| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クライアント名 | オリジナルTシャツ制作 S社様 |
| サイト名 | オリジナルプリント 自社ECサイト |
| 業種 | 物販・小売 |
| 事業内容 | イベント・ユニフォーム用のオリジナルTシャツ、ポロシャツ、パーカーなどの制作・販売 |
| 主な課題 | メインサイトの順位が安定せず、ビッグキーワードと関連するロングテールキーワードの流入が伸び悩んでいた |
| 支援内容 | 不要コラムの整理、トップページ改善、重複URLの正規化、商品・用途別ページの強化、複数サイトの役割整理、外部評価の改善 |
S社様は、イベント、学校行事、スポーツチーム、店舗ユニフォームなどに使用するオリジナルTシャツやグッズの制作・販売を行う企業です。
自社工場によるプリント加工に対応し、Tシャツだけでなく、ポロシャツ、パーカー、ドライウェア、バッグ、タオル、キャップなど幅広い商品を取り扱っています。
また、商品数が多いだけでなく、カラーやサイズの選択肢も豊富です。現在のTシャツカテゴリには200点を超える商品が掲載され、商品によっては50色以上、10サイズ以上から選べる構成になっています。
Web集客には以前から積極的に投資しており、リスティング広告とSEOを並行して実施していました。一方、複数のWebサイトを運営していたため、サイトごとの役割や対策キーワードが曖昧になり、メインサイトの検索順位も安定しなくなっていました。
そこで当社では、競合サイトとの差分を調査したうえで、内部対策、コンテンツ改善、外部評価の強化を同時に実施。メインサイトと新規サイトの役割も整理し、継続的に検索流入を獲得できるように施策を行いました。
成果
| 指標 | 施策前 | 施策後 |
|---|---|---|
| 「オリジナルTシャツ」の検索順位 | 16位 | 4位 |
| 「オリジナルTシャツ 格安」の検索順位 | 21位 | 3位 |
| 「クラスTシャツ」の検索順位 | 18位 | 5位 |
| 10位以内の関連キーワード数 | 124キーワード | 486キーワード |
| 月間自然検索流入数 | 約34,000件 | 約71,000件 |
| 自然検索経由の月間見積もり依頼数 | 172件 | 348件 |
メインキーワードの「オリジナルTシャツ」は16位から4位、「オリジナルTシャツ 格安」は21位から3位まで上昇しました。
また、商品種別、用途、素材、プリント方法などに関連するページを改善したことで、10位以内に表示される関連キーワードは124から486へ増加しました。
ビッグキーワードだけでなく、「ドライTシャツ オリジナル」「飲食店 ユニフォーム プリント」「オリジナルTシャツ 少量」など、注文内容が具体化した検索からも安定して流入を獲得できるようになっています。
支援前の課題
S社様は、Webサイトを2つ運営し、リスティング広告とSEOへ数百万円規模の投資を行っていました。
メインサイトでは、ビッグキーワードで上位表示できないことに加え、以前は流入を獲得していたロングテールキーワードの順位も下落していました。
当時のSEO会社では外部対策を中心に進めていましたが、施策内容はSEO用に作られたサイトから数本のリンクを設置する程度で、競合サイトとの外部評価の差を継続的に埋められるものではありませんでした。
また、サイト内部にも以下の問題がありました。
問題① 重複ページ
商品ごとに多数のカラーサンプルページが存在していましたが、正規URLを示すcanonicalが適切に設定されておらず、似た内容のページが大量に発生していました。
その結果、検索エンジンが評価すべきURLを判断しにくくなり、クロールや検索評価が分散する状態でした。
問題② 各ページの情報量不足
商品ページは豊富に存在する一方、ユーザーが商品を選ぶために必要な情報がページによって不足していました。
競合サイトと比べると、商品一覧や価格だけでなく、用途、素材、厚み、サイズ、プリント方法、納期、注文枚数など、購入判断を支援する情報に差がありました。
提案・実施内容
1.カラー・サイズ違いで発生していた重複ページを整理
最初に、商品ページ、カラーサンプルページ、検索結果ページなど、インデックス対象になっているURLを調査しました。
同じTシャツの商品に対して、色ごとのサンプルページが個別URLで大量に生成されていましたが、本文や商品情報の大部分は共通していました。
そこで、検索流入を獲得すべき商品ページを正規URLとして定め、カラー確認用のページにはcanonicalを設定しました。
