ピジョン・アップデートとは?SEOとローカル検索への影響を解説
2014年7月に実施されたローカル検索アルゴリズムが「ピジョン・アップデート」です。ピジョン・アップデート実施以降、通常の検索結果からローカル検索結果まで、広範囲にわたり影響をもたらしたことで大きな話題になりました。今回は、「ピジョン・アップデート」の特徴やベニス・アップデートとの違いについて解説します。
ピジョン・アップデートとは?
2014年7月に英語圏を対象に導入された「ピジョン・アップデート(Pigeon Update)」は、Googleのローカル検索の品質や、精度向上のために導入されたローカル検索アルゴリズムです。
ローカル検索は検索ユーザーがいる位置情報に近い検索結果が表示され、通常検索(オーガニック検索)の中に表示されていました。Googlemapと共に表示される情報とされ、従来は7箇所の事業所の情報が記載されていました。
ピジョンアップデート導入前は、ローカル検索と通常検索のアルゴリズムが別々に動いていましたが、導入後は二つのアルゴリズムが連動しローカル検索結果の品質に大きな影響を与えました。
Googleから日本語検索への導入についての公式発表はありませんが、日本のローカル検索にも少なからずピジョン・アップデートの変更点が適用されていると考えてよいでしょう。
ピジョン・アップデートのネーミング由来
今回の検索アルゴリズムアップデートに対してGoogleは正式な名前を付けていなかったため、後にSearch Engine Landが、このアルゴリズムを識別しやすいようにと「ピジョン・アップデート」と命名しました。
ピジョンは英語で鳩を意味しますが、命名の由来は「鳩が自分の巣に帰ってくる本能に優れているため」と説明されています。ピジョン・アップデート後は、これまで以上にローカル検索が精密になったことから、このような名前が付けられたのではと考えられています。
ピジョン・アップデートの特徴
ピジョン・アップデートは、ローカル検索結果全体の品質を改善させることを目的に実施されたアップデートです。
▼ ピジョン・アップデート以降の変更点は以下の通りです。
- ローカル検索と通常検索(オーガニック検索)が密接に連動するようになった
- より正確で関連性の高いローカル検索結果を提供できるようになった
- ローカル検索結果内に表示される情報が7箇所(セブンパック)から3箇所に減った(場合によっては表示されない)
- 位置情報に関するキーワードの呼び方などの違いを解析して、より適切な検索結果を表示させられるようになった
ピジョンアップデート導入後の変更点
ピジョンアップデートが導入され、通常検索との結びつきがより強くなったことで、以下のような変更がありました。
【7パックに関する変更】
導入前は、ローカル検索結果には、7パックと呼ばれる7箇所ほどの情報が表示されていましたが、ピジョンアップデート導入後はこの数が3箇所までに減らされる、場合によっては表示されないこともあります。
また、ローカル検索結果に表示された情報は、通常検索結果には表示されなくなります。すなわちローカル検索と通常検索で重複していた状態が解消されました。このような変更は、ローカル検索結果に表示される情報が大幅に減少し、WEBサイトへのアクセス数にも大きな影響を与えました。
【距離と場所のランキング要素】
ピジョンアップデートの目的はローカル検索の精度を向上させることです。アップデートが導入されたことでユーザーが検索した位置情報に関する微妙なキーワードの違いに対しても、その意図を詳細に解析してより適切な検索結果を表示できるようになりました。
ピジョンアップデートの日本への影響
2014年7月24日に導入されたピジョンアップデートですが、このアップデートは英語圏を対象とした更新のため、日本で更新されたというアナウンスはまだありません。
ただし、すでに日本のローカル検索結果も7パックから3パックに変更されていることから、少なからずピジョンアップデートの変更点が日本でも適用されていると考えてよいでしょう。
ピジョン・アップデートとベニス・アップデートとの違い
Googleによって実施された時期は異なるものの、「ピジョン・アップデート」と「ベニス・アップデート」はどちらもローカル検索結果に関するアップデートとして検索結果に影響を与えるものでした。
そこで続いては、よく混同されがちな「ピジョン・アップデート」と「ベニス・アップデート」の違いについて紹介します。
呼び方の違う地名でも最適な検索結果を表示する「ピジョン・アップデート」
ピジョン・アップデートが導入されたことで、地域情報に関連する検索キーワードの「呼び方」や「文語」といった微妙な違いを詳細に解析して、より正確な情報がローカル検索結果に表示されるようになりました。
例えば、ディズニーランドについて調べるときに、ユーザーAは「ディズニーランド」、ユーザーBは「ランド」、ユーザーCは「ディズニー」と、それぞれ違った呼び方で検索する場合があります。
このような場合もピジョン・アップデートの影響により、同じような検索結果が表示されるようになりました。
検索ユーザーの位置情報に合わせて検索結果を表示する「ベニス・アップデート」
ピジョン・アップデートよりも後に実施されたベニス・アップデートは、「検索ユーザーの位置情報」によって通常の検索結果が変化するアルゴリズムです。
例えば、東京都世田谷区にいるユーザーが「カフェ」というキーワードで通常検索をした場合、ベニス・アップデートの影響で検索結果には世田谷区を中心としたカフェ関連の情報が表示されます。
ピジョン・アップデート | 検索エンジンに入力された地域情報に関連する検索キーワードに対して、ローカル検索結果が表示されるアルゴリズム |
ベニス・アップデート | 検索キーワードに地域に関する情報が含まれていない場合に、ユーザーの位置情報を取得して最適な情報を通常検索結果に表示させるアルゴリズム |
検索結果の品質を改善させるために実施された2つのアップデートですが、このように明確な違いがあるので覚えておきましょう。
ピジョン・アップデート導入以降のSEO対策
ピジョン・アップデートは、ローカル検索結果全体の品質を改善させることを目的に実施されたアップデートです。そのため、これまで以上に「ローカル性」を意識したSEO対策を実行することが大切です。
例えば、地図検索や位置情報などのデータと大きく関係していることを考慮すると、地域性の高いジャンルのWEBサイトは地域関連の情報をコンテンツ内に追加するほか、Googleビジネスプロフィールを利用して検索順位の改善に努めるなどの対策を実施しましょう。
まとめ
Googleから公式な発表がないため、日本のローカル検索結果への影響は明らかになっていません。しかし、ピジョン・アップデートによる改善点が日本でも少なからず適用されていると考えられることから、SEOの知識として把握しておくことは非常に重要です。
以上、ピジョン・アップデートの特徴やベニス・アップデートとの違い、ピジョン・アップデート導入以降のSEO対策についての解説でした。
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