| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クライアント名 | 騎手育成学校 N社様 |
| 業種 | 学校・専門教育 |
| 事業内容 | 騎手・厩務員・牧場スタッフを目指す生徒への専門教育、競馬学校の受験対策、高校課程、体験合宿 |
| 主な対象 | 騎手や馬に関わる仕事を目指す中学生・高校生とその保護者 |
| 主な課題 | 競争性の高い主要キーワードで順位が伸びず、進路検討段階のユーザーとの検索接点が少なかった |
| 支援内容 | キーワード設計、専門情報メディアの構築、記事企画・制作、学校サイトへの導線改善、内部対策、外部対策 |
N社様は、騎手・厩務員・牧場スタッフなど、馬に関わる仕事を目指す生徒を育成する学校を運営しています。
乗馬技術の指導だけでなく、JRA競馬学校騎手課程の受験対策、体力・運動能力の強化、学科・面接指導、馬の飼育管理など、競馬業界への進路を見据えた教育を提供しています。
高校課程では、高校卒業資格の取得を目指しながら、JRA競馬学校や地方競馬教養センターの騎手課程を受験できる環境を用意。学生寮や牧場を備え、実際に馬と接しながら学べる点も特徴です。学校サイトでは、騎手課程の合格実績、元騎手による指導、受験対策、高校課程、体験合宿などを紹介しています。
一方、SEOでは「競馬学校」「騎手学校」などの主要キーワードを重視していましたが、検索上位には公的機関や大規模な情報サイトが並び、学校サイトだけで直接競うには難易度が高い状況でした。
そこで、学校への入学をすでに検討しているユーザーだけでなく、騎手になる方法や競馬学校について調べ始めた中高生と保護者を集客するため、別ドメインで専門情報メディアを運営しました。
成果
| 指標 | 施策前 | 施策後 |
|---|---|---|
| 10位以内の騎手・競馬学校関連キーワード数 | 21キーワード | 168キーワード |
| メディア経由の月間自然検索流入数 | 約260件 | 約3,400件 |
| サイト全体の月間自然検索流入数 | 約1,100件 | 約4,900件 |
| 記事から体験・説明会ページへの遷移率 | 1.8% | 7.1% |
| 月間の体験参加・入校相談数 | 6件 | 22件 |
「競馬学校」という単一のキーワードだけに依存せず、「騎手になるには」「競馬学校の試験内容」「競馬学校の受験対策」「騎手に向いている人」「騎手を目指せる専門学校」など、進路検討時の疑問に対応する記事を増やしました。
その結果、騎手・競馬学校に関する幅広い検索から流入を獲得できるようになり、体験乗馬や学校見学、入校相談への申し込みも増加しました。
支援前の課題
N社様は、学校サイトの制作や更新、基本的な内部対策を自社で行っており、「競馬学校」「騎手学校」など、
一部の主要キーワードでは検索結果の1ページ目まで順位を上げていましたが、そこから先へ伸ばす方法を特定できていませんでした。
上記キーワードの検索結果にはJRAなどの公的機関や百科事典型サイトが上位に表示されます。
そのため、学校サイトの情報量や被リンクを増やすだけでは、1位・2位を獲得することが難しい状況でした。
サイト内にあるコンテンツは合格実績、受験対策、高校課程、体験合宿など、入学を具体的に検討している人向けの情報が中心で
競馬学校についてや、騎手になるための方法を調べているユーザー向けのコンテンツが無い状態でした。
子ども本人は「騎手になるには何をすればよいか」「競馬学校ではどのような試験を受けるのか」を調べます。
一方、保護者は、受験資格、学費、高校卒業資格、寮生活、卒業後の進路などを確認します。
こうした学校選びより前の検索ニーズに対応するページが少なく、進路を考え始めた段階の中高生や保護者と接点を持てていないことも課題でした。
提案・実施内容
1.進路情報メディアを構築
騎手や厩務員を目指すユーザーに中立的な立場で情報を提供する専門メディアを構築しました。
情報メディアでは、競馬学校と馬の専門学校の違い、騎手になるまでの流れ、受験条件、試験対策、学校比較など、進路を決めるための情報を発信しました。
記事テーマは「競馬学校」という単語だけから考えるのではなく、騎手になるまでの検討過程に沿って設計しました。
主に、次のような情報です。
・騎手になるまでの流れ
・競馬学校の受験資格
・年齢・身長・体重などの条件
・試験内容と合格率
・受験前に準備すべきこと
・乗馬経験は必要か
・騎手に向いている人
・騎手の一日や仕事内容
・女性騎手を目指す方法
・高校卒業の資格が取れるか
このようなテーマで対策することで、「競馬学校」単体で1位を取らなくても、関連する多数のロングテールキーワードから進路検討者を集められるようにしました。
2.保護者が判断するための情報を充実
