層的に示すパンくずリストに使用します。 | ページの階層構造を示すことで、検索結果でのパンくず表示を可能にします。 |
Carousel(カルーセル) | 複数の同種の項目(記事、レシピ等)をリンクとともに提示します。 | 検索結果のリッチスニペットとしてのカルーセル表示を可能にします。 |
QAPage(教育向けQ&A) | 教育的な内容についての質問とその回答をマークアップします。 | 教育関連コンテンツの理解を助け、リッチスニペット表示を可能にします。 |
Occupation(給与推定額) | 特定の職業についての給与の推定値を表示します。 | 求人情報等のページで、検索エンジンが給与情報を理解しやすくします。 |
Event(イベント) | コンサートや芸術祭などのイベントに関する情報をマークアップします。 | イベントの詳細(日付、場所等)をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
FAQPage(よくある質問) | よくある質問(FAQ)とその回答をマークアップします。 | FAQの内容をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
HowTo(ハウツー) | ステップバイステップの指導を提供するコンテンツをマークアップします。 | 手順の内容をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
LocalBusiness(ローカル ビジネス) | ローカルビジネス(店舗等)についての情報をマークアップします。 | 店舗情報(営業時間、場所等)をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
Movie(映画) | 映画に関する情報をマークアップします。 | 映画の詳細(公開日、評価等)をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
QAPage(Q&A) | 一般的な質問とその回答をマークアップします。 | Q&Aの内容をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
Recipe(レシピ) | 料理のレシピについての情報をマークアップします。 | レシピの詳細(材料、調理時間等)をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
ReviewSnippet(クチコミ抜粋) | 製品やサービスのレビューをマークアップします。 | レビューの詳細(評価、レビュアー等)をリッチスニペットとして表示可能にします。 |
その他、構造化データの種類はGoogle公式ヘルプページに解説と実装方法が掲載されているので確認してみてください。
【参考記事】:Google 検索がサポートする構造化データ マークアップ
構造化データの記述例
▼ 構造化データのマークアップでは以下の4つがよく利用されます。
- Article(記事)
- パンくずリスト
- Q&A
- ハウツー
この項目では上記4項目の記述例を紹介します。
Article(記事)
ニュースやブログ、スポーツなどのWEBページにArticle(記事)構造化データをマークアップすることで、Google検索やGoogleニュース、Googleアシスタントなどの検索結果に、一覧表示される場合があります。
■ Article(記事)構造化データの記述例
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"mainEntityOfPage": {
"@type": "WebPage",
"@id": "https://example.com/article"
},
"headline": "記事のタイトル",
"image": [
"https://example.com/photos/1x1/photo.jpg",
"https://example.com/photos/4x3/photo.jpg",
"https://example.com/photos/16x9/photo.jpg"
],
"datePublished": "2023-07-18T08:00:00+08:00",
"dateModified": "2023-07-18T09:20:00+08:00",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "記事の作者"
},
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "発行組織の名前",
"logo": {
"@type": "ImageObject",
"url": "https://example.com/logo.jpg"
}
},
"description": "記事の短い要約"
}
</script>
ここで注意すべき点は、構造化データのフィールド(例えば"headline"や"author")とHTMLコンテンツの対応関係です。この例では、JSON-LDスクリプト内の構造化データとHTMLタグでマークアップされたコンテンツが一致しています。
これは重要な点であり、検索エンジンはこれらの情報の一致を確認し、ウェブページの内容を理解します。
また、JSON-LDスクリプトを書き換える際は、自分のウェブサイトと記事の情報に合わせて正確に変更することを忘れないでください。その後、GoogleのRich Results Testなどのツールを使用してテストを行い、エラーや警告がないことを確認しましょう。
パンくずリスト
WEBページにパンくずリスト構造化データをマークアップすることで、検索結果のページタイトルの上のURLが表示される箇所に、パンくずリストが表示されます。
■ パンくずリスト構造化データの記述例
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BreadcrumbList",
"itemListElement": [{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"item": {
