| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クライアント名 | 引越し・物流 I社様 |
| 事業内容 | 単身引越し、荷物の運搬、不用品の買取・処分、清掃 |
| 対応エリア | 広島市を中心とした中国・四国エリア、県外への引越し |
| 主な課題 | 競争性の高い「引越し+地域名」で順位が伸びず、次に実施すべき施策を特定できていなかった |
| 支援内容 | 競合調査、キーワード戦略の再設計、単身引越しページの強化、地域・ニーズ別ページの整備、引越し事例コンテンツの活用 |
I社様は、広島を中心に引越し、荷物の運搬、不用品の買取・処分、清掃などを行う地域密着型の事業者です。
引越し事業では、軽トラックを活用した単身者向けのサービスを中心に展開。安さだけを売りにするのではなく、見積もりから当日の作業まで同じスタッフが担当することや、急な引越しにも柔軟に対応できることを強みとしていました。現在のサイトでも「単身引越し専門」を明確に掲げ、料金、荷物量の目安、作業時間、補償、見積もり方法まで詳しく案内しています。
一方、SEOでは「引越し+地域名」などの競争性が高いキーワードを中心に対策していましたが、検索結果の2〜3ページ目から抜け出せず、大手引越し会社だけでなく地域の競合にも差をつけられていました。
そこで当社では、大手と同じ総合引越し会社として競うのではなく、I社様が実際に強みを持つ「単身引越し」に軸を絞ってSEO戦略を再設計しました。
成果
| 指標 | 施策前 | 施策後 |
|---|---|---|
| 「広島 単身引越し」の検索順位 | 23位 | 3位 |
| 「広島 引越し 安い」の検索順位 | 19位 | 5位 |
| 10位以内の引越し関連キーワード数 | 27キーワード | 164キーワード |
| 月間自然検索流入数 | 約1,800件 | 約5,900件 |
| 自然検索経由の月間見積もり依頼数 | 14件 | 43件 |
「引越し+地域名」のビッグキーワードだけを追うのではなく、「単身引越し」「軽トラック引越し」「急な引越し」「引越しと不用品買取」など、I社様の強みと一致する検索ニーズへ対策を広げました。
その結果、単身者向けのキーワードを中心に上位表示が増加。自然検索流入と見積もり依頼の双方が伸び、繁忙期以外にも問い合わせを獲得できるようになりました。
支援前の課題
I社様は、SEO対策に取り組んでいたものの、「引越し+地域名」などの主要キーワードでは検索結果の2〜3ページ目でした。
1ページ目には全国展開する大手引越し会社や比較サイトが多く並んでおり、サイト規模、知名度、外部評価、コンテンツ量の面で正面から戦うには不利な状況でした。
また、I社様は引越しのオプションサービスとして、家電の処分やエアコンの脱着なども行っていましたが、全てを並列で記載していたため
サイト内で何を中心に訴求するのかが曖昧になり、「どのような引越しを得意とする会社なのか?」「なんの会社なのか?」がユーザーにも検索エンジンにも伝わりにくい状態でした。
提案・実施内容
1.大手と同じ「総合引越し」で競わず、単身引越しへ特化
競合調査の結果、「引越し+地域名」のみで大手と正面から競うよりも、I社様が実際に得意とする単身引越しへ軸を絞った方が、上位表示と問い合わせの双方を狙いやすいと判断しました。
I社様は、軽トラックを使ったコンパクトな引越しに対応し、荷物量が少ない一人暮らしのユーザーへ価格を抑えた提案ができます。
そこで、トップページと主要サービスページで「単身引越し専門」を明確に打ち出し、次のような対象を具体化しました。
・初めて一人暮らしをする学生
・就職や転勤で引越す会社員
・単身赴任をする方
・荷物量が少ない近距離引越し
・急な転居が必要になった方
・家具や家電の処分もまとめて依頼したい方
対象を絞ったことで、大手よりも自分に合いそうな会社を探すユーザーへ、I社様の強みが伝わりやすくなりました。
2.単身者が料金と荷物量を判断できるページへ改善
引越し会社を探すユーザーが特に不安を感じるのは、「自分の荷物量でいくらになるのか」という点です。