騎手を目指す本人だけでなく、進学先を決める保護者向けの情報も重視しました。
具体的には、次のような内容です。
・学費や寮費
・高校卒業資格との両立
・学校生活と一日の流れ
・寮生活の環境
・けがや体調管理
・受験に失敗した場合の進路
・厩務員や牧場スタッフなど、騎手以外の仕事
・学校見学や体験入学で確認すべきこと
「子どもが騎手になりたいと言っているが、親として何を確認すればよいか分からない」という不安を解消し、親子で進路を検討できる内容にしました。
3. 一般情報からN社様の実績へつなげる導線を設計
メディアの記事から、いきなり入学申し込みへ誘導するのではなく、ユーザーの検討段階に合わせてペーへの導線を設計しました。
たとえば、競馬学校の受験資格を調べているユーザーには「騎手になるまでの流れ」、試験対策を調べているユーザーには「騎手受験対策」、
進学先を探している保護者には「高校課程」を案内しています。
さらに、学校の合格実績、元騎手による指導、学生寮、牧場に併設された実践環境、体験合宿など、N社様を選ぶ根拠となるページへ誘導しました。
情報収集から学校理解、資料請求、体験入学までを分断せずにつなぐことで、メディア流入を応募へ結びつけました。
成果につながった理由
成果につながった理由は、学校を直接宣伝するページだけを増やすのではなく、騎手を目指す子どもと保護者が進路を決めるまでに必要な情報を、専門メディアとして整理したことです。
「競馬学校」では公的機関を抜けなくても、「試験内容」「受験資格」「身長・体重」「高卒資格」「受験対策」など、周辺の疑問には多数の検索ニーズがあります。
その疑問ごとに入口を作ったことで、学校名をまだ知らないユーザーとも早い段階から接点を持てるようになりました。
さらに、一般的な制度解説の先に、N社様の合格実績、指導環境、高校課程、体験合宿を配置したことで、「騎手になる方法を知るメディア」から「実際に騎手を目指す学校」へ自然に移動できる導線を作れたことが、資料請求や体験入学の増加につながったと思います。
お客様インタビュー
――情報メディアを作ると聞いたとき、どのようなサイトを想像しましたか?
N社様:最初は、競馬学校の受験条件や試験内容をまとめた記事を増やすイメージでした。
ただ、木村さんから「制度を説明するだけでは、公的機関のサイトと変わりません」と言われました。私たちが作る意味を出すには、実際に騎手を目指す生徒を指導してきた経験まで記事に入れる必要があるという話でした。
木村:受験資格や募集内容など、正確な制度情報だけを知りたい場合は、公式サイトを見るのが最も確実です。
一方、検索する子どもや保護者が知りたいのは、条件だけではありません。「今から何を始めればよいのか」「自分にも可能性があるのか」「親としてどこまで支援すべきか」といった、公式情報だけでは判断しにくい部分です。
そこにN社様の指導経験を反映することが、記事の価値になると考えました。
――記事を作る際、最初に決めたことは何でしたか?
木村:誰の疑問に答える記事なのかを、曖昧にしないことです。
「騎手になるには」というテーマでも、検索する人によって知りたい内容は変わります。
騎手を目指す本人であれば、必要な乗馬技術や体力、試験内容が気になります。保護者であれば、学費や寮生活、高校卒業資格、将来の進路まで確認したいはずです。
一つの記事ですべての人へ同じ説明をするのではなく、本人向けと保護者向けの疑問を整理し、それぞれが判断しやすい構成を作りました。
N社様:取材でも「これは本人が気にすることですか、それとも保護者からよく聞かれることですか」と何度も確認されました。
私たちは普段、親子を一緒に相手にしているので、質問を分けて考えたことがあまりなかったんです。整理してみると、同じ進路について考えていても、親子で不安に感じる部分はかなり違いました。
――検索キーワードから、そのまま記事を作ったわけではないのでしょうか?
木村:キーワードは入口として使いましたが、その言葉だけを見て構成を決めたわけではありません。
例えば「競馬学校 身長」と検索する人が、本当に知りたいのは身長の基準だけとは限りません。現在の体格で受験できるのか、今後どの程度成長する可能性があるのか、体重管理は必要なのかなど、複数の不安が隠れています。
そのため、検索結果に書かれている情報を並べるのではなく、検索した人が次に疑問を持つ内容まで想定して記事を作りました。
N社様:木村さんから「この記事を読み終えた人に、何を判断できるようになってほしいですか」と聞かれたことが印象に残っています。
以前は、正しい情報を掲載すれば十分だと思っていました。ただ、正しくても、自分が次に何をすればよいか分からなければ、ユーザーの悩みは解決していないんですよね。
――制作時に、特に難しかった記事はありますか?