"@id": "https://example.com/books",
"name": "本"
}
},{
"@type": "ListItem",
"position": 2,
"item": {
"@id": "https://example.com/books/fiction",
"name": "フィクション"
}
},{
"@type": "ListItem",
"position": 3,
"item": {
"@id": "https://example.com/books/fiction/harrypotter",
"name": "ハリーポッター"
}
}]
}
</script>
この例では、"BreadcrumbList"という種類の構造化データが作成され、それぞれのパンくず(本、フィクション、ハリーポッター)が"ListItem"としてリストに含まれています。各"ListItem"は特定の位置("position")を持ち、その項目("item")にはそのパンくずのURL("@id")と名前("name")が含まれています。
このマークアップは検索エンジンにページの位置を示し、検索結果ページでパンくずリストを表示するのに役立ちます。
Q&A
WEBページにQ&A構造化データをマークアップすることで、検索結果に特定のテーマに対する質問とアコーディオン式に回答を表示したリッチリザルトを表示できるようになります。
■ Q&A構造化データの記述例
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "QAPage",
"mainEntity": {
"@type": "Question",
"name": "質問のタイトル",
"text": "質問の詳細内容",
"dateCreated": "2023-07-18T08:00:00Z",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "質問者の名前"
},
"answerCount": 1,
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "受け入れられた回答の内容",
"dateCreated": "2023-07-18T09:30:00Z",
"upvoteCount": 123,
"url": "https://example.com/accepted-answer-url",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "回答者の名前"
}
}
}
}
</script>
このJSON-LDは、質問とその受け入れられた回答を表しています。質問は、そのタイトル、詳細な内容、作成日時、著者、回答の数などの情報を持ちます。受け入れられた回答は、その内容、作成日時、"いいね"の数、URL、著者などの情報を持ちます。
ハウツー
WEBページにハウツー構造化データをマークアップすることで、Googleに対してハウツーページであることを認識してもらうことができ、検索結果に画像や動画が付いたリッチリザルトが表示される場合があります。
料理や飲み物の作り方を解説したページの場合は、「ハウツー」ではなく「レシピ」構造化データを利用します。
■ ハウツー構造化データの記述例
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "HowTo",
"name": "ウェブサイトを作る方法",
"description": "自分自身でウェブサイトを作るための基本的な手順",
"step": [
{
"@type": "HowToStep",
"name": "ドメインを取得する",
"text": "ウェブサイトのURLになるドメインを取得します。",
"url": "https://example.com/#step1"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "ホスティングサービスを選ぶ",
"text": "ウェブサイトのデータを保管するためのホスティングサービスを選びます。",
"url": "https://example.com/#step2"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "ウェブサイトをデザインする",
"text": "ウェブサイトのレイアウトやデザインを計画し、作成します。",
"url": "https://example.com/#step3"
}
]
}
</script>
この例でも、"HowTo"オブジェクトが作成され、その名前、説明、および一連のステップが提供されています。各ステップは、"HowToStep"オブジェクトとして表現され、名前、テキスト、及びURLが含まれています。
構造化データに関するよくある質問
構造化データに関するよくある質問と回答をご紹介します。
構造データと非構造データの違いは?
構造データと非構造データの違いは、情報の意味が定義されているかどうかです。
構造化データにデメリットはありますか?
WEBページに構造化データをマークアップするデメリットは、ページ作成の工数が増えることと、検索結果にリッチリザルトが表示されるとは限らないことです。
構造化データにはどのような効果がある?
WEBページに構造化データをマークアップすることで、検索結果にリッチリザルトが表示されたり、検索エンジンがコンテンツの内容を把握しやすくなったりする効果が得られます。
まとめ
今回は、構造化データの概要から仕組み、マークアップするメリット、記述例、確認方法について解説しました。構造化データをマークアップしても検索順位へ直接影響するわけではありませんが、クリック率向上やアクセス数増加と言った間接的なSEO効果は期待できます。
構造化データの記述例を参考に、構造化データのマークアップに挑戦してみましょう。
尚、構造化データやテクニカルSEOについてお悩みやご相談がある場合は気軽にSEM Plus編集部までお問合せくださいませ。
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