シングルドメイン(単一ドメイン)とマルチドメイン(複数ドメイン)のSEO効果を上げるために知っておきたいこと

「シングルドメイン(単一ドメイン)」は1つのドメインで1サイトあるいは複数のサイトを管理、運営することで、「マルチドメイン(複数ドメイン)」は複数のドメインで各サイトを管理、運営することを言います。本記事では、シングルドメインとマルチドメインそれぞれのSEO効果を上げるために知っておきたいことについて解説します。
新たなWEBサイトを作るときは新しいドメインが必要?
これまで運営してきたWEBサイトの他に、商品やサービス、ブランドなどが増えてくると、「新しいWEBサイトを作りたい」「サイトのページを増やしたい」ということを考えます。すでにWEBサイトを運営・管理している場合は、「新しくドメインを取得するべき?」と疑問に思われることでしょう。
新たにWEBサイトを作る場合は、「シングルドメイン」か「マルチドメイン」のどちらかを選ぶことになります。
どの方法を選ぶかによって、WEBサイトのデザインやSEO対策、WEBマーケティング施策の方向性が変わってくるので、それぞれの特徴をしっかり理解することはもちろん、マルチドメインを選んだ場合のメリットやデメリットを押さえることが大切です。
シングルドメインの特徴
シングルドメインは、ひとつの会社で複数のブランドを展開していた場合、一つのドメイン内にそれぞれのブランドのページを作成して管理や運営を行います。その場合、WEBサイトのトップページに対して「サブディレクトリ」を作ることで、同一ドメイン内に複数のページを作成することができます。
マルチドメインの特徴
マルチドメインは、ひとつの会社で複数のブランドを展開していた場合、ブランドごとにドメインを取得して複数のドメインでWEBサイトの管理や運営を行います。その場合は、これまでのドメインとは全く異なる新しいドメインを購入する、あるいはサブドメインを作るという方法で複数のドメインを取得します。
SEO的な観点で見ると、サブドメインのページはトップドメインページとは別物として考えた方がベターです。
WEB上では同一ドメインとして認識されていますが、サブドメインを用いる場合、サイトのテーマやサービス、扱っている商材が違うことが多いので、各ページに同じような対策をしても効果は表れにくい傾向にあります。
マルチドメイン・サブディレクトリ・サブドメインの違い
これら3つはどれもドメインに関連しています。「マルチドメイン」は、先ほどから紹介しているように、複数のドメインとサーバーを使って複数のWEBサイトを管理、運営することです。
一方、「サブディレクトリ」と「サブドメイン」はドメイン・サーバーを複数持つことなく、シングルドメインのもと、複数の商材やサービスをアピールするページ展開をすることができます。
「サブディレクトリ」は、トップドメインの下層にページを増やしていくものです。
トップページと関連しているテーマのページや、同じテーマでも内容をより掘り下げたものにする場合は、この手法を使います。
「サブドメイン」はマルチドメインを作る際の一つの方法で、WEBサイトの用途や目的に合わせて独自ドメインを細かく区分するために設定します。新規でドメインを取得しなくても独立したページを作ることができる方法です。
「サブドメイン」はトップドメインの前に文字列を追加することで、同じドメイン・同じサーバーでありながら、別のドメインのように扱うことができる手法です。「サブディレクトリ」ページと違って、まったく別の商材・サービスを展開したいときには、この手法がとられることが多いです。
結果の上位を独占できる!マルチドメインのメリット
マルチドメインにすると「検索結果を独占できる!」といったことを耳にすることがありますが、それは一体なぜでしょうか。そこで続いては、WEBサイトをマルチドメインで運営した場合のメリットについて解説します。
▼ WEBサイトをマルチドメインで運営した場合のメリット
- 検索結果の上位を自社で独占することができる
- リスクを分散できる
- テーマを統一してビッグキーワードを狙える
■ メリット1.:結果の上位を独占する強力なSEO対策になる
マルチドメインの特徴は、既存のWEBサイトとその他のWEBサイトという複数のサイトを持っていることが特徴です。検索エンジンはドメインそれぞれを評価するため、狙った1つのキーワードに対して既存のWEBサイトとその他のWEBサイトを同時に検索結果に表示させることができます。
