【SEOイベント報告】Marketing Analytics Summit 2019

本記事は2019/10/16,10/17にロンドンで開催された「marketing analytics summit 2019」のイベント参加レポートです。全部で8セッション構成のイベントで、マーケティングや解析のプロであるプレゼンテーター達から様々な情報が発信されました。全8セッションのアジェンダをご紹介します。
マーケティングにおけるAI
【Marketing Analytics Summit 2019】第1セッションは、「マーケティングにおけるAI」というテーマで、このサミットの主催者でもあるJim Sterne氏からプレゼンテーションがありました。マーケティングにおけるAIを考えるにあたり、どのようなことに留意すべきであるかを解説していました。
全部で6項目解説していたので、以下1つずつ紹介していきます。
組織内での自分の役割について考える

Jim Sterne氏は「一言にマーケティング活動と言っても、様々な役割・ポジションがあります。まず自分自身がマーケティングの中でどのような役割を担うことに適しているかを考え、そこで必要なAIについて考えていくことが重要です。」と述べていました。
具体的には、
- 判断を下す経営者
- 解析と経営プロダクトに詳しいアナリスト
- システムを構築するデータエンジニア
などです。
様々なポジションがあるので自分がどういったポジションでマーケティング活動に参画していくかをまず明確に持ちましょう。

上記スライドのように、それぞれのポジションがお互いに密に関係しており、自身がどこを担っているのかを明確に認識することにより、「どういったマーケティング活動をすべきか」「どのようなAIツールを使用すべきか」などを考えやすくなるとJim Sterne氏は述べていました。
AIツール選び

先程の「自身の役割」を明確にしたら、マーケティング活動に有効なAIツールを使用していきましょうとJim Sterne氏は述べていました。
また、過去を振り返ってソフトウェアの進化についても触れており、これからはマーケティングの世界でどんどんAIのツールが使われるようになってくるとも述べていました。

データについて理解する

マーケティング活動について大切な要素の一つがデータです。
データをきちんと扱えるかどうかはAIツールを使用するマーケティング活動において大切なことで、何に対してどのようなデータを集めて使用していくかを考えていくプロセスは重要なことであると、Jim Sterne氏は強調していました。
マーケター能力の拡張

次に出た話は、マーケターの能力拡張についてでした。
マーケティング活動において様々なツール・ソフトウェアを使用していくと思います。学習機能があるソフトでもそうでないものでもうまく活用し、自身のマーケティング活用に役立てていきましょうとJim Sterne氏は述べていました。

これからはどんどんAIが台頭してきますが、これらをしっかりと操ることができればより能力の高いマーケターとなり、マーケターとしてのレベルアップができると強調していました。
これまでにないブランド

5つ目の項目として、会話型AIの台頭について解説していました。
マーケティングの領域に、これまでなかった会話型AIが登場してくるので、マーケターはしっかりとリサーチしておくことをおすすめしていました。セッションの中ではSTAPLESというメーカーの会話型AIが紹介されていて、非常に印象的でした。
会話型AIは、今後の生活に間違いなく大きな影響を与えてくるものだと思いました。
M2Mマーケティング

最後の項目は、M2M(マシーンtoマシーン)マーケティングについてでした。
様々なツールが世の中に出回る中で、マーケティングデータを集めるために、AIを活用してデータを集めてくるようになるという話でした。例えば、インターネットショッピングではお店のHPやSNSなど様々なルートで集客・購入が発生しています。
こうした購入データやルートをAIによって整理・管理していくことで、マーケターが状況を把握しやすくなるとJim Sterne氏は述べていました。
ルートなどがより複雑化してくる未来においては、AIの解析なしではマーケティングが困難になってくるかもしれません。
SEM Plus編集部からのコメント
今回はマーケティングにおけるAIということで、マーケティング活動とAIに関する概略について知ることができたセッションでした。これからより複雑になることが予想されるマーケティングの分野で、どのようにAIを活用していくべきかを改めて考えさせられました。
アナリストの養成と連携
【Marketing Analytics Summit 2019】第2セッションは、「アナリストの養成と連携」というテーマで、Vodafone GroupのSearch Product OwnerであるNick Wilsdon氏からプレゼンテーションがありました。Nick Wilsdon氏が現在取り組んでいるアナリストの養成や連携について説明していました。
マーケティングアナリストの養成と連携