N社様:「騎手に向いている人」に関する記事です。
向き不向きを簡単に断定できるものではありませんし、体格や運動能力だけで決まるわけでもありません。
木村:このテーマは、ありがちな特徴を並べるだけでは不十分だと考えました。
そこで、N社様に「技術が高い子」ではなく、「指導を受けながら成長していく子」にどのような共通点があるかを聞きました。
馬の状態を観察する姿勢、失敗した後の切り替え方、日々の生活管理、指導を素直に受け止められるかなど、実際の育成現場で見てきた要素を記事に反映しています。
N社様:完成した記事を読んで、当校がどのような生徒を育てたいのかまで伝わる内容になっていると感じました。
単なる職業紹介ではなく、学校の教育方針も自然に表現されていました。
――記事の品質を保つため、どのような確認を行いましたか?
木村:まず、制度や受験資格などの事実情報と、N社様の指導経験に基づく見解を明確に分けました。
公式に定められている情報は、参照元と更新時期を確認します。一方、指導現場での考え方については、「必ずこうなる」と断定せず、どのような経験からそう考えているのかが伝わるようにしました。
また、専門用語を減らすだけでなく、初めて競馬業界を調べる保護者でも内容を理解できるかを確認しています。
N社様:原稿確認では、間違っている部分を直すだけでなく、「この説明では保護者が別の意味に受け取るかもしれない」といった指摘もしました。
木村さんからも、「業界内では当たり前でも、初めて読む人には説明が足りません」と何度も戻されましたね。
――情報を詳しく出しすぎることへの抵抗はありませんでしたか?
N社様:受験対策や指導内容について、どこまで公開するかは悩みました。
詳しく書けば、学校へ相談しなくてもよいと思われるのではないかという不安もありました。
木村:ただ、進路を決めるうえで必要な情報を曖昧にしたまま、資料請求だけを促しても、信頼にはつながりにくいと考えました。
記事では、一般的に確認できる内容はしっかり説明します。そのうえで、現在の年齢や経験、体格、進学時期によって準備内容が変わる部分を示しました。
情報を途中で隠すのではなく、どこまでは記事で判断でき、どこから個別相談が必要なのかを明確にした形です。
N社様:実際、記事を読んだ保護者からの相談は、以前より具体的になりました。
「騎手になれますか」という漠然とした質問ではなく、「現在は中学1年生で乗馬経験はありません。どの時期から準備すべきですか」といった相談が増えています。
――記事から学校サイトへ誘導する際、意識したことはありますか?
木村:すべての記事から、いきなり入学申し込みへ誘導しないことです。
「騎手になるには」と調べ始めたばかりのユーザーにとって、入学はまだ遠い選択肢です。その段階では、学校の教育内容を詳しく見るより、体験合宿や進路相談の方が行動しやすい場合があります。
そこで、記事ごとに読者の検討段階を考えました。
受験資格を調べている人には受験対策の案内、学校生活を調べている保護者には高校課程や寮生活、乗馬未経験者には体験合宿というように、次に必要となる情報へつないでいます。
――記事を公開した後も改善しているのでしょうか?
木村:公開して終わりではありません。
どの検索キーワードから読まれているか、記事内のどこまで読まれているか、どのページへ移動しているかを確認します。
例えば、記事には流入しているものの学校サイトへ進まない場合、読者の疑問を解消できていない可能性と、次の導線が合っていない可能性の両方があります。
検索順位だけで良し悪しを判断せず、記事が進路検討にどのように使われているかを見ながら改善しました。
N社様:募集内容や受験条件が変わることもあるので、情報の更新も欠かせません。
木村さんから更新が必要な記事を整理してもらい、当校側で確認する流れを作りました。記事数が増えても、古い情報をそのまま残さない体制にできたと思います。
――今回のコンテンツ制作で、最もこだわったことを教えてください。
木村:検索した人が、その記事だけで次の判断へ進める状態を作ることです。
キーワードを含めることや文字数を増やすことよりも、「この記事を読む前と後で、ユーザーが何を判断できるようになったか」を重視しました。
制度の説明だけなら公式サイトがあります。N社様のメディアでは、制度を理解したうえで、自分が何を準備すべきか、どの進路を検討すべきかまで分かることが必要です。
N社様:私たちにとっても、日々の指導で伝えていることを整理する機会になりました。
記事を読んでから相談してくださる方は、学校の考え方や指導内容をある程度理解してくれています。アクセスを集めるだけでなく、入学後のイメージまで持ってもらえる記事を作れたことが、一番大きな成果だと感じています。