そこで、単に「格安」と訴求するのではなく、軽トラックに積載できる荷物の具体例、作業員数ごとの基本料金、階段作業の追加費用、市内・県外引越しの所要時間などを掲載しました。
また、電話やLINEで概算見積もりを依頼できる導線を整え、訪問見積もりを依頼する前でも費用感を確認できる構成にしました。
その結果、価格が分からないことによる離脱が少なく、見積もりまで進みやすいページへ改善しています。
3.地域名だけでなく、状況や条件を組み合わせたページを整備
競合サイトが自然検索流入を獲得しているキーワードを分析すると、「単身引越し+地域名」以外にも、ユーザーの状況を含む検索が多数あることが分かりました。
そこで、次のようなキーワードを対象にページやコンテンツを整備しました。
「広島 単身引越し 安い」「広島 軽トラック 単身引越し」「広島 急な単身引越し」「広島 県外 単身引越し」「広島 単身引越し 学生」
地域名だけでなく、対象者、荷物量、価格、時期、付帯サービスを組み合わせることで、比較的競争性が低く、問い合わせに近い検索ニーズを獲得しています。
成果につながった理由
成果につながった最大の理由は、大手引越し会社と同じ土俵で競うことをやめ、I社様だからこそ提供できるサービスへSEOの軸を移したことです。
大手には、対応エリア、車両数、知名度、サイト規模などで優位性があります。
一方でI社様には、単身引越しに適した軽トラック、柔軟な日程対応、見積もりから作業まで同じ担当者が対応する安心感、不用品の買取や家電の用意までまとめて相談できる強みがありました。
その強みを「地域密着」「親切」といった抽象的な言葉だけで終わらせず、料金、荷物量、対応できる作業、利用者像まで具体的にページへ反映しました。
ユーザーが「大手でなくてもよい」のではなく、「自分の引越しなら、単身専門のI社様の方が合っている」と判断できる状態を作ったことが、順位と問い合わせの増加につながりました。
導入経緯
I社様は、引越し事業の集客を強化するため、「引越し SEO」で検索して上位表示されていた複数のSEO会社へお問い合わせされました。
各社から提案を受ける中で、当社は競合サイトの施策を取り入れるのではなく、大手引越し会社とI社様を比較し、どこで差別化できるかを整理し分析を行いました。
その結果、対応エリアや会社規模で大手と正面から競うのではなく、軽トラックを活用した単身引越しや、急な依頼への柔軟な対応、不用品の買取・処分までまとめて依頼できる点を強みとして打ち出す戦略をご提案しました。
「検索順位を上げるための施策だけでなく、自社が選ばれる理由まで理解した提案だった」とご評価いただき、ご契約に至りました。
お客様インタビュー
――今回のSEO支援は、どのような体制で進めたのでしょうか?
I社様:当社、オルグローさん、サイト制作会社さんの3社で打ち合わせをしながら進めました。
SEO会社から改善案をもらい、それを当社が制作会社へ伝える形ではありません。山田さんにも制作会社との打ち合わせへ直接参加してもらい、施策の目的や必要な仕様をその場で共有していただきました。
山田:SEOでは、提案内容が正しくても、実装時に意図が変わってしまうと十分な効果が出ません。
今回は、I社様が引越し事業の方針や実際のお客様について説明し、私たちがSEO要件を整理し、制作会社さんがサイト上で実現する方法を検討する形で進めました。
――3社で進めることになったきっかけを教えてください。
I社様:以前は、SEO会社から届いた資料を制作会社へ渡していました。
ただ、専門用語が多く、当社では内容を正確に説明できません。「これは必ず対応すべきなのか」「デザインを変えても問題ないのか」と制作会社から聞かれても、判断できずに作業が止まることがありました。
山田さんから最初に、「制作会社さんも交えて話した方が早いと思います」と提案してもらいました。
山田:I社様にSEOと制作の間を取り持っていただくと、どうしても負担が大きくなります。
特に今回は、トップページの訴求やサービス構造まで見直す必要があったため、完成した指示書を渡すだけではなく、設計段階から3社で認識を合わせました。
――実際の打ち合わせでは、どのような議論がありましたか?
I社様:最初に話し合ったのは、「引越し会社として何を一番に打ち出すか」でした。
当社としては、引越し、物流、不用品処分、清掃など、対応できることを全部見せたい気持ちがありました。
一方、山田さんからは、何でも対応できる会社として見せるよりも、まず「単身引越しに強い会社」と認識してもらった方が、検索する方にも選ばれやすいと説明されました。
制作会社様:当初は、各サービスを同じ強さでトップページに並べる想定でした。
3社で話し合った結果、単身引越しを中心に置き、不用品処分や清掃は引越し前後の悩みを解決する関連サービスとして見せる構成へ変更しました。
――大手とは異なる戦略を取ることに、不安はありませんでしたか?
I社様:ありました。「引越し」という大きなキーワードを狙わず、単身引越しに絞ってしまってよいのかという不安です。
ただ、山田さんから競合サイトのデータを見せてもらい、大手と同じ内容を増やしても、サイト規模や知名度の差を簡単には埋められないと説明されました。
それよりも、軽トラックでの引越し、急な依頼への対応、不用品の買取や処分など、当社が実際に提供できる強みを深く伝える方が現実的だと納得しました。
山田:対象を狭めるというより、勝ちやすい場所から評価と実績を積み上げる考え方です。
単身引越しを探している方にとって必要な情報を充実させ、その結果として「引越し+地域名」の評価にもつなげる方針を取りました。
――制作会社様とは、実装面でどのような調整を行いましたか?
制作会社様:SEO上必要な要素と、サイトの見やすさをどう両立するかを話し合いました。
たとえば、単身引越しページには料金、荷物量、作業時間、不用品処分、対応地域など、多くの情報を掲載する必要があります。すべてを上から並べるだけでは、ページが長くなりすぎます。
そこで、重要な情報を冒頭に置き、詳細は見出しごとに整理するなど、ユーザーが必要な情報を探しやすいレイアウトにしました。
山田:こちらから「文章を何文字追加してください」とお願いするのではなく、ユーザーがどの順番で情報を確認するかを共有しました。
制作会社さんからデザインや更新方法の提案をいただき、それがSEO上問題ないかを私たちが確認する流れだったため、実装もスムーズでした。
――3社で進めたことで、特に良かったことは何でしょうか?
I社様:伝言ゲームにならなかったことです。
以前は、SEO会社の意図を当社が完全に理解できないまま制作会社へ伝え、完成後に「想定していたものと違う」となることがありました。
今回は、疑問があれば打ち合わせの場で確認できました。制作会社さんから「この仕様では難しい」と言われた場合も、山田さんがその場で代替案を考えてくれました。
制作会社様:SEOの指示をそのまま実装するのではなく、なぜ必要なのかを理解できた点が大きかったです。
目的が分かれば、既存システムの制約を踏まえて別の実現方法を提案できます。公開後の更新も考えた設計にできました。
――施策を進める中で、3社の意見が分かれることはありましたか?
I社様:もちろんありました。
当社はサービスをできるだけ多く見せたい、制作会社さんはページをすっきり見せたい、山田さんは単身引越しの情報を厚くしたい。それぞれ立場が違いますからね。
山田:ただ、どれが正しいかを決めるのではなく、「単身引越しを検討するユーザーが判断しやすいか」という基準に戻すようにしました。
その結果、トップページでは強みを絞って伝え、詳しい情報はサービスページで説明するなど、それぞれの意見を活かした形にまとまりました。
――公開後の運用についても、3社で連携しているのでしょうか?
I社様:はい。順位や流入の変化は山田さんから共有してもらい、修正が必要な箇所は制作会社さんにも入ってもらっています。
また、当社では実際の引越し内容やお客様からよく聞かれる質問を共有し、それを事例やページ改善に反映しています。
山田:SEO会社だけでは、現場でどのような依頼が増えているかまでは分かりません。
I社様の現場情報、制作会社さんの実装力、私たちのSEOデータを組み合わせることで、公開後も改善を続けられる体制になりました。