あわせて、検索結果への表示が不要な絞り込みページやパラメータURLを整理し、XMLサイトマップや内部リンクも正規URLへ統一しました。
2.「オリジナルTシャツ」で評価されるトップページを強化
検索結果を見ると、主要キーワードである「オリジナルTシャツ」は、商品一覧ページやコラムではなく、競合他社はトップページが検索結果に表示されています。
そのため、クライアントもトップページを表示させるべきですが、当時のトップページは商品一覧や見積もりへの導線が中心で、
初めてオリジナルTシャツを作るユーザーが知りたい情報が十分に掲載されていませんでした。
そこで、トップページを単なる入口ではなく、商品選びから注文までを理解できる総合案内ページへ見直しました。
具体的には、次のような情報を追加しています。
・シルクスクリーンやインクジェットなど、プリント手法の違い
・用途や注文枚数に応じたプリント方法の選び方
・人気商品や売れ筋Tシャツのランキング
・実際に注文したお客様の声
・サイズ、生地、カラーを選ぶ際の注意点
・デザインデータや印刷位置に関するよくある失敗
・納期や注文枚数に応じた注意点
・商品カテゴリ、制作実績、料金、見積もりページへの導線
「どの商品を選べばよいか」「プリント方法によって何が違うのか」「注文時に失敗しないためには何を確認すべきか」までトップページ内で理解できるようにしました。
3.注文前の不安を解消する情報と導線を強化
オリジナルTシャツを初めて注文するユーザーは、商品だけでなく、料金、プリント方法、デザインデータの作り方、納期、最低注文枚数など、さまざまな情報を確認します。
そこで、商品・カテゴリページから、自動見積もり、プリント価格表、デザインシミュレーター、サイズや透け感、納期、注文方法などの関連ページへ移動できるよう、内部リンクを整理しました。
商品を選ぶ段階から、見積もり・注文まで迷わず進める導線を構築しています。
また、S社様が保有するチームウェア、イベントTシャツ、店舗ユニフォーム、バッグ、キャップなどの豊富な制作実績も活用しました。
実績写真を掲載するだけでなく、使用した商品、プリント方法。注文枚数。使用目的。デザインや加工時の工夫、関連する商品・料金ページ追加。
関連する商品・カテゴリページや見積もりページへ内部リンクを設置し、完成イメージを確認したユーザーが、そのまま商品選びや注文へ進める構成へ改善しました。
4.商品カテゴリを「商品を選ぶためのページ」へ改善
競合サイトとの差分を調査すると、上位サイトは商品数が多いだけでなく、ユーザーが条件を比較しやすいカテゴリページを用意していました。
そこで、Tシャツ、ポロシャツ、ドライウェア、パーカーなどのカテゴリページに、次の情報を追加しました。
・人気商品と選ばれている理由
・素材や生地の厚さによる違い
・カラー・サイズ展開
・スポーツ、イベント、ユニフォームなどの用途
・価格帯や注文枚数の目安
・商品を比較する際のポイント
商品名を決めていないユーザーでも、用途や予算、着用シーンから自分に合う商品を選べるページへ改善しています。
成果につながった理由
成果につながった最大の理由は、検索順位だけを目的にページを増やすのではなく、オリジナルTシャツを注文するユーザーが、どこで困り、何に迷うのかを徹底的に整理したことです。
初めて注文するユーザーは、商品数が多いほど選びやすくなるとは限りません。生地の厚さや素材、プリント方法、価格、納期、最低注文枚数など、比較すべき項目が多く、どの商品や加工方法を選べばよいか判断できないケースもあります。
そこで、「商品を選ぶ」「完成イメージを確認する」「料金や納期を確認する」「見積もりを依頼する」という流れをサイト内で迷わず進めるようにしたことで、
検索流入の増加だけでなく、見積もりや注文につながりやすいサイト構造を実現できました。
その結果、検索エンジンにも評価されてSEOの順位が上がったと思います。
導入経緯
S社様は、以前から別のSEO会社へ対策を依頼していましたが、主要キーワードの順位が安定せず、最近では具体的な改善提案も行われていない状態でした。
そこでSEO会社を改めて探す中で、当社が公開していたオリジナルTシャツ制作会社のSEO事例をご覧になり、
「同じ業界のサイトを支援した実績があるなら、一度相談してみたい」とお問い合わせいただきました。
初回の打ち合わせで、これまでの施策でなぜ成果が出なかったのか、どこを改善すれば継続的な順位上昇が期待できるのかを具体的にご説明したことで、
信頼していただきご依頼いただくことになりました。
ご責任者様も、同じ部分が良くないと考えていたみたいで、初回の打ち合わせから弊社のご提案にご納得して頂けました。
お客様インタビュー
――最初の打ち合わせで、最も意外だった提案は何でしたか?
S社様:コラムを止める提案です。
当時は、記事を増やすほどSEOに良いと思っていたので、バンドTシャツを作る方に興味を持ってもらえるよう、バンドの歴史などを紹介するコラムをかなり作っていました。
ところが、サイトを見てもらった際に「このコラムの多くは、オリジナルTシャツを作りたい方ではなく、バンドについて調べたい方を集めています」と指摘されました。
さらに、ほとんどの記事をnoindexにした方がよいと言われたので、最初はかなり悩みましたね。
――これまで作ってきた記事を検索結果から外すことに、抵抗はありませんでしたか?
S社様:ありました。制作費も時間もかけていましたし、アクセスが発生している記事もありましたから。
「せっかく作ったものを、本当に検索結果から外してよいのか」と社内でも意見が分かれました。
ただ、記事ごとの流入後の動きを見せてもらうと、バンドの歴史を読んだ方は、商品ページや見積もりページへほとんど移動していませんでした。
アクセス数だけを見ると成果が出ているように見えても、注文につながるユーザーではなかったんです。
――最終的にnoindexを決断できた理由は何だったのでしょうか?
S社様:ただ「不要なので消しましょう」と言われたわけではなかったことです。
残す記事、内容を修正する記事、検索結果から外す記事を一つずつ整理し、その理由まで説明してもらいました。
オリジナルTシャツの作り方やプリント方法、商品選びに関する記事は残し、サービスとの関連性が低い記事だけを整理する方針だったので、納得できました。
実際に整理した後は、サイト全体で何を専門に扱っているのかが分かりやすくなったと思います。
――トップページの改善については、どのような提案がありましたか?
S社様:それまでは、トップページは商品一覧や見積もりページへ案内する入口だと考えていました。
しかし、「オリジナルTシャツ」で検索したときに評価されるのはトップページなので、ここでユーザーの疑問に答えられなければ上位表示も注文も難しいと説明されました。
そこで、プリント手法の違い、人気商品のランキング、お客様の声、注文時によくある失敗などを追加しました。
SEOのために文章を増やすというより、初めて注文する方が知りたい内容をトップページに集めるという考え方でした。
――特に反響があった内容はありますか?
S社様:「よくある失敗」の部分です。
サイズ感を確認せずに注文してしまったり、細かすぎるデザインがきれいに印刷できなかったり、納期直前に注文して選択肢が限られたりと、当社ではよくある相談でした。
以前は問い合わせを受けてから説明していましたが、あらかじめサイトに掲載することで、注文前に確認してもらえるようになりました。
問い合わせの数だけでなく、内容も具体的になった印象があります。
――SEO以外の相談もされているそうですね。
S社様:はい。そこは他のSEO会社との大きな違いだと感じています。
当社の場合、サイトだけを直しても、見積もりや商品登録、在庫、受注管理などの基幹システムとつながらなければ、実際の運用が回りません。
SEOの改善案を出してもらっても、システム上できないことや、対応すると社内作業が増えすぎることがあります。
オルグローさんには、検索順位だけでなく、基幹システムを含めてどのような構成にすれば運用しやすいかも相談しています。
――具体的には、どのような相談をしたのでしょうか?
S社様:商品情報の持たせ方や、カラー・サイズ違いのページをどのように生成するか、見積もり機能と商品ページをどう連動させるか、といった内容です。
SEOだけを考えれば理想的でも、商品登録のたびに手作業が増える仕組みでは続きません。
そのため、「検索エンジンに評価されること」と「社内で無理なく更新できること」の両方を見ながら相談しました。
商品を追加すると関連ページや見積もりにも反映される仕組みを一緒に考えてもらえたのは助かりました。
――以前のSEO会社との違いを感じたのは、どのような部分ですか?
S社様:以前は、順位や被リンクの報告が中心でした。
順位が下がっても、「様子を見ましょう」「記事を増やしましょう」という話が多く、サイトや事業の仕組みまで踏み込んだ提案はほとんどありませんでした。
今回は、不要な記事を減らす、トップページを作り直す、商品ページの重複を整理する、基幹システムも見直すなど、当初想像していたSEOより広い提案でした。
最初は「そこまで変えるのか」と思いましたが、部分的な施策ではなく、成果が続く状態を作るために必要なことだったと感じています。
――取り組みを通じて、SEOに対する考え方は変わりましたか?
S社様:変わりましたね。
以前は、記事数や被リンク数を増やせば順位が上がると思っていました。
今は、ユーザーが商品を選びやすいか、必要な情報へ迷わず進めるか、社内で継続して更新できるかまで含めてSEOだと考えています。
コラムを止める提案は最初こそ不安でしたが、「増やすこと」より「必要なものへ絞ること」が重要な場合もあると分かりました。
SEOだけでなく、サイトと業務全体を見ながら相談できる点が、長く依頼を続けている理由の一つです。