検索ユーザーのニーズに応えられる良質なWEBサイトを作り、上位表示させることができれば、ユーザーが他社に取りこぼすことなく、顧客を獲得することが可能です。
■ メリット2.:リスクを分散できる
予期せぬことが原因で、Googleからペナルティを受けてしまう可能性はゼロではありません。そのため、同一ドメインを使用して複数の製品やブランドページを運営している場合は、そのペナルティによる影響がすべてのページに影響してしまう恐れがあります。
一方、マルチドメインの場合は、複数のWEBサイトに対してそれぞれドメインが分かれているため評価が分散されます。この場合、万が一メインサイトがペナルティを受けてしまっても、他のサイトにはその影響が及ばないため「リスクを分散できる」といったメリットが生まれます。
■ メリット3.:テーマを統一してビッグキーワードを狙える
複数の製品やブランドなどを展開している企業ではマルチドメインを作って複数のWEBサイトを運営、管理することが多いのですが、これは製品やブランドごとに「WEBサイトのテーマを統一しやすい」「ビッグキーワードを狙える」といったメリットにつながります。
テーマが統一されていると、その製品やブランドに対してより専門的なサイトを作ることができ、検索ユーザーのニーズに合ったコンテンツを作ることができます。良質なコンテンツを制作していけば、製品やブランド関連のビッグキーワードを狙えるので、サイトの集客効果を最大化することができます。
手間とコストがかかる?マルチドメインのデメリット
続いては、マルチドメインにする場合のデメリットについて解説します。
▼ WEBサイトをマルチドメインで運営した場合のデメリット
- 管理と運用に手間とコストがかかる
- 新しいドメインを一から強化する必要がある
- マルチドメイン対応でないサーバーもある
■ デメリット1.:管理と運用に手間とコストがかかる
1つのドメインを使って複数のサイトを管理、運営するシングルドメインとは違い、複数のドメインを使ってWEBサイトを運営するマルチドメインは「管理と運用に手間とコストがかかる」といったデメリットがあります。
1つのサーバーに複数のドメインを設定することができますが、ドメインを増やすことで別途ドメインごとに「SSL証明書」が必要になるためコストがかかります。そのため、マルチドメインにする際は、あらかじめマルチドメイン対応のSSL証明書を使ったほうがコストを最小限に抑えることができます。
また、マルチドメインにした場合は、ドメインごとにCMSなどのシステムを導入する必要がありコストがかかります。これもSSL証明書同様に、あらかじめ複数のドメインに対応したCMSを導入することでコストを抑えることができます。
■ デメリット2.:新しいドメインを一から強化する必要がある
複数のドメインを新たに取得して製品やブランドごとにWEBサイトを作るマルチドメインは、メインサイトのドメインが獲得した評価が他のドメインに受け継がれないため、「新しいドメインを一から強化する必要」があります。
こういった特徴から、新しく開設したWEBサイトは初めのうちはGoogleからの評価が低く、検索結果に上位表示されるまでには時間がかかります。そのため、複数のドメインでWEBサイトを運営するときは、じっくり時間をかけてSEOに強いサイトを育てていく必要があります。
■ デメリット3.:マルチドメイン対応でないサーバーもある
マルチドメインを作るには、新しいドメインを取得する、サブドメインを使ってドメインを分けるといった2つの方法があります。ただし、レンタルサーバーによっては元々「マルチドメインに対応していない」場合もあることから、そのときはサイトごとにドメインを新たに取得しサーバーを契約する必要があります。
レンタルサーバーによってマルチドメイン対応・未対応といった違いがあるほか、使えるドメインの数も異なることから、将来的にWEBサイトを増やす予定がある際はあらかじめマルチドメイン機能や使えるドメインの数を確認しておきましょう。
ドメインとSEOの関係について
ここまでの解説で、マルチドメインを作成して複数サイトを運営、管理する場合、メリットとデメリットがあることをお分かり頂けたかと思います。
そこで続いては、「サブドメインとサブディレクトリどっちにするべき?」「シングルドメインとマルチドメインの効果を上げるためには?」という疑問に答えるために、ドメインとSEOの関係について紹介します。
既存のサイトにはサブドメインとサブディレクトリどっち?