Nick Wilsdon氏は現在グーグルデータスタジオを使用し、国を越えたマーケティングアナリストの連携と養成を目的としたグループの構築をしています。
昨今、WEBマーケティングのフィールドが多岐にわたり、より複雑化していく中で、多くのアナリストと連携(チームとして動く)し、お互いに各専門分野でフォローし合いながらWEB解析ができる仕組みづくりを目指しているようです。
この取り組みは国境を越えて各国のアナリストたちと連携して行う仕組みで、お互いにチームとして動くことにより、各個人のアナリストとしての能力向上・アナリスト養成の意味もあるようです。
アナリストによる解析連携

Nick Wilsdon氏はアナリストたちの連携の例として、各アナリストの解析タスクの分担例について紹介していました。特定のサイトを解析する時に、解析項目を各アナリストに振って分担していきます。
【解析分担例】
アナリストA | SEOキーワードカニバリゼーションの調査 |
アナリストB | AMPのURLパフォーマンスについての調査 |
アナリストC | XMLサイトマップのクロールエラーについての調査 |
等々。
このように各アナリストがWEBマーケティングやSEO解析の内容を分担し合い、WEBサイトの改善点を集めていくという仕組みです。
▼ こちらは「SEOキーワードカニバリゼーションの調査」の例です。

WEB解析のフレームワーク

Nick Wilsdon氏は、今回紹介していたグローバルな解析チームにおける行動のフレームワークについても説明していました。
解析の流れを、「パフォーマンス」「プランニング」「コントロール」「アクション」の4つのセクションに分けて、全体の流れを共有・把握できるようにしているそうです。
各セクションでアナリストにタスクを割り振り、解析を進めていきます。
WEB解析データの収集方法

WEBサイトの解析分担や解析進行フレームワークの次は、各アナリストから収集したデータのまとめ方について説明していました。現在WEBマーケティンングの界隈では様々な解析ツールが出てきており、仕様や解析内容も様々です。
Nick Wilsdon氏は、これら各ツールで抽出したデータをまとめるためにGoogleデータスタジオの使用を勧めていました。
【Googleデータスタジオとは】
アナリティクス・サーチコンソール・アドワーズ、その他様々なデータソースからデータを集め、まとめることができるツールです。

上記画像のようなイメージでデータの管理をしていくことにより、様々なデータを管理、共有しやすくなるとNick Wilsdon氏は述べていました。
アナリスト連携フレームワークの拡張

最後に、アナリスト連携フレームワークの拡張について説明していました。
今回紹介されていた各アナリストたちによる連携のフレームワークをより管理しやすく、連携しやすい取り組みを進めているとNick Wilsdon氏は述べていました。
具体的には、競合調査専用のプラットフォーム開発や、各解析内容のレポートをストックし、いつ誰でも参照できるようなプラットフォームの構築なども進めているそうです。
近いうちに、アナリストたちの専用コミュニティ形成なども進めていきたいと述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
アナリストの養成と連携ということで、解析処理の新たなフレームワークについて知ることができたセッションでした。複雑化してくるWEBマーケティングと解析分野における国境を越えた新たな取り組みなので、今後もこの動向に注目していきたいと思います。
Googleアナリティクスと不良データ
【Marketing Analytics Summit 2019】第3セッションは、「Googleアナリティクスと不良データ」というテーマで、Verified-Data.comのBrian Clifton氏からプレゼンテーションがありました。Brian Clifton氏自身の経験をもとにした「解析と不良データ」について説明がありました。
データの信頼性

昨今、多くのWEBサイトがGoogleアナリティクスなどの解析ツールを使用し、サイトのデータ収集を行っていますが、それらのデータは信用できるものでしょうか?という問いから第3セッションはスタートしました。
取集したデータは100%完全なものでないことは多々あり、いくつか原因がありますとBrian Clifton氏は述べていました。
例えば、WEBサイトの内容が変化したり、他者のPC操作設定などによったりで、収集している情報が100%正しい情報であるとは言えないことがあるそうです。
Brian Clifton氏の体験によると、2008年にGoogleを退職した後、WEB解析のコンサルティングをしていた頃に、WEBサイト解析結果と改善案をもってコンサルする際に、「そのデータは信じられない」「そんなことはないはずだ」と提案を突き返されたことがあるそうです。
事業者の視点からすると、明らかにおかしなデータであると分かったりすることが多かったそうです。
良質なデータか判断する

そこでBrian Clifton氏は、「どうすれば良質なデータを取集することができるか」を考え、verified-data.comというサービスを始めるに至ったそうです。このサービスでは良質なデータの見極めをするための解析を行い、より良いデータ判断ができるように設計されています。
また、Brian Clifton氏は実験として検証した75のWEBサイトのデータの信頼度を計測したものを解説していました。結果、多くのサイトにおいて不良データを基に解析がされている状況があったとBrian Clifton氏は述べていました。
不良データの原因

「不良データが取得されている原因は様々でいろいろなパターンがある」とBrian Clifton氏は述べており、よくあるデータ取得ミスの例として重複トランザクションなどを挙げていました。
現状、WEBサイトに関連する様々な要因から不良データを避けることは極めて困難なことであるとBrian Clifton氏は強調しており、本当に正確で良質なデータを得ることは今のところ厳しいと述べていました。
計測ツールの確認

今のところ、100%クリアな解析データが確立できないため、今後は「データ解析+データの信頼性確認」をセットで行っていくことをBrian Clifton氏は勧めていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回はGoogleアナリティクスと不良データということで、普段見ているデータに対する信頼度や不良データの原因について学ぶことができたセッションでした。アナリティクスのデータ解析のみでなく、その信頼度のチェックの重要性を認識し、今後のWEB解析の際に活かしていきたいと感じました。
ファイヤーサイドチャット
【Marketing Analytics Summit 2019】第4セッションは、「ファイアーサイドチャット(炉辺談話)」ということで、このサミットの主催であるJim Sterne氏と8-bit-sheepのSimo Ahava氏によるトークセッションでした。
セッション冒頭では、Jim Sterne氏とSimo Ahava氏が10分程お互いにデジタルマーケティングに関する質問をし、以降は参加者たちからの質問を受け付ける時間でした。
このセッションは、「ファイアーサイドチャット」という題名が付けられていましたが、ファイアーサイドチャットとは「暖炉の近くで話す会話」という意味で、落ち着いた雰囲気で何でも自由に話すというニュアンスがあります。
今回のセッションはこのテーマに沿ってスライドで暖炉の動画を流し、ゆったりと好きなことを質疑応答していく空間でした。
大きなセミナー会場などではあまりないことなので新鮮な雰囲気でした。
解析者のタスクマネジメント
【Marketing Analytics Summit 2019】第5セッションは、「解析者の業務効率化」というテーマでOWOXのMariia Bocheva氏からプレゼンテーションがありました。WEBマーケティングの世界でよく問題として取り上げられている、解析者自身のタスクマネジメントに焦点を当てて解決策を提案していました。
解析者のタイムマネジメントに関する問題

プレゼンテーションの冒頭では、現状の解析者のタスク処理の問題について触れていました。
現状、WEBマーケティング業界の解析者のタスク処理において以下のような問題が挙げられています。
- タスクの非効率的な配分
- 新入社員を指導する時間がない
- 経験豊富なアナリストが研究開発やスキル向上のための十分な時間がない
- 特定の従業員がどのタスクにどのくらいの時間を費やしているのか分からない
etc...
上の写真の例にあるように、円グラフにしてタスク状況を落とし込んでみると、非効率なタスク処理状況になっている組織は少なくないとMariia Bocheva氏は述べていました。

円グラフなどで現状分析を行い、数値で自分たちのタスク処理の状況を知ることによって、非効率な部分や改善できる部分が見つかることが多いので、数値やデータに落とし込んだ「タスクの見える化」を勧めていました。
理想のタスクマネジメントを考える

現状把握ができたら、次は「理想のタスクマネジメント」について考えていきます。
自身のタスク処理とそのスケジュールについて再考し、どういった配分で動いて行けば組織がバランスよく動いていくか、又は業務効率化されていくかを考え、それを組織で共有していきます。
タスクの現状分析をしていく過程で、誰がどういったタスクをどれくらいの時間を割いて取り掛かっているか、が見えてくるので、そこを基準にバランスよくいくようにタスクの分配を考えていきます。
タスクマネジメントの例

プレゼンテーションの中で、実際にMariia Bocheva氏が以前行ったタスクマネジメントの例を紹介していました。
まず、上の画像のように研究開発、教育、記事作成やプレゼンテーションなど、タスク項目を羅列していきます。

そして、各タスクを処理するためにかかる時間を「最大」「最小」「平均」で割り出していきます。

また、各タスクをそれぞれどのくらい抱えているかも日や月単位などで数値化して出していきます。
このように数値化してまとめていくことで、理想のタスクマネジメントに近づける方法を考えやすくなったとMariia Bocheva氏は述べていました。
また、細かい点になりますが、可能な範囲で業務のマニュアル化推進も大切であるとも述べていました。例えば、解析レポートも何の項目をどの順で、どのようにまとめていけば良いかをマニュアル化し、レポート構成等に余分な時間を割かないようにして業務効率化を図る等です。
ツールでタスク管理をスムーズにする

前半の現状把握の話に戻りますが、Mariia Bocheva氏はツールを使用してタスクを解析することにより、タスク整理のみでなく社内リソースの分配や全体把握にも役立つと述べていました。
以降、Mariia Bocheva氏が所属するOWOXのタスクマネジメントツールについて紹介されていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は、「解析者のタスクマネジメント」ということで、多忙な解析者のタスクをどのように管理・調整していくかを学べるセッションでした。
WEBマーケティングの業界において、タスクの見える化や効率化・整理はどの組織にもある課題であると思います。弊社でも改めて解析者のタスク管理をしっかりと進めていきたいと感じました。
解析のノウハウ
【Marketing Analytics Summit 2019】第6セッションは、「解析のノウハウ」というテーマでAccelerate AgencyのPhil Pearce氏からプレゼンテーションがありました。Phil Pearce氏が20年間のWEB解析のキャリアの中で見つけたノウハウを紹介していました。
Googleアナリティクスでの解析

Phil Pearce氏は、WEB解析におけるTipsということで大きく4つの内容をプレゼンしていました。
1つ目は、「Googleアナリティクス」についての内容で、解析すると役に立つおすすめの解析内容の例をいくつか紹介していました。
例えば、ランディングページの直帰率から解析していく方法や収益貢献が高いページの解析など、Googleアナリティクスでできることをいくつか紹介していました。

上記写真のようにいくつか解析例を紹介していました。
Googleアナリティクスの計算指標

2つ目は、「Googleアナリティクスの計算指標」ということで、Googleアナリティクスの計算指標機能について触れていました。
計算指標は、2015年にGA内に追加された機能で、GA内の指標を組み合わせた計算式を作り、カスタムレポートでその計算結果を表示できる機能のことです。
機能搭載までは各指標を組み合わせて自分で算出する必要がありましたが、この計算指標機能が追加されたことで、レポート作成までスピーディーにできるようになりました。

あまり使ったことがなかったり、知らなかったりする人も多いらしく、「レポート作成に苦しんでいる人にはおすすめです。」と述べていました。
Googleタグマネージャーのテンプレート

3つ目は、「Googleタグマネージャーのテンプレート」についてでした。
Googleタグマネージャーとは、複数のタグを一元管理できるツールのことで、アナリティクスやGoogle広告で使用するタグなどをまとめて管理できます。
Phil Pearce氏は、「Googleタグマネージャーのテンプレートを使用することでタグ管理を容易にさせ、タグに関わる作業時間を短縮できるので、多くのサイトやタグを運用している人には特におすすめです」と述べていました。
screamingfrogとアナリティクス

4つ目は、「screamingfrogとアナリティクス」ということで、screamingfrogというツールでアナリティクスの設定確認をする方法などについて述べていました。
screamingfrogは、WEBサイトの解析をできるツール(有料版・無料版両方有り)でSEO業界の中では広く知られているツールの一つです。
今回は、screamingfrogでGoogleアナリティクスのタグが抜けているページがないか調べる方法などを紹介していました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は「解析のノウハウ」ということで、アナリティクスに関連する様々な解析ノウハウを学ぶことができたセッションでした。Googleアナリティクス回りの作業は、レポート方法や管理方法などを工夫することによって、より管理業務効率を上げることができると感じました。
Googleアナリティクスに関するTips
第7セッションは、「Googleアナリティクスに関するTips」というテーマでOptimal Visit CEOのCraig Sullivan氏からプレゼンテーションがありました。Craig Sullivan氏自身が様々なクライアントのサイト解析の過程で気づいたことやアドバイスできることを包括的に紹介していました。
アナリティクスの管理と運営

プレゼンテーション冒頭では、「アナリティクスの管理と運営」についての話がありました。
アナリティクスの初期設定や途中経過の段階での設定、確認のチェックリストをしっかりと設けて運営するようにしましょうとCraig Sullivan氏は述べていました。
Craig Sullivan氏は過去の解析経験で、「Googleアナリティクスを問題なく設定ができていて、運営や計測も問題ないクライアントはほとんど見たことがなく、ほとんどのクライアントが何かしらの問題を抱えていた」と述べていました。

特に、アナリティクスの設定で押さえておくべきポイントはしっかりと押さえておかないと、しっかりとした計測ができないことが多いので注意した方が良いとも述べていました。
アナリティクスの設定管理

Craig Sullivan氏は、Googleアナリティクスの設定変更に関する早期警報についても述べていました。
何か計測に異常が起きた時などに早期に対処できるようにしておくことをおすすめしていました。

早期対応の方法として、「Googleアナリティクスのアラート」「Googleデータスタジオのダッシュボード」などの活用をおすすめしていました。
アナリティクスの設定と取得データ

Craig Sullivan氏は、アナリティクスの設定ミスと取得データの精査についても触れていました。
よく設定ミスが起きる例として、「キャンペーントラッキング設定」「チャンネルやコンテンツグループの設定」などを挙げていました。
また、自分たちが欲しいデータを得るためにそれに沿った調整がされているか、データにボットやスパムのデータが混じっていないかなども検証する必要があることを強調していました。
解析チーム育成と投資

プレゼンテーションの最後で、Craig Sullivan氏は解析チームの育成と解析への投資について述べていました。
Googleアナリティクスで何ができるのかを知るところから始めて、様々なデータを活用できるようにし、それに投資して、より良い解析をできるようにしましょうと述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は「Googleアナリティクスに関するTips」ということで、主にアナリティクスの設定について学ぶことができたセッションでした。Googleアナリティクスでは設定について様々必要な注意点がありますので、運用担当者は気をつけなければならないことがたくさんあると改めて感じたセッションでした。
中国におけるデジタルアナリティクス
【Marketing Analytics Summit 2019】最終の第8セッションは、「中国におけるデジタルアナリティクス」というテーマで、QuminのArnold Ma氏からプレゼンテーションがありました。
- 「BAIDU」
- 「WEIBO」
- 「WECHAT」
の3つをメインに、現在の中国におけるデジタルアナリティクスについて解説していました。
BAIDUについて

まず、BAIDUについてですが「Baidu Tongji」というツールについて説明がありました。
「Baidu Tongji」は、中国最大の検索エンジン「Baidu」が提供している解析ツールのことで、「Baidu Analytics」とも呼ばれています。Googleのアナリティクスのようなものです。
▼ Arnold Ma氏は、「Baidu Analytics」と「Google Analytics」の類似点と相違点について紹介していました。
- 類似点の例:WEBぺージに入れるスクリプトの生成・トラッキングなど
- 相違点の例:SEOの特徴・よりローカライズされたデータなど
WEIBOについて

「Baidu Analytics」の後は、WEIBOについて述べていました。
WEIBOは中国のSNSの一つで、Twitterと似ています。このWEIBOにも専用の解析ツール「WEIBO Analytics」があり、オーガニック検索や広告のパフォーマンス等を測定できるようになっています。

様々な要素を計測・解析できるツールですが、今のところ中国語のみのインターフェイスである点など、より良くできることがまだいくつかあるそうです。
WECHATについて

3つ目に、WECHATについての説明がありました。
WECHATは中国で最大級のユーザー数を誇るSNS・メッセージアプリです。イメージは日本でのLINEのようなものになります。
WECHATにも専用の解析ツール「WECHAT Analytics」があり、WEIBO同様にオーガニック検索や広告のパフォーマンス等を測定できるようになっています。
ユーザー数などかなり規模の大きいものであることから、このWECHATに関するマーケティングは現在の中国でかなり重要なことであるとArnold Ma氏は強調していました。

Arnold Ma氏によれば、毎日かなりの人がWECHATを使っているそうです。
WECHATは単なるメッセージアプリでなく、様々なデータのやりとり等を媒介している巨大なプラットフォームなので、解析やマーケティングの重要性がかなり高いようです。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は、「中国におけるデジタルアナリティクス」ということで、中国におけるデジタルプラットフォームやSNS事情などの概要を理解できるセッションでした。
日本ではGoogleアナリティクスを使用している人がほとんどであるかと思いますが、中国でのマーケティングでは必須の情報であると感じました。
SEM Plus編集部からのコメント(Marketing Analytics Summit 2019総括)
Marketing Analytics Summit 2019は、rising media(欧米でビジネスマン向けのテクノロジーイベントを開催している会社)がプロデュースしているイベントで、イギリス・ロンドンのロンドンウォールとロンドン博物館の近くにあるetc.venues St Paul’sというカンファレンス会場で開催されました。
Marketing Analytics Summit 2019は50人~100人程が入る広さの部屋が複数あり、200~300人は入る大きさの会場でした。
マーケティングに関わっている方々と交流もでき、非常に有意義なイベントでした。
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