トラックバックとは|意味・設定方法を分かりやすく解説
WEBサイトを運営している担当者であれば、「トラックバック」という単語を目にしたことがあると思います。しかし、具体的に何を指すのか、どのような仕組みなのかなど疑問に感じているのではないでしょうか?本記事では、トラックバックの概要からメリット・デメリット、設定方法、無効化する方法について初心者にも分かりやすく解説します。
トラックバックとは?
「トラックバック」とは、自サイト内で外部のブログや記事の内容を引用・参照した際に、引用元の運営者へ引用・参照したことを通知する機能です。
通常は、自身が運営するWEBサイトで別のサイトに記載されている内容を紹介したり、リンクを貼っても、引用元の運営者に気付かれることはありません。
引用元の運営者に対して、直接連絡すれば知らせることはできますが、どのページにリンクを貼ったのか、どの部分を引用・参照したのかまでを細かく説明するのは大変な作業です。トラックバック機能を利用することで、引用元のサイト運営者に対して引用・参照したことを伝えることができます。
また、引用・参照元のサイト運営者がトラックバックを承認すると、引用・参照元のサイトに自サイトのリンクが設置される仕組みです。
このように、トラックバックは手軽に被リンクを獲得できる手法として頻繁に活用されていましたが、現在ではSEO効果が期待できない上スパム行為とみなされる可能性も高く、トラックバックを無効化しているサイトが大半です。
トラックバックの仕組み
引用・参照元のサイトへトラックバックを送信し、自社のWEBページへのリンクが設置されるまでの流れは以下の通りです。
- 参照元のトラックバックURLをトラックバック入力欄に入力する
- 記事を公開する
- 参照元にPingが送信され通知がいく
- 参照元がトラックバックを承認する
- 参照元のページに、自サイトのURLが表示される
例えば、「ブログ1」が「ブログ2」のコンテンツを引用した場合、「ブログ1」からトラックバックが送信されます。送信されたトラックバックを引用元の「ブログ2」が受信・承認すると、「ブログ1」へ自動的にリンクが貼られるため、「被リンクを獲得することができる」という仕組みです。
このとき、引用元の運営者がすべてのトラックバックを拒否する設定をしていたり、個別のトラックバックを拒否していた場合、引用元のサイトに自サイトのWEBページへのURLが表示されることはありません。
トラックバックのメリット
現在では活用することがあまりないトラックバック機能ですが、過去にはどのようなメリットがあったのでしょうか。トラックバックを送信する側と、受信する側のメリットを解説します。
送信元のメリット
▼ トラックバックを送信する側のメリットは以下の2点です。
- 引用元サイトの運営者から自サイトに興味を持ってもらうことができる
- 引用元サイトからのアクセスが期待できる
外部サイトの運営者と直接コミュニケーションを取ることが難しいケースであっても、トラックバックを送信することで、自サイトの存在をアピールすることができました。
また、トラックバックが承認されれば引用元のサイトに自身の記事のURLが表示されるため、引用元サイトからのアクセスが期待できる点も、送信元のメリットと言えるでしょう。自サイトの集客力が低い場合でも、送信先のサイトの集客力が高ければ膨大なアクセスが得られる可能性があったのです。
受信元のメリット
▼ トラックバックを受信する側のメリットは以下の2点でした。
- 投稿した記事に対する読者の反響が把握できる
- 読者からの反応の大きさを他の読者に対してアピールできる
受信元は、トラックバック数が多いほど発信した記事の反響が良かったことを把握できるメリットがありました。また、記事のトラックバック欄にリストが表示されるため、自身の記事やブログに影響力があったことを、他の読者にアピールすることができたのです。
トラックバックのデメリット
トラックバックを送信する側と受信する側のデメリットを解説します。
送信元のデメリット
▼ トラックバックを送信する側のデメリットは以下の4点です。
- ページを引用・参照するたびに個別にトラックバックを手動で送信する必要がある
- 引用元サイトの運営者からトラックバックが拒否あるいは無視される可能性がある
- トラックバックを無効化しているサイトには送信できない
- スパム目的だと思われる
トラックバックは手動で送信する必要があるため、記事数が多ければ多いほど手間がかかります。また、トラックバックを送信しても必ず承認されるわけではないため、時間をかけてトラックバックを送信しても、リンクが獲得できるとは限りません。
さらに、現在ではスパム行為とみなされることになるため、送信するメリットは少ないと言えます。
受信元のデメリット
トラックバックを受信する側のデメリットは、トラックバックスパムの被害に遭う可能性があることです。
トラックバックスパムとは、トラックバックを送信した際に、送信したページとは全く関係のないページへ読者を誘導するスパム行為です。送信先の集客力を利用し、読者に商材を購入させることを目的に行われていました。
被害に遭うのは読者でありトラックバックを受信したサイトが直接被害に遭うわけではありませんが、トラックバックスパムを放置していることでイメージダウンになる可能性があります。
また、WEBサイトへトラックバックを送信することでWEBサイトの運営者が送信元のページを閲覧するように仕向け、ウィルスに感染させたり、個人情報を取得しようとしたりするケースもあったのです。
WordPressでトラックバックを設定する方法
▼ WordPressでトラックバックを設定する手順は、以下の通りです。
- WordPressの管理画面の左側のメニュー「投稿」をクリックし、トラックバックを送信する記事を選択する
- 画面上部の「表示オプション」をクリックし、「トラックバック送信」にチェックを入れる
- 画面下部に表示されたトラックバック送信入力欄に、トラックバックURLを入力する
- 「記事を公開・更新」をクリックする
WordPress同士であればトラックバックと似た機能であるピンバックを利用することができますが、どちらか一方のブログがWordPress以外を使用している場合には、トラックバックを使う必要があります。
また、WordPressでは標準でトラックバックURLが表示されない仕様のため、トラックバックURLを表示させるにはPHPコードを修正することで、各記事にトラックバックURLが表示されるようになります。
■ ピンバックとは
ピンバックとは、Wordpressの機能の1つで、別サイトのリンクを自サイトに設置すると別サイトのWordpressへ自動で通知が飛ぶ機能のことです。トラックバックは手動で送信するのに対し、ピンバックは自動で送信することができます。
別サイトの運営者がピンバックを承認すると、別サイトの記事に自サイトのブログ記事のリンクが貼られます。
トラックバックを無効化する方法
WordPressでトラックバックを無効化する手順は以下の通りです。
【サイト全体でトラックバックを無効化する手順】
- WordPressの管理画面を開く
- 左側のメニュー「設定」をクリックする
- 「ディスカッション」をクリックする
- 「投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる」と「新しい投稿に対し他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける」のチェックを外す
【個別のページでトラックバックを無効化する手順】
- WordPressの投稿画面を開く
- 画面右側のメニュー「ディスカッション」をクリックする
- 「ピンバックとトラックバックを許可」のチェックを外す
トラックバックを送信する際の注意点
▼ トラックバックを設定する際には、以下の4点に注意してください。
- 記事内容と引用・参照元に関連性がある場合のみ使う
- 引用・参照元ページのURLを自身のページにに表示する
- 自身のページ内で引用・参照元ページについて記載する
- 自身のページへの誘導目的で使ってはいけない
記事内容と引用・参照元に関連性がある場合のみ使う
トラックバックは、記事内容と引用・参照元に関連性がある場合のみ使うようにしましょう。
本来、引用や参照する行為は、記事内の解説に根拠を示すためのものであるため、全く関連のないページからトラックバックを送信すると、引用元のサイトはトラックバックスパムだと捉えられてしまいます。
引用する記事が、自サイトにとって本当に必要なのかをしっかりと判断した上でトラックバック機能を使いましょう。
引用・参照元ページのURLを自身のページに表示する
トラックバックを送信する場合は、引用・参照元ページのURLを自身のページに設置する必要があります。
引用・参照元ページのURLを設置しなくてもトラックバックの送信は可能ですが、外部サイトに書かれた文章を引用する場合は、どのページから引用したのかが分かる状態にしなければ著作権違反になってしまうからです。
必ず、引用・参照元のページのURLは記載するようにしましょう。
自身のページ内で引用・参照元ページについて記載する
トラックバックを送信する場合は、マナーとして自身のページ内で引用・参照元ページについて記載するようにしましょう。
自身の記事内で参照元の記事に関して直接言及することで、集客目的ではなくお互いの記事に関連性があることを伝えることができます。そうすることで、トラックバックスパムとみなされるリスクを避けることができるでしょう。
自身のページへの誘導目的で使ってはいけない
トラックバックは、自身のページへの誘導目的で使ってはいけません。無関係なトラックバックを送信すると、スパム行為とみなされる恐れがあるからです。
トラックバックを送信し相手側で受信されれば自動的に自身のブログへのリンクが貼られるため、以前は容易に被リンクを獲得できると積極的にトラックバックが使われていましたが、現在では検索エンジンのクロール技術が格段に発達したことで、明らかに検索結果の順位を上げるために要求されたトラックバックは、スパム行為として解釈されるようになっています。
また現在、多くの無料ブログサービスでは、トラックバックスパム機能により自動で張られるリンクに「nofollow」が定義されています。「nofollow」が定義されているため、検索エンジンにはリンクが貼られていると認識されず、SEO効果を高めるリンクを獲得することはできません。
トラックバックを効果的に利用することは、他者のブログに自身のブログのリンクが表示されるため、管理者同士のつながりはもちろん、ほかの読者にもブログへのリンクを辿りコンテンツを読んでもらえるチャンスが増えます。
しかし、関係性のない記事に対してトラックバックを大量に送信したり、アクセスを増やす、検索順位を上げるために無関係なトラックバックを送信したりすれば、検索エンジンにスパムと判定される場合もあるため、このような手法は絶対に避けましょう。
トラックバックに関するよくある質問
トラックバックに関するよくある質問と回答をご紹介します。
トラックバックとピンバックの違いは何?
ピンバックとは、トラックバックを自動的におこなう手法です。トラックバックを送信する側と受信する側がWordpressで作成されたWEBサイトの場合にのみ利用できます。
トラックバックは手動でトラックバックPingを送信する必要がありますが、ピンバックではページにURLを記述するだけでトラックバックPingが送信されます。
トラックバックのSEO効果は?
トラックバックには、検索順位を上げたりGoogleからの評価を高めたりするSEO効果はありません。関連性が低いページから大量にトラックバックを送信すると、検索エンジンからスパム行為とみなされ、サイトの評価を下げる可能性があります。
まとめ
今回は、トラックバックの概要からメリット・デメリット、設定方法、無効化する方法について解説しました。以前はトラックバックを利用するブログ運営者もいましたが、トラックバックスパムが横行したことからトラックバック機能を有効にしているブログはほとんどありません。
引用元のサイトへトラックバックを送信しようと思っても、引用元がトラックバックを無効化していれば送信すらできないということです。また、トラックバック機能を知らずにブログを運営している人であれば、受信したトラックバックを放置したままにするケースも想定されます。
トラックバックは送信する側が一方的に利用できるものではなく、受信する側の承認が必要な機能です。トラックバックは廃れたと言っても過言ではない機能であり、以前のようにSEO効果もないため、現在では利用するメリットも、利用する機会もほとんどありません。
トラックバックを利用できる機会がある場合は、トラックバックスパムだと思われないよう、マナーを守って活用しましょう。
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