既存のサイトに対してドメインを増やす場合に、迷われる方が多いのが「サブドメインとサブディレクトリどちらがいいのか」ということです。これら2つのどちらを選ぶかは、WEBサイトの目的や用途によって異なります。
サブドメインとサブディレクトリをSEOの観点から見た場合、Googleでは2つの間に大きな優劣はないと伝えています。しかしながら、一般的には、メインのWEBサイトと全く異なるテーマのもとコンテンツを作成するときは、既存のドメインを分けて独立させる「サブドメイン」を使います。
また、メインのWEBサイトと関連性のあるコンテンツや、さらに詳しい情報を掲載したページを作る場合は「サブディレクトリ」を使うのが一般的です。
シングルドメインの効果を上げるためのポイント
サブディレクトリが直接SEOに影響を与えるわけではないですが、WEBサイトに対して下層ページを増やすことができるため、下層ページで「良質なコンテンツ」を増やしていけば、結果的にドメインの情報量を増やすことにもつながります。
そのため、メインのWEBサイトと関連性のあるコンテンツやテーマが同じページを作る場合は、サブディレクトリを使ってシングルドメインでWEBサイトを管理、運営することをおすすめします。
マルチドメインの効果を上げるためのポイント
別のドメインやサブドメインを使って作られるマルチドメインは、製品やブランドごとにWEBサイトのテーマを統一しやすいというメリットがありますが、これは検索エンジンに対してもWEBサイトのテーマが伝わりやすいといった効果を生みます。
また、「目的や用途ごとにドメインを設ける」ことで、万が一あるWEBサイトがペナルティを受けてしまっても、ドメインが異なるため悪い影響が他のドメインに及ばないことも魅力です。
ドメインを新しくすることで、これまでメインのドメインが受けていた評価を受け継ぐことはできませんが、「検索ニーズに応える良質なコンテンツを地道に増やす」ことで、複数のページで検索上位を独占できるといった状況を生み出すことも期待できます。
まとめ
シングルドメインとマルチドメインには、今回紹介したようにメリットとデメリットになることがそれぞれあります。どちらのドメインを選んだら良いか迷ったときは、「ページやコンテンツを作る目的や用途」を考えて、それに合ったほうを選ぶことが大切です。
どちらを選んでもSEOに直接的な影響を与えることはありませんが、それでもどちらにもSEO効果を上げるためのポイントがありますので、それらの特徴などをよく理解しておくことが大切です。
以上、シングルドメインとマルチドメインそれぞれのSEO効果を上げるために知っておきたいことについてまとめでした。

ぜひ、読んで欲しい記事
- SEO対策被リンクを重要視しているWEB担当者が多数【WEBサイトの被リンクに関する市場調査】2025/04/22
2025/04/22
- SEO対策500エラー(Internal Server Error)の解決方法│原因と特定方法を解説2025/04/17
2025/04/17
- SEO対策地域SEO完全ガイド│地域名キーワードやエリア名で上位表示させる方法2025/04/24
2025/04/24
- SEO対策SEO会社おすすめ32選!選び方と比較のポイントをプロが徹底解説2025/04/11
2025/04/11
- SEO対策生成AIが台頭する今、SEO担当者に求められる新スキル~戦略立案からLLMOまで徹底解説2025/04/11
2025/04/11
- SEO対策重複コンテンツとは?│SEOペナルティになるケース・対策方法・調べ方を解説2025/04/01
2025